第三十四話
1
00:01:54,510 --> 00:01:56,080
葉前輩 葉上仙
2
00:01:56,360 --> 00:01:58,480
葉前輩 良いところに来られた
3
00:01:58,840 --> 00:02:01,400
今日あなた様には皆を率いて
鬼谷を滅ぼしていただきたい
4
00:02:01,520 --> 00:02:02,240
そうだ
5
00:02:03,280 --> 00:02:04,840
鬼谷は俺が必ず潰す
6
00:02:05,840 --> 00:02:08,810
鬼谷の上下全ての者どもが死なねばならん
7
00:02:09,530 --> 00:02:10,370
葉上仙
8
00:02:11,040 --> 00:02:13,840
悪鬼は江湖に危害を加えましたが
9
00:02:14,330 --> 00:02:18,250
しかしこちらの温施主には
酌むべき事情があります
(*情有可原=許されるべき事情がある《後漢書・霍胥伝》)
10
00:02:19,250 --> 00:02:20,560
酌むべき事情?
11
00:02:21,890 --> 00:02:23,610
赦しがたい罪だろう
12
00:02:23,890 --> 00:02:24,650
温客行
13
00:02:25,130 --> 00:02:26,380
お前は鬼主となり
14
00:02:26,980 --> 00:02:28,930
何ゆえか 鬼谷に入らば
15
00:02:29,260 --> 00:02:31,100
陰陽永隔の掟を破り
(*阴阳永隔=陰陽・正邪・生死は交じることがない)
16
00:02:31,340 --> 00:02:33,290
群鬼を江湖に放ち災禍で混乱させた
17
00:02:35,100 --> 00:02:36,210
若輩は罪を認めます
18
00:02:41,740 --> 00:02:42,540
よかろう
19
00:02:43,380 --> 00:02:44,820
罰すべき罪だ
20
00:02:45,340 --> 00:02:48,410
罰としてお前はこれ以後 鬼谷を永遠に閉じ
21
00:02:48,570 --> 00:02:51,460
全ての鬼衆を制縛し
人の世に二度と踏み入れさせるな
22
00:02:52,020 --> 00:02:53,020
できるか?
23
00:02:54,740 --> 00:02:56,130
慎んで上仙の尊意に従います
24
00:02:56,980 --> 00:02:57,820
よろしい
25
00:02:58,290 --> 00:02:59,180
早く行け
26
00:03:01,900 --> 00:03:02,740
葉前輩
27
00:03:02,820 --> 00:03:04,540
これはどういう意味ですか
28
00:03:05,020 --> 00:03:06,100
どういう意味とはなんだ
29
00:03:07,260 --> 00:03:11,460
俺は温客行にこれから青崖山を封閉させる
30
00:03:11,690 --> 00:03:12,740
出入りは許さぬ
31
00:03:13,210 --> 00:03:16,020
百年後には一切が風流雲散だ
(*风流云散=散り散りになる、跡形もなく消え去る)
32
00:03:16,130 --> 00:03:17,900
全ての悪鬼が生まれ変われば
33
00:03:18,020 --> 00:03:19,850
鬼谷は当然消滅するのではないか?
34
00:03:20,050 --> 00:03:21,770
至妙なり 至妙なり
35
00:03:22,020 --> 00:03:23,930
もし殺しの悪業を生まず
36
00:03:24,100 --> 00:03:27,770
無血でこの大怨を解くならば
(*兵不血刃=戦うことなく敵に勝つ《東周列国志》馮夢竜)
37
00:03:28,050 --> 00:03:31,410
実に量り難い功徳です
38
00:03:32,210 --> 00:03:32,980
そうか
39
00:03:33,900 --> 00:03:36,690
少林方丈は俺の処置に賛成のようだ
40
00:03:38,130 --> 00:03:40,260
ならば小尼姑 お前はなんと申す
41
00:03:41,130 --> 00:03:42,410
もし温谷主がまことに
42
00:03:42,620 --> 00:03:44,820
鬼衆を制縛しこれ以上罪を犯させぬよう
43
00:03:45,020 --> 00:03:46,210
青崖山で余生を過ごすなら
44
00:03:46,490 --> 00:03:48,650
これは当然 冤罪の報復のために
45
00:03:48,820 --> 00:03:50,460
無数の命を巻き添えにするより良い
46
00:03:52,380 --> 00:03:53,900
聞いたか 温客行
47
00:03:54,130 --> 00:03:55,850
まだここでぼんやりするのか? 早く行け
48
00:03:56,180 --> 00:03:56,900
はい
49
00:04:09,900 --> 00:04:10,690
よろしい
50
00:04:11,290 --> 00:04:12,260
さあさあ
51
00:04:12,740 --> 00:04:14,290
英雄大会はこれで終いだ
52
00:04:14,540 --> 00:04:15,410
さっさと散れ
53
00:04:17,780 --> 00:04:20,060
阿弥陀佛 葉上仙
54
00:04:24,620 --> 00:04:25,690
行くぞ行くぞ
55
00:04:40,940 --> 00:04:41,740
行くよ
56
00:04:58,020 --> 00:04:58,780
主人
57
00:04:58,940 --> 00:05:00,090
あなたは本当に酷すぎる
58
00:05:00,410 --> 00:05:02,900
この数日あたしは目が見えなくなるまで
泣いたって分かってる?
59
00:05:03,620 --> 00:05:04,570
罰すべきだ
60
00:05:05,060 --> 00:05:05,970
罰を受けるよ
61
00:05:06,290 --> 00:05:07,130
一杯干すよ
62
00:05:08,570 --> 00:05:10,900
主人 まだ一つはっきりしないことがあるんだけど
63
00:05:10,970 --> 00:05:12,530
あの肺病鬼は あなたが
64
00:05:14,130 --> 00:05:15,130
あの周絮
65
00:05:15,370 --> 00:05:19,090
あなたが五湖盟で停霊されてるのを
その目で見たって言ってた
(*停灵=埋葬前に棺に安置すること)
66
00:05:19,690 --> 00:05:21,620
それは私が先に準備しておいた遺体だ
67
00:05:22,290 --> 00:05:24,250
それを易容で私の容姿にさせ
68
00:05:24,340 --> 00:05:26,370
深潭瀑布の中に置いておいた
69
00:05:26,530 --> 00:05:27,620
そうでなければ
70
00:05:28,090 --> 00:05:30,460
趙敬の古狐に信用させることなどできますか
71
00:05:32,090 --> 00:05:33,810
あまりにも狡猾だよ
72
00:05:34,180 --> 00:05:35,220
もう一杯 罰だ
73
00:05:36,690 --> 00:05:37,620
分かったよ
74
00:05:40,060 --> 00:05:40,900
顧湘
75
00:05:41,290 --> 00:05:43,250
悪人に計略をもって勝負を制することの
76
00:05:43,370 --> 00:05:44,250
何がいけない
77
00:05:44,850 --> 00:05:45,900
沈掌門
78
00:05:46,500 --> 00:05:48,970
以前はあんた 鬼谷にやれ討てやれ殺せって
吠えてたじゃないか
79
00:05:50,090 --> 00:05:52,370
二人はいつ繋がったんだ?
80
00:06:03,090 --> 00:06:03,940
温客行
81
00:06:04,690 --> 00:06:05,970
成嶺に会いに来る勇気があるとは
82
00:06:06,850 --> 00:06:08,780
お前の正体はすでに世に知れ渡っている
(*人尽皆知=誰もが知ってる、周知の事実)
83
00:06:09,620 --> 00:06:10,900
あなたが鬼谷谷主だった
84
00:06:14,060 --> 00:06:16,660
そう 私です
85
00:06:17,370 --> 00:06:18,460
私が今日来たのは
86
00:06:19,690 --> 00:06:21,660
全てを君に伝えるためです
87
00:06:22,500 --> 00:06:25,690
もう一度信じるかどうか選択は君に任せます
88
00:06:29,340 --> 00:06:32,370
もともと二人はとっくにぐるになってたのか
89
00:06:32,970 --> 00:06:35,570
主人 あたしたちに一杯食らわせたんだ
90
00:06:36,410 --> 00:06:37,460
もう一杯罰だ
91
00:06:44,570 --> 00:06:45,570
おバカさん
92
00:06:45,740 --> 00:06:48,180
この詐りの死は 危ない橋を渡るのです
(*兵行险着=大変なリスクを冒す、危ない手を使わなくては勝てない)
93
00:06:48,620 --> 00:06:50,370
成嶺と沈掌門を取り込まなければ
94
00:06:50,620 --> 00:06:52,370
この危うい一手を打つことなどできるものか
95
00:06:53,090 --> 00:06:54,740
沈掌門の内応があったからこそ
96
00:06:55,090 --> 00:06:58,060
趙敬らを不用意に近づかせず
97
00:06:58,220 --> 00:06:59,530
誤魔化しの発覚を免れた
98
00:06:59,900 --> 00:07:03,410
じゃああの剣仙もあなたを手伝ってくれたんだな
99
00:07:03,780 --> 00:07:04,570
彼は
100
00:07:05,530 --> 00:07:06,530
彼は私を大いに助けてくれた
101
00:07:07,370 --> 00:07:09,290
もし葉前輩の多大なご尽力がなければ
(*鼎力相助=人の強力なサポートに敬意を表して言う《歴史的天空》)
102
00:07:09,620 --> 00:07:12,130
趙敬の陰謀を暴くことができても
103
00:07:12,410 --> 00:07:13,340
私の身分で
104
00:07:14,130 --> 00:07:16,130
またどう身を引くことができたか
(*全身而退=関わったことから身の安全のため完全に手を引くこと)
105
00:07:19,460 --> 00:07:20,290
俺は言ったぞ
106
00:07:20,900 --> 00:07:23,780
再び江湖でお前と会うことがあれば 俺は
107
00:07:23,900 --> 00:07:24,530
分かってます
108
00:07:31,220 --> 00:07:32,060
葉前輩
109
00:07:32,660 --> 00:07:34,940
若輩は生来の偏屈で 道を踏み誤りました
110
00:07:35,220 --> 00:07:36,970
半生は憎しみに取り憑かれ
111
00:07:37,130 --> 00:07:39,130
ただ陰謀を企て
世と共に燃やすことだけを考えていました
112
00:07:39,500 --> 00:07:41,370
もう少しで父母の教えを裏切るところでした
113
00:07:42,340 --> 00:07:43,220
今になって
114
00:07:43,570 --> 00:07:45,780
若輩はついに本当の仇が誰かを知りました
115
00:07:46,130 --> 00:07:48,410
ただ正々堂々と彼と一戦を交え
116
00:07:48,500 --> 00:07:49,660
人の世に潔白を示したい
117
00:07:50,250 --> 00:07:51,900
前輩にお力添えを願います
118
00:07:55,340 --> 00:07:56,130
そうだ
119
00:07:56,570 --> 00:07:57,850
その前に私が一番心配したのは
120
00:07:58,130 --> 00:07:59,850
客行がどうやって決着をつけるかだ
121
00:07:59,970 --> 00:08:00,940
後から考えてみたが
122
00:08:02,090 --> 00:08:03,220
私もそんなに多くは構ってられない
123
00:08:03,970 --> 00:08:06,220
ただ大哥たちの代わりに
冤罪を雪ぐことができれば
124
00:08:06,290 --> 00:08:09,060
後はせいぜい私と客行が 戦死するだけだ
125
00:08:09,180 --> 00:08:12,220
それもまあ轟々烈々たる我が兄弟の義だな
126
00:08:12,290 --> 00:08:13,090
おじ様
127
00:08:16,090 --> 00:08:17,020
とにかくだ
128
00:08:17,410 --> 00:08:19,900
幸い我らには葉前輩のような高士がいた
129
00:08:19,970 --> 00:08:21,690
これでこそ戦を玉絹に変えられて
(*化干戈为玉帛=戦争より平和を尊重する)
130
00:08:21,850 --> 00:08:22,780
皆大喜びだ
131
00:08:23,530 --> 00:08:26,220
さあ 一緒に葉前輩に一杯差し上げよう
132
00:08:26,460 --> 00:08:28,290
葉前輩に 葉前輩に
133
00:08:31,180 --> 00:08:31,970
師父
134
00:08:40,930 --> 00:08:41,730
温公子
135
00:08:42,010 --> 00:08:44,170
北淵の矜持もまた多謀善断と言えるが
(*多谋善断=好谋善断、しっかり考え善い判断をする《弁亡論》陸機)
136
00:08:44,290 --> 00:08:46,380
あなたの謀略には甘んじて後塵を拝するというもの
(*甘拜下风=脱帽《鏡花縁》李汝珍)
137
00:08:47,970 --> 00:08:48,730
子舒
138
00:08:49,020 --> 00:08:49,900
君の師弟は
139
00:08:50,090 --> 00:08:52,610
まさに青は藍より出でて藍より青しだな
(*荀子《勧学》)
140
00:08:52,770 --> 00:08:54,850
温公子 あなたにも一杯
141
00:09:01,090 --> 00:09:01,850
温公子
142
00:09:02,610 --> 00:09:03,770
私は一つ分からないことがある
143
00:09:04,060 --> 00:09:05,610
この趙という者はこのように凶悪だが
144
00:09:06,380 --> 00:09:07,970
何ゆえ彼の命を取らなかった
145
00:09:08,970 --> 00:09:10,410
これは私と蝎王の盟約です
146
00:09:11,210 --> 00:09:14,650
高さんの師兄鄧寛はずっとその手中にあり
147
00:09:14,940 --> 00:09:17,260
今まで意識不明の薬人にされていました
148
00:09:17,940 --> 00:09:19,730
一度目の武林大会で
149
00:09:20,020 --> 00:09:22,500
鄧寛の誣告はとどめの一撃となって
(*一锤定音=鐘を作る最後の一打ちがその音色を決める、鶴の一声《小荷才露尖尖角》劉紹棠)
150
00:09:22,700 --> 00:09:25,140
高盟主に無実の罪を着せ陥れた
151
00:09:25,380 --> 00:09:26,260
逆に
152
00:09:26,900 --> 00:09:28,650
趙敬の陰謀を証明するためには
153
00:09:28,770 --> 00:09:31,500
この人の証言もまた非常に重要なのです
154
00:09:32,700 --> 00:09:35,210
蝎王は私に鄧寛の意識の回復の交換条件として
155
00:09:35,580 --> 00:09:39,700
趙敬の一命を残すことを約束しました
156
00:09:40,770 --> 00:09:42,970
この蝎王と趙敬は
157
00:09:43,090 --> 00:09:44,460
一体どんな関係なんだ
158
00:09:45,020 --> 00:09:47,970
蝎王は趙敬を憎らしく思っていたからこそ
159
00:09:48,140 --> 00:09:50,210
主人と協力すると約束したんじゃなかったのか
160
00:09:51,410 --> 00:09:53,650
肺病鬼 知ってるか?
161
00:09:53,770 --> 00:09:54,530
当時 十大悪鬼は
162
00:09:54,700 --> 00:09:56,610
みんな蝎王に迷薬で従属させられてたんだ
163
00:09:56,730 --> 00:09:58,530
主人がね 蝎王との協力に応じたのは
164
00:09:58,650 --> 00:09:59,410
兵を借りてすぐさま天窗に
165
00:09:59,530 --> 00:10:00,090
行きたかったから
166
00:10:00,210 --> 00:10:00,900
阿湘
167
00:10:03,060 --> 00:10:04,460
あの蝎王がこのようにあなたを助けたのは
168
00:10:04,820 --> 00:10:06,610
ただ趙敬の命を手に入れるためだったのですか
169
00:10:07,530 --> 00:10:09,820
温公子 まだ何か彼と約束しましたか?
170
00:10:10,090 --> 00:10:11,020
何もしてません
171
00:10:12,020 --> 00:10:12,900
強いて言うなら
172
00:10:14,530 --> 00:10:15,900
魔物を打ち砕けるのは
173
00:10:17,140 --> 00:10:18,410
人の心だけということです
174
00:10:20,580 --> 00:10:22,210
やはり天意は人を弄ぶ
175
00:10:22,580 --> 00:10:24,380
師弟の宿怨は晴らされ
176
00:10:24,500 --> 00:10:26,500
やっと心穏やかに生きていける
177
00:10:26,610 --> 00:10:29,770
しかし俺にはもう時間がない
178
00:10:56,060 --> 00:10:56,970
下がれ
179
00:11:11,060 --> 00:11:11,970
義父さん
180
00:11:13,460 --> 00:11:14,900
あなたにお伝えしたよね
181
00:11:16,020 --> 00:11:17,610
騙してはいけないって
182
00:11:24,500 --> 00:11:26,170
実際あなたが口を開くだけで
183
00:11:26,530 --> 00:11:29,580
蝎儿に出来ないことは何もないんだ
184
00:11:29,730 --> 00:11:31,170
騙す必要はない
185
00:11:31,700 --> 00:11:32,650
この長い年月で
186
00:11:34,260 --> 00:11:36,700
どれだけの人があなたの策謀の下で死んだのか
187
00:11:38,290 --> 00:11:41,290
その中に全身全霊あなたを愛した人も少なくない
188
00:11:41,900 --> 00:11:45,090
僕がいつかある日彼らと同じ結末を辿るだろうと
189
00:11:46,500 --> 00:11:48,900
毎日考えなかったとでも?
190
00:11:53,460 --> 00:11:56,460
僕がいつまでも寝ている人のふりをして
起こされずにいたのは
(*你永远叫不醒装睡的人=寝たふりをした人を起こすことはできない、自分から気付くしかない)
191
00:11:58,460 --> 00:12:01,940
ただ考ることを拒否して 騙されていたかったから
192
00:12:05,060 --> 00:12:07,610
だからこそ こんなに長く
父慈子孝(ふじしこう)ができた
(*父慈子孝=親は子を慈しみ子は孝行する《礼記・礼運》)
193
00:12:13,730 --> 00:12:15,530
ずっとあなたに言ってなかったけど
194
00:12:16,340 --> 00:12:19,020
僕はあなたの目標がとても滑稽だと思ってた
195
00:12:19,500 --> 00:12:21,140
武林盟主
196
00:12:25,700 --> 00:12:26,970
何がすごいんだ?
197
00:12:28,850 --> 00:12:29,970
あなたはずっと
198
00:12:30,500 --> 00:12:33,020
僕の薬人の研究は全くの邪術で
199
00:12:33,140 --> 00:12:34,460
世人は許さないと言ってた
200
00:12:35,020 --> 00:12:38,410
僕は父子の情でずっとあなたに逆らわなかった
201
00:12:38,700 --> 00:12:41,500
今日はあなたに教えてあげる
202
00:12:41,610 --> 00:12:44,410
真の万人敵の術とは何か
(*万人敌=万に匹敵する強さ、優れた戦略で敵を討つ《史記・項羽本紀》)
203
00:12:44,970 --> 00:12:46,580
あなたが一目を置いてた天窗は
204
00:12:46,700 --> 00:12:48,650
今やもう僕の盟友で
205
00:12:48,770 --> 00:12:51,140
晋王ですら僕に敬意を払う
206
00:12:51,260 --> 00:12:52,140
そしてあなたは
207
00:12:52,580 --> 00:12:55,060
むしろ僕を見下して 軽蔑する
208
00:12:55,730 --> 00:12:56,340
数人の
209
00:12:56,410 --> 00:12:59,610
僕の靴持ちの資格すらない手先のために
僕を殺そうとする
(*提鞋=沓取り、主人の靴を持ってお供する)
210
00:13:00,900 --> 00:13:01,900
どうして?
211
00:13:02,700 --> 00:13:04,970
僕があなたを尊敬して 愛してるのだけが
212
00:13:05,700 --> 00:13:07,530
当たり前だからか?
213
00:13:07,700 --> 00:13:09,700
僕には一文の価値もないからか?
214
00:13:20,170 --> 00:13:23,650
あなたは武林盟主になって
215
00:13:24,850 --> 00:13:26,730
天を衝く飛躍ができると思った
(*一飞冲天=才能ある人は一旦羽を開くと高く飛ぶ《韓非子・喩老》)
216
00:13:28,500 --> 00:13:30,530
僕が温客行との協力に応じたのは
217
00:13:31,500 --> 00:13:34,580
あなたが得意の絶頂にいる時に
218
00:13:35,530 --> 00:13:36,900
失敗させるため
219
00:13:37,530 --> 00:13:39,340
あなたに対して
220
00:13:41,500 --> 00:13:43,530
引きずり降ろすべきか否か
221
00:13:44,380 --> 00:13:46,170
どうやって引きずり降ろすか
222
00:13:46,410 --> 00:13:48,650
全部僕の一念の間にあるって証明するためだ
223
00:14:03,610 --> 00:14:04,500
まあいい
224
00:14:14,140 --> 00:14:16,090
それでも僕の義父さんなんだ
225
00:14:22,700 --> 00:14:24,500
あなたはこんなにどうしようもないけど
226
00:14:27,380 --> 00:14:28,290
だけど
227
00:14:32,530 --> 00:14:35,730
あなたも僕にとってこの世で唯一の家族
228
00:14:38,970 --> 00:14:41,140
ただもどかしく思っていただけだ
229
00:14:43,850 --> 00:14:48,020
本来なら息子にはこの江山を
攻め落とす機会があった
(*江山=山河、国土、国家の支配権)
230
00:14:49,140 --> 00:14:51,940
あなたの膝の上で
あなたに微笑んで頂きたかっただけ
(*博君一笑=ただあなたの笑顔を見たいだけ、あなたに喜んでほしい)
231
00:14:55,020 --> 00:14:56,170
だけどあなたは
232
00:14:58,970 --> 00:15:00,820
あいにく選択を誤った
233
00:15:14,210 --> 00:15:16,290
あなたに機会を差し上げた
234
00:15:18,060 --> 00:15:20,530
何度も何度も差し上げた
235
00:15:23,380 --> 00:15:24,530
なのにあなたは
236
00:15:27,090 --> 00:15:28,580
僕を裏切った
237
00:16:23,770 --> 00:16:24,580
義父さん
238
00:16:25,460 --> 00:16:27,530
あなたの鉤心闘角の半生は
239
00:16:27,850 --> 00:16:29,730
なんとつまらないものだったか
240
00:16:30,820 --> 00:16:31,700
以後は
241
00:16:34,460 --> 00:16:36,410
安らかな生活を楽しんで
242
00:16:47,610 --> 00:16:48,580
息子が
243
00:16:50,500 --> 00:16:52,410
しっかりあなたのお世話をするから
244
00:17:13,290 --> 00:17:14,250
義父さん
245
00:17:17,129 --> 00:17:18,889
あなたのその目に映してあげる
246
00:17:21,129 --> 00:17:24,099
蝎儿がいかに裂土封王するかを
(*裂土封王=王の支配地を分割統治する)
247
00:17:25,460 --> 00:17:27,580
その時に気分が良ければ
248
00:17:28,409 --> 00:17:29,980
あの小晋王を始末して
249
00:17:32,100 --> 00:17:33,700
皇帝になってみよう
250
00:17:36,250 --> 00:17:38,620
冊封(さくほう)してあなたも太上皇にしてあげる
(*册封=皇帝が爵位を授けて諸侯を封じる)
251
00:17:46,130 --> 00:17:48,770
これこそ真の大業でしょう
252
00:18:17,250 --> 00:18:19,170
師父 恐れながら
253
00:18:19,980 --> 00:18:22,100
このお酒はむしろ弟子からの罰杯です
254
00:18:22,340 --> 00:18:24,620
あなたはいち早く師叔の身の上と苦衷を
ご存知でしたのに
255
00:18:24,940 --> 00:18:26,860
どうして率直にお伝えくださらなかったんですか
256
00:18:27,100 --> 00:18:28,460
あなたは弟子を信じていなかった
257
00:18:28,860 --> 00:18:31,100
それとも弟子と師叔の情を信じてなかったのですか
258
00:18:32,580 --> 00:18:33,580
私も受けるよ
259
00:18:33,770 --> 00:18:34,820
共に一杯
260
00:18:42,060 --> 00:18:42,770
ほら
261
00:18:49,170 --> 00:18:52,060
阿絮 私たちの成嶺は前途有望だね
262
00:18:52,620 --> 00:18:53,580
わずかな日数で
263
00:18:54,010 --> 00:18:56,620
龍淵閣の機関術の初歩のコツを探って
264
00:18:56,860 --> 00:18:59,130
うまい具合に機関術で
265
00:18:59,290 --> 00:19:01,250
雨打芭蕉針を改造し
266
00:19:01,410 --> 00:19:02,250
威力を大幅に減らした
267
00:19:02,580 --> 00:19:05,700
この仮死の策で 才能がものを言った
268
00:19:08,860 --> 00:19:09,980
だからお前の策は
269
00:19:10,410 --> 00:19:12,250
俺の弟子を俺の面前で
270
00:19:12,490 --> 00:19:14,820
俺が与えた防身の物でお前を殺させたのか
271
00:19:15,580 --> 00:19:16,940
なぜ先に俺に言わなかった
272
00:19:17,530 --> 00:19:18,770
俺が信じられなかったのかそれとも
273
00:19:19,100 --> 00:19:19,980
周兄弟
274
00:19:21,490 --> 00:19:23,130
客行のために一つ二つ説明させてくれ
275
00:19:23,580 --> 00:19:24,820
彼が仮死の策を設けたのは
276
00:19:24,980 --> 00:19:27,010
趙敬の警戒を瓦解するためだった
277
00:19:27,170 --> 00:19:28,250
こうすることでのみ
278
00:19:28,460 --> 00:19:29,770
彼はやっと武林大会で
279
00:19:29,940 --> 00:19:32,250
全ての人的証拠と物的証拠を携え
一挙に叩くことができた
280
00:19:32,460 --> 00:19:33,770
天下の人々の前で
281
00:19:33,890 --> 00:19:35,220
趙敬の陰謀を暴露し
282
00:19:35,940 --> 00:19:39,530
彼に殺害された全ての人に代わって汚名を雪いだ
283
00:19:41,250 --> 00:19:42,340
私にも責がある
284
00:19:42,580 --> 00:19:43,940
私が温公子に忠告したのだ
285
00:19:44,170 --> 00:19:46,940
あなたの怪我は厄介で 静養は必須
286
00:19:47,060 --> 00:19:48,130
もう武力を行使すべきでないと
287
00:19:49,100 --> 00:19:50,490
あなた方に聞きましたか
288
00:19:50,890 --> 00:19:52,170
ひとまず座ってください
289
00:20:04,620 --> 00:20:05,700
一つだけ答えろ
290
00:20:06,290 --> 00:20:07,290
罰を受けるべきか否か
291
00:20:09,530 --> 00:20:10,370
受ける
292
00:20:11,290 --> 00:20:13,890
阿絮 どんな罰なの
293
00:20:17,740 --> 00:20:18,700
続けて三壺干せ
294
00:20:32,620 --> 00:20:34,980
阿絮 阿絮
295
00:20:36,100 --> 00:20:39,170
阿絮 どこにいるの
296
00:20:39,460 --> 00:20:42,220
どうしてこんなに暗いんだ 阿絮
297
00:20:50,860 --> 00:20:51,700
阿絮
298
00:20:53,060 --> 00:20:54,250
どこにいるの
299
00:20:55,250 --> 00:20:56,220
教えてあげる
300
00:20:56,980 --> 00:21:00,370
今夜は彼らをすっかり酔い潰したよ
301
00:21:00,530 --> 00:21:02,250
なんて愉快なんだ
302
00:21:03,740 --> 00:21:04,770
なにを暴れてる
303
00:21:05,100 --> 00:21:05,890
阿絮
304
00:21:06,940 --> 00:21:09,770
今夜は最高に楽しいんだ
305
00:21:09,890 --> 00:21:10,740
だってね
306
00:21:12,130 --> 00:21:15,980
前回 老怪物と飲んだ時は
307
00:21:16,820 --> 00:21:19,290
実際 内心とても苦しかったんだ
308
00:21:20,010 --> 00:21:21,290
怖かった
309
00:21:22,460 --> 00:21:24,170
あなたの命がすぐ尽きるのではないか
310
00:21:25,100 --> 00:21:29,130
あなたが私を認めないのではないか
311
00:21:30,530 --> 00:21:32,650
私はあなたの兄弟になる資格がないのではないかと
312
00:21:34,460 --> 00:21:35,890
でも今はもう大丈夫だ
313
00:21:37,700 --> 00:21:40,100
ほら 一緒に飲もう 乾杯しよう
314
00:21:40,340 --> 00:21:41,170
さあ
315
00:21:41,860 --> 00:21:43,820
飲もうよ 阿絮
316
00:21:45,490 --> 00:21:47,220
本当に嬉しいんだ
317
00:21:48,530 --> 00:21:49,740
知らなかったでしょ
318
00:21:51,740 --> 00:21:56,250
私は本当にこの世界を壊すつもりだった
319
00:21:57,740 --> 00:21:59,170
自分自身も壊すつもりだった
320
00:22:01,530 --> 00:22:03,130
幸いにもあなたに出会えた
321
00:22:04,370 --> 00:22:06,130
本来の正々堂々と人として生きるのが
322
00:22:06,700 --> 00:22:08,100
こんなに気楽だとは
323
00:22:09,860 --> 00:22:11,060
私の生きてきたこの年月で
324
00:22:11,490 --> 00:22:13,340
全然なかった気楽さ
325
00:22:13,770 --> 00:22:15,130
爽快さだ
326
00:22:17,620 --> 00:22:18,770
今は感じる
327
00:22:20,290 --> 00:22:22,940
父さまと母さま それから私たちの師父
328
00:22:23,410 --> 00:22:25,700
彼らは実際 私がこうすることを望んでたんだ
329
00:22:27,820 --> 00:22:32,460
今はただ目を閉じるだけで
330
00:22:34,100 --> 00:22:38,370
彼らが私に笑いかけるのが見える
331
00:23:08,820 --> 00:23:09,740
阿絮
332
00:23:19,130 --> 00:23:20,860
阿湘を嫁がせたら
333
00:23:24,130 --> 00:23:28,060
以前のあの農家の小院を探しに行きたい
334
00:23:31,130 --> 00:23:33,170
父さまと母さまが当時 屍を曝した荒野には
335
00:23:34,860 --> 00:23:36,770
衣冠塚すらない
(衣冠冢≒慰霊碑)
336
00:23:39,340 --> 00:23:40,340
私は親不孝者だ
337
00:23:41,820 --> 00:23:43,170
二十年あまり
338
00:23:45,250 --> 00:23:46,770
帰ってみたこともなかった
339
00:23:51,650 --> 00:23:52,980
以前は勇気がなかった
340
00:23:56,860 --> 00:23:58,340
でも今はあなたがいる
341
00:24:02,220 --> 00:24:03,290
私と共に
342
00:24:04,340 --> 00:24:06,170
共に戻ってみてくれないか
343
00:24:10,410 --> 00:24:13,890
分かった 共に行こう
344
00:24:14,290 --> 00:24:15,220
よかった
345
00:25:40,340 --> 00:25:42,820
谷主 谷主 谷主
346
00:25:49,490 --> 00:25:51,580
谷主ご機嫌よう 周おじ君ご機嫌よう
(*大伯=一番上の伯父への呼称)
347
00:25:53,060 --> 00:25:53,890
忙しいでしょうから行きなさい
348
00:25:54,130 --> 00:25:56,170
湘姑娘の吉時に支障のないよう
349
00:25:56,340 --> 00:25:56,940
はい
350
00:25:59,530 --> 00:26:00,370
周おじ君?
351
00:26:01,250 --> 00:26:02,700
俺のことか?
352
00:26:06,490 --> 00:26:07,340
主人
353
00:26:07,740 --> 00:26:08,530
周おじ君
354
00:26:09,980 --> 00:26:12,490
俺が思うに 周おじ君という呼び名は
355
00:26:12,620 --> 00:26:13,170
やっぱり
356
00:26:13,290 --> 00:26:15,370
古霊精怪のお嬢さんの発想だ
(*古灵精怪=賢くお茶目で皆から愛される性格の人)
357
00:26:15,700 --> 00:26:17,060
あたしが考えたんじゃないよ
358
00:26:17,170 --> 00:26:18,290
曹大哥の思いつきだ
359
00:26:18,410 --> 00:26:20,530
主人があんたを肺病鬼って呼ぶなって言うし
360
00:26:20,740 --> 00:26:22,100
あたしが阿絮って呼ぶことも許さないし
361
00:26:22,250 --> 00:26:23,530
じゃあどうするんだって
362
00:26:23,890 --> 00:26:26,220
あんたは 谷主の師兄だし
363
00:26:26,340 --> 00:26:27,700
ならあんたはおじ君だろ
364
00:26:28,290 --> 00:26:29,860
兄さんじゃダメなのか?
365
00:26:30,010 --> 00:26:31,770
周おじ君なんて呼び名を聞いたら
366
00:26:31,890 --> 00:26:34,130
呼ばれた俺には長いひげが生えてるみたいだろ
367
00:26:34,290 --> 00:26:36,130
あたしも言ったけど 彼が聞かないんだ
368
00:26:36,290 --> 00:26:37,820
私がいつ反対した?
369
00:26:39,250 --> 00:26:40,100
分かったよ
370
00:26:40,220 --> 00:26:41,530
じゃあこう呼ぶよ
371
00:26:42,460 --> 00:26:43,980
子舒兄
372
00:26:44,940 --> 00:26:46,130
この小娘
373
00:26:46,410 --> 00:26:48,170
もうすぐ嫁に行くのにまだこんなやんちゃで
374
00:26:48,620 --> 00:26:51,100
羅おば上だって
お前の嫁入り支度にてんやわんやなのに
375
00:26:51,220 --> 00:26:52,290
お前はどうして手伝いにいかない
376
00:26:52,620 --> 00:26:54,220
どこの姑娘が嫁に行くのに
377
00:26:54,340 --> 00:26:55,620
自分で嫁入り支度をするんだよ
378
00:26:55,700 --> 00:26:56,460
恥ずかしいだろ?
379
00:26:57,370 --> 00:26:59,980
本当に長い間 何もかも見てきたけどね
380
00:27:00,220 --> 00:27:02,060
お前が恥ずかしさを知る日が来るとはね
381
00:27:02,130 --> 00:27:04,130
偶然 あたしだって
382
00:27:04,290 --> 00:27:05,740
今まで見たことがなかったよ誰かさんが
383
00:27:05,860 --> 00:27:07,940
大人しくて従順なの
384
00:27:13,620 --> 00:27:14,890
師父 師叔
385
00:27:15,520 --> 00:27:16,490
新嫁さん?
386
00:27:16,610 --> 00:27:17,730
あなたがどうして出歩いてるのです?
387
00:27:17,970 --> 00:27:20,490
成婚の前に新郎新婦は
会えないんじゃないんですか?
388
00:27:20,770 --> 00:27:21,970
関係あるか
389
00:27:22,520 --> 00:27:23,400
恐ろしいな
390
00:27:23,520 --> 00:27:25,730
曹大哥 あなたはお嫁さんを窘めたりしないのです?
391
00:27:25,890 --> 00:27:27,320
できないできない
392
00:27:27,490 --> 00:27:28,490
彼女を窘めるなんてできないよ
393
00:27:28,970 --> 00:27:29,770
そうですよね
394
00:27:29,850 --> 00:27:31,650
同じ屋根の下では 頭を下げざるを得ません
395
00:27:31,850 --> 00:27:33,440
ご心配なく 夫婦になれば
396
00:27:33,560 --> 00:27:34,520
四季山荘では
397
00:27:34,650 --> 00:27:35,520
私があなたに加勢します
398
00:27:35,650 --> 00:27:36,280
あたしは
399
00:27:36,400 --> 00:27:37,040
小僧め
400
00:27:37,490 --> 00:27:40,090
数日会わないうちにずいぶん度胸がついたな
401
00:27:41,130 --> 00:27:42,560
まあいい 君たちは話していてくれ
402
00:27:42,890 --> 00:27:44,040
初めて鬼谷に来たんだ
403
00:27:44,160 --> 00:27:44,970
あちこちぶらついてくる
404
00:27:45,090 --> 00:27:45,650
お供するよ
405
00:27:45,730 --> 00:27:46,400
また後でね 子舒兄
406
00:27:46,770 --> 00:27:47,730
主人
407
00:27:49,250 --> 00:27:51,090
あたしは本当に四季山荘に行くの?
408
00:27:51,970 --> 00:27:53,130
阿湘はあなたと一緒がいい
409
00:27:53,440 --> 00:27:56,010
実家にずっといる出閣した姑娘がどこにいるんだ
(*出阁=嫁に出す)
410
00:27:57,490 --> 00:27:58,520
じゃああたしは嫁がない
411
00:27:58,890 --> 00:28:00,610
あんたは勝手に昆州に帰ってよ
412
00:28:00,730 --> 00:28:01,890
あたしは主人と一緒にいるよ
413
00:28:02,160 --> 00:28:02,800
阿湘
414
00:28:02,890 --> 00:28:03,610
身勝手な
415
00:28:04,400 --> 00:28:06,160
小曹はお前のために何も求めていないのに
416
00:28:06,320 --> 00:28:08,920
これ以上好意に甘えて傲慢になるのは許さない
分かったか?
417
00:28:09,280 --> 00:28:10,650
お前たちの大婚が終われば
418
00:28:10,800 --> 00:28:12,090
私はこの谷を封じる
419
00:28:12,650 --> 00:28:14,800
あなたは甘やかした? あたしは甘えてる?
420
00:28:15,610 --> 00:28:17,130
本当に谷を封じるの?
421
00:28:18,610 --> 00:28:20,730
私は葉前輩に自らの口で約束したんだ
422
00:28:20,850 --> 00:28:22,320
己一人の力で
423
00:28:22,440 --> 00:28:25,090
三千の群鬼を抑え青崖山で生涯を過ごす
424
00:28:25,490 --> 00:28:26,680
私は引き受けたことを反故にできない
425
00:28:26,850 --> 00:28:28,130
また反故にしたくない
426
00:28:28,490 --> 00:28:30,200
天はかつて私に厳しく当たったが
427
00:28:30,370 --> 00:28:33,010
また貴重な贈り物も与えてくれた
428
00:28:33,250 --> 00:28:36,610
これで私は天と和解し互いに
429
00:28:36,850 --> 00:28:38,090
一歩ずつ退いたことになる
430
00:28:42,610 --> 00:28:43,520
阿湘
431
00:28:43,730 --> 00:28:44,090
主人
432
00:28:44,250 --> 00:28:46,130
阿湘 どうしたの
433
00:28:46,250 --> 00:28:47,250
君が悲しいなら
434
00:28:47,560 --> 00:28:48,680
やっぱり
435
00:28:48,850 --> 00:28:49,520
僕はやっぱり
436
00:28:49,650 --> 00:28:50,440
バカ
437
00:28:51,770 --> 00:28:53,770
あんたに心にもないことはさせない
438
00:28:54,730 --> 00:28:55,770
あたしはただ
439
00:28:56,770 --> 00:28:58,400
あたしは主人の代わりに喜んでるだけだ
440
00:28:58,770 --> 00:29:01,610
主人 あたしは本当に嬉しいと思ってる
441
00:29:02,920 --> 00:29:04,010
おバカさん
442
00:29:04,520 --> 00:29:06,610
私はここに残って群鬼を鎮める
443
00:29:07,010 --> 00:29:09,090
でも毎日ここにいなければならないとは
言ってないぞ
444
00:29:09,200 --> 00:29:10,890
お前たちを見にこっそり出かけることはできる
445
00:29:11,730 --> 00:29:13,010
また数年後には
446
00:29:13,160 --> 00:29:14,200
谷は落ち着くだろうし
447
00:29:14,370 --> 00:29:15,770
これで一切うまくいくんじゃないか?
448
00:29:19,320 --> 00:29:20,130
成嶺
449
00:29:20,850 --> 00:29:22,490
無常鬼と彼の手下たちは
450
00:29:22,610 --> 00:29:24,400
寒潭水牢に繋がれている
451
00:29:24,560 --> 00:29:26,010
これは君の最後の仇です
452
00:29:26,520 --> 00:29:29,010
彼らの処罰はどうしますか
453
00:29:29,130 --> 00:29:31,730
師叔 あなたはどう処罰するつもりでしたか?
454
00:29:31,970 --> 00:29:32,920
私は
455
00:29:36,040 --> 00:29:37,440
もう血を流したくない
456
00:29:37,730 --> 00:29:40,090
だからこそ彼らを投獄したのです
457
00:29:40,370 --> 00:29:41,610
寒潭水牢
458
00:29:41,920 --> 00:29:43,610
聞いてるだけで苦しいです
459
00:29:44,370 --> 00:29:46,010
では彼らをそこに閉じ込めて
460
00:29:46,130 --> 00:29:48,090
彼ら自身の罪をしっかり懺悔させればいいでしょう
461
00:29:49,890 --> 00:29:50,890
それだけ?
462
00:29:52,890 --> 00:29:54,090
この数人を殺しても
463
00:29:54,680 --> 00:29:56,770
もう過去の事は取り戻せません
464
00:29:56,920 --> 00:29:57,890
師父が言いました
465
00:29:58,010 --> 00:29:59,730
目が前に付いているなら
466
00:29:59,850 --> 00:30:00,850
前を見なさいって
467
00:30:01,010 --> 00:30:03,040
それと 湘姐さんのおめでたい日に
468
00:30:03,200 --> 00:30:04,090
どうして人を殺せますか
469
00:30:05,320 --> 00:30:06,400
どおりで以前
470
00:30:06,520 --> 00:30:08,280
主人が子舒兄を周聖人と呼んでたわけだ
471
00:30:08,440 --> 00:30:09,280
見て見て
472
00:30:09,400 --> 00:30:10,920
育てられたこの小聖人は
473
00:30:11,090 --> 00:30:12,040
話がいちいち筋が通ってるな
474
00:30:12,200 --> 00:30:13,130
葉前輩が言うには
475
00:30:13,250 --> 00:30:14,250
鬼谷創設の初心とは
476
00:30:14,370 --> 00:30:15,770
本来は尽きぬ迷津の中
(*迷津=人を惑わす誤った道)
477
00:30:15,920 --> 00:30:16,920
はしごを一台架け
478
00:30:17,090 --> 00:30:18,890
鬼道に堕ちた者たちに
479
00:30:19,040 --> 00:30:20,680
過ちを改める更生の窓口を与える
480
00:30:21,010 --> 00:30:21,850
そうだ
481
00:30:22,160 --> 00:30:23,090
老怪…
482
00:30:24,370 --> 00:30:25,770
葉前輩はどこに行きました?
483
00:30:25,890 --> 00:30:26,920
葉前輩は
484
00:30:27,040 --> 00:30:28,650
彼は容炫容前輩の遺骨を
485
00:30:28,800 --> 00:30:29,850
長明山に持ち帰って
486
00:30:30,010 --> 00:30:31,320
彼のご両親と合葬するそうです
487
00:30:41,890 --> 00:30:42,800
うまい湯だ
488
00:30:43,560 --> 00:30:44,320
小二
489
00:30:46,520 --> 00:30:48,280
お客さん お会計ですか?
490
00:30:48,440 --> 00:30:49,520
もう一碗 麺をいきますか?
491
00:30:49,680 --> 00:30:50,520
もう二碗だ
492
00:30:50,650 --> 00:30:51,370
二碗
493
00:30:51,520 --> 00:30:53,010
はいはい すぐお持ちしますよ
494
00:31:06,280 --> 00:31:07,890
天人五衰か
495
00:31:08,770 --> 00:31:10,490
この日がついに来るか
496
00:31:14,280 --> 00:31:15,440
何が天人だ
497
00:31:15,890 --> 00:31:17,400
生きた死人にすぎぬ
498
00:31:18,730 --> 00:31:20,650
どれほどの歳月かも知らずに生きてきたが
499
00:31:22,010 --> 00:31:24,730
ただ死に向かって生きるだけの日々だと言うのに
500
00:31:25,250 --> 00:31:26,890
何やら味わいがある
501
00:31:28,650 --> 00:31:29,650
お待たせしました
502
00:31:30,090 --> 00:31:31,010
ごゆっくり
503
00:31:32,520 --> 00:31:33,730
この麺は美味いぞ
504
00:31:35,010 --> 00:31:37,520
長青 炫儿
505
00:31:37,680 --> 00:31:39,200
お前たちに代わって更に二碗食うぞ
506
00:32:07,090 --> 00:32:08,610
湘姑娘とても素敵です
507
00:32:08,890 --> 00:32:10,370
お婿さんは本当に幸せですね
508
00:32:12,730 --> 00:32:14,090
本当に綺麗か?
509
00:32:14,610 --> 00:32:16,850
綺麗 天仙みたいです
510
00:32:17,320 --> 00:32:18,520
まさか私たちの谷に
511
00:32:18,730 --> 00:32:20,400
お祝いの日があるなんて
512
00:32:22,010 --> 00:32:23,400
湘姑娘のこの姿を見たら
513
00:32:23,520 --> 00:32:24,730
私もお嫁に行きたい
514
00:32:24,850 --> 00:32:26,160
私も 私も
515
00:32:26,650 --> 00:32:28,130
あたしをからかうなよ
516
00:32:29,200 --> 00:32:30,400
湘姑娘 湘姑娘
517
00:32:30,610 --> 00:32:32,250
あなたの幸せは 後にまだ控えてますよ
518
00:32:32,370 --> 00:32:34,090
用意した嫁入り道具を見に行ってみましょう
519
00:32:34,560 --> 00:32:35,320
いいね
520
00:32:35,490 --> 00:32:36,730
行こう 行こう
521
00:33:11,970 --> 00:33:13,520
こんなに沢山
522
00:33:16,370 --> 00:33:17,610
言ってなかったか?
523
00:33:17,890 --> 00:33:20,650
お前が結婚したら
通り三条の嫁入り道具を用意してやるって
524
00:33:20,970 --> 00:33:22,010
これはまだ全然足りない
525
00:33:22,280 --> 00:33:23,730
後で少しずつ補充してやる
526
00:33:26,130 --> 00:33:27,280
急場だったから
527
00:33:27,400 --> 00:33:29,280
どうにかあなたの嫁入り道具を集めたよ
528
00:33:30,010 --> 00:33:30,970
私は知らなかったよ
529
00:33:31,090 --> 00:33:33,320
本来嫁ぐのにはこんなに多くのこだわりがあるのね
530
00:33:33,970 --> 00:33:36,490
子孫対桶だの 子孫対碗だの
531
00:33:36,970 --> 00:33:38,040
化粧道具も
532
00:33:38,200 --> 00:33:40,010
阿湘 あなたのお陰で
533
00:33:40,200 --> 00:33:42,920
姐さんも視界が開けたみたいだよ
534
00:33:43,280 --> 00:33:44,400
お前に何が分かる
535
00:33:45,010 --> 00:33:47,010
まことに拘る女子ならば
536
00:33:47,130 --> 00:33:47,970
嫁入り道具は
537
00:33:48,090 --> 00:33:50,440
女子が生まれてから世を離れるまで
538
00:33:50,560 --> 00:33:53,090
全てで使用するものを揃えるべきだね
539
00:33:53,250 --> 00:33:56,040
まことに趣向を凝らした紅化粧の嫁入りなら
540
00:33:56,200 --> 00:33:57,490
それこそ 寿衣を含めて
(*寿衣=死装束)
541
00:33:57,650 --> 00:33:59,560
棺まで用意するんだ
542
00:34:01,650 --> 00:34:03,850
しかし 温公子
543
00:34:04,010 --> 00:34:05,560
あなたもどうしてなのです?
544
00:34:05,800 --> 00:34:07,850
この娘の人生で嫁に行くのは
545
00:34:08,010 --> 00:34:09,410
それこそ一度きりなのに
546
00:34:09,560 --> 00:34:10,650
本当に分からない
547
00:34:10,890 --> 00:34:13,370
どうしてこのように慌ただしく買い入れたのです?
548
00:34:13,930 --> 00:34:15,480
羅おば様 千巧姐さん
549
00:34:15,610 --> 00:34:16,610
あなたたちが嫁に送り出してくれるのが
550
00:34:16,720 --> 00:34:17,850
何よりも嬉しい
551
00:34:19,800 --> 00:34:22,000
どうした 私がいるのは嬉しくないか
552
00:34:22,450 --> 00:34:23,650
嬉しいよ
553
00:34:24,040 --> 00:34:24,930
心が籠もってない
554
00:34:25,560 --> 00:34:28,040
待ってろ もう一つお前に贈り物がある
555
00:34:28,160 --> 00:34:28,920
分かった
556
00:34:30,270 --> 00:34:31,080
湘儿
557
00:34:31,880 --> 00:34:33,950
あたしは嫁入り道具を揃えたら
558
00:34:34,640 --> 00:34:36,160
裏山に行っておく
559
00:34:36,760 --> 00:34:38,600
あなたの祝いの席には参加しない
560
00:34:38,840 --> 00:34:41,880
千巧姐が代わりに一切を取り計らうわ
561
00:34:47,440 --> 00:34:49,040
あなたに嫁入りの品を一つ用意した
562
00:34:57,160 --> 00:35:00,320
この一対の簪はあたしが嫁いだ時のもの
563
00:35:00,480 --> 00:35:02,120
師父があたしの装飾品に添えてくれたの
564
00:35:02,280 --> 00:35:05,280
今日あなたに贈るわ
565
00:35:05,560 --> 00:35:06,890
でも安心して
566
00:35:07,240 --> 00:35:08,650
羅おばの不運を忌むことはないわ
567
00:35:08,850 --> 00:35:11,000
この簪は使ったことがない
568
00:35:11,210 --> 00:35:12,450
これは師父のものよ
569
00:35:12,760 --> 00:35:15,040
師父は実に仲睦まじい夫婦で
570
00:35:15,170 --> 00:35:16,850
子や孫が沢山いる人だよ
571
00:35:18,800 --> 00:35:19,760
ダメだ
572
00:35:19,890 --> 00:35:21,000
あたしは気にしないよ
573
00:35:21,960 --> 00:35:22,960
羅おば様
574
00:35:24,000 --> 00:35:25,760
あたしを嫁に送り出してほしいよ
575
00:35:27,560 --> 00:35:28,650
無理よ
576
00:35:28,960 --> 00:35:30,930
あなたの婚姻での幸福が
577
00:35:31,090 --> 00:35:32,410
一生の事に関わるの
578
00:35:32,610 --> 00:35:34,610
どれだけ慎重に禁忌を避けても
579
00:35:34,720 --> 00:35:35,960
やりすぎということはない
580
00:35:36,760 --> 00:35:37,760
湘儿
581
00:35:38,930 --> 00:35:40,040
聞いて
582
00:35:43,090 --> 00:35:44,720
谷を封じた後
583
00:35:46,090 --> 00:35:47,650
あたしとあなたはまた会えます
584
00:35:48,410 --> 00:35:51,930
いつになるかは本当に分からないけれど
585
00:35:54,410 --> 00:35:55,370
構わない
586
00:35:56,650 --> 00:35:57,560
羅おば様
587
00:35:58,850 --> 00:36:00,210
あたしのために簪つけて
588
00:36:05,240 --> 00:36:07,800
阿湘が嫁に行くの見ててよ
589
00:36:10,930 --> 00:36:12,090
いけない
590
00:36:13,250 --> 00:36:14,530
言うことを聞いて
591
00:36:16,180 --> 00:36:17,810
ねえ阿湘 聞いて
592
00:36:18,050 --> 00:36:19,530
私たちはみんなあなたのためによくしてるんだ
593
00:36:20,140 --> 00:36:21,900
あなたは安心してお嫁に行きな
594
00:36:22,290 --> 00:36:24,140
あなたの羅おば様のそばには私がいるんだよ
595
00:36:24,380 --> 00:36:25,730
私は主人と一緒にいる
596
00:36:26,330 --> 00:36:27,730
一生一世ね
597
00:36:29,330 --> 00:36:30,250
言うことを聞いて
598
00:36:41,330 --> 00:36:42,420
本当に綺麗
599
00:36:47,140 --> 00:36:50,140
千巧姐 あなたが谷を出ないなら
600
00:36:50,700 --> 00:36:52,660
于丘烽はいらないの?
601
00:36:57,730 --> 00:36:59,140
于丘烽って誰?
602
00:37:02,460 --> 00:37:03,330
阿湘
603
00:37:05,100 --> 00:37:05,900
主人
604
00:37:08,420 --> 00:37:09,730
これは大巫の祝儀だ
605
00:37:10,220 --> 00:37:12,530
この紅い糸は世の中にこの一対しかない
606
00:37:12,700 --> 00:37:14,660
これは祈祷を受けた神聖な霊物だぞ
607
00:37:14,900 --> 00:37:15,770
話によると
608
00:37:15,970 --> 00:37:17,730
恋人がひとたび結ぶと
609
00:37:17,900 --> 00:37:19,860
生まれ変わるたびに必ず出会える
610
00:37:20,100 --> 00:37:21,810
小曹はもう結んでいる
611
00:37:21,970 --> 00:37:23,970
さあ 私が結んであげよう
612
00:37:26,530 --> 00:37:28,940
生まれ変わってもまた会えるのか
613
00:37:29,100 --> 00:37:30,490
ならあたしはこの人生で
614
00:37:30,660 --> 00:37:31,770
曹蔚寧とはうんざりなんだ
615
00:37:31,940 --> 00:37:33,620
次の人生で人を換えたいならどうすればいいんだ
616
00:37:34,810 --> 00:37:35,970
知ったことか
617
00:37:36,140 --> 00:37:37,050
お前が結びたくないなら
618
00:37:37,220 --> 00:37:38,100
大巫に返しておこう
619
00:37:38,250 --> 00:37:39,810
ダメだ いるよいるよ
620
00:37:40,140 --> 00:37:41,460
結んでほしいよ
621
00:37:51,380 --> 00:37:52,380
素敵かな?
622
00:37:52,530 --> 00:37:53,330
素敵
623
00:38:05,220 --> 00:38:06,570
小曹のあのザマを見ろ
624
00:38:06,860 --> 00:38:07,620
成嶺
625
00:38:08,420 --> 00:38:10,140
大人になったらお前は奴を見習うんじゃないぞ
626
00:38:12,940 --> 00:38:14,290
高盟主は生前
627
00:38:14,530 --> 00:38:16,770
高小怜をお前と縁組みさせると言ってたな
628
00:38:17,220 --> 00:38:18,940
どうだ 好きなのか?
629
00:38:19,180 --> 00:38:21,490
好きなら師がお前に代わって縁談を申し入れに行く
630
00:38:21,660 --> 00:38:23,180
師父 何を言ってるんですか
631
00:38:23,730 --> 00:38:25,180
私にとっては小怜は姐さんです
632
00:38:25,620 --> 00:38:26,530
あなたは一度にみんなを
633
00:38:26,770 --> 00:38:28,530
追い出したくてたまらないんですか
634
00:38:38,460 --> 00:38:41,290
曹大哥 新郎になるってどんな感覚ですか?
635
00:38:41,460 --> 00:38:42,460
緊張です
636
00:38:42,730 --> 00:38:44,940
じゃあ今は何を考えてますか?
637
00:38:46,050 --> 00:38:47,290
私は
638
00:38:51,290 --> 00:38:52,570
私はずっと考えています
639
00:38:54,290 --> 00:38:55,460
私が結婚する日は
640
00:38:56,290 --> 00:38:58,900
師叔と 師父が取り仕切って
641
00:38:59,570 --> 00:39:01,420
師兄弟みな私のそばにいる
642
00:39:01,940 --> 00:39:02,770
私は
643
00:39:03,250 --> 00:39:04,700
私は夢にも思いませんでした
644
00:39:05,140 --> 00:39:07,420
私が鬼谷で結婚するなんて
645
00:39:08,140 --> 00:39:11,220
鬼谷谷主のそばの人を娶るなんて
646
00:39:13,940 --> 00:39:15,290
忘れていました
647
00:39:15,620 --> 00:39:18,730
曹大哥 沈掌門があなたの師叔に会って
648
00:39:18,900 --> 00:39:21,010
あなたが結婚することを伝えたんです
649
00:39:21,570 --> 00:39:22,380
彼は
650
00:39:23,940 --> 00:39:25,220
彼はなんて言ってました?
651
00:39:25,420 --> 00:39:27,140
全部私のせいです 仕事が多すぎて
652
00:39:27,330 --> 00:39:28,660
あなたへの伝言をすっかり忘れていました
653
00:39:28,900 --> 00:39:29,970
あなたの師叔は言いました
654
00:39:31,770 --> 00:39:33,180
親不孝な小僧
655
00:39:33,460 --> 00:39:34,900
正邪の上に善悪があることを
656
00:39:35,050 --> 00:39:35,970
心に刻んでおけ
657
00:39:36,530 --> 00:39:37,810
事すでにここに至り
658
00:39:38,330 --> 00:39:41,660
ただお前が嫁と共に
多くの善行の徳を積むことを願うのみ
659
00:39:42,010 --> 00:39:45,050
たとえこの師叔の教えが全くの無駄であっても
660
00:39:46,290 --> 00:39:48,970
お前の師父の方は私がゆっくり執り成しておく
661
00:39:49,140 --> 00:39:51,810
来る日もしお前にまるまる肥えた子が生まれたら
662
00:39:52,010 --> 00:39:54,490
孫弟子を抱き私に見せに戻って来ることを
覚えておけ
663
00:39:56,660 --> 00:39:58,100
師叔の聖恩
664
00:39:58,250 --> 00:39:59,620
蔚寧 身を砕いても報い難い
(*粉身难报=命を犠牲にしようとも人の優しさに恩返しできない《初刻拍案驚奇》凌濛初)
665
00:40:00,140 --> 00:40:01,770
私は不孝不悌です
(*不孝不悌=親兄弟に孝行しない)
666
00:40:04,770 --> 00:40:06,700
曹大哥 立ってください
667
00:40:07,730 --> 00:40:09,660
俺は莫懐陽の古狐が
668
00:40:10,290 --> 00:40:11,940
どうやって大きな白兎を育てたのかと
思っていたが
669
00:40:12,460 --> 00:40:14,460
もともと師叔が道理の分かる人だったのか
670
00:40:14,770 --> 00:40:17,770
蔚寧 正邪の仇恨はすでに解けた
671
00:40:17,940 --> 00:40:20,530
いつか必ず戦が玉絹に変わる日が来る
672
00:40:22,770 --> 00:40:23,730
婿殿
673
00:40:25,530 --> 00:40:26,530
どうしました
674
00:40:26,900 --> 00:40:28,050
外に一行がありまして
675
00:40:28,420 --> 00:40:29,380
言うにはあなたの師門が
676
00:40:29,530 --> 00:40:30,330
お祝いに来たと
677
00:40:30,490 --> 00:40:31,530
確認してみますか?
678
00:40:32,380 --> 00:40:33,250
何だって?
679
00:41:11,730 --> 00:41:12,330
湘姑娘
680
00:41:12,490 --> 00:41:13,140
吉時までは
681
00:41:13,330 --> 00:41:14,330
新郎新婦は会ってはいけません
682
00:41:15,900 --> 00:41:16,810
あんたも知ってるのか
683
00:41:17,490 --> 00:41:19,180
彼らが 彼らが納得してくれた
684
00:41:19,330 --> 00:41:20,140
師叔だ
685
00:41:20,290 --> 00:41:21,180
きっと師叔が説得して
686
00:41:21,330 --> 00:41:22,490
師父を説得して回心転意させたんだ
(*回心转意=思い直して態度を改める)
687
00:41:22,730 --> 00:41:24,180
ご老人が最善を尽くしてくれたんだ
688
00:41:24,330 --> 00:41:26,420
きっと彼らがいなければ
689
00:41:26,620 --> 00:41:27,770
僕が終生残念に思うと分かってくれたんだ
690
00:41:31,290 --> 00:41:32,140
主人
691
00:41:32,330 --> 00:41:33,860
主人 主人 主人
692
00:41:34,010 --> 00:41:34,900
主人
693
00:41:35,570 --> 00:41:37,380
彼らを入れてお祝いに招待していい?
694
00:41:37,530 --> 00:41:38,700
あたしが清風剣派にいた時
695
00:41:38,860 --> 00:41:41,140
范師叔たちはとても親切にしてくれたよ
696
00:41:41,290 --> 00:41:42,220
彼らはあたしを見逃してくれたし
697
00:41:42,420 --> 00:41:43,460
あたしを庇ってくれた
698
00:41:43,900 --> 00:41:45,490
彼らは本当にいい人だ
699
00:41:53,290 --> 00:41:54,250
周おじ君
700
00:41:56,250 --> 00:41:57,290
なんて呼んだ
701
00:41:59,050 --> 00:41:59,860
兄さん
702
00:42:05,100 --> 00:42:06,380
残念ながら俺は谷主じゃないから
703
00:42:06,810 --> 00:42:08,180
この判断は下せない
704
00:42:09,180 --> 00:42:10,050
老温
705
00:42:10,730 --> 00:42:12,900
人が体裁を放り出して祝いに駆け付けた
706
00:42:13,490 --> 00:42:16,660
今しがた成嶺もこちらの范師叔と沈掌門の
707
00:42:16,900 --> 00:42:18,620
言葉を伝えてくれたが
708
00:42:18,860 --> 00:42:20,220
実際 慈愛を感じた
709
00:42:21,050 --> 00:42:24,460
この二人の子の願いを叶えてやる方がいいだろ
710
00:42:30,290 --> 00:42:31,460
お前たちの好きにしろ
711
00:42:34,290 --> 00:42:35,250
早く行かないか
712
00:42:48,570 --> 00:42:49,380
紫煞姑娘
713
00:42:49,570 --> 00:42:51,050
門外の人は婿殿の師門と称されています
714
00:42:51,220 --> 00:42:53,570
開門開門 彼らは本当に婿殿の師門だよ
715
00:42:53,570 --> 00:42:54,100
はい
716
00:42:54,860 --> 00:42:55,730
開門して客を迎えろ
717
00:43:26,970 --> 00:43:28,010
莫掌門どうぞお入りください
718
00:43:37,620 --> 00:43:38,810
さあ 着いてきてください
719
00:43:38,810 --> 00:43:39,330
はい ありがとう
720
00:43:39,860 --> 00:43:40,380
さあ
721
00:43:40,570 --> 00:43:41,380
あなた方もこちらに
722
00:43:42,050 --> 00:43:42,860
さあさあさあ
723
00:43:47,810 --> 00:43:49,460
師兄 おめでとうございます 師兄
724
00:43:49,620 --> 00:43:50,290
ありがとう
725
00:43:52,380 --> 00:43:53,490
師兄 師兄 おめでとう
726
00:43:53,700 --> 00:43:54,970
どうぞ はやくどうぞ
727
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行くぞ
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おめでとうございます師兄 ありがとう
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師叔は?
730
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莫師兄もいない
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師父 お越しくださった
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師…
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こやつがお前を攫って駆け落ちした妖女だな