王子様のライバル〜メイセイオペラ
今日はアブクマポーロのライバル馬のことを書きたいと思います。
その馬とは水沢競馬(岩手県)所属のメイセイオペラ、つまりこの馬もポーロ様と同じく中央競馬ではなく地方馬です。
そして、ポーロ様もイケメンですがこの馬(以降オペラくんと表記)もかなりのイケメンです。
イメージとしては麻雀プロに例えると(Mリーガー限定)
ポーロ様は…
ズバリこの人でしょう!Mリーガーきってのイケメン
滝沢和典プロ
オペラくんは…
ズバリこの人でしょう!Mリーガーきっての甘いマスクの
内川幸太郎プロ
あ、もちろん私の勝手なイメージですw
前回の日記で1998年は9戦8勝だったポーロ様に唯一土をつけたのがオペラくんだと書きましたが、それは盛岡競馬場で行われた地方・中央馬交流G1南部杯でした。
距離は1600m、実はポーロ様は1600mは「守備範囲」ではありますが得意なのは2000m〜2400m、一方、オペラくんは得意なのが1600mで、2000mは「守備範囲」つまりオペラくんにとって一番得意な距離、ポーロ様にとってはあまり得意ではない距離。
でもいくら条件が揃っていたとは言え、あの絶好調時のポーロ様に勝つなんてハンパなく強い!
最初負けたと聞いた時はショックでしたが「ああ、ポーロ様に勝つなんて本当に強いんだなぁ…大したもんだよ」と素直に心から思いました。
そう、対戦相手にリスペクトですよ!
これも前回の日記で書きましたが、次の対戦は年末の大井競馬場での東京大賞典(2000m)
なんとこの時指定席を買おうと列に並んでいたら大型バスが停まり、中から東北弁をしゃべる人達が集団で降りて来たんです!
バスのツアー名を見ると「岩手の雄、メイセイオペラを応援する会」
なるほど!オペラくんを応援するためにバスをチャーターして東京まで来たのか、すごく地元のファンに愛されてる馬だなぁと思ったのを覚えてます。
結果はポーロ様が勝ち、オペラくんは2着、そして3着には大井所属のコンサートボーイが入り地方馬ワンツースリー!中央馬をすべてなぎ倒しました。
年は明け、1月31日、東京競馬場で行われるダートのG1フェブラリーS(1600m、地方馬ももちろん出走可)にオペラくんが出走表明、ポーロ様はその3日後、2月3日に川崎競馬場で行われる地方・中央交流G1川崎記念(2100m)に出走表明!
おお!2頭にとってベストな距離、たった3日間で地方馬が中央馬をなぎ倒すのが2回も見られるのかヽ(´▽`)/
テンション上がりまくりの私w
ポーロ様の川崎記念はもちろん行くけどオペラくんの勇姿も見たいなぁ、東京競馬場はしょっちゅう行ってるし…
あれ…?1月31日って…
前の旦那と入籍する日で私長野に行くんだったよ…
うわー!残念…(そこ何故、遠距離恋愛の末やっと入籍できるのに残念がるんだ私w)
それはさておき、当時私は新宿の金券ショップで働いていて常連客とよく競馬の話をしていたんですが、フェブラリーSの数日前に何人かのお客さんから予想を聞かれたので
「メイセイオペラ本命です!アタマから買えますよ、間違いなく勝ちます」
と言うとお客さん全員が
「はぁ?地方馬が中央のG1勝てるわけないだろ、今まで勝ったことないし、第一メイセイオペラはこないだ東京大賞典でアブクマポーロに負けたじゃんwそれなのに中央馬に勝てるわけないだろ」
「今回は距離が1600mです、メイセイオペラの得意な距離で現に南部杯ではポーロ様に勝ってます」
「そもそもアブクマポーロだって大して強くないだろw」
私は心の中で
「フッ、これだから中央馬至上主義の人達は困るのよ、地方馬にも本当に強い馬がいるって知らないのね、おかわいそうだこと、オホホホホ( ̄▽ ̄)」
とほくそ笑み、こう言い放ちました。
「ま、当てたくないならメイセイオペラ切ればいいんじゃないですか?切ったら外しますよ」
「ふーん、偉い自信だな、まぁ、フェブラリーS終わってからここに来るのが楽しみだな( ̄▽ ̄)」
「ええ、自信満々ですよ」
そして1月31日フェブラリーS
メイセイオペラは4番人気…
ずいぶん舐められたもんだな…
その分単勝つくからま、いいか( ̄▽ ̄)
結果は…
9番の馬にご注目ください!
圧勝ヽ(´▽`)/
ワショーーーイ!!!
その3日後、2月3日川崎記念
ポーロ様、もちろん圧倒的1番人気
10番の馬にご注目ください!(私もどこかにいますがもちろんここには映ってません)
こっちも圧勝ヽ(´▽`)/ワショーーーイ!!!
なんでもオペラくんとポーロ様はゴール板を先頭で駆け抜けた瞬間こう言ったとか言わないとか…
御無礼!中央馬はこれでトビですな!
そして負けた中央馬達は…
お前ら御無礼って言うんなら勝たなきゃいいじゃん( ;∀;)
と言ったとか言わないとかw
そしてオペラくんとポーロ様は賞金をガッツリ受け取り、蹄鉄をコツ…コツ…コツ…と鳴らして馬運車に乗り込んだのであった(まさにむこうぶちのラストの場面まんまで表現してみましたw)
で、1月31日の私ですが、長野で前の旦那と役所で入籍を済ませ、ラジオの実況でフェブラリーSを聴いてました。
オペラくんが勝った瞬間、涙が…
前の旦那は「俺と入籍した瞬間は泣かなかったのに( ;∀;)しかもアブクマポーロならいざ知らずそのライバルのメイセイオペラが勝って泣いてるんかーい!」
と思ったとか思わなかったとか…多分思ったなw
だって中央のG1を地方馬が初めて勝ったんですよ、しかも今でもそれはメイセイオペラだけがやり遂げた記録ですから!(オグリキャップやイナリワンは中央競馬に移籍後に勝ったのであくまでも地方所属のままというのはあの馬だけです)
そして、金券ショップに出勤すると例のお客さん全員が
「すまん、俺が悪かった!」
と私にひれ伏したのであったw
そして、ポーロ様はダイオライト記念を勝った後、脚を負傷して引退、6月の帝王賞(2000m)にももちろんいない…
でもオペラくんはいました!
そして見事勝つのです( ;∀;)
「まだまだポーロがいなくても地方馬は中央馬をなぎ倒すぜ!」
と言っているようで嬉しかった…
「アブクマポーロがいなかったから勝てた」という人もいますが私は「実力で勝った、本当にまた強くなった」と思っています。
年が明け、また東京競馬場でフェブラリーSが行われる…
おっ?前の旦那がフェブラリーSの2日前まで中国に出張で、しかもフェブラリーSの次の日まで休みだって( ̄▽ ̄)
当然、東京で待ち合わせして一泊して東京競馬場行きましたよw
残念ながらオペラくんは4着になってしまいましたが、1998年大井競馬場での東京大賞典以来1年ぶりに生で見られて嬉しかったなぁ。
その後、数戦してオペラくんは屈腱炎を発症、引退して北海道で種牡馬になりました。
ということは…
はい、もちろんポーロ様に会いに行った時、オペラくんにも会いましたよ、しかも同じ日に。
移動の関係で先にオペラくんがいる牧場へ。
おっ!ちょうど柵の近くに立ってる。
私は目の前に立ち
「久しぶり!ポーロ様と一緒のレースの時いつもパドックの最前列にいたんだけど私のこと見覚えある?」
オペラくんはじっと私の顔を見てました。
「ああ、アブクマポーロのストーカーか!覚えてるよ、俺にも会いに来るとは感心感心!」
と思ってくれたのかなw
そして私はこう言いました。
「これからアブクマポーロに会うんだけどなんか伝えることある?」
その瞬間、オペラくんは急に走り出し、たてがみと尻尾をなびかせながら柵のまわりをくるくる回り出したのです!
見ていた他の見学客もその美しい走り姿に
「おお…」
と見惚れていました。
不思議ですね、私の言ったことわかったのかしら?
「そっか!『また走ろうね』って伝えておけばいいんだね、伝えとくね」
と言って私達はその場を後にしました。
そしてそれがオペラくんの姿を見る最後となりました…
オペラくんはその数年後、韓国でデビューさせた彼の産駒達が大活躍したということで熱いオファーを受け韓国へ。
2016年、オペラくんは種牡馬を引退、それに伴い日本に帰国することになり、受け入れ先の牧場も決まっていると旦那から聞かされました。
「じゃまたポーロ様にもオペラくんにも会えるね!他にも会いたい馬お互いたくさんいるし、それまでに我が家を経済的に安定させようね」
と話していたのですが…
帰国直前の7月1日、心不全により韓国で死亡 22歳
この時も泣きましたよ、韓国で死亡したということは当然お墓は日本にないでしょうから。
ところが岩手のファンの方々が水沢競馬場に記念碑を建てたそうです。
本当に愛されてる馬だったんですね。
今はまた中央馬全盛になっていますがまたこんな強い地方馬達が出てきてくれることを祈ってます!
今頃ポーロ様と天国で一緒に走っているのかな!