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「松谷卓さんと一緒にコンサートをする事になりました」…って、えっ?

タイトルのとおりです。
タイトルのとおりなんですが、こんなタイトルの文章を書くなんて、全く想像していませんでした。

トントン拍子もいいところ。まるで「一緒にカラオケに行きましょうよ」ってお誘いしたら「いいねー!」って言われちゃったくらいの感じ。え、いいんですか??

松谷さんは作曲家/ピアニストで、もしお名前が分からなくても「劇的ビフォーアフター」という番組の曲も手がけられてます…と言えば、あの音楽か!とピンと来る方も多いのではないでしょうか。
生きているとこんな事もあるんですねぇ、と思います。
ここで是非僕の昔話を、ちょっとだけ聞いてほしいです。
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僕は昔、とあるリゾートホテルで働いていました。そのホテルで事務の仕事をしてる時期に、軽い気持ちで動画投稿をしたことにより「事務員G」としての活動が始まったんですが、そのホテルに就職するよりももっと前の話です。

いくつかのアルバイトを経て、僕はバーでピアノを弾く仕事をしていたんだけど、そんなある日、バーカウンターに座るダンディな男性に「君はこれで食べてるの?」と聞かれた。「はい、だけど、明日何をするのかも決まってなくて」と言うと彼は名刺を出し「私は近くにあるホテルの者だ。仕事がないなら、君、うちの会社(ホテル)でプールの監視員をやらないか」と言ってきた。夏場限定のアルバイトをさがしていたようだ。

音大受験をサボって喫茶店でコーヒーを飲むという、どちゃくそパンクなことをした代償はそれなりに大きかったわけで、この記事でも少しだけ触れてるけど僕は「いくつかのアルバイトを」やる事になりました。
その中の一つが「消火器点検」のアルバイトです。
知り合いが紹介してくれた仕事で、車に大量の消火器を乗っけて指定された物件に行き、消火器の使用期限をチェックするという地味なもの。
なかなか良いお金がもらえるアルバイトだったんだけど、チェックする物件はほとんどが茨城県にあったので、はっきり行って南房総に居た僕にとっては遠かったんです。
というわけで埼玉県に家を借りました。これが僕の初めての一人暮らし。
(茨城の仕事なのに、なぜ埼玉に?→ 確かレオパレスのキャンペーンでめちゃくちゃ安い物件がそこにあったから…だったかと。仕事の多かった茨城の守谷・取手・古河とかに近い方の埼玉県内ってこと。)

その頃絶賛放送中だった「劇的ビフォーアフター」はいつも楽しみにしている番組で、その挿入曲である「Inscrutable Buttle」はものすごいインパクトのある曲でした。
変拍子で、テクニカルで、本当にかっこいい。是非弾いてみたい…と譜面が売っていないか調べたのですが、残念ながら当時は無く。当時の僕には作譜する能力もないので諦めていたところ「月刊エレクトーン」という雑誌に「Inscrutable Buttle」が掲載されたという情報を手にしたのです。
その情報を手にしたのが、まさにその埼玉の杉戸町というところに借りていたアパートでだったんですよね。
正直土地勘も薄く、どこに行けばそれが買えるのかも分からなかったから、とりあえず次の日に春日部市に行っていくつかの本屋をまわり、ついに春日部市内のヤマハで「月刊エレクトーン」を入手することができました。
すごく嬉しかったのを覚えています。

しかし、この「月刊エレクトーン」に掲載された「Inscrutable Buttle」は、アレンジされて短くなっているバージョンでした。紙面が限られているのでしょうがないのですが、僕はますます「完全版」の「Inscrutable Buttle」の譜面が欲しくなってしまいました。
前述のとおり僕には譜面を作る能力などありませんでしたから、自然消滅的に「この曲の完全版の譜面を手に入れる」という夢は忘れられていったのです。
しかし、その8年後。
物語が再度、急激に動き出すことになりました。

いま思い返してみると、この「完全版 Inscrutable Buttle」の譜面が欲しい!という10代の頃の自分の気持ちを覚えているからこそ、今も月刊Pianoなどで「ピアノの譜面を作る」というお仕事を大切に思えているのだと思っています。
弾きたいけど、どうにも弾くことができない。
複雑な曲でも、ピアノで弾けるようにするというこの仕事は、その頃の僕を救っているような気もしているくらいです。

その8年間の間に、僕はホテルに就職し、休みの日に動画を投稿したことで事務員Gになり、やがて東京で過ごすことが多くなり、6年以上働いたホテルを辞めて東京に出てきています。
歌い手さんのサポート演奏をしてライブを作ったり、日曜日の夜に必ず演奏配信をすることにしたり。少しずつ「ネットと音楽が結びついていく」様子を目の当たりにして、めちゃくちゃ活発に動いてた頃です。

新しい動画を作ろうと、常に新しいアイデアを考えていた僕は「こんな画面の動画を作りたい」と思い始めます。
「この曲の動画を作りたい」から始まったわけではなく「こんな画面の動画を作りたい」というところから始まりました。

当時これを描いたノートは多分実家に…

「ピアノの鍵盤を縦に撮影して撮る2台ピアノ」を思い浮かべながら、何の曲を演奏するか… その時、ふっと思い出したのが、そう。
8年前に「譜面が作れない」と諦めていた、夢だったあの曲だったんです。

バンドに配った譜面は手書きでした

日頃の活動がバンド中心になってきていましたので、あの頃に比べ耳コピも格段に出来るようになっていました。僕の弾く部分と、まらしぃ君に弾いてもらう部分とを譜面にして片方を渡し、今はなき「旧サウンドクルースタジオ」のCスタジオを借りて撮ったことで完成したのが「Inscrutable Buttle」のカバー動画です。

いまでもたまに、お酒を呑みながらこの動画のコメントを眺めたりするくらいお気に入りの動画になりましたね。
おかげさまでこの動画は皆さんからの好評を、とても沢山頂きました。

「僕、学園祭でこの動画のカバーをしたんですよ」
以前、角野隼斗(かてぃん)君のラジオに出演させていただいた際も、この動画の話を自然に彼から振ってくれたのは嬉しかったです。

そうそう。あの動画を投稿した8日後、なんとこの曲を作曲されたご本人からTwitterでリプライを頂いたのにも飛び上がるほど驚きました。

長い期間ずっとやってみたかったことがついに叶い、本家本元の松谷さんからのリプライに喜び、僕は「この世界はなんて楽しいものなんだろう」と思うと同時に。
僕たちの世界をより楽しいものに出来るように、ずっとずっと頑張っていきたいなと思わされる出来事が僕に起きていたわけです。

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さて。
序盤に書いた
『こんなタイトルの文章を書くなんて、全く想像していませんでした。』というもの。
どのくらい「全く想像していなかったか」が、この長い説明でお分かりいただけませんでしょうか。

本当にひょんなキッカケで松谷さんとお話することになり、その流れで「ちょっとコンサートでも企画してみる?」という話になり、あわてて探して見つけたホールで僕は憧れの方と一緒にコンサートをすることになりました。

「事務員G&松谷卓 Special Concert with Piano & Strings」
4月23日(日)
渋谷さくらホール(渋谷区文化総合センター大和田)
5000円(税別) 全席指定
※4月1日(土)10:00より一般発売開始
開場16:00  開演17:00 (2H程度予定)

松谷さんはご自身の楽曲を中心に。
僕は今までに影響を受けた映画の曲などを中心に。
発表から開催まで時間が無いイベントになり恐縮ですが、ピアノとストリングスで、春にふさわしく、美しい形で演奏したいと思っています。
もしご都合よろしければ、おいでいただけますと幸いです。

どうぞ、よろしくお願いいたします。
(おーい、昔の俺見てるー?見てるー?)

サポートをいただけましたら なるべく自分の言葉でメッセージをお返ししようと思います。 よろしくお願いいたします。うれしいです!