【コント】Myスーパーマリオ
舞台設定
自宅の一室、思い詰めた様子の息子が母親に問い詰める
コント
息子:母さん
母親:どうしたの?
息子:今日、友達の家でスーパーマリオをやったんだ…………
母親:ッ!?
息子:そこで僕ははじめて気付いたよ!
母親:…………
息子:僕が今まで遊んでいたのは、
本当はスーパーマリオじゃなかったんだって!!
母親:…………とうとう知ってしまったのね…………
息子:おかしいとは思ってたんだよ。
どう見ても、生の人間だったし…………
母親:そう。なら隠しても仕方ないわね。
あなたが今までマリオだと思っていたもの、それは…………
息子:…………
母親:あなたのお父さん…………の部下なのッ!!
息子:そんなことだと思った!!
母親:庭に作った特設ステージで!!
自分の部下に!!
マリオの扮装をさせて!!
息子に遊ばせていたの!!
息子:どうりで全ての操作に、
2コンのマイクしか使わなかったわけだね!!
母親:あなたのマリオへの指示、的確だったわよ!
息子:友達の家で大恥をかいたよ!!
まず2コンという存在を、誰ひとり知らなかったよ!!
母親:忘れなさい!友達の家で遊んだマリオの事は忘れなさい!
息子:何を言うんだよ!
母親:あんなのは平民の遊び!
我々、上級国民には上級国民の遊び方があるの!
息子:それが、部下にマリオの格好をさせて、
無理矢理崖を飛ばせて、無様に落ちていく様を見せることなの!?
母親:それ以外に何がありますか?
息子:逆に問われた!!
母親:ボタンを押せば、ジャンプするように出来ているものを
ボタンを押して、ジャンプさせて何が楽しいのですか?
息子:ッ!?
母親:あなたは、マリオに何をさせましたか?
息子:崖から崖へと、飛べと命じて、飛ばしました
母親:イヤだと泣きわめく成人男性に対してね?他には?
息子:地面に落ちているキノコを、食えと言って、食わしました
母親:生のままね。他には?
息子:割れるまで、ブロックに頭突きをさせました
母親:頭が先に割れても続けさせましたね
息子:僕はなんてことをーーーッ!!
母親:あなたは将来、会社を継ぎ人の上に立つ人間です
他人を思うままに操れなくてどうするのです?
息子:い、イカれた一族だ!!
母親:ほら、入院中のマリオさんに変わって、実の弟のルイージさんが
ステージでスタンバイしてますよ?
息子:ひぃ!ルイージの僕を見る目が怖い!!
母親:さあ、2コンです。指示するのです
息子:やだ!やだ!
母親:さあ!さあ!
息子:ぼ、僕を見るな!僕を見るなぁーーッ!!
母親:ルイージさんは、まだあなたを見ていますよ?
息子:見るな!見るなって言ってるんだ!
母親:…………
息子:と、とべぇーーーーーッ!!
(ひゅーーーん)
母親:最後まであなたを見ながら、崖を落ちていきましたね?
息子:はぁ…………はぁ…………
母親:…………
息子:母さん…………
母親:なんですか?
息子:これ、真実を知ってからの方が楽しい!
母親:ええ♪
――――END――――(【コント】Myスーパーマリオ)
あとがき
ふと頭に浮かんだワンアイデアから、ゆるっとコントを書いてみました
お金がなくてゲームが買ってあげられなくて、っていうシチュエーションの哀愁漂うコントは結構定番な気がするんですけども
それを、お金があるが故に…………っていう風に発想を変えてみました
「僕が○○だと思っていたものは、本当は○○だったんだ!」
っていう台詞を使いたくて書いたコントですけど
なんか、まだ他にも出来そうな気がするので、ちょっと探ってみたいと思っています