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第二十七話

1
00:03:52,280 --> 00:03:53,040
周子舒

2
00:03:54,400 --> 00:03:55,090
葉前輩

3
00:03:55,560 --> 00:03:56,920
子舒 長らくお待ちしておりました

4
00:03:57,610 --> 00:03:59,970
葉前輩には長旅のご苦労をお掛けしました

5
00:04:01,920 --> 00:04:03,890
お前のそれは内心俺を嘲ってるのか

6
00:04:04,680 --> 00:04:06,450
閣下と大巫に親交があるなら

7
00:04:07,090 --> 00:04:08,560
何ゆえ自分で助けを求めぬ

8
00:04:09,450 --> 00:04:10,920
可笑しいかな葉某は長年山にいて

9
00:04:11,090 --> 00:04:12,120
井の中の蛙に成り下がり

10
00:04:12,560 --> 00:04:15,840
天窗の主の目の前で
付き合いの広さをひけらかすとは

11
00:04:16,170 --> 00:04:17,050
お許しを 葉前輩

12
00:04:17,560 --> 00:04:19,050
あなたのおっしゃる友人が

13
00:04:19,210 --> 00:04:21,450
大巫だとは存じ上げず

14
00:04:21,930 --> 00:04:24,770
私と彼らの因縁は話せば長く

15
00:04:25,240 --> 00:04:26,520
子舒には口に出せない事情がありまして

16
00:04:27,080 --> 00:04:29,170
ゆえにこれまで南疆に
医を求めに行くつもりがありませんでした

17
00:04:29,360 --> 00:04:31,240
これは本当に誤解なんです

18
00:04:31,560 --> 00:04:33,010
葉前輩には私のために

19
00:04:33,170 --> 00:04:34,840
苦労も厭わず 千里を奔走いただき

20
00:04:35,490 --> 00:04:38,050
子舒は腹の底から感銘を受けました
報いる術もございません

21
00:04:38,120 --> 00:04:38,960
つべこべ言うな

22
00:04:39,360 --> 00:04:40,240
どうでもいい

23
00:04:40,800 --> 00:04:42,960
葉某がこの旅で無駄足を踏んだとしても

24
00:04:43,360 --> 00:04:45,930
どうにか温客行の義理への借りを返せた

25
00:04:46,960 --> 00:04:48,450
今はただお前に一つだけ聞きたい

26
00:04:49,010 --> 00:04:50,610
お前は奴の正体を知ってるか?

27
00:04:53,490 --> 00:04:54,280
知っています

28
00:04:56,080 --> 00:04:59,800
彼はあなたのご高弟容炫と師父の親友

29
00:05:00,010 --> 00:05:01,840
甄如玉 甄大侠の子です

30
00:05:02,400 --> 00:05:04,330
私が失って再び取り戻した二師弟です

31
00:05:04,960 --> 00:05:06,280
また今生の知己でもあります

32
00:05:07,170 --> 00:05:08,400
出来損ないめ

33
00:05:09,120 --> 00:05:10,800
お前は秦懐章の弟子のくせに

34
00:05:10,930 --> 00:05:12,330
あのガキにまんまと鼓裏に蒙られた

35
00:05:12,890 --> 00:05:13,650
教えてやる

36
00:05:13,960 --> 00:05:16,330
温客行は現在の鬼谷谷主だ

37
00:05:16,930 --> 00:05:19,520
各大門派は皆もう群鬼冊を受け取り

38
00:05:20,120 --> 00:05:22,520
この悪鬼どもにこれより隠れる場所はない
(*无所遁形《淮南子》)

39
00:05:23,050 --> 00:05:25,520
奴が己の正体を隠して

40
00:05:25,610 --> 00:05:26,560
こんなに長くお前の側にいたのは

41
00:05:26,730 --> 00:05:27,650
何か好意があったからとでも思ったか?

42
00:05:29,080 --> 00:05:30,080
しかしまさか

43
00:05:31,360 --> 00:05:33,210
甄家夫婦 一代の侠侶が

44
00:05:33,560 --> 00:05:36,010
こんな堕落に甘んじた畜生を飼っていたとはな

45
00:05:36,400 --> 00:05:37,520
だがこの畜生が

46
00:05:38,280 --> 00:05:40,050
甄家夫婦の子とも限らぬ

47
00:05:40,680 --> 00:05:41,400
実の子です

48
00:05:44,080 --> 00:05:44,800
つまり

49
00:05:45,960 --> 00:05:47,930
お前は早くから奴が鬼主だと知っていたのか

50
00:05:49,450 --> 00:05:50,280
早くはなく

51
00:05:51,010 --> 00:05:52,890
幸い遅くもなく

52
00:05:53,680 --> 00:05:57,010
お前はもう鬼主と通謀していたというわけか
(*同流合污=悪人に同調すること)

53
00:06:04,400 --> 00:06:05,170
よかろう

54
00:06:06,450 --> 00:06:08,960
葉白衣 縦横の一生まさか

55
00:06:09,520 --> 00:06:11,840
ガキ二人に翻弄されるとは

56
00:06:12,170 --> 00:06:12,840
前輩

57
00:06:13,610 --> 00:06:15,400
私も決して隠し立てする意図はありませんでした

58
00:06:17,170 --> 00:06:18,930
私も龍淵閣に入ってから

59
00:06:20,170 --> 00:06:22,800
やっと老温が甄衍であると気付いたのです

60
00:06:24,010 --> 00:06:26,680
いずれにしても 彼は先に私の師弟となって

61
00:06:27,050 --> 00:06:28,280
その後鬼谷に入りました

62
00:06:28,960 --> 00:06:29,650
もし当時

63
00:06:30,170 --> 00:06:31,930
彼を四季山荘に連れ帰ることができていれば

64
00:06:32,080 --> 00:06:33,930
この後の様々な事は起こりませんでした

65
00:06:34,120 --> 00:06:35,050
情と理の両面から

66
00:06:35,520 --> 00:06:37,120
私も部外者ではいられません
(*置身事外=無関心な態度をとる《児女英雄伝》文康)

67
00:06:38,520 --> 00:06:39,730
情と理の両面?

68
00:06:41,650 --> 00:06:42,730
鬼谷は自ら江湖に入り

69
00:06:42,890 --> 00:06:44,490
血生臭い風雨は未だ止まず

70
00:06:44,770 --> 00:06:46,930
どれだけ無辜の者が死んだか
お前は知っているのか?

71
00:06:48,490 --> 00:06:49,330
周子舒

72
00:06:50,560 --> 00:06:51,360
今お前の眼裏には

73
00:06:51,490 --> 00:06:52,840
ただ手足の情があるだけだ
(*手足之情=兄弟愛)

74
00:06:53,080 --> 00:06:54,610
どんな大義名分があるのだ

75
00:06:55,210 --> 00:06:56,210
お前がこのように阿呆で偏屈で

76
00:06:56,450 --> 00:06:58,520
秦懐章の教えにどうやって応えるのだ

77
00:06:59,050 --> 00:06:59,770
前輩

78
00:07:00,120 --> 00:07:01,120
数日を共に過ごして

79
00:07:01,450 --> 00:07:03,280
老温の心根がまだ分からないのですか?

80
00:07:03,400 --> 00:07:04,240
彼は鬼谷に入りましたが

81
00:07:04,400 --> 00:07:05,400
本質は失われてはいない

82
00:07:05,840 --> 00:07:06,800
鬼谷の罪業を

83
00:07:07,010 --> 00:07:08,520
彼一人に負わせるべきではありません

84
00:07:08,800 --> 00:07:10,490
喋っていて自分でおかしいと思わぬのか?

85
00:07:11,610 --> 00:07:13,400
温客行が万鬼に殺し合いをさせられる
(*相煎=相煎何太急、兄弟同士で傷つけ合うこと)

86
00:07:13,520 --> 00:07:14,840
極悪の地の鬼主である以上

87
00:07:14,960 --> 00:07:16,450
お前はどんな本質を失っていないと言えるんだ?

88
00:07:17,010 --> 00:07:17,930
奴が鬼主であるなら

89
00:07:18,450 --> 00:07:20,770
三千の鬼衆の罪業からも逃れられぬ

90
00:07:21,490 --> 00:07:23,010
俺は龍背に誓ったのだ

91
00:07:23,730 --> 00:07:26,650
いつの日か群鬼が人の世に出て害をなすなら

92
00:07:27,210 --> 00:07:30,400
この葉白衣が必ず鬼谷を平定すると

93
00:07:31,240 --> 00:07:32,210
ならば

94
00:07:34,560 --> 00:07:35,960
前輩にご高教願います

95
00:07:39,010 --> 00:07:39,800
つまり

96
00:07:41,650 --> 00:07:43,730
お前は鬼主を庇うというのか?

97
00:07:44,360 --> 00:07:45,800
私が庇うのは私の師弟です

98
00:07:47,240 --> 00:07:48,560
すでに手足の情ゆえ

99
00:07:48,930 --> 00:07:51,450
一つ栄えれば倶に栄え 一つ損じれば倶に損じる

100
00:07:52,010 --> 00:07:54,680
彼への処罰は半分私が持ちます
(*罪罚=罰すること、処罰《管子・八観》)

101
00:07:54,930 --> 00:07:56,610
恐らくお前には負い切れぬ

102
00:08:32,890 --> 00:08:34,650
俺がお前を殺せないと本気で思ってるのか?

103
00:08:35,090 --> 00:08:36,330
俺に剣を抜かせるな

104
00:08:36,600 --> 00:08:37,450
前輩

105
00:08:38,290 --> 00:08:39,240
若輩の無礼お許しください

106
00:08:39,920 --> 00:08:41,680
今日あなたが四季山荘に足を踏み入れるつもりなら

107
00:08:42,200 --> 00:08:43,960
私の屍をまず踏み越えるしかない

108
00:08:44,080 --> 00:08:45,010
できぬとでも?

109
00:09:28,810 --> 00:09:29,640
周子舒

110
00:09:30,160 --> 00:09:32,200
お前の亡き師父の情宜に免じて

111
00:09:32,490 --> 00:09:33,960
今日のことろはお前のちっぽけな命を残してやる

112
00:09:35,050 --> 00:09:36,450
もし懐章が健在ならば

113
00:09:36,640 --> 00:09:38,050
己で門戸を整理しただろう

114
00:09:38,600 --> 00:09:40,200
お前のような私情に囚われた若造に

115
00:09:40,720 --> 00:09:42,930
ここで四季山荘の名誉を汚させるものか

116
00:09:45,840 --> 00:09:49,010
あなたこそ私の師父をあまり理解してませんね

117
00:09:49,570 --> 00:09:51,570
今日我が師父がまだ生きていれば

118
00:09:52,450 --> 00:09:54,330
我ら師と徒は共に立っていたでしょう

119
00:09:55,840 --> 00:09:57,010
頑固者め
(*冥顽不灵=頑迷無知であること《祭鰐魚文》韓愈)

120
00:10:55,400 --> 00:10:56,200
来いよ

121
00:11:09,930 --> 00:11:10,640
温客行

122
00:11:11,520 --> 00:11:12,810
葉某は誓いを立てている

123
00:11:13,760 --> 00:11:16,200
一旦青崖山の群鬼が鬼谷から逃げ出たら

124
00:11:16,760 --> 00:11:17,810
必ず殲滅すると

125
00:11:18,370 --> 00:11:19,690
お前は鬼谷谷主として

126
00:11:19,840 --> 00:11:21,720
群鬼を率いて江湖に禍を招いた

127
00:11:21,890 --> 00:11:23,640
運は尽きた 罪は赦されん
(*恶贯满盈=銭が紐に通されびっしり並んでいるように悪事を並べ最後は罰を受ける《尚書・泰誓》)

128
00:11:26,160 --> 00:11:28,450
葉某はお前の哀れな身の上を念慮し

129
00:11:29,010 --> 00:11:30,280
自裁することを許してやる

130
00:11:30,450 --> 00:11:31,250
いやだね

131
00:11:32,370 --> 00:11:33,330
殺したければ殺せ

132
00:11:33,930 --> 00:11:35,930
私はお前の手で死んで 必ず悪霊に化け
(*厉鬼=自殺や急死の恨みによる悪鬼、悪霊《春秋左氏伝・昭公七年》)

133
00:11:36,200 --> 00:11:38,520
万悪の世に徹底的にまとわりついてやる

134
00:11:43,570 --> 00:11:44,330
そうか

135
00:11:44,960 --> 00:11:46,130
ならばお前を手伝ってやる

136
00:11:46,640 --> 00:11:47,330
何様のつもりだ

137
00:11:48,250 --> 00:11:49,080
葉白衣

138
00:11:50,720 --> 00:11:53,930
甄如玉はまさに捨て身で容炫を守ったからこそ

139
00:11:54,130 --> 00:11:55,600
一家が破滅したんだ
(*家破人亡=一家一族が四散し没落する《晋書・温嶠伝》)

140
00:11:56,400 --> 00:11:59,050
私の師弟は幼少期に父母を奪われたからこそ

141
00:11:59,570 --> 00:12:00,720
鬼谷に落ち延びたんだ

142
00:12:01,330 --> 00:12:04,280
己の良心に触れて自分自身に問うてみろ

143
00:12:04,520 --> 00:12:05,600
誰が彼を裁くことができる

144
00:12:05,890 --> 00:12:06,930?
資格はあるのか?

145
00:12:07,960 --> 00:12:10,930
聖手甄如玉は一生で無数の人を救い

146
00:12:11,400 --> 00:12:12,400
善行の徳を積んだ

147
00:12:13,050 --> 00:12:14,010
彼の一人息子が

148
00:12:14,520 --> 00:12:16,840
なぜこんな不公平な待遇を受ける?

149
00:12:17,690 --> 00:12:19,810
あなたは私の師弟と立場が替われば
(*易地而处=立場を入れ替えて考えてみること《少康・漢高祖論》)

150
00:12:20,250 --> 00:12:23,400
彼よりうまく立ち回ることができたと言うのか?

151
00:12:23,690 --> 00:12:26,010
生きようと思うのは 罪なのか?

152
00:12:27,890 --> 00:12:29,330
恩は恩に 仇は仇に還る

153
00:12:30,130 --> 00:12:32,050
師と徒は温家に申し訳ないことをしたが

154
00:12:32,280 --> 00:12:34,520
俺は鬼谷の根絶をも約束した

155
00:12:36,130 --> 00:12:37,810
今日俺はそいつの命を奪い

156
00:12:38,450 --> 00:12:39,130
来たる日

157
00:12:39,400 --> 00:12:40,760
鬼谷に攻め込み

158
00:12:41,400 --> 00:12:42,450
約束を果たした後

159
00:12:42,690 --> 00:12:43,960
必ず俺の命でそいつに返してやる

160
00:12:45,250 --> 00:12:48,010
鬼谷は本来存在すべきではなかった

161
00:12:49,450 --> 00:12:50,810
魔物はもとより人心にあり

162
00:12:51,930 --> 00:12:53,520
あなたが鬼谷を一掃できても

163
00:12:54,080 --> 00:12:57,160
人の心の中の貪欲や汚穢を全て消せますか?

164
00:12:59,050 --> 00:12:59,840
葉前輩

165
00:13:00,370 --> 00:13:03,600
あなたは私の師父が
きっと大義滅親すると言いましたが
(*大义灭亲=正義のためには情を顧みない)

166
00:13:05,010 --> 00:13:06,130
それは間違いです

167
00:13:07,450 --> 00:13:09,520
師父は事に当たっては常に賢明でした

168
00:13:10,520 --> 00:13:12,640
彼が私の師弟の境遇を知ったなら

169
00:13:13,130 --> 00:13:15,840
きっとあなたみたいな是非も問わぬ強情張りには

170
00:13:16,130 --> 00:13:17,200
なりません
(*不辨是非=善悪を区別しない《児女英雄伝》文康)

171
00:13:19,280 --> 00:13:22,200
彼はただ師弟に己の犯した過ちを償うために
(*改过向善=過ちを改め善くあること《易経》)

172
00:13:22,570 --> 00:13:24,930
善行するようしっかりと導くだけでしょう

173
00:13:25,400 --> 00:13:26,810
率直に言うと

174
00:13:28,010 --> 00:13:29,960
あなたは私の師父の友である資格はない

175
00:13:30,930 --> 00:13:32,160
旧情を慮る必要もない

176
00:13:32,690 --> 00:13:35,370
殺すなら師兄弟

177
00:13:36,810 --> 00:13:38,080
共に殺せ

178
00:14:03,010 --> 00:14:05,520
天地は仁ならず ゆえに万物は芻狗たり
(*すべて平等に自己責任、自然の摂理、なるようになる《道徳経》老子)

179
00:14:07,050 --> 00:14:07,890
温客行

180
00:14:08,570 --> 00:14:10,160
お前がもし四季山荘に留まるなら

181
00:14:10,370 --> 00:14:11,600
過ちを改め善行するのもまあいい

182
00:14:12,600 --> 00:14:14,400
だがもし江湖で再び出くわすことがあれば

183
00:14:15,400 --> 00:14:16,690
お前の命を取るだろう

184
00:14:25,010 --> 00:14:27,370
阿絮 大丈夫?

185
00:14:29,400 --> 00:14:30,200
すまない

186
00:14:31,890 --> 00:14:33,570
ずっと話そうと思っていたんだ

187
00:14:34,450 --> 00:14:35,760
すまないで足りるかよ

188
00:14:38,520 --> 00:14:39,280
温客行

189
00:14:40,050 --> 00:14:40,760
答えろ

190
00:14:41,810 --> 00:14:43,810
もし俺がお前の思惑を見透かしてなかったら

191
00:14:44,840 --> 00:14:45,930
葉白衣に会って

192
00:14:47,640 --> 00:14:48,760
どうするつもりだった

193
00:14:54,370 --> 00:14:56,280
私はただ彼を止めたかった

194
00:14:57,200 --> 00:14:58,370
彼が四季山荘に入れないように

195
00:14:58,570 --> 00:14:59,400
止められないだろ

196
00:15:01,280 --> 00:15:02,250
止められなければ

197
00:15:02,840 --> 00:15:04,330
いっそ彼の手で死のうと

198
00:15:05,010 --> 00:15:07,450
あなたと成嶺の前で私の正体を

199
00:15:08,330 --> 00:15:09,400
明かされるよりましだ

200
00:15:19,200 --> 00:15:20,570
鏡を持ってくるべきだった

201
00:15:21,010 --> 00:15:22,640
お前の今の様子を見せてやりたい

202
00:15:24,490 --> 00:15:26,160
この瀟洒で洒脱な温客行が

203
00:15:26,280 --> 00:15:28,280
いつの間にこんな野暮ったくなったんだ

204
00:15:28,760 --> 00:15:30,050
周子舒 あなた

205
00:15:39,250 --> 00:15:40,450
俺はこんなに重傷だぞ

206
00:15:42,450 --> 00:15:43,890
手を貸すことも知らないのか?

207
00:15:48,840 --> 00:15:50,010
あなたは凄いんじゃないの?

208
00:15:50,810 --> 00:15:52,050
自分で立てば?

209
00:15:53,330 --> 00:15:55,010
立ち上がれない

210
00:16:03,570 --> 00:16:04,760
お前は凄いんじゃないのか?

211
00:16:06,050 --> 00:16:07,570
どうして助け起こすことすらできないんだ

212
00:16:24,330 --> 00:16:25,080
阿絮

213
00:16:25,810 --> 00:16:26,600
聞くけど

214
00:16:27,570 --> 00:16:28,690
私をわざと行かせて

215
00:16:29,690 --> 00:16:31,280
近道して葉白衣を止めに行ったの?

216
00:16:35,890 --> 00:16:37,250
じゃあもし彼を止められなかったら?

217
00:16:41,520 --> 00:16:42,400
当ててみろ

218
00:16:52,160 --> 00:16:52,890
行くよ

219
00:16:54,960 --> 00:16:56,050
痛いだろ

220
00:16:56,130 --> 00:16:57,520
肩が砕けてるんだ

221
00:16:58,840 --> 00:16:59,640
お前わざとだろ

222
00:16:59,760 --> 00:17:01,010
はいはい 優しくするよ

223
00:17:08,610 --> 00:17:09,760
成嶺にあなたがこんな怪我をしたのを見られたら

224
00:17:10,090 --> 00:17:10,850
なんて言うべきかな

225
00:17:12,400 --> 00:17:13,440
お前が殴ったと言うさ

226
00:17:14,520 --> 00:17:15,240
阿絮

227
00:17:46,160 --> 00:17:47,160
見飽きただろ?

228
00:17:47,640 --> 00:17:48,400
見飽きない

229
00:17:51,210 --> 00:17:52,570
人が悪いことを覚えるのは早い

230
00:17:53,240 --> 00:17:54,280
あんたは主人とは長くは一緒に

231
00:17:54,400 --> 00:17:55,160
いなかったのに

232
00:17:55,730 --> 00:17:57,610
どうしてこの油っこいところが
ますます似てきてるんだ?

233
00:17:58,050 --> 00:17:59,400
温兄のどこが油でよく滑る舌だって?
(*油嘴滑舌=口先ばかり)

234
00:17:59,850 --> 00:18:01,610
彼は誠実な君子だよ

235
00:18:02,160 --> 00:18:03,120
もういいよ

236
00:18:04,480 --> 00:18:05,400
蔚寧はいますか?

237
00:18:07,930 --> 00:18:08,570
師兄

238
00:18:08,730 --> 00:18:09,850
何かのご用で来られたんですか?

239
00:18:10,210 --> 00:18:11,690
君への文が届きました

240
00:18:11,850 --> 00:18:13,760
急を要するのかどうかも分からなかったので

241
00:18:13,930 --> 00:18:14,480
急いで来ました

242
00:18:14,570 --> 00:18:15,480
今時分に私に文が届くんですか?

243
00:18:15,610 --> 00:18:16,640
清風山は封鎖されてるじゃないですか

244
00:18:16,850 --> 00:18:18,240
周兄と温兄だ

245
00:18:20,240 --> 00:18:20,930
蔚寧

246
00:18:21,090 --> 00:18:22,360
この温周お二方は?

247
00:18:22,810 --> 00:18:23,570
友達です

248
00:18:23,760 --> 00:18:26,120
曹大哥が江湖で知り合った友達です

249
00:18:26,450 --> 00:18:28,000
この二人はいい人じゃない

250
00:18:28,160 --> 00:18:29,330
一日中こそこそして

251
00:18:29,480 --> 00:18:30,520
油っこいのを面白がってる

252
00:18:30,760 --> 00:18:32,640
あたしは曹大哥が彼らと付き合うのが
好きじゃないです

253
00:18:32,760 --> 00:18:33,570
悪いところを見習うのが怖い

254
00:18:34,120 --> 00:18:35,240
師兄に笑われます

255
00:18:35,400 --> 00:18:37,090
阿湘 何言ってんの?

256
00:18:38,570 --> 00:18:39,330
蔚寧

257
00:18:39,570 --> 00:18:40,690
一歩借りて話せますか?
(*借一步说话=内緒話したいときの決り文句)

258
00:18:42,210 --> 00:18:42,760
行け

259
00:18:43,280 --> 00:18:43,880
分かった

260
00:18:44,970 --> 00:18:45,760
どうぞ 師兄

261
00:18:57,090 --> 00:19:00,330
師兄 一体何の用事で来たんです?

262
00:19:04,730 --> 00:19:05,450
蔚寧

263
00:19:06,520 --> 00:19:07,520
結局のところ湘姑娘が

264
00:19:07,610 --> 00:19:09,330
どんな出自か知っているのですか

265
00:19:10,090 --> 00:19:12,090
師兄 どういう意味ですか?

266
00:19:13,850 --> 00:19:14,570
彼女は

267
00:19:15,090 --> 00:19:17,450
腕の立つ先達の侍女だと称していますが

268
00:19:17,850 --> 00:19:19,330
では君は彼女の主人に会ったことはありますか?

269
00:19:19,640 --> 00:19:20,400
当然会いました

270
00:19:20,810 --> 00:19:22,570
湘姑娘の主人は

271
00:19:22,760 --> 00:19:24,240
その口で彼女を私に託してくれました

272
00:19:24,970 --> 00:19:26,160
それはどちら様です?

273
00:19:26,480 --> 00:19:27,240
彼は

274
00:19:32,280 --> 00:19:33,050
師兄

275
00:19:33,730 --> 00:19:34,930
私は知っていますが

276
00:19:35,120 --> 00:19:37,090
お伝えするのは難しい

277
00:19:37,330 --> 00:19:38,610
阿湘と絶対に彼女の主人の

278
00:19:38,730 --> 00:19:41,970
身分と名前を明かさぬと約束したからです

279
00:19:42,280 --> 00:19:44,360
ですがご安心ください 彼らはいい人です

280
00:19:44,640 --> 00:19:45,450
彼ら

281
00:19:47,730 --> 00:19:48,450
蔚寧

282
00:19:48,850 --> 00:19:51,050
君の湘姑娘に対する深い愛情は分かってます

283
00:19:51,360 --> 00:19:53,360
実際師兄も自分の想い人を見つけた君を

284
00:19:53,520 --> 00:19:54,640
見られるのはとても嬉しい

285
00:19:54,810 --> 00:19:56,000
だが知っておくべきです

286
00:19:56,520 --> 00:19:58,690
この江湖は 玉石混交
(*鱼龙混杂=善悪入り混じってること、玉石混淆《和漁夫詞》張志和)

287
00:19:58,930 --> 00:20:00,000
どんな人でもいるのです

288
00:20:02,520 --> 00:20:03,760
師兄が不躾な事を言わせてもらうが

289
00:20:04,480 --> 00:20:05,570
ここ数日来

290
00:20:05,930 --> 00:20:08,480
見たところ湘姑娘のやる事 話す事

291
00:20:09,330 --> 00:20:10,810
やや邪気を帯びている

292
00:20:11,210 --> 00:20:12,880
師兄 言葉を慎んでください

293
00:20:13,050 --> 00:20:14,610
もし彼女が本当に奇人異士から
(*奇人异士=独特で特別な能力を持つ人物)

294
00:20:14,760 --> 00:20:15,690
武功を習ったならば

295
00:20:16,120 --> 00:20:17,930
名門の淑女とは気立てが違おうと

296
00:20:18,120 --> 00:20:18,970
それも正常でしょう

297
00:20:19,090 --> 00:20:20,240
阿湘のあれは邪気じゃありません

298
00:20:20,610 --> 00:20:22,880
あれは自然に出てくる 赤子(せきし)の心です
(*赤子之心=純真で善良な心の比喩《孟子・離婁》)

299
00:20:23,160 --> 00:20:24,000
蔚寧

300
00:20:24,480 --> 00:20:26,330
平時の平穏な日なら

301
00:20:26,450 --> 00:20:28,610
師兄も当然このような草木皆兵になりません
(*草木皆兵=恐怖のあまり草木まで敵兵に見えること、疑心暗鬼《晋書》)

302
00:20:29,480 --> 00:20:30,400
ですが今は

303
00:20:31,480 --> 00:20:32,850
清風剣派は封山しています

304
00:20:35,280 --> 00:20:36,850
本来なら君に同じ心配をさせぬよう

305
00:20:37,210 --> 00:20:38,520
言うべきではなかった

306
00:20:39,050 --> 00:20:40,000
分かっています

307
00:20:40,690 --> 00:20:41,520
師兄

308
00:20:42,160 --> 00:20:45,690
高盟主は琉璃甲を師父に託したのですよね

309
00:20:45,930 --> 00:20:46,850
蔚寧 師兄

310
00:20:47,760 --> 00:20:49,400
蔚寧は愚鈍ですが

311
00:20:50,850 --> 00:20:53,330
でも義の字の道理は心得ています

312
00:20:53,610 --> 00:20:55,400
高盟主の負った冤罪はまだ晴れておらず

313
00:20:56,520 --> 00:20:59,120
またこんな重要な物を師父に託した

314
00:21:00,640 --> 00:21:03,450
我ら清風剣派はそのため封山したのですね

315
00:21:04,240 --> 00:21:06,360
来る日に備えて水火も辞さぬのは

316
00:21:07,050 --> 00:21:09,970
至極真っ当なことだと思います
(*理所应当=道理的に当然のこと)

317
00:21:10,400 --> 00:21:12,480
ですがその杯中の蛇影のために
(*杯弓蛇影=杯の中に映った弓が蛇の姿に見えること、疑心暗鬼《風俗通義》)

318
00:21:12,610 --> 00:21:14,120
姑娘の潔白を疑うのでしたら

319
00:21:14,730 --> 00:21:15,970
蔚寧は賛同できません

320
00:21:16,160 --> 00:21:17,210
私も疑ってるわけではありません

321
00:21:17,520 --> 00:21:19,050
師兄はただはっきり聞きたかった

322
00:21:19,210 --> 00:21:19,930
師兄

323
00:21:20,280 --> 00:21:22,690
阿湘の身の上は紆余曲折あります

324
00:21:23,760 --> 00:21:24,810
彼女が私に言いたくないなら

325
00:21:25,360 --> 00:21:26,760
私は彼女の決定を尊重します

326
00:21:29,760 --> 00:21:33,160
私と阿湘はあんなに沢山の苦難を
共に経験してきました

327
00:21:34,930 --> 00:21:36,090
私の命で保証します

328
00:21:36,280 --> 00:21:37,730
阿湘は絶対に良い姑娘です

329
00:21:40,090 --> 00:21:41,520
私が彼女を認めた以上

330
00:21:41,760 --> 00:21:42,690
彼女にも約束しました

331
00:21:43,120 --> 00:21:44,360
私は彼女を裏切りません

332
00:21:44,480 --> 00:21:45,450
疑うこともしません

333
00:21:49,210 --> 00:21:49,880
師兄

334
00:21:50,400 --> 00:21:53,720
蔚寧の決定をどうか尊重ください

335
00:22:24,040 --> 00:22:24,680
師父

336
00:22:25,080 --> 00:22:26,280
この盆の薬湯も沸きました

337
00:22:26,490 --> 00:22:27,280
師叔にあげますか?

338
00:22:28,160 --> 00:22:29,250
更に加えたら私は煮えてしまう

339
00:22:30,890 --> 00:22:32,130
近頃はあんなに身体が弱ってて

340
00:22:32,610 --> 00:22:33,770
まだ少し湯が足りない

341
00:22:37,970 --> 00:22:40,200
師父 怪我はまだ痛みますか?

342
00:22:41,130 --> 00:22:42,680
その忌々しい強盗どもはどこから出てきたのか

343
00:22:42,970 --> 00:22:44,040
あなたたちの怪我が良くなったら

344
00:22:44,280 --> 00:22:45,610
我らで巣を焼き払いに行きましょう

345
00:22:48,370 --> 00:22:49,090
大丈夫だ

346
00:22:50,370 --> 00:22:54,130
その強盗どもは君の温叔にもう皆殺しにされた

347
00:22:54,560 --> 00:22:55,370
全滅だ

348
00:22:57,010 --> 00:22:57,800
成嶺

349
00:22:58,400 --> 00:23:00,650
さっさとこの薬を挽いて粉にしろ

350
00:23:01,040 --> 00:23:01,730
はい

351
00:23:07,650 --> 00:23:08,370
阿絮

352
00:23:09,160 --> 00:23:11,770
あなたの作り話の腕は本当にひどいね

353
00:23:12,090 --> 00:23:14,010
どんな強盗があなたと私を殴れるんです

354
00:23:14,970 --> 00:23:17,040
我らの大弟子がバカでよかった

355
00:23:17,970 --> 00:23:20,920
俺の作り話の腕は当然お前には及ばない

356
00:23:21,160 --> 00:23:22,850
でなけりゃお前が作ってくれ

357
00:23:25,130 --> 00:23:25,920
阿絮

358
00:23:29,320 --> 00:23:30,850
私はもう成嶺に嘘をつきたくない

359
00:23:36,090 --> 00:23:36,970
来ないで

360
00:23:39,090 --> 00:23:40,890
そこにいて私の話を聞いてほしい

361
00:23:42,200 --> 00:23:43,090
話はあるが

362
00:23:43,970 --> 00:23:47,010
あなたを見ていると 口に出せなくなりそうで

363
00:23:49,890 --> 00:23:51,490
成嶺の一家の滅亡は

364
00:23:53,250 --> 00:23:54,320
全く私が

365
00:23:56,280 --> 00:23:57,520
関わってないわけじゃない

366
00:23:59,490 --> 00:24:01,490
鏡湖派の虐殺を命じたのはお前か

367
00:24:02,370 --> 00:24:03,280
違う

368
00:24:09,400 --> 00:24:12,160
覚えてない? 春に

369
00:24:13,370 --> 00:24:15,370
江湖至るところに流れ伝わった一節

370
00:24:16,010 --> 00:24:19,040
五湖の水 天下に集まるの歌

371
00:24:20,850 --> 00:24:21,730
忘れてない

372
00:24:22,680 --> 00:24:24,320
だけどあの歌の下の半句

373
00:24:25,970 --> 00:24:28,320
彩雲は散りて 瑠璃は砕けぬ

374
00:24:28,890 --> 00:24:30,730
青崖山鬼誰と悲しむ

375
00:24:32,280 --> 00:24:33,680
これは私の手によるものです

376
00:24:34,680 --> 00:24:35,520
分かってた

377
00:24:36,770 --> 00:24:39,160
一旦自分が撒き散らした疑惑の種は

378
00:24:39,490 --> 00:24:41,280
当然 足がなくとも走り出し
(*不胫而走=素早く静かに広まること、一世を風靡すること《甌北詩話》趙翼)

379
00:24:42,090 --> 00:24:43,850
武庫を狙う全ての者が

380
00:24:45,090 --> 00:24:47,970
血に集るハエのように五湖盟に目を付ける

381
00:24:48,650 --> 00:24:51,090
しかし 私が分からなかったのは

382
00:24:52,160 --> 00:24:54,160
確かに武庫は連中が決定したことなのに

383
00:24:54,650 --> 00:24:56,090
後の結果を引き受けるべき時に

384
00:24:56,200 --> 00:24:57,560
五姓の兄弟はどこにいたのか

385
00:24:58,370 --> 00:24:59,890
私の父は彼らを擁護し

386
00:25:00,280 --> 00:25:02,680
武庫の秘密を瓶の口を塞ぐように守り死に至った
(*守口如瓶=極めて口が固い《癸辛雑識別集》)

387
00:25:02,800 --> 00:25:04,370
でも彼らは部外者を装った

388
00:25:04,890 --> 00:25:06,890
私の家族が神医谷から追放された時

389
00:25:07,010 --> 00:25:08,490
江湖全ての人から追われ捕まり殺された時

390
00:25:08,610 --> 00:25:09,680
彼らはどこにいた?

391
00:25:12,520 --> 00:25:13,920
彼らは歯には歯を返すことができるのに

392
00:25:14,850 --> 00:25:17,010
なぜ私は血に血を返すことができないのか

393
00:25:17,800 --> 00:25:18,560
老温

394
00:25:19,970 --> 00:25:20,920
この何年もの間

395
00:25:22,280 --> 00:25:23,610
私を支えてきたのは

396
00:25:24,800 --> 00:25:26,610
復讐の一念だけでした

397
00:25:30,320 --> 00:25:31,920
でも私が後悔しても

398
00:25:33,200 --> 00:25:34,970
すでに一切が覆し難いほどに根深い
(*积重难返=根深い慣習を改めるのは難しい、簡単には解決できない《二十二史箚記》趙翼)

399
00:25:36,130 --> 00:25:37,090
阿絮

400
00:25:39,010 --> 00:25:40,920
あなたに打ち明けるつもりがなかったわけじゃない

401
00:25:42,400 --> 00:25:44,090
でもあなたが許してくれたとしても

402
00:25:45,920 --> 00:25:47,800
私はまた成嶺とどう向き合うべきなのか

403
00:25:49,850 --> 00:25:51,320
私は伯仁(ボーレン)を殺していないが

404
00:25:52,440 --> 00:25:54,040
伯仁は私によって死んだのです
(*間接的に死に追いやった《晋書·列伝三十九》)

405
00:25:56,320 --> 00:25:57,730
私が成嶺にしたことは

406
00:25:59,560 --> 00:26:01,520
五湖盟が私にしたことと比べて

407
00:26:02,770 --> 00:26:04,400
一体どんな違いがあるのか

408
00:26:06,770 --> 00:26:07,890
なら聞くが

409
00:26:09,200 --> 00:26:11,610
鏡湖派を血で洗ったのは結局のところ誰なんだ

410
00:26:12,280 --> 00:26:13,490
お前は知っているのか?

411
00:26:15,400 --> 00:26:17,440
鬼谷から出た謀反の徒かもしれないし

412
00:26:17,730 --> 00:26:21,440
誰かが鬼谷のふりをして
罪を着せようとした可能性もある

413
00:26:21,890 --> 00:26:22,520
どのみち

414
00:26:22,650 --> 00:26:23,320
もういい

415
00:26:25,010 --> 00:26:26,090
大巫が来て

416
00:26:26,400 --> 00:26:28,280
この不運な俺の怪我を治してくれたら

417
00:26:28,400 --> 00:26:30,200
お前と俺とで真相の究明に出かけ

418
00:26:30,320 --> 00:26:31,490
張家に代わって敵を討とう

419
00:26:34,090 --> 00:26:35,090
時が来たら

420
00:26:37,160 --> 00:26:39,040
お前は成嶺にきっちり説明しろ

421
00:26:39,650 --> 00:26:40,850
だが話す時が来て

422
00:26:42,370 --> 00:26:44,320
成嶺がお前を恨み憎むとしたら

423
00:26:44,610 --> 00:26:45,970
お前は受け入れるんだ

424
00:26:46,800 --> 00:26:47,920
向き合いたくないか

425
00:26:48,770 --> 00:26:50,370
向き合わないつもりか?

426
00:26:53,200 --> 00:26:55,010
お前が何の谷主だろうと妖主だろうと

427
00:26:55,130 --> 00:26:56,800
まず先にお前は俺の師弟だ

428
00:26:57,970 --> 00:26:59,280
しっかり風呂に入ったら

429
00:26:59,960 --> 00:27:01,440
俺と成嶺のために急いで

430
00:27:01,560 --> 00:27:02,650
美味い飯を作れ

431
00:27:04,770 --> 00:27:08,160
人生は一日三度の飯に過ぎない

432
00:27:08,850 --> 00:27:11,090
千古の愁いを気に病むなんて
(*千古愁=長年の愁い、死の恐怖《友人會宿》李白)

433
00:27:11,370 --> 00:27:12,770
凡人の空騒ぎだろ
(*庸人自扰=取り越し苦労、いらぬ心配)

434
00:27:41,130 --> 00:27:42,010
義父さん

435
00:27:42,130 --> 00:27:44,010
蝎儿はとてもきな臭い情報を得たよ

436
00:27:44,250 --> 00:27:47,130
温客行の端女の紫煞顧湘が

437
00:27:47,250 --> 00:27:48,770
曹蔚寧と清風山に入ったって

438
00:27:49,280 --> 00:27:51,130
捜索に人を向かわせてやっと発見したんだ

439
00:27:51,280 --> 00:27:52,890
この清風剣派は英雄大会の後

440
00:27:53,040 --> 00:27:53,850
すぐ山を封鎖した

441
00:27:53,970 --> 00:27:55,160
今に至るまで誰も出入りしていない

442
00:27:55,320 --> 00:27:56,280
そして莫懐陽は

443
00:27:57,280 --> 00:27:58,370
閉関して半年になる

444
00:27:58,730 --> 00:27:59,680
誰も彼に会っていない

445
00:28:01,680 --> 00:28:02,400
義父さん

446
00:28:12,370 --> 00:28:13,770
これは午前から書いているが

447
00:28:15,130 --> 00:28:18,040
満足しているのはこの書だけです

448
00:28:18,610 --> 00:28:19,400
蝎儿

449
00:28:20,200 --> 00:28:21,160
お前にあげます

450
00:28:24,520 --> 00:28:27,010
義父さん 僕とあなたは大事な事を話してるんだ

451
00:28:27,560 --> 00:28:30,440
僕がまず清風剣派の捜索に行ってくる

452
00:28:32,650 --> 00:28:33,560
何を調べるのです?

453
00:28:34,770 --> 00:28:36,090
英雄大会再開の告示を

454
00:28:36,200 --> 00:28:37,200
すでに武林全体に公布しました

455
00:28:37,520 --> 00:28:38,320
私は

456
00:28:38,800 --> 00:28:40,770
莫懐陽が高崇の親友として

457
00:28:41,040 --> 00:28:42,440
会への出席を承諾しないとは思ってません

458
00:28:43,040 --> 00:28:45,680
何もこんな肝心な時に
問題を増やす必要などないのです

459
00:28:45,850 --> 00:28:46,770
まさしくその通り

460
00:28:47,160 --> 00:28:49,680
だからこそ僕はその前に事情を
はっきり把握しておく必要があるんだ

461
00:28:49,970 --> 00:28:51,680
温客行自身の行方は不確かだけど

462
00:28:51,850 --> 00:28:55,040
この腹心を清風剣派の弟子に着けさせた

463
00:28:55,770 --> 00:28:57,090
これが怪しい

464
00:28:58,200 --> 00:28:59,320
調べるまでもなく

465
00:29:00,850 --> 00:29:03,650
私は早くから高崇の三つの琉璃甲は

466
00:29:04,200 --> 00:29:06,160
恐らく莫懐陽の手にあると考えていた

467
00:29:07,010 --> 00:29:07,890
ですが

468
00:29:08,400 --> 00:29:11,010
この温客行の反応も遅くはない

469
00:29:15,160 --> 00:29:17,040
莫懐陽と高崇の親交で

470
00:29:18,400 --> 00:29:21,370
莫懐陽はすでに岳陽派に到着していたくせに

471
00:29:21,970 --> 00:29:25,610
しかし大会開催の前に挨拶もせず別れた

472
00:29:26,200 --> 00:29:27,400
これがその一

473
00:29:28,490 --> 00:29:30,970
薄懐空は彼の代わりに大会に出席したが

474
00:29:31,280 --> 00:29:33,280
高崇を見殺しにした

475
00:29:33,920 --> 00:29:35,400
これがその二

476
00:29:36,800 --> 00:29:38,010
そしてここ数ヶ月

477
00:29:38,130 --> 00:29:41,440
ずっと江湖に琉璃甲の情報がない

478
00:29:42,320 --> 00:29:43,850
これがその三

479
00:29:44,250 --> 00:29:45,370
さらに滑稽なのが

480
00:29:45,650 --> 00:29:47,130
このバカが帰ると

481
00:29:47,250 --> 00:29:48,250
すぐに封山

482
00:29:48,850 --> 00:29:50,610
これは自ら白状したも同然じゃないですか
(*不打自招=打たれる前に自分から白状する、語るに落ちる《西遊記》)

483
00:29:52,440 --> 00:29:53,160
義父さん

484
00:29:55,090 --> 00:29:56,560
あなたが早くに知っていたなら

485
00:29:56,850 --> 00:29:58,200
どうして蝎儿に教えてくれなかったの

486
00:29:58,890 --> 00:30:00,040
蝎儿は明日朝から

487
00:30:00,560 --> 00:30:02,200
清風剣派を一掃してくるよ

488
00:30:02,320 --> 00:30:04,200
見なさい またです

489
00:30:04,560 --> 00:30:05,650
この小南蛮は

490
00:30:06,250 --> 00:30:08,850
あの莫懐陽の武功は本当に手強い

491
00:30:08,970 --> 00:30:10,610
閉関十年 修練がどのような境地に至っているか

492
00:30:10,730 --> 00:30:11,800
我らには知る由しもない

493
00:30:12,610 --> 00:30:14,040
十二分に把握できなければ

494
00:30:14,560 --> 00:30:16,130
草を打って蛇を驚かすことになりかねない

495
00:30:16,400 --> 00:30:18,010
僕が彼と一騎討ちするわけじゃないよ

496
00:30:18,440 --> 00:30:19,490
武功がどんなに高くても

497
00:30:20,970 --> 00:30:23,970
明槍躱し易くとも 暗箭はどうやって躱せるの?
(*明枪易躲 暗箭难防=正面の攻撃は避けやすく背後の攻撃は防ぎにくい)

498
00:30:25,520 --> 00:30:26,440
それか

499
00:30:27,970 --> 00:30:29,890
僕が薬人の山を持って行って

500
00:30:30,490 --> 00:30:34,970
清風剣派を死の領域に変えるよ

501
00:30:36,610 --> 00:30:37,440
蝎儿

502
00:30:38,280 --> 00:30:40,250
私は以前 確かにお前に言いました

503
00:30:40,800 --> 00:30:42,920
全ての薬人を廃棄しなさいと

504
00:30:43,520 --> 00:30:44,800
お前には私の言葉は

505
00:30:46,370 --> 00:30:48,250
耳の傍らを吹く風ですか?
(*当耳边风=聞き流す《呉越春秋・呉王寿夢伝》)

506
00:30:51,090 --> 00:30:52,400
毒蝎は暗殺を生業としてきた

507
00:30:53,130 --> 00:30:55,370
もともと江湖の禁忌に抵触しているのです

508
00:30:55,800 --> 00:30:58,520
お前がまた妖蠱邪術を用いて人の心智を制御したり

509
00:30:58,650 --> 00:31:00,850
生きた人を薬人の兵器に錬成するなら

510
00:31:01,200 --> 00:31:04,130
お前のそれは"天理容さず" "人神共に憤る"
(*天理不容《討武曌檄》駱賓王 *人神共愤《封神演義》許仲琳)

511
00:31:04,280 --> 00:31:05,090
だけど僕の妖蠱邪術は

512
00:31:05,200 --> 00:31:06,850
あなたが高崇を倒すのも助けたよ

513
00:31:06,970 --> 00:31:07,850
義父さん

514
00:31:08,130 --> 00:31:09,160
信じてよ

515
00:31:09,320 --> 00:31:10,490
自分で証明するよ

516
00:31:10,610 --> 00:31:11,770
どうしてまだ分からないのだ

517
00:31:12,090 --> 00:31:13,370
もし他人に

518
00:31:13,520 --> 00:31:16,440
趙敬と妖蠱邪術が少しでも接点があると知れたら

519
00:31:16,560 --> 00:31:17,850
私はまさに地位も名誉も失い
(*身败名裂《賀新郎》辛棄疾)

520
00:31:18,040 --> 00:31:19,490
武林全体から責め立てられる

521
00:31:19,680 --> 00:31:22,090
武林盟主の座などなおさらのこと

522
00:31:22,200 --> 00:31:24,280
長年苦心惨憺しててきた一切が

523
00:31:24,440 --> 00:31:26,280
一瞬で崩れ去るのだ
(*毁于一旦=一気に崩れること《後漢書》)

524
00:31:27,920 --> 00:31:28,770
あなたは

525
00:31:32,610 --> 00:31:34,160
ついに口を滑らせた

526
00:31:40,560 --> 00:31:42,800
何が父子一心同体だ

527
00:31:44,440 --> 00:31:45,770
蝎儿が有用な時は

528
00:31:47,560 --> 00:31:49,160
あなたの愛息子で

529
00:31:51,130 --> 00:31:52,680
蝎儿が不要になったら

530
00:31:54,890 --> 00:31:56,920
足蹴にするんだね

531
00:31:57,770 --> 00:31:59,010
お前がそう思うなら

532
00:31:59,920 --> 00:32:01,280
私は何も言うことはない

533
00:32:06,650 --> 00:32:09,440
だが 蝎揭留波(シエジエリウボ)

534
00:32:11,490 --> 00:32:12,680
警告しておく

535
00:32:13,320 --> 00:32:15,440
もしお前のその汚れた手で

536
00:32:15,650 --> 00:32:18,090
私が長年苦心惨憺してきた一切を

537
00:32:18,250 --> 00:32:20,200
どうするんだ 殺すのか?

538
00:32:20,370 --> 00:32:21,200
貴様

539
00:32:24,130 --> 00:32:27,400
いいよ 僕の命はあなたが救った

540
00:32:28,560 --> 00:32:31,520
必要なら取り戻せばいい

541
00:32:32,160 --> 00:32:32,920
おのれ

542
00:32:33,040 --> 00:32:33,800
親不孝者

543
00:32:39,850 --> 00:32:41,490
お前の胸にぶらさげたのが何か見なさい

544
00:32:43,730 --> 00:32:45,770
目を開けてしっかり見なさい

545
00:32:46,970 --> 00:32:49,440
私の一番大切な物をお前に預けているのです

546
00:32:50,920 --> 00:32:53,090
お前がそんな事を言うとは

547
00:32:54,200 --> 00:32:55,200
蝎儿

548
00:32:56,370 --> 00:32:58,250
お前にはがっかりです

549
00:33:01,730 --> 00:33:02,730
出て行け

550
00:33:08,800 --> 00:33:10,610
もともと蝎揭留波も

551
00:33:13,200 --> 00:33:15,200
一人の博打打ちだ

552
00:33:54,560 --> 00:33:55,320
どうだった?

553
00:33:55,920 --> 00:33:57,490
大師兄と何を話したの

554
00:33:57,650 --> 00:33:59,320
何でもない 門派の事だよ

555
00:33:59,490 --> 00:34:00,200
心配しなくていいよ

556
00:34:01,400 --> 00:34:02,490
温兄と周兄は

557
00:34:02,650 --> 00:34:04,130
無事に四季山荘に着いたかな

558
00:34:05,040 --> 00:34:05,850
そうね

559
00:34:06,890 --> 00:34:08,410
文には何て書いてた?

560
00:34:08,850 --> 00:34:10,720
何でもない 無事の報せだよ

561
00:34:10,850 --> 00:34:11,610
見せてよ

562
00:34:11,720 --> 00:34:12,480
ダメ

563
00:34:12,800 --> 00:34:14,130
見せてやるとでも?

564
00:34:14,690 --> 00:34:15,520
それにあたしの主人が

565
00:34:15,690 --> 00:34:17,090
頭おかしいの知らないだろ

566
00:34:17,240 --> 00:34:18,320
ずっと猥談ずくめで

567
00:34:18,480 --> 00:34:20,000
あんたに見せたら また悪いこと学ぶ

568
00:34:20,170 --> 00:34:22,450
阿湘 そんなこと温兄に言っちゃダメだよ

569
00:34:22,610 --> 00:34:24,480
世間の目は短慮で狭量で

570
00:34:24,650 --> 00:34:25,690
表面だけを見てる

571
00:34:26,650 --> 00:34:28,800
だからこそ温兄と周兄を推測してしまうんだ

572
00:34:28,960 --> 00:34:30,090
彼らは真面目な人じゃないけど

573
00:34:30,240 --> 00:34:31,370
僕が思うに

574
00:34:31,479 --> 00:34:33,759
温兄 周兄はどちらも光風霽月
(*清风霁月=さわやかでわだかまりがないたとえ《豫章集・濂渓詩序》黄庭堅)

575
00:34:33,930 --> 00:34:36,130
それは高山流水のような絶世の知己だよ

576
00:34:36,280 --> 00:34:38,210
これは世間が彼らを汚れた目で見てるんだ

577
00:34:38,320 --> 00:34:40,690
分かった分かった あたしが悪かった

578
00:34:41,519 --> 00:34:42,479
曹大哥

579
00:34:42,690 --> 00:34:44,850
あたしの主人とそれから周絮の名前

580
00:34:44,999 --> 00:34:46,039
誰にも言ってないよね?

581
00:34:46,240 --> 00:34:47,320
それは当然

582
00:34:47,690 --> 00:34:48,800
君と約束したからね

583
00:34:49,610 --> 00:34:50,410
それに

584
00:34:50,720 --> 00:34:52,760
師叔たちは俗人なんかじゃないから

585
00:34:52,890 --> 00:34:55,130
江湖の讒言を信じないし

586
00:34:55,520 --> 00:34:57,760
君に対してなんの偏見もないよ

587
00:35:30,000 --> 00:35:31,760
成嶺 ほら 茶を飲め

588
00:35:32,690 --> 00:35:33,480
助かります温叔

589
00:35:40,720 --> 00:35:42,240
師父 辛いです

590
00:35:45,930 --> 00:35:46,800
老温

591
00:35:47,520 --> 00:35:48,650
本気で徳を欠いてるな

592
00:35:48,800 --> 00:35:50,890
あなたも先日こうやって私を騙して
辛いのを食べさせたじゃない

593
00:35:51,560 --> 00:35:52,610
これがあなたたち昆州人の

594
00:35:52,720 --> 00:35:53,800
人をからかう伝統なら

595
00:35:54,090 --> 00:35:56,850
私がこのようにご高弟にお返しして
何がいけないの

596
00:35:58,650 --> 00:35:59,610
まだいくか?

597
00:36:01,720 --> 00:36:02,800
周荘主お待たせを

598
00:36:04,370 --> 00:36:05,240
平安

599
00:36:05,850 --> 00:36:06,850
それで大巫は来たのか?

600
00:36:07,090 --> 00:36:08,210
申し訳ありません 周荘主

601
00:36:08,370 --> 00:36:11,040
大巫の方は数日ご猶予を頂戴します

602
00:36:11,370 --> 00:36:13,650
あなた様のために奇薬を調合するそうです

603
00:36:14,610 --> 00:36:16,890
大巫には彼の怪我の治療法があるんですね?

604
00:36:17,170 --> 00:36:19,170
小生に勝手な憶測はできませんが

605
00:36:19,320 --> 00:36:20,040
温公子

606
00:36:20,170 --> 00:36:22,320
ですが大いに有益ではあるはずです

607
00:36:22,520 --> 00:36:23,450
うちの旦那が申しますには

608
00:36:23,650 --> 00:36:24,960
順調であれば

609
00:36:25,090 --> 00:36:27,450
彼らは年越しに間に合うはずです

610
00:36:30,130 --> 00:36:31,170
厳寒の臘月に

611
00:36:34,410 --> 00:36:36,320
七爺には私のために奔走させて苦労をかけるな

612
00:36:36,930 --> 00:36:39,520
葉先生からまた文が来ました

613
00:36:40,610 --> 00:36:41,690
お目通しください

614
00:36:59,480 --> 00:37:01,560
師父 この紋様は

615
00:37:02,280 --> 00:37:03,370
山河令です

616
00:37:04,450 --> 00:37:05,690
高おじ上はもともと葉前輩と

617
00:37:05,800 --> 00:37:06,690
一つずつ持っていました

618
00:37:08,320 --> 00:37:09,930
葉前輩は先頭に立って英雄会を再開し

619
00:37:10,090 --> 00:37:10,960
鬼谷討伐するんですね

620
00:37:11,320 --> 00:37:12,320
よかったです 師父

621
00:37:12,610 --> 00:37:13,650
私たちも行けますか

622
00:37:36,720 --> 00:37:37,410
阿絮

623
00:37:37,850 --> 00:37:39,170
こんなに遅いのにまだ休んでないの

624
00:37:39,850 --> 00:37:41,090
お前はよく眠れないんじゃないのか?

625
00:37:42,210 --> 00:37:44,240
この酔生夢死はもう干し終わったから

626
00:37:44,560 --> 00:37:46,610
挽いて粉にすれば薬に使える

627
00:37:47,760 --> 00:37:49,650
荘にある酔生夢死は

628
00:37:50,210 --> 00:37:52,040
もう年月が経ちすぎて

629
00:37:52,800 --> 00:37:54,800
薬性をもう失ってるだろう

630
00:37:56,090 --> 00:37:57,090
手伝うよ

631
00:38:33,170 --> 00:38:33,960
病気なのか?

632
00:38:35,000 --> 00:38:36,410
薬を挽いてるんじゃないの?

633
00:38:37,280 --> 00:38:39,040
俺のこの薬で気狂いの病は治せない

634
00:38:39,760 --> 00:38:41,450
分かった分かった きれいにしてあげよう

635
00:38:41,650 --> 00:38:42,410
幼稚な

636
00:38:44,130 --> 00:38:45,720
お前が何を考えてるか分からないと思うなよ

637
00:38:46,560 --> 00:38:49,850
もしまた俺に隠し事して 勝手をするなら

638
00:38:50,370 --> 00:38:51,930
大師兄が横っ面を引っ叩いてやる

639
00:38:53,960 --> 00:38:56,280
どうしてできるの

640
00:38:57,130 --> 00:38:58,850
私は早くに予想してたじゃないですか

641
00:38:59,280 --> 00:39:01,280
遅かれ早かれ正邪は必ず一戦があるって

642
00:39:01,450 --> 00:39:03,560
だからこそ阿湘たちを早めに行かせたのです
(*支开=立ち去らせる、支使离开の略《紅楼夢》)

643
00:39:03,760 --> 00:39:04,890
それ以外は

644
00:39:05,520 --> 00:39:08,410
この江湖の正道が鬼谷を壊滅させるかどうか

645
00:39:08,560 --> 00:39:10,210
私と半角でも関係ありますか
(*半毛钱=0.5角、お金の単位、1元は10角、ごくわずか)

646
00:39:12,040 --> 00:39:14,520
あの魑魅魍魉どもを早く根絶させてくれれば

647
00:39:14,690 --> 00:39:17,410
世の中には百利あれど一害もなしです

648
00:39:17,690 --> 00:39:19,170
ならお前は何をまだ心配してるんだ

649
00:39:22,170 --> 00:39:23,130
阿絮

650
00:39:24,170 --> 00:39:26,410
一体いつまで成嶺に隠しておけばいい?

651
00:39:28,560 --> 00:39:29,650
隠したことは

652
00:39:30,170 --> 00:39:31,040
俺にも責任がある

653
00:39:31,760 --> 00:39:32,960
ならどうすればいいか

654
00:39:33,280 --> 00:39:34,480
隠しておくしかないな

655
00:39:35,450 --> 00:39:36,410
俺の怪我が治ったら

656
00:39:37,240 --> 00:39:39,170
俺たちで鏡湖派の犯人を捜しに行こう

657
00:39:39,650 --> 00:39:41,520
それからまた一緒に成嶺に白状しよう

658
00:39:42,850 --> 00:39:46,170
どうせ俺たちはすでに一本の縄の上のバッタだ
(*一根绳上的蚂蚱=同じ穴のムジナ、運命共同体)

659
00:39:46,480 --> 00:39:47,690
誰かも誰かを放っておけない

660
00:39:52,370 --> 00:39:54,800
我が堂々たる温谷主は

661
00:39:55,520 --> 00:39:57,650
此くの如く残忍悪辣なお人であるのに

662
00:39:58,130 --> 00:40:00,170
なぜに突然うじうじしだしたのか

663
00:40:00,410 --> 00:40:02,650
子供一人に隠すことさえ罪悪感に心痛める

664
00:40:04,000 --> 00:40:05,320
こんな長く俺を騙して

665
00:40:05,760 --> 00:40:06,800
どうやって言うんだ

666
00:40:10,850 --> 00:40:13,000
阿絮 これはとてもよく挽けてる

667
00:40:13,170 --> 00:40:14,370
匂いですぐ眠くなった

668
00:40:14,520 --> 00:40:15,480
先に寝るよ

669
00:40:15,650 --> 00:40:16,520
あなたも早く休んで

670
00:40:16,650 --> 00:40:17,690
たっぷり嗅がせてやる 早く休んでよ

671
00:40:47,320 --> 00:40:48,320
悪鬼の頭目が

672
00:40:48,560 --> 00:40:50,650
真っ当な人の世に戻る道を見つけた途端に

673
00:40:51,130 --> 00:40:52,370
人に戻り

674
00:40:53,240 --> 00:40:55,610
ごく普通の 女々しい人として

675
00:40:56,000 --> 00:40:57,480
秘密のない 陰りのない

676
00:40:57,650 --> 00:40:58,930
日々に憧れ

677
00:41:00,090 --> 00:41:01,320
ずっと共に

678
00:41:02,170 --> 00:41:03,520
いてくれる人を望んでしまう





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