終わりの始まり、コロナ後の秋葉原
前回、秋葉原がオフィス街化してきたという内容で書かせて頂いたが、ついに来るべきものが来てしまった…
ジャンク通りに飲み屋ができる。
ついに来ましたね。酒飲むだけならコンカフェが幾らでもあるだろと言われてしまいそうだが、今回出店するのは所謂「赤提灯系」の店で明確に女ではなく酒の店である。
それも昭和通りエリアに2店舗を構える「やきとん元気」である。新店はどうなるかまだ分からないが喫煙可の本格的労働者向け居酒屋だ。
本格的にサラリーマンを狙った店がジャンク通り(というか部品屋街)に現れたということで、いよいよ秋葉原は新宿西口のような「オフィスと居酒屋」の間に電気が挟まる街への変化が始まったと言ってよいだろう。
これも何度も言っていることだが、あとは労働者向けの飲食店がこちら側に出店されることを願うばかりだ…カムバック松屋。
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さて、その一方で中央通りには外国人観光客の姿が戻ってきた。
といっても爆買いと思しき風景はコロナ以前ほど目立たず(中国人の一部が未だにやってるくらい)、GAIJINと言いがちな人種の観光客が日本でしかできない歩き飲みをしているのが大半だ。
少しでも腰掛けられるところがあれば座り込んで酒を飲んでいる。それもよりによってストロング系が多く、それはKOOLな日本文化ではなくそれは限界飲酒勢のスタイルだぞと訂正してやりたくなる。
またこの傾向は邦人にも目立ってきており、休日にはパッとしない中年男性や見た目だけ歌舞いた若者が酒を片手にイキっている。一体誰に対してのポーズなのかは分からないが、そろってしたり顔である。
立ち並ぶメイドの客引きに混じって「休日の秋葉原」の風景そのものとして定着した感があるが、それはまさしく歌舞伎町を昼に写したようである。
ただ確実なのは彼らが歌舞伎町ではイキれないことだ。
だが、そんな彼らの残滓であるところの空き缶すらホームレスの収入となり街は巡る。ここは資本主義の底(ボトムズ)秋葉原、ゴミすら金になる。
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じゃあ今この街に何があるのか?
…トレカ
そうトレカ屋だ。ガンプラが下火になるにつれ増えたというか増えすぎだ。トレカ屋無い路地を探す方が困難という有様だ。
ガンプラほど場所を取らないためかガンプラ屋の業態変更以外にも狭い空テナントが瞬く間にトレカ屋になってしまった。
ガンプラで懲りなかったのか、最大瞬間風速に乗れさえすれば一応は儲かるのだろうか。
ジャンクPC、ケータイ、マジコン…時流に乗ったとてこの街で長く残った者はそうそういない。この記事を読み返すころには殆どが姿を消していることだろう。
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ジャンク屋もだいぶ綺麗な店ばかりになってしまい面白い店がまるで無い。
強いて動きがあったとすれば軍拡交差点のPX41(エアガン屋)が向かい側のタムタムのB1Fに入った(移った)事だろうか。
常に防弾チョッキを仕込んでいる体型のオタクや職質待ったなしファッションのミリオタの姿は見当たらず、高級感ある内装の店内で陰の者とは言い難い男女が店員の説明を聞きながら買い物をしている。
さながらディーラーで新車を選ぶかのような光景で「時代は変わった、オールドタイプは失せろ」と言われているのをひしひしと感じる。
もはや「秋葉原」が「ただの繁華街」になったのではなく大半の趣味が広く一般に開かれて、オタクのメッカ的な性格を内包することができなくなったと解する方が妥当なのかもしれない。
「私が出てく前にネタが出てこない街になるのでは?」という一抹の不安を抱えながらこの記事を書かせて頂いた。
※2023/09/04_AKIBA PC Hotline!さんの関連記事の埋め込みを追加、ヘッダ画像を追加