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2/5 雪が降る 冷たくなる 心が沸く
ケヤキの枯れ枝の向こう。遠くのマンションの灯が綺麗だと思った。今ままでも感じていたはずなのに、初めて言葉にしたような気がする。今日は雪予報。どんな雪が降るのか。どのぐらい白いのか。
お昼頃、友達からのLINEで窓の外を見る。確かに雪が降っていた。だけど水分が多そうな雪だった。もっとふわふわとした雪を期待している。このままの雪だったら悲しい。天気予報を読む限りでは、もっとやわらかい雪になりそうだが。
不安はすぐに消えた。はっきりと白い粒が見える。空からやわらい雪が降っている。窓の外を舞っている。
夕方前。雪の日に合いそうな音楽をかけてみる。そのころには外はますます白くなっていた。
日が暮れてきて、外はグレーからネイビーに変わってきた。今日何度目だろうか。外を見る。街灯がついている。
雪の中の街灯の灯は、より寂しくていいなと思う。その下まで行ってみたくなった。
日も暮れて少しだけ外に出てみる。少しだから傘はささない。パーカーのフードを被る。
階段の踊り場から体を乗り出して、景色を眺めてみる。寒さは気にならなかった。そのまま階段を降りていく。
雪の上を歩く。雪が徐々にすり潰されて、足跡になっていく音。一年で数日しか聞かない音。外に出ると、自分がしっかりと雪の中にいるように感じる。
何枚か写真を撮る。街灯の前を白い線が通っている。少しの時間だったけど、しっかり雪に濡れていた。
結局今までと変わらなかった。今日一日雪にうかれていた。雪国に住まないことには、一生うかれると思う。インスタのストーリーもいっぱい投稿した。うかれていると思われているかもしれない。でも雪よりも早く、明日には消えてしまうので、まあいいでしょう。
そばを茹でる。卵焼きを作る。クラシックをかける。シガーロスをかける。ラーシュダニエルソンをかける。
外が光ったような気がする。なんだったんだろう。少しして雷だったことを知る。
また光った。雪よりも白い雷。ドーンという衝撃ではなく、ゴロゴロと長く転がっている。