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〈シン・エヴァ公開1周年〉庵野監督の『エヴァンゲリオン』に関するQ&A全49問まとめ

どうも!じきどらむです!

先日『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開されてから1年が経過したことを記念して同時鑑賞とティーチインイベントが行われました。

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この番組ではファンから募集された質問に対して、庵野秀明総監督をはじめ、映画制作に関わったスタッフらが回答しました。

という訳で今回は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に関する庵野秀明総監督のQ&Aをまとめていきます。最後まで宜しくお願い致します!


49問のQ&A

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Q:庵野さんは、実際初号機に乗れと言われたら乗りますか?
A:乗りません。


Q:劇中でマリが口ずさむ歌の選曲はどなたが?(どれも、昭和な薫りがする歌だと思うのですが)
A:選曲は自分です。歌詞とそのシーンのテーマが多少重なる様に選んでいます。

Q:(一部省略)シンエヴァのアバンでリツコ達が着ていたプラグスーツの足元に文言のデザインがあり磁石でくっついているように見えたのですが、あれは封印柱作業用の特注なんでしょうか?
A:はい。そのつもりで描いています。

Q:天竜二俣駅が第3村のイメージになった経緯を教えてください。どなたが天浜線をご存知だったのでしようか?
A:スタッフの平松禎史氏のお薦めです。

Q:シンジが見るコンテナは赤ウルトラマン、緑仮面ライダーで3つ目のコンテナが空なのは3作目が未定だから?
A:その様な解釈は初めて知りました。赤と緑の色分けは自分の指示ではないのでよくわかりませんが、多分違うと思います

Q:エヴァ作品は名前に深い意味があるキャラが多いですが、鈴原家の「ツバメ」に何か由来はありますか?
A:特別急行列車です。

Q:トウジの娘であるツバメのアフレコはどのようにして行われたのでしょうか。
A:スタッフの娘さんの音声を気長に待ちながら収録しています。

Q:Aパートの脚本が丸々書き換えられたとドキュメンタリーで拝見しましたが、その前の脚本はどの様なもの?
A:テーマやキャラクターが上手く伝わりづらいものでした。なので、スタッフからの意見をもとに制作スケジュールの範囲内に合わせた内容変更をしています。プリヴィズとしてCG等による映像を事前に作成していたからこそ可能な事でした。

Q:田植えのシーンで一番意識したことはなんですか?
A:記号化されたアニメーションの表現で、田植えをしているように観客が感じられる描写にすることです。

Q:まだ誰も見つけて居ないような小ネタなどはシンエヴァ内に隠されていますでしょうか。あるかないか?
A:第3村の共同風呂の名前の由来はまだ気づかれていないみたいです。

Q:アスカがシンジにレーションを食べさせるシーンは当初、アスカはパーカー姿だったと伺いました。プラグスーツに変えたのは何故?
A:パーカー姿だと作画があまりに大変過ぎるからです。

Q:アスカはゲームをいつもプレイしていますが、なぜワンダースワンなのでしょうか?
A:鶴巻監督らのこだわりと聞いています。

Q:Aパートは絵コンテ無しで苦労して作ったようですがこの方法を試し良い作品になったと思いますか
A:良かったと思います。この制作方法をシン・エヴァで試していなかったらAパートは完成作品よりもかなり退屈でつまらない映像になっていたと思います。

Q:マリは奥さんの安野モヨコさんがモデルというのは本当?
A:マリのモデルが妻だと解釈した文章や動画等を散見しますが、それは一部の人の解釈・憶測にすぎません。マリの人物像(アスカ他もですが)は鶴巻監督の手によるところが大きく、制作時の事実とは違います。キャラクターやストーリーの解釈は観客の自由な楽しみですし、本作にもファンのフリーな知的な遊び場としての余地を持たせています。しかし偏った憶測でスタッフや家族を貶められるのはあまりに哀しいことなので、この点についてはハッキリと否定しておきます。

Q:作品が完成した後に、後悔したことは?
A:一つだけ困惑した事があります。本作の画面を構成しているのは、作品に必要な面白い要素、観客が見たく望むであろう要素、スタッフやキャストが持っている描写的な要素と好きな要素、自分が持っている描写的な要素と好きな要素、です。その中の自分が好きな要素として、妻の作品を画面内に使わせて貰いました。作品世界に現実とリンクした情報としてジブリ作品の画像などと共に引用する事で、世界観に広がりを持たせたいという意図でしたが、逆にその事で違和感を感じさせてしまった一部の観客の方もいた事を知り、反省しています。

Q:制作時に一番こだわったこと
A:如何にもっと作品を面白くしていくか、です。

Q:庵野総監督は、企画、脚本、映像、監督と色々やってますが、どれが一番好き?
A:どれが好きというのはありません。作品にとってベストな、ベターな方法として自分が可能な範囲で作業に関わっているだけです。

Q:映画のストーリーを作るにあたって1番大切なことはなんですか?
A:観客の理解をなるべく得ようとすれば、基本に忠実。

Q:こだわりを持って制作したシーンはどこですか?
A:シーンと言わず、全カットになります。

Q:ゲンドウはお菓子が好きですか?!
A:苦手だと思います。

Q:マリはシンジ・アスカ以外と会話するシーンがありませんが、意図的ですか?
A:プロットや脚本にはいくつかありましたが、物語の流れに馴染まず最終的に本編ではカットしました。

Q:庵野総監督の作品には轟天対大魔艦など過去の映画に出てくる曲が使われていますが何故でしょうか?
A:作品世界と該当シーンにそれらの音楽が使用可能な曲の中で最も合っているからです。

Q:大量のEvangelion Mark.07とヴィレが戦うシーンは、金儲けのためにすり寄ってくる会社や人間の対決を暗喩しているなど、憶測が飛び交っています。実際そういったことまで考えている?
A:作品として必要で純粋に映像として面白いからです。その様な暗喩は考えてもいませんでしたし、世間とはそういうものだと経営者の片割れとして認識しているので、無意識下にも無いと思います。

Q:ヤマト作戦で沢山の敵を突破する際、アスカちゃんとマリさんが2人で手をかざす瞬間。なぜ決まり文句の「A.T.フィールド全開!」ではないのでしょうか?
A:すみません。忘れてました。

Q:庵野総監督はモノ作りに関して大事な事は何でしょうか?
A:作品の完成まで現場のスケジュールやリソースに配慮しながら、常時もっと面白くならないかと意識して作り続ける事です。

Q:高校で友達と短編の実写映画を制作しています。しかし、テンポ感があり、かつ、かっこいい映像にする事がなかなかできません。どこか違和感が残ってしまいます。自身の映画を編集する際気持ちのいい映像に仕上げる際に心掛けていることは?
A:自分の場合、感覚で編集しています。アングルでのメリハリ(視線の移動等)の心地良さや情報に必要十分な時間による気持ち良さ、カット尺による心地良さ、等に違和感を感じないように編集作業をしていきます。自分が感じた違和感の原因を理解すれば、それを除去する方法も見つかるのではないかと思います。頑張って下さい。

Q:以前、エヴァはガンダムのように様々な形で後世に継承していきたいと仰っていましたが、その考えは今も変わっていないのでしょうか?
A:変わっていません。作品はすべからくアニメ業界のお役に立てればと考えています。

Q:「綾波が消えた帰り道、加持さんに教えてもらった土の匂いがした」と言うセリフは時系列がおかしいと思いますが、実はカットしたシーンがあったのでは?
A:プロットメモの段階で判断し、その間の描写はカットしています。

Q:シンエヴァの興行収入を超えるロボットアニメが現れるとしたら、どんなアニメだと思われますか?
A:少年ジャンプの人気連載ロボット漫画をアニメ化した様なアニメ、でしょうか?

Q:シンエヴァでなぜ8+2号機を登場させなかったんですか?
A:デザインが上手くまとまらなかったのとヴィレのエヴァを1機にすると物語が面白くまとまらなかったからです。

Q:ケンスケの車が赤いのはアスカを意識してですか?
A:車体の赤色は故金田伊功氏の愛車を意識しています。

Q:お好きなエヴァンゲリオン及びキャラクターは誰でしょうか?
A:エヴァは初号機です。キャラはミサトとアスカ、りっちゃんです。

Q:今、シンジは幸せですか?
A:キャラクターの受け取り方は、皆さんの感性と御想像等にお任せしています。

Q:アディショナルインパクト時のエヴァイマジナリーがリアルな顔で衝撃を受けた、関係者の誰かがモデル?
A:特定のモデルはいません。鶴巻監督のイメージした造形になっています。目の動きは自分の眼の芝居をキャプチャーしたデータが使われています。

Q:なぜミサトさんの車はルノーなんですか?
A:キャラクターデザインの貞本義行氏の趣味です。

Q:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』予告に出たカットが本編に出てこなかったのは何故?
A:当時のプロットや設定で予告映像を作っていましたが、時間が経ち、改めて制作を始めた際に、より魅力的にする過程で、消えたり変わったりした要素もあります。

Q:ぶっちゃけシンエヴァの興行収入が100億円超えると思っていましたか?
A:ニッチなアニメ映画で越えることが出来たらアニメ業界のためにも良いなと願っていました。

Q:今回のエヴァンゲリオンを作っていくにあたって 過去のエヴァ作品とあえて同じにした もしくはあえて変えた様なものはありますか?
A:現場でのアドリブ、書き送り方式は面白い作品を作る方法として『新世紀エヴァ』を踏襲したところです。あえて変えたのは自分達の経験等を反映させた物語構造をやめて、フィクションとしての強度を持った物語構造にしたところです。

Q:新劇場版と前の劇場版、それぞれ描き終えて感じることの違いは?
A:違いはありません。両作品共に終わった後、大量の悪意に晒された現象は同じでした。あえて違いを言えば、新しい方は作品に関係のない家族が巻き込まれた事です。

Q:アイデアが一番浮かんでくるのはいつですか?
A:寝る前と寝起きです。

Q:今後エヴァンゲリオンを他の誰かに作って欲しいと思いますか?
A:思います。『日本アニメ(ーター)見本市』という短編企画で既に作って貰っています。

Q:日本語字幕版(上映時)で、仮称アヤナミレイが「別レイ」になっていたのは何故ですか?
A:おそらく、制作現場ではそう呼ばれていたからなのかと思います。

Q:シン・エヴァの公開前、当初ポスターに書いてあった『さらば』が、公開後に公開された夕景版では『さようなら』に変わっていましたが、これはあの『さようなら』という意味?
A:公開後なので、劇中のシンジの台詞と同じにしています。

Q:「そのひとが言うと、それが正解になってしまう非関係者なひと」のことをどう思っていますか?
A:迷惑、と思います。

Q:マリとシンジが何処に向かって行ったんでしょうか?
A:先日残念ながら閉店した「喫茶らいぶ」です。

Q:僕と父の地元でもある宇部市で観ました!ラストシーン、宇部新川から宇部興産が映ったと思います。父が、昔おそらくあの位置に、展望台があって、そこからの景色なのではないか?と。意識して撮影されたのでしょうか?
A:お父さんが話されている展望台とはおそらく大和タワーの事だと思います。駅前大和と中央大和の屋上、六角堂等からの市内の風景は子供の頃から好きでした。改めてこの街の風景が絵になると感じたのはテレビ番組「ようこそ先輩」のロケ時です。その時に映像としての街の魅力に気づき拙作「式日」の舞台にしています。

Q:ラストシーンの庵野監督が自分の好きなものを入れたと舞台挨拶で仰っておりましたが、何を入れたんでしょうか。何度も見直して宇部新川駅から出発していた電車かな?
A:映画「式日」の舞台にもなっていた、現存していない建物です。

Q:庵野さんのエヴァンゲリオンは本当に終わりなんですか?
A:3度も終わらしたので、今はもういいかなと。

Q:公式薄い本はエクスキューズか、サービス庵野監督のエヴァは本当に終わり?誰も見つけて居ない小ネタがある?か、行間埋めなのか? 本当のところはどうですか
A:ファンサービスです。

まとめ

濃厚すぎる質問にファンの間で考察されていた小ネタなどの情報の正解がわかりましたね…!このQ&Aを見た上で『シンエヴァ』をもう一度みよ!

最後まで見てくれてありがとうございます(*^^*)
以上、じきどらむでした!


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じきどらむ
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