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(アカウンティング⑰)行動を評価する ~目的に対する “行動” を評価する

マネジメント2.0では、目的に対する行動の実現性と実行性を評価していく。それは、「目的に向かっている姿は “美しく”、理念やミッションに基づいた行動は “正しい”。」という考えがあるから。美しさと正しさのない会社は、生き残ることはできず、市場から社会から淘汰されていくと考えている。

美しい行動であるかは、「目的までの方向は正しいか」などの目的の実現に向けた行動をしているか(実現性)を確認することで評価できる。
正しい行動であるかは、「理念やミッションに基づいた行動であるか」など掲げた理念やミッションに基づいた行動をしているか(実行性)を確認することで評価できる。

ピーター・ドラッカーは『非営利組織の経営』で、「ミッションの価値は、文章の美しさにあるのではない。正しい行動をもたらすことにある。」と語っている。

ただし、「美しい行動や正しい行動とは何か」という、明確な標準化したものはない。いやむしろ、標準化した基準は要らない。基準が要らないと言ってのではない、最低限の約束事としての基準は必要。要らないのは、横並びの標準化した基準で、相手と比べるための基準。また、経営指標のような基準を設定すると、マネジメント1.0に戻ってしまう。

評価の中で大切なことは、掲げた理念やミッションと照らし合わせ、「正しい行動とは何か」を全員で話し合いながら考えていくこと。答えのない問いについて、その会社なりの答えを社員全員で考えていくこと。

行動基準を一部の人だけつくるのではなく全員でつくることに、大きな意義がある。

このプロセスこそが、会社をマネジメントしていく上で重要になり、文化となって培われていく。例えば、縦軸に行動の美しさを、横軸には行動の正しさを設けて次のように評価していく。

( 行動評価 )
・美しく正しい行動であるなら、問題はない
・正しい行動であるが、美しい行動でない(目的から離れる)なら、目的を問い直す
・美しい行動であるが、正しい行動でない(理念やミッションを実行していない)なら、行動を問い直す
・美しくも正しくもない行動であるなら、目的・理念・ミッションそして会社のあり方の存在価値(意味・意義)まで全てを問い直す

以上のような、評価をしていくプロセスを通して会社をより深く知ることができる。何よりも、曖昧な概念を言語化していくことが、会社にとって唯一無二の価値を創り出していく

なお、評価のプロセスを通して、次の三つの経営課題の解決も可能になる。

( 課題解決 )
・ コミュニケーション問題が解決できる  ← 情報の共有化
・ 経営を見直すことができる       ← 経営の見える化
・ 社員との信頼関係を構築できる     ← コミットメント強化

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