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ココロにクッションを。|ドラマ感想

これは、以前使っていたブログに当時観ていたドラマ『明日、ママがいない』から感じたことを投稿した文章。読み返して今も大切だと思い、色あせない言葉が散りばめられたドラマだったので、改めてnoteに投稿することに。

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『明日、ママがいない』の第6回は、今まで脇役だったロッカーを通して、人として大切なことを伝えようとした話だった。相関図はこちらに。

始めのシーンで、ドンキちゃん(鈴木梨央)やピア美ちゃん(桜田ひより)、ボンビちゃん(渡邉このみ)が大人から期待や感謝されて嬉しくなっていた。子どもたちにとっては自己肯定感を持った状態ではなかったかと思う。それ故に、後で起こることに対して、子どもたちは不快になった。

その出来事は、ロッカー(三浦翔平)が見知らぬ人を、ドンキちゃんの目の前で、一方的に暴力をふるい、警察沙汰になったこと。

優しいと思っていたロッカーの別の姿をみて、“嫌悪感をもち、避けるように” なった。それは子どもたちだけでなく、叶(木村文乃)もそうだった。ただ一人ロッカーと変わらず接したのは、ポストちゃん(芦田愛菜)だけになった。

ロッカーには魔王(三上博史)しか知らない過去があった。DVを繰り返す父を、母を守るために押したら、棚に頭をぶつけ倒れ、殺したと思って逃げた過去。

母が自分を守るために、刑に服したと思い続けているロッカー。母と別れ際に、何も言わないようにと言われ、それ以降言葉を発することをやめたロッカー。ロッカーが人を殴ったのは、妻を殴る夫をみて父を思い出したから。

その事実を、ただ一人ロッカーを受け止めるポストちゃんだけには話す魔王。事実は、ロッカーが立ち去った後に意識を取り戻し、ロッカーを殺そうとする父を母がロッカーを守るために殺した。

なぜ魔王が知っていたか、それは元刑事だったから。そのロッカーの母も今は病気で残りわずかな命。病室で魔王とポストが見守る中、意識を取り戻した母に会いにロッカーが現れた。母は、ロッカーの事実をすべて話した。

“殺した” 自分を守るために刑に服したと思っていた優しい母親
本当は、人を “殺した” のはその優しいと思っていた母親

事実を知り立ち去るロッカーを見ながら、館長はポストちゃんに尋ねた。

「事実を知ることが果たしてよかったのか。」

ロッカーを追いかけるポストちゃんに、ロッカーは心の声を叫んだ。それはロッカーが喋らなくなって初めて聞く魂(アニマ)だった。

そのロッカーをココロから受け止めて、優しく言葉をかけるポストちゃん。

「許して神様、ロッカーはまた勘違いしようとしている」

そしてママはきっとこういうだろうとロッカーに優しく語りかけた。

「神様、どうか私の息子をお守りください」
「一人ぼっちになってしまう息子を、わたしの息子をお守りください」
「母は自分の人生を投げ捨ててまで子どもをかばった」
「自由にするためにかばった」

その後、ロッカーはポストちゃんと一緒に病室に戻ると母は既に亡くなっていた。母にいろいろなものから自由に本当になれたロッカーは優しく語りかけた。「ごめんね」、そして「ありがとう」と。

園では、子どもたちがロッカーを追い出そうとしていた。そんな子どもたちに魔王は事実とどんな人になって欲しいかを語りかけ始めた。

「相手をココロのクッション(情緒)で受け止められる人になってほしい」と。

さらに語りかけた。

「可哀そうだと思う奴こそ可哀そう」
「偽善者になるな」
「つまらない大人になるな」
「つまらない人間になるな」

クッションを持ってからでないと園から出さないという魔王。魔王は子どもたちに最後に語りかけた。

「一度ココロで受け止めるクッションをその胸に持ちなさい」
「傷つけられたのではなく、ココロを磨かれた」

その話を子どもたちは、ココロのクッションで受け止めて聴いていた。
ロッカーの優しさに触れてクッションを取り戻す子どもたち。
このシーンには何故か涙が止まらなかった。

ロッカーを疑った叶が、ロッカーを信じつづけたポストちゃんに尋ねた。

「なぜロッカーを一度も疑わずに信じたの?」
「ロッカーはロッカーだから」

母親を荼毘にするロッカーの手を、優しく握るポストちゃんとそれをみてロッカーのもう片方の手を優しく握る叶。

最後のシーンは、ロッカーに謝る子どもたちと、子どもたちを受け止めるロッカー。

気になるのはドンキちゃん。ロッカーを拒絶した自分を拒絶しようとしている気がなぜかした。それ以上にたくさんのクッションをもつ、感受性が強いポストちゃんが気になる。小さな体で抱えきれないクッションをもつポストちゃんから、ココロが溢れ出ないか。

確かに最後までみてば、このドラマで何を伝えようとしているかわかる。しかし、一端ココロのバイアスを持った人が、このドラマを受け止めるクッションをもっているだろうか。

残りの回は、ポストちゃんの目を通して、何かを訴えようとしているかを受け止めたい。

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