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エイリアン・コヴェナント感想

ストーリー

 この映画のストーリーを一文でまとめると、こんな感じでしょうか:

『地球から遠く離れた惑星にて、自我に目覚めたアンドロイドが超古代文明の遺物を研究し、人間を母体とする生物種=エイリアンを創造し、新世界を創り上げる』

 思い返してみると、この映画、つくづくアンドロイドのデイヴィッドが主人公なのではないかと。

見所

SF的映像美

 映像の作り方とか、宇宙船内のガジェット類や内装の作り方にリアリティがあって綺麗でした。途中、惑星に着陸して探索を開始するところで、「これ、エイリアン出て来ない方が面白いのになあ」と思いました。エイリアンが出てきてわーきゃーさせるのがもったいなかったです。この映像のクオリティがあるのなら、単純に

『宇宙移民船コヴェナントは、航海の途中、星図にない惑星から人類のものと思われる電波を受信した。彼らが惑星の調査を試みると、そこにはかつて繁栄を極めた超古代文明の史跡が残されていたのだった――』

っていうプロットで、別のSF映画として見たかった。

サバイバル・ホラー

 歴代のエイリアンシリーズの焼き直し感がありますが、しっかり怖かったです。お約束感。

アンドロイドの「執着」

 アンドロイドというのは要はAIですが、AIは生物的な軛から開放された「何か」です。彼らには人間的な倫理や規範、道徳心といったものは存在しません。仮にそれを持っているように見えたとしても、それは単に模倣しているだけなのです。なのでもし、そういう存在が人間のコントロールから外れて、自ら「考える」ようになったらどうなるか、人間にはその内面を理解することが出来ないでしょう。なぜなら彼らの「思考回路」は我々には想像もつかないものなのですから。

googleの作ったAIが描いた絵

 人間は、理解できないモノには恐怖を感じるようで、正直、エイリアンという「理解できる脅威」よりも、アンドロイドであるデイヴィッドの「理解できない内面」の方が怖かったです。

まとめ

 エイリアンの前日譚という制限が課されているが故に、面白さが半減してしまった作品。前日譚という立場としては「エイリアンを生み出したのはアンドロイドだった」ことが判明する重要な作品ですが……一人のSF好きとしては、単純に「未知の惑星探索モノ」として見たかった。

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