
ポイズンファット
そいつはかつて生物兵器として導入された。
人の顔をしているが、手足はやたら細いのに腹はまるでボールのように膨らんでいる。
ポイズンファットと呼ばれるそれは人に近づき腹を破裂させ毒を撒き散らし、毒を浴びたものは体が瞬時に溶けてしまう。
なぜこんな不気味で危険な生き物を作ろうと思ったのか。
これを生み出した国の王の趣味と言うものもいれば、敵兵に恐怖を与える名目で生み出したのではないかと考えるものもいる。
厄介な事に、ポイズンファットは同種族同士が近づいても自爆しない。
逆にいえば、人間が一定の距離まで近づかなければ問題はない。
しかし構造は人間と同等なため、気がつけば奴らは自然界で数を増やし始めたのだ。
これ以上増やさない為にも、我々科学者達がなんとかせねばなるまい。
私が仕事前にテレビをみていると、とあるニュースが流れた。
「昨日、動画配信者の男がポイズンファットに近づき毒を浴びて死亡した事故が発生しました。
男は動画の生配信でポイズンファットと仲良くしようという内容で配信していたところポイズンファットの毒を浴びたとの事です。
危険性が認められたにもかかわらず、若者の間でこのようなチャレンジが頻繁に行われており、、、。」
馬鹿も増える一方だ。
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