「前を向いていい思い出をポケットにしまおう」|ドラマ感想
これは、以前使っていたブログに当時観ていたドラマ『明日、ママがいない』から感じたことを投稿した文章。読み返して今も大切だと思い、色あせない言葉が散りばめられたドラマだったので、改めてnoteに投稿することに。
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『明日、ママがいない』の第4回も、子どもにとって “何が幸せなのか” を意識しながら観た。相関図はこちらに。
今回の主役は、ボンビちゃん(渡邉このみ)。ボンビちゃんの妄想癖を中心に、「“子どもにとって” 何が幸せなのか」を考えてみた。
ボンビちゃんは、思い出したくない現実から目を背けるために妄想するようになっていた。その思い出したくない現実とは、両親を災害で失ったこと。
何故現実を受け入れないのかは、災害で親の死を見ていないから。見ていないから、いつか迎えにきてくれると思うことで、ボンビちゃんは妄想しながら毎日を過ごしていた。
妄想を言葉に出すことで、気持ちが安らぎ落ち着くので、その妄想は徐々に大きく膨らんでいった。妄想ばかりする子どもを大人はなかなか受け入れようとはしない。
しかし、妄想することで生きていける子どももいることは知っておくべき。妄想するなということは、生きるなということでもあることを。
「何故妄想するのか」「何から目を背けているのか」など耳を傾けないといけない。ボンビちゃんの生い立ちを、叶(木村文乃)がポストちゃん(芦田愛菜)に話した。そしてポストちゃんにお願いをした。
「彼女(ボンビちゃん)を救えるなら救ってほしい」
また別のシーンで叶は、子どもたちについて叶は次のように言っていた。
「本当の親、かりそめの親、親とは呼べないような親でも、子どもたちはまっすぐ愛情を求めている。子どもたちは愛情が何かを知りたがっている。」
叶も悲しい過去を背負っていて、同じような道を歩まないために今子どもを支えている。最後のシーンで、ボンビちゃんを救うために、魔王(三上博史)が一芝居打った。
ボンビちゃんの母親の双子の姉妹がボンビちゃんに母親になって話しかけ、現実を伝えるという芝居を。
ボンビちゃんは、死の事実を受け入れることで、現実(今)を生きることを決意した。叶がポストちゃんに頼んだことを、魔王がした。魔王にも悲しい過去があるからこそ、優しい演出をできたんだと思う。
最後に子どもたち4人の会話が前を向いて生きて行こうとする子どもたちの強さを感じた。
「私たちが忘れるのは嫌なことだけ。前を向いていい思い出はポケットにしまおう」
過剰な演出などいろいろな問題はあるけれど、徐々に子どもたちが自立して生きている姿を見せようとしていると思う。ある意味、よくあるパターンになってはきている。そしてその分、言葉も優しくなってきた。
次回はどのような形で子どもが自立するのかをしっかりと感じていきたい。