統合報告の概要(特徴と意義)|統合報告
統合報告の特徴
統合報告書は、他のコミュニケーション(例えば、財務諸表、サスティナビリティ報告書、アナリストコール、又はウェブサイト)の要約にとどまらないものとして、意図されている。むしろ、統合報告書は、組織がどのように長期にわたり価値を創造するかを伝達するために、情報の結合性を明確にするものである。
(「国際統合報告フレームワーク」より)
一番の特徴は、「統合報告」という名前にある。統合報告は「 Integrated Reporting 」の訳語になる。
統合
言葉から複数のレポートを一つに統合するかのように取られがち、しかし実は違う。“統合”よりも“結合”に近い意味があると考えがある。AかBかのどちらが正しいのかではなく、AとBの調和をはかりつつ、超えたカタチを探していく。
報告
名詞の「Report」ではなく、動詞の「Reporting」であることが大きな特徴。結果ではなく、プロセスに重きを置いている。
統合報告の意義
対内的意義
統合報告の作業プロセスを通して、ビジネスモデルや組織文化など経営の各要素間の関係性から、統合的かつサスティナビリティに経営を見つめ直すことができる。事業活動の意味(事業価値、事業性)が明確になり、理解が浸透していく。結果、事業活動に関わる人たちの“組織へのコミットメント”が強くなる。
対外的意義
事業活動が経営にどのように寄与したかよりも、社会や地球に対する事業活動の責任が問われるようになった。その責任を果たしたかどうかが、事業活動の意義(社会的価値、社会性)になり、意義がわかるように説明すること(説明責任)で“共感の輪(和)”が拡がっていく。
「コミットメントを強くする」「共感の輪(和)を拡げる」という2つの意義を求めることで、ステークホルダーが安心できるコミュニティとしての会社をつくることができる。
そう、統合報告は、組織づくりに大きく貢献することができる。