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AFF、不採択でした。
こんにちは。福岡で活動してます劇団「劇団ZIG.ZAG.BITE」代表の到生です。
巷では勢いがあるとか生意気だとか、大好きだとか大嫌いだとか言われております。
決して平坦な道ではありませんでしたがなんとか歩み続け、現在劇団6周年を迎え7年目に突入しました。
節目となる5周年目には5周年イヤーと称し、さまざまなイベントなどを企画しこの劇団をさらに盛り上げていこうと考えておりました。
しかし、中々上手くいかないものでございます。
新型コロナウイルスの流行により、企画しておりました公演、イベントなどは尽く中止や延期となりました。
それでも、国や県のガイドラインを守り感染対策を徹底し、自分達の演劇をなんとかお客様に届けられるように務めて参りました。
5周年記念公演は劇場を1ヶ月借りて長期間の公演に挑戦しました。このコロナ禍、舞台を行う事も観に行くことも不安が残る今だからこそ、僕たちは元気です。演劇はありますと世に発信するために。そして劇場に再び人が集まれる日々が来る事を願い。その再びの歩み出しのひとつになる事ができればと考えました。
大規模な公演な上に予想以上に費用がかかる感染対策。緊急事態宣言延長やガイドライン順守に伴う客席の制限による収入の半減など、公演にはお金が沢山かかり、入るお金は激減してしまったのです。
しかし!我々には希望の光がありました。
そう、2021年春より始まりました「新たな日常」ウィズコロナ時代における、新しい文化芸術活動を支援する「ARTS for the future!」事業です。
我々のような小さな団体にも、支援金が出るらしい。
素晴らしい事じゃないかと制作の方々が沢山の書類を準備し申請をしました。
我々のような小さな団体にも、支援金が出る。
これを使えば安価にお客様にエンタメを届け、尚且つ困窮している俳優やいつもお世話になってるゲストの皆さま、スタッフの皆様、劇場の方々への一助になることができる。
我々も劇団を5年続けてきた。
平坦ではなかったが支えてくれる皆様のお陰で、福岡では勢いがあり注目される劇団になった。活動を評価され「九州若手劇団アワード!」なるものも頂いた。
その劇団が、1ヶ月20ステージ以上の公演を行う。演劇を元気に、劇場に活気を取り戻すために。沢山の人にまた劇場に来てもらうために。
こんな、我々が補助されないわけがない!
そんなくらいの気持ちでいました。
公演が終わって、経過期間も終え感染者は出なかった。無事にコロナ禍で演劇をやりきった。お客さんは沢山来た。700人くらい。客席半分じゃなかったら1000人くらい来てたと思う。マジで。そのくらいの勢いがあった1ヶ月だった。普段見られない顔顔が劇場にあり、あまり交流のない先輩方や後輩も沢山来てくれた。皆今の時代を生きる演劇仲間だとか、普段思わない事を思っちゃうくらい嬉しかった。
大盛況に公演は終わりまして。
収支は赤字。思ったより赤字。消毒とか沢山買ったもんなあとか。
でも、大丈夫。
我々には国がついてる。
文化庁がついてる。
こんなに頑張ってコロナ禍での演劇をやった。地域の演劇シーンを微力ながら支えたおいらたちをきっと援助してくれるだろう!
しかし、公演が終わって1ヶ月経っても返事がこない。
おかしい。
予定ではもう結果が出ているはずだ。
どうやらかなり遅れてるらしい。
でも大丈夫だろう!
諸々の支払いまではまだ期限がある。
果報は寝て待てというし。
目の前の事を一生懸命に取り組んで待とうじゃないか。
……。
…………。
………………。
返事が来ない。
おかしい、11月だぞ。
あれから2ヶ月も経ってる。
サイトを見てみると…
審査全然進んでないじゃないか!
なんだこれ!!
遅すぎるだろ!
Twitterを見てみると採択されたところが喜びの声をあげている。
良いなあ。でも大丈夫。うちも来週には採択されて同じ声を上げるんだ。
その中に、少しほんの少しずつ。
不採択の声が聞こえるけど。
見ない。
思えばこの頃から少し不安があったのかもしれない。
でも見ない。そんなわけないから。
……。
…………。
………………。
……………………。
11月下旬のある日。
ようし、今日は舞台の初通し稽古だ。
その前に家族で買い物して。
お茶でもしてゆっくり稽古に行こう。
LINEだ。誰だろう。
おお、制作担当の劇団員からだ。
「AFF不採択でした。」