大企業の一社員から、ジョイントベンチャー執行役員になると決めた日
こんにちは!Mutureの田邊です。
Mutureは丸井グループとGoodpatchの共創によって生まれたジョイントベンチャーです。
私は丸井グループから出向し執行役員として、PX&Empwer Organizationという人起点の組織開発とバックオフィスの管理運営を担当しています。
2022年4月27日に誕生したMutureも設立から1年を迎えました。ご支援いただいているみなさま、本当にありがとうございます。
節目を迎えた機会に、この1年を2つの観点で振り返りたいとおもいます。
大企業の一社員からジョイントベンチャー執行役員になるまでの変化
…本記事People Experienceの観点から振り返るMutureの経営
…こちらの記事をご覧ください
本記事は、人に引いてもらったレールの上を歩いていた普通の人が、ジョイントベンチャーの創業と経営に携わる中で「自分って何がやりたいんだっけ?」と意志を持ち直すまでの経緯で、事業開始前のお話がメインとなります。設立後の具体的な内容については2をご覧ください。
執行役員就任という状況は特殊ですが、働き方やキャリアを考える際の参考になったら嬉しいです。
寝耳に水だったMuture参加
本編に入る前に、Mutureの紹介をさせてください。
Mutureは、設立半年前の21年10月から設立準備を開始しました。私も当初から準備に携わっていましたが、実はギリギリまで創業メンバーではありませんでした。
私は丸井グループの中期経営計画策定を担当しており、社外公表後は中計推進の上で必要となるデジタル人材の育成や組織開発を検討、その流れで合弁会社立ち上げを事務局として推進していました。(*事務局とは、合弁契約の段取りなど、立ち上げに必要な様々な業務を推進する役割です。)
当時管理職への昇進試験を受けており「Mutureが実行する取り組みを、丸井グループ側で波及していく仕事を管理職として推進したいな」と思っていたものの、自分がMutureに行くことは想定していませんでした。
そんな心持ち&設立まで残り2ヶ月を切った2月末、突如「田邊さんも4月からMutureです」という内示が出ます。その時の私の気持ちは「やばい」の一言に尽きました。事務局として他4名のメンバーと時間を共にする中で、彼らと私に「決定的に違う覚悟」があると感じていたためです。
執行役員として経営に携わることは、メンバーの人生を預かることです。「やばい」と思ってしまった自分が生半可な気持ちで受けるわけにはいかない。自ら本当にやりたいと思えないならば、執行役員として携わる資格はない。断ろうと決めました。
私の焦りは「will」がないことに起因していた
そこから「なぜすぐ返事ができなかったのか」を考えていきましたが、一番の理由は「自分には仕事をする上で/Mutureに関わる上でのwillがないこと」でした。
このことに気づいた時「社会人になって10年、やりたいことがあってこの会社を選んだはずなのに、それなりに頑張ってきたつもりなのに…」と愕然としたことをよく覚えています。
気づいた上で、現状を受け止め変わるのか・変わらないのか…どちらにせよ腹を括らなくては…🤔そこでwillについて4つの問いを立てました。
現状に甘んじて更新されなかったwill
2011年就活当時のノートをめくり直すと、自分が人生で何を叶えたいのか、そのためになぜ丸井グループを選ぶのかが綴られていました。
しかし10年経ち、状況は変化しています。
社会のあり方が大きく変化する中、より多くの人が楽しさに出会う手段として、商業施設に関わることが自分にとってベストなんだっけ?変わらず商業施設を通じてアプローチしたいとしたら、入社時とビジネスモデルも変化している丸井グループに在籍する理由はベストなんだっけ?
夢に対してどうアプローチするのか、なぜ丸井グループにいることを選択し続けるのか、再考すべきところ怠っていました。
ではなぜ更新しなかったのでしょうか。
それは目の前のことをこなす楽しさにかまけて思考停止状態になっていたからだと思います。
10年で7回の職種変更を経験、それぞれの業務には全力だったものの、そこから得たものをもとに自分のwillを更新するのではなく、「目の前の仕事で役に立つ」という短期的かつ受動的な状態にすり替わっていました。
会社が用意している制度も活用し、新規事業コンクルールや新部署の立ち上げ、経営者育成プログラムなど手を挙げて参加していたものの「それらを通じて何をしたいのか」が欠けていたのも事実です。
確かにこの10年間充実はしていたけど、目の前の充実を言い訳に自分がやりたいことを考えないようにしていたのではないか。と考えるようになりました。
あらためて自分が何を成したいのかを考える
そこで改めて立ち止まり、更新された2023年時点のわたしのwillはこちらです。
変わらないのは「より多くの人が人生楽しいと思える瞬間を増やす」こと。 自分が中心となって誰かを楽しませるのではなく、みんなが楽しくなるサポートを後ろからしてニコニコ眺めていたい。
それはそうやったら実現できるのか?
ひとが多くの時間を費やす「はたらく」行為。また誰かにとっての喜びや楽しさは別の誰かの「はたらく」行為によって生み出されています。働く人が楽しく価値を発揮できる環境を作ることで結果、より多くの人が人生楽しいと思える瞬間を増やせるのではないか。
原体験は、初めてマネージャーになった時。価値観や社内での経験が異なるメンバーが集う中で、「個々がすばらしいスキルや可能性を持っていても、ともにめざせる目標や、スキルを活かせる環境がないと、一丸となって進むことはできないこと」、さらに「働くメンバーが力を発揮できないと、その向こうにいるお客さまに価値を提供できないこと」を痛感しました。
そして、人に対して向き合ったりことは自分にとって没頭してしまうくらい好きで当たり前のことです。ここにきてようやく「やりたいこと・社会から求められること・自分の特性を活かせること=will」が見つかりました。
やりたいことをやる場所としてMutureが最適だ。
一人ひとりの力を引き出し、1+1=2以上の力に変えていくには、仕事の仕方、社員の関係性、裏となる制度などなど組織開発が必要です。またそれは担当者に依存するのではなく、仕組みとして確立されなければ、持続可能なものではありません。そういった点で
Muture自体で事例創出ができること
CWを通じてDX支援の中で、丸井グループという大企業の変革に携われること
丸井グループの支援にとどまらない展望を描いていること
という多くの可能性を秘めたMutureを実行していく場所として選びました。
現在、PX担当として人を起点とした組織開発を担当し日々実行に携わっていること、クライアントワークを通じて丸井グループへの波及に携われていることは喜びです。
実際にwillを胸にMutureに行って何が変わったのか
改めて自らの意思でMutureに参加し、あっという間に1年が経ちました。
会社としての振り返り、PXとしての振り返りは別記事にまとめ、ここではwillを再考したことによる私個人の変化についてお話しさせていただきます。
一番大きいのは「willが自分や現状を捉える基準や行動指針になったこと」です。
<willを再考して気づいたこと>
自分の中にあった「ねばならぬ思考」の発見
…普段の思考や行動でも「個の力を引き出す」という指針と反しているものを発見しました。「これまでこうなっていたから」と既存の組織構造や仕組みに由来するものが多く、自分の「ねばならぬ思考」こそ変革を起こしていく種だと気づきました。
自分の提供価値や貢献領域
…Mutureは経営を「コト」と「ヒト」の両輪で捉えていますが、「ヒト」に重きを置いた役割を担い貢献していくことが明確になりました。
行動の優先順位
…これまで器用貧乏で全体的に中途半端なことをコンプレックスに感じていましたが、willに照らし合わせることで、自分にとって当たり前なことも強みであることや現在足りていない部分が明確になり、学びや行動の優先順位が着くようになりました。
さいごに
今回、「willを置いてきたことに気づいてもう一度見つけに行ったお話」をしました。気づかない方が楽だったのかもしれないと思うほど、この1年は大変でしたが、それでもこの場を選んでよかったと思っています。
まだまだひよっこで、ありたい状態に向かって進む楽しさにワクワクしながらもふとした瞬間に急に不安になったりすることもありますが、それでも立ち向かえるのは志を同じくしたMutureメンバーとサポーターのみなさんがいるからです。これからもどうぞよろしくお願いします。
もしMutureに興味を持っていただけたらDMなどなどお気軽にご連絡ください!
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