第十八話
1
00:01:57,280 --> 00:01:59,160
成嶺 このろくでなしを背負え
2
00:01:59,520 --> 00:02:00,200
出発だ
3
00:02:43,280 --> 00:02:45,480
おバカさん 足腰の功夫が成長しましたね
4
00:02:49,370 --> 00:02:50,090
師父
5
00:02:51,040 --> 00:02:51,890
騒々しい
(*大惊小怪=些細な事で大騒ぎする《答林択之》朱熹)
6
00:02:52,480 --> 00:02:53,370
なんてざまだ
(*成何体统《醒世恒言》馮夢龍)
7
00:02:54,250 --> 00:02:55,120
この先は危険だ
8
00:02:55,640 --> 00:02:56,330
死にたくないなら
9
00:02:56,450 --> 00:02:58,200
俺の踏み跡をしっかりついて来い
10
00:02:58,970 --> 00:03:00,010
秦懐章の弟子
11
00:03:00,400 --> 00:03:01,730
お前のバカ弟子をしっかり見ておけよ
12
00:04:11,080 --> 00:04:13,720
クソガキ 少しは状況を理解するよう忠告する
13
00:04:14,200 --> 00:04:15,330
お前のカラクリ仕掛けは
14
00:04:15,480 --> 00:04:16,520
俺の一撃に耐えられん
15
00:04:17,320 --> 00:04:18,520
初犯は見逃すが
16
00:04:19,120 --> 00:04:20,360
再犯は
17
00:04:21,120 --> 00:04:23,280
温客行にお前の指をへし折らせるぞ
18
00:04:25,210 --> 00:04:26,120
なぜ私に?
19
00:04:26,560 --> 00:04:28,610
私のあだ名が温大善人なのを知らないのか?
20
00:04:28,770 --> 00:04:30,400
そんな拷問みたいに残酷な事
21
00:04:30,610 --> 00:04:32,080
私が手を下せるとでも?
22
00:04:32,840 --> 00:04:34,210
阿絮 あなたの見解は?
23
00:04:34,330 --> 00:04:35,080
黙れ
24
00:04:37,280 --> 00:04:38,010
師父
25
00:04:38,240 --> 00:04:39,210
龍淵閣主は
26
00:04:39,450 --> 00:04:41,210
どうしてこんな辺鄙なところに住んでいるのです?
27
00:04:41,840 --> 00:04:43,400
林が大きければどんな鳥でも歌ってる
(*林子大了什么鸟都有=世界は広いのでどんな変人がいてもおかしくない)
28
00:04:44,120 --> 00:04:45,560
それならこんな辺鄙なところに住んで
29
00:04:45,730 --> 00:04:47,010
またこんな沢山仕掛けを設置したら
30
00:04:47,240 --> 00:04:48,240
一歩一歩が怖いでしょう
31
00:04:48,840 --> 00:04:50,120
もし彼が出かけて
32
00:04:50,280 --> 00:04:51,560
道に迷ったらどうすればいいんですか
33
00:04:52,520 --> 00:04:53,490
これって
34
00:04:53,610 --> 00:04:55,520
自ら置いた牀下(しょうか)の鼠捕りと同じでは?
(*床=ベッド)
35
00:04:55,800 --> 00:04:57,730
自ら置いた牀下の鼠捕り?
36
00:04:58,770 --> 00:05:00,680
ある時 私の部屋に鼠が侵入して
37
00:05:01,080 --> 00:05:02,280
捕まえようにも捕まらなかったので
38
00:05:02,520 --> 00:05:04,240
牀の下に二つ鼠捕りを置いたんです
39
00:05:04,770 --> 00:05:06,280
結局 翌朝起きて忘れてしまって
40
00:05:06,770 --> 00:05:07,800
片足を踏み込んで
41
00:05:08,730 --> 00:05:10,770
鼠捕りに挟まれて折ってしまいました
42
00:05:14,210 --> 00:05:17,210
おバカさん 世人が隠れているのは
43
00:05:17,520 --> 00:05:19,360
こういった理由に他なりません
44
00:05:19,650 --> 00:05:22,170
彼は仇敵が殺しにくると思っていて
45
00:05:22,400 --> 00:05:23,490
誰にも見つけられない場所に
46
00:05:23,610 --> 00:05:25,050
隠れてなければいけないのか
47
00:05:26,080 --> 00:05:26,800
もしくは
48
00:05:27,330 --> 00:05:28,560
龍雀はお人好しだ
49
00:05:29,170 --> 00:05:30,890
一生 人から騙されるだけの身だった
50
00:05:31,050 --> 00:05:32,120
誰からも恨まれておらん
51
00:05:33,050 --> 00:05:34,050
秦懐章の弟子
52
00:05:34,400 --> 00:05:35,930
この点はお前の師父が一番よく知ってるな
53
00:05:36,680 --> 00:05:38,170
それなら二つ目の理由しかない
54
00:05:38,610 --> 00:05:39,450
悲しみです
55
00:05:40,770 --> 00:05:42,650
彼が会いたい人に二度と会えないなら
56
00:05:42,960 --> 00:05:45,080
いっそのこと誰にも会わず
57
00:05:45,280 --> 00:05:47,010
誰の注意も引かぬように身を隠す
58
00:05:48,170 --> 00:05:50,170
君の師父が今後いなくなるなら
59
00:05:50,610 --> 00:05:52,680
私もこんな場所を探して身を隠し
60
00:05:52,960 --> 00:05:54,010
誰にも会いたくない
61
00:05:56,010 --> 00:05:56,770
まるで
62
00:05:57,770 --> 00:05:59,210
まるで俞伯牙(ユ・ボヤ)が
琴を壊すようなものですか?
(*俞伯牙=古琴の名人、伯牙摔琴、俞という姓は馮夢龍の《警世通言》による、自分を理解する者が世を去ったら隠居すること)
63
00:06:03,330 --> 00:06:04,800
なんでもない そうはなりません
64
00:06:05,010 --> 00:06:06,050
師父の内功は完璧です
65
00:06:06,210 --> 00:06:07,280
また善行で徳を積んでいます
66
00:06:07,450 --> 00:06:08,360
きっと百歳まで長生きします
67
00:06:08,730 --> 00:06:11,240
殺人放火金の帯
68
00:06:11,450 --> 00:06:14,490
橋を直し道を均すも屍はなし
(*悪人が栄え懸命に働く人が財産を失う不正な世の意)
69
00:06:15,650 --> 00:06:17,120
死にたいのか クソガキ
70
00:06:18,840 --> 00:06:20,560
葉前輩 案内を
71
00:06:53,650 --> 00:06:56,210
虎穴に入らずんば 虎子を得ず
(*《後漢書》范曄)
72
00:06:56,930 --> 00:06:58,960
お前たちは龍淵閣に行くんじゃないのか?
73
00:06:59,360 --> 00:07:00,560
向かい側だぞ
74
00:07:01,360 --> 00:07:05,240
どうした 私が仕掛けを
密かに発動させるのを恐れてるのか
75
00:07:06,520 --> 00:07:09,770
三人の達人が私を護送しているのに
76
00:07:10,450 --> 00:07:12,800
私が逆らって離れられるとでも?
77
00:07:14,170 --> 00:07:15,770
おバカさん 私が彼を背負います
78
00:07:16,170 --> 00:07:16,730
行こう
79
00:07:16,890 --> 00:07:17,450
待て
80
00:07:20,330 --> 00:07:21,930
龍少閣主 失礼する
81
00:07:26,520 --> 00:07:29,120
それなら 私が先に行こう 阿絮
82
00:07:29,450 --> 00:07:30,360
どこにお前の出る幕があるんだ
83
00:07:31,360 --> 00:07:32,170
俺が行く
84
00:07:53,040 --> 00:07:53,920
前輩 老妖怪
85
00:07:56,200 --> 00:07:57,200
お前らを揶揄った
86
00:08:01,720 --> 00:08:02,520
幼稚な
87
00:08:10,440 --> 00:08:11,240
来いよ
88
00:08:12,320 --> 00:08:13,200
私が先に
89
00:08:46,640 --> 00:08:47,400
気をつけろ
90
00:08:56,200 --> 00:08:57,520
俺はふりだが お前らは本当に落ちたのか?
91
00:09:34,640 --> 00:09:35,370
師父
92
00:09:35,880 --> 00:09:36,640
温叔
93
00:09:37,920 --> 00:09:40,480
師父 温叔
94
00:09:42,080 --> 00:09:42,960
師父
95
00:09:48,520 --> 00:09:49,360
老温
96
00:09:56,160 --> 00:09:57,040
老温
97
00:09:59,560 --> 00:10:00,440
阿絮
98
00:10:04,200 --> 00:10:05,040
喋るな
99
00:10:24,760 --> 00:10:25,840
なんてことない
100
00:10:26,840 --> 00:10:29,240
ただ五臓六腑が移動したみたいだ
101
00:10:30,200 --> 00:10:31,400
少し慣れがいる
102
00:10:32,840 --> 00:10:33,720
俺は
103
00:10:33,880 --> 00:10:34,880
あの坊主には
104
00:10:35,800 --> 00:10:36,720
意外にも
105
00:10:37,600 --> 00:10:40,040
破釜沈船(はふちんせん)の気概があった
(*破釜沉舟=決死の覚悟で戦いに臨むの意)
106
00:10:40,760 --> 00:10:42,690
この私でさえ目眩がするほど打ちつけられたんだ
(*七荤八素=生臭さ料理と精進料理をごちゃまぜに出されて混乱する、目眩がする《礼記》)
107
00:10:43,240 --> 00:10:45,080
奴は叩きつけられて肉餅になってるんじゃないか?
(*肉饼=ひき肉の餡を生地で平たく包んだ料理)
108
00:10:47,560 --> 00:10:48,680
彼は落ちて来ていない
109
00:10:50,840 --> 00:10:51,890
まさか飛べるのか
110
00:10:52,520 --> 00:10:53,400
奇妙だ
111
00:10:55,280 --> 00:10:56,160
私は葉白衣の
112
00:10:56,280 --> 00:10:57,760
一歩ごとの踏み跡を確実に辿った
113
00:10:58,680 --> 00:11:00,000
彼が踏んでも何もなかったのに
114
00:11:00,680 --> 00:11:02,720
私が踏んだら装置に触れて作動した
115
00:11:03,040 --> 00:11:03,880
この装置は
116
00:11:05,800 --> 00:11:07,920
重量によって起動するんだろう
117
00:11:08,520 --> 00:11:11,120
葉白衣一人の重さなら踏んでも大丈夫だが
118
00:11:11,360 --> 00:11:14,040
俺たち三人が踏むと装置が作動した
119
00:11:15,080 --> 00:11:17,960
龍孝は俺たちの手の内で
120
00:11:18,240 --> 00:11:19,640
"鼠に投ずるに器(き)を忌む"だと思っていた
(*投鼠忌器=まわりへの影響を恐れ行動することをためらう《漢書》)
121
00:11:20,720 --> 00:11:25,160
まさか龍淵閣のカラクリがこんなに巧妙だったとは
122
00:11:44,600 --> 00:11:45,560
ここはどこだ
123
00:11:46,280 --> 00:11:47,160
どうしてこんなに暗い
124
00:11:48,320 --> 00:11:50,360
冥府に来たのかと思った
125
00:11:53,560 --> 00:11:55,040
ここは実際それほど高さはない
126
00:11:56,560 --> 00:11:59,190
もしお前が俺を庇わず…
127
00:12:04,040 --> 00:12:05,320
お前も気を失うほどじゃなかった
128
00:12:06,960 --> 00:12:08,520
俺たちがちょうど落下してる時
129
00:12:09,040 --> 00:12:10,400
第二の装置に触れたんだろう
130
00:12:11,160 --> 00:12:12,200
それでここに落ちた
131
00:12:15,800 --> 00:12:16,520
師父
132
00:12:18,080 --> 00:12:18,880
温叔
133
00:12:19,920 --> 00:12:22,040
いいからいいから 立て立て
134
00:12:22,240 --> 00:12:23,080
泣き喚くな
135
00:12:24,360 --> 00:12:25,200
愚か者が
136
00:12:25,760 --> 00:12:26,680
己の頭を働かせろ
137
00:12:28,080 --> 00:12:29,450
あのクソガキがカラクリを発動させたんだ
138
00:12:29,560 --> 00:12:30,720
自分が一番に谷に落ちて
139
00:12:30,930 --> 00:12:32,930
あの二人組と一塊になって死ぬ気だと思うか?
140
00:12:33,200 --> 00:12:34,520
必ず裏があるはずだ
141
00:12:38,690 --> 00:12:40,890
はい 師父は絶対死にません
142
00:12:41,280 --> 00:12:42,400
温叔も死にません
143
00:12:43,570 --> 00:12:45,890
安心しろ 厄災は千年遺る
144
00:12:46,490 --> 00:12:48,690
あの二つの厄災はそんな簡単には死なん
145
00:12:55,570 --> 00:12:56,280
老温
146
00:12:57,840 --> 00:12:58,840
緊張してるのか
147
00:12:59,400 --> 00:13:00,490
何を緊張することがあるんだ
148
00:13:01,450 --> 00:13:03,050
なら俺を掴んでどうする
149
00:13:05,600 --> 00:13:06,640
掴んでないよ
150
00:13:12,160 --> 00:13:13,010
薬人
151
00:13:29,840 --> 00:13:33,840
お前たち二人には
埋葬されることなく死んでほしかったが
(*死无葬身之地=埋葬できないような酷い死の意)
152
00:13:34,370 --> 00:13:35,450
考え直した
153
00:13:35,810 --> 00:13:37,600
こんな精妙な配置
154
00:13:37,720 --> 00:13:40,200
お前たち二人にまずは楽しんでもらわないと
155
00:13:40,370 --> 00:13:41,600
うっかり死なれたら
156
00:13:41,760 --> 00:13:43,640
勿体ないではないか
157
00:13:44,600 --> 00:13:46,890
この可愛い子どもたちを見ろ
158
00:13:47,050 --> 00:13:48,720
私の一番得意な作品だ
159
00:13:49,130 --> 00:13:51,490
これは私が最初に錬成した薬人だ
160
00:13:51,690 --> 00:13:52,930
バカはバカだ
161
00:13:53,050 --> 00:13:55,050
でもやっぱり第一子なので
162
00:13:55,600 --> 00:13:57,050
廃棄するに忍びないので
163
00:13:57,330 --> 00:14:00,400
こっそりここで飼っていたのだ
164
00:14:00,720 --> 00:14:02,450
たまたま通りすがりの者がいたら
165
00:14:02,600 --> 00:14:05,450
桟橋の装置を開いて投げ入れ
166
00:14:05,570 --> 00:14:07,400
その血を吸わせる
167
00:14:08,280 --> 00:14:09,810
私が出掛けていたので
168
00:14:10,050 --> 00:14:12,280
子供たちも飢えてるに違いない
169
00:14:14,810 --> 00:14:18,760
子供たち もうすぐご飯だ
170
00:14:19,160 --> 00:14:22,570
もともと薬人は龍淵閣で錬成されたのか
171
00:14:22,690 --> 00:14:24,010
龍おじ上は生涯公正であった
172
00:14:24,840 --> 00:14:26,600
まさか彼の大切な一人息子が
173
00:14:26,960 --> 00:14:28,690
毒蝎と一緒に薬人を開発する
(*丧心病狂=理性を失い気違いじみていること《宋史・范如圭伝》)
174
00:14:29,570 --> 00:14:32,930
こんな気狂いだったとは
175
00:14:33,200 --> 00:14:34,160
公正?
176
00:14:35,010 --> 00:14:36,810
あいつのそれは愚にもつかない
177
00:14:37,690 --> 00:14:39,280
私は彼のたった一人の息子だ
178
00:14:39,720 --> 00:14:40,810
人なのか鬼なのか
179
00:14:40,960 --> 00:14:42,810
このような姿の私の病を
180
00:14:42,930 --> 00:14:45,080
治す物がこの世にあることを
181
00:14:45,200 --> 00:14:46,840
彼は知っていてそのままにした
182
00:14:47,080 --> 00:14:49,280
お前のそれは胎内からの障害だ
183
00:14:49,450 --> 00:14:50,570
薬では救えぬ
184
00:14:50,960 --> 00:14:53,450
死人の白骨を治療する仙丹でも
185
00:14:53,640 --> 00:14:56,600
突然大人のように成長させることはできまい
186
00:14:56,760 --> 00:14:57,720
お前に何が分かる
187
00:14:58,250 --> 00:15:00,250
神医谷の至宝陰陽冊なら
188
00:15:00,400 --> 00:15:02,930
天下のあらゆる奇病難病を治せる
189
00:15:03,200 --> 00:15:06,280
当時 容炫の病が膏肓(こうこう)に入り
心脉が寸断した時
(*病入膏肓=病気が悪化し薬も効かず手の施しようがない状態、危篤 *膏肓=心臓と横隔膜の間《春秋左氏伝》左丘明)
190
00:15:06,400 --> 00:15:08,450
岳鳳児(ユエ・フォンアル)は彼を生き返らせた
191
00:15:08,840 --> 00:15:11,890
私の病も可能だ きっと可能だ
192
00:15:12,490 --> 00:15:13,250
分かった
193
00:15:13,720 --> 00:15:15,250
お前の言うことはごもっとも
194
00:15:15,450 --> 00:15:17,690
君刀俎となり 我魚肉となり
(*まな板の上の鯉、生死の決定権を他人に預けている状態《史記・項羽本紀》)
195
00:15:18,160 --> 00:15:19,490
お前が喜ぶならそれでいい
196
00:15:19,640 --> 00:15:20,370
おのれ
197
00:15:25,250 --> 00:15:27,640
お前のような死人と何を無駄に話す
198
00:15:28,200 --> 00:15:30,840
老いぼれは私を助けないが 天は助ける
199
00:15:31,370 --> 00:15:34,490
彼なしでも 私は同じように武庫を開けられる
200
00:15:35,280 --> 00:15:39,160
惜しいな お前たちは
私が立ち上がるのを見ることはない
201
00:15:39,520 --> 00:15:41,640
天にそびえ立つような姿をな
202
00:15:42,160 --> 00:15:42,840
容炫が当時
203
00:15:43,010 --> 00:15:44,760
本当に陰陽冊に助けられたとしても
204
00:15:45,130 --> 00:15:45,840
その後は?
205
00:15:46,400 --> 00:15:48,720
倒行逆施(とうこうぎゃくし)で 狂って魔になった
(*倒行逆施=道理に逆らった手段を行うこと)
206
00:15:48,890 --> 00:15:49,690
お前は気にしないか
207
00:15:53,450 --> 00:15:54,640
忘れるところだった
208
00:15:55,570 --> 00:15:57,250
お前はもともと狂人だ
209
00:15:57,810 --> 00:15:59,010
もちろん気にしないね
210
00:16:00,200 --> 00:16:01,450
お前は何を知ってるんだ
211
00:16:01,890 --> 00:16:03,600
陰陽冊の秘密を知りたいか?
212
00:16:04,010 --> 00:16:05,200
問う相手は正しいが
213
00:16:06,250 --> 00:16:10,080
私は見上げて人と話をするのがあまり好きじゃない
214
00:16:10,400 --> 00:16:11,600
自分で判断しろ
215
00:16:12,280 --> 00:16:13,490
お前は神医谷の末裔か?
216
00:16:17,250 --> 00:16:18,050
まあね
217
00:16:29,840 --> 00:16:32,520
若造め 誰を惑わせてるのだ
218
00:16:33,050 --> 00:16:36,720
神医谷直伝の弟子はとうに死に絶えた
219
00:16:43,600 --> 00:16:45,640
しまった 脅しが効かなかった
220
00:16:50,160 --> 00:16:52,600
子どもたち 綺麗に食べなさい
221
00:17:08,970 --> 00:17:09,880
先に殺るぞ
222
00:17:31,680 --> 00:17:32,540
くそ
223
00:17:32,970 --> 00:17:34,480
こいつらはなぜこんなに多い
224
00:17:34,570 --> 00:17:37,360
阿絮 まだ耐えられる?
225
00:17:38,850 --> 00:17:39,930
耐えられないとどうなんだ
226
00:17:40,610 --> 00:17:42,000
くだらないことを言うな
227
00:17:42,810 --> 00:17:44,210
この難関を越えられなかったら
228
00:17:45,240 --> 00:17:46,880
あなたを巻き添えにしたことにならない?
229
00:17:47,210 --> 00:17:49,050
縁起の悪い無駄話は撤回しろ
230
00:17:51,240 --> 00:17:52,050
老温
231
00:17:52,480 --> 00:17:53,400
君を友に得て
232
00:17:54,210 --> 00:17:55,330
此の生 枉(むな)しからず
233
00:17:57,240 --> 00:18:00,360
君の心幸いにして 我が心に似たり
(*只愿君心似我心 想い人の心が自分と同じであることを願う《卜算子》李之儀)
234
00:18:02,050 --> 00:18:03,970
お前の詩を聞くと頭痛がする
235
00:18:37,690 --> 00:18:38,400
龍雀
236
00:18:39,450 --> 00:18:40,810
葉白衣だぞ
237
00:18:41,640 --> 00:18:42,760
まだ迎えに出て来ないのか?
238
00:18:44,480 --> 00:18:47,240
前輩 入りますか?
239
00:18:47,930 --> 00:18:49,160
閣内は機関が複雑だ
240
00:18:49,730 --> 00:18:51,000
俺が先に内部の状況を探る
241
00:18:51,570 --> 00:18:53,810
お前はここで待ってろ 勝手に動くな
242
00:19:11,090 --> 00:19:12,240
彫虫の小技だな
243
00:19:18,450 --> 00:19:19,730
葉前輩 気をつけて
244
00:20:02,730 --> 00:20:03,480
小僧
245
00:20:20,090 --> 00:20:22,000
龍孝 出て来い
246
00:20:28,970 --> 00:20:30,850
どうりで誰も龍淵閣を見つけられないわけだ
247
00:20:31,640 --> 00:20:33,330
閣楼はただの目隠しだったのだ
248
00:20:34,160 --> 00:20:37,330
まことの龍淵閣は深淵の底にある
249
00:21:00,000 --> 00:21:00,810
師父
250
00:21:03,520 --> 00:21:04,280
師父
251
00:21:07,640 --> 00:21:08,480
師父
252
00:21:25,730 --> 00:21:26,640
やっぱり死んでいなかった
253
00:21:27,210 --> 00:21:27,930
私の師父は?
254
00:21:28,120 --> 00:21:29,480
お前の師父は今頃
255
00:21:29,730 --> 00:21:32,090
もう奈何橋に着いた頃だろう
256
00:21:32,360 --> 00:21:33,640
早く行けば
257
00:21:33,850 --> 00:21:36,400
まだ奴に追いつけるかもしれない
258
00:21:36,730 --> 00:21:37,480
でたらめだ
259
00:22:06,280 --> 00:22:07,040
畜生
260
00:22:07,570 --> 00:22:09,400
俺が人に追われて尻尾を巻いて逃げ出した回数は
(*屁滚尿流=驚きや恐怖で慌てふためく、腰を抜かす《水滸伝》)
261
00:22:09,610 --> 00:22:10,730
片手で数えられるほどだが
262
00:22:11,000 --> 00:22:12,160
どれもお前に貢献してやってる
263
00:22:13,160 --> 00:22:16,240
その思い上がりは 最終的に雷に打たれるよ
264
00:22:17,280 --> 00:22:19,810
阿絮 周相公ちょっとは哀れんでよ
(*相公=夫への敬称)
265
00:22:19,930 --> 00:22:21,810
小生はこの人生で一度も挫折したことがなかった
266
00:22:22,050 --> 00:22:24,210
そして今では人に謀られ このように落ちぶれてる
267
00:22:24,450 --> 00:22:25,970
もしやあなた様にお会いして
268
00:22:26,090 --> 00:22:27,400
運気をすっかり使い果たしてしまったからでは?
269
00:22:28,090 --> 00:22:29,400
俺は八生分の不運に遭ってる
(*八辈子霉=8回生まれ変わっても不運がつきまとうの意)
270
00:22:34,330 --> 00:22:34,970
行くぞ
271
00:22:46,480 --> 00:22:47,810
俺たちはちょうど山腹にいるようだ
272
00:23:09,520 --> 00:23:10,480
私が先陣を切るよ
273
00:23:10,640 --> 00:23:11,640
あなたはちょっと食い止めておいて
274
00:23:12,720 --> 00:23:14,840
どうした 先陣が壊滅して
275
00:23:15,000 --> 00:23:16,440
俺一人で生き長らえさせる気か?
276
00:23:17,200 --> 00:23:18,680
こんな龍潭虎穴でさえ
(*龙潭虎穴=この上なく危険な場所)
277
00:23:18,890 --> 00:23:20,080
俺たちがくぐり抜けて来てないわけじゃない
278
00:23:22,600 --> 00:23:24,080
ある昔話を思い出しました
279
00:23:24,440 --> 00:23:26,000
その昔 ある人が砂漠で
280
00:23:26,120 --> 00:23:28,280
温大善人 その物語は聞いたことがある
281
00:23:30,040 --> 00:23:30,680
行くぞ
282
00:23:45,970 --> 00:23:47,520
阿絮 来て
283
00:24:44,800 --> 00:24:45,490
恩に着る
284
00:25:02,200 --> 00:25:04,250
どうしたの まだ起きたくない?
285
00:25:14,890 --> 00:25:15,520
いいぞ
286
00:25:41,280 --> 00:25:43,680
こんなところにまだ
世俗を離れた桃源郷があったとは
287
00:25:50,610 --> 00:25:51,400
兄さん
288
00:25:53,200 --> 00:25:54,010
ここはどこですか?
289
00:26:07,010 --> 00:26:07,770
兄さん
290
00:26:10,280 --> 00:26:11,040
兄さん?
291
00:26:20,490 --> 00:26:22,560
龍淵閣のカラクリ傀儡術だったのか
292
00:26:23,440 --> 00:26:25,370
もう神技の境地だな
(*巧夺天工=技術が自然に勝る神技のような技術《楓窗小牘》袁褧)
293
00:26:25,800 --> 00:26:26,970
これは何の邪の物です?
294
00:26:29,650 --> 00:26:30,650
生きているうちに
295
00:26:31,160 --> 00:26:33,520
老温が別の何かを邪と言うのを聞けるとは
296
00:26:44,770 --> 00:26:45,440
危ない
297
00:26:58,280 --> 00:26:59,440
私が放った一言で
298
00:27:00,040 --> 00:27:01,370
自爆するほど怒ったのか
299
00:27:02,200 --> 00:27:04,650
阿絮 こいつの気性が激しさは
300
00:27:05,040 --> 00:27:06,250
すぐにあなたに追いつく
301
00:27:07,160 --> 00:27:08,130
阿呆が
302
00:27:19,200 --> 00:27:21,010
やはり厄災千年遺るだな
303
00:27:28,130 --> 00:27:30,200
あのバカは両親が死んだかのように泣いていたのに
304
00:27:30,560 --> 00:27:31,280
お前たちときたら
305
00:27:31,850 --> 00:27:33,490
ここで乳繰り合いか
(*肉麻当有趣=つまらない物を楽しむこと、転じてイチャイチャしてるのを見てうんざりするさま《古書与白話》魯迅)
306
00:27:33,890 --> 00:27:35,560
前輩 成嶺は?
307
00:27:39,610 --> 00:27:41,010
老怪物 あんたに聞いてるんだ
308
00:27:41,200 --> 00:27:42,130
うちのバカ弟子は?
309
00:27:43,040 --> 00:27:43,770
なくした
310
00:28:15,680 --> 00:28:18,650
小僧 なかなか走りが速いな
311
00:28:19,200 --> 00:28:22,850
私のこの龍淵閣の機関は
緻密に布設され 千窟に万道だ
312
00:28:23,320 --> 00:28:24,440
やってみるがいい
313
00:28:25,320 --> 00:28:27,610
お前を自由に逃げさせてやる
314
00:28:27,890 --> 00:28:28,770
信じようが信じまいが
315
00:28:29,160 --> 00:28:32,850
たとえ餓死しようともお前はここから出られぬ
316
00:28:34,800 --> 00:28:35,890
お前は強情だ
317
00:28:36,440 --> 00:28:38,370
それも悪くない
318
00:28:38,680 --> 00:28:40,890
私は強情な子供が好きだ
319
00:28:41,370 --> 00:28:43,520
強情で不屈な骨であればあるほど
320
00:28:43,850 --> 00:28:47,560
叩いた時にひときわ軽快に響く
321
00:29:02,800 --> 00:29:03,850
まだ割り出せないのか
322
00:29:04,090 --> 00:29:04,970
なんの催促だ
323
00:29:05,160 --> 00:29:05,970
黙れ
324
00:29:06,650 --> 00:29:07,440
うちのおバカさんは
325
00:29:07,560 --> 00:29:09,090
まだあの龍孝の手にあるんだ
326
00:29:09,320 --> 00:29:10,850
無論お前のとこの子ではないから
327
00:29:11,040 --> 00:29:11,850
なくしたと言えばそれまでだ
328
00:29:12,090 --> 00:29:14,250
老温 この陣法は相克を生じ
329
00:29:14,400 --> 00:29:15,250
刻々と変化する
330
00:29:15,520 --> 00:29:17,560
一時三刻で解けるものじゃない
331
00:29:17,730 --> 00:29:18,890
解けないならもういい
332
00:29:19,040 --> 00:29:20,040
一力十会を降(くだ)す
(*力の前ではどんな技も役に立たないの意《三侠五義》石玉昆)
333
00:29:20,200 --> 00:29:21,370
せいぜい強行突破して
334
00:29:21,560 --> 00:29:23,490
このあたりを火で焼いて静かにさせるだけだ
335
00:29:24,090 --> 00:29:24,970
おい馬鹿
336
00:29:25,560 --> 00:29:27,490
お前は紫流金というのもが何か分かるか?
337
00:29:29,250 --> 00:29:30,200
知らぬならよい
338
00:29:30,520 --> 00:29:32,920
お前のその孤陋寡聞(ころうかぶん)っぷりを見れば
知らぬとはっきり分かる
(*孤陋寡闻=独学で知識が偏り見聞が少ないの意《礼記》)
339
00:29:34,490 --> 00:29:36,970
老怪物 まだ私で気晴らしするつもりか
340
00:29:37,130 --> 00:29:37,920
さっさと解けよ
341
00:29:38,400 --> 00:29:39,250
言っておくが
342
00:29:39,970 --> 00:29:41,130
お前が知っておくべきは
343
00:29:41,610 --> 00:29:43,920
この山谷にある機関の動力は
344
00:29:44,010 --> 00:29:45,280
紫流金に由来しているということだ
345
00:29:45,560 --> 00:29:47,650
紫流金は一度火がつくと爆発する
346
00:29:47,800 --> 00:29:50,800
その威力はこの地上一切のものを吹き飛ばす
347
00:30:32,920 --> 00:30:33,730
これは
348
00:30:35,370 --> 00:30:36,680
これは龍淵谷の地図だ
349
00:30:38,730 --> 00:30:40,250
放せ 私を放せ
350
00:30:56,970 --> 00:30:58,010
縛りつけてどうするんだ
351
00:30:58,560 --> 00:30:59,560
やれるものなら私を殺せ
352
00:30:59,970 --> 00:31:02,970
小僧 お前を殺しはしない
353
00:31:03,610 --> 00:31:06,320
お前は張玉森の子 そうだろ?
354
00:31:07,130 --> 00:31:08,040
二十年前
355
00:31:09,010 --> 00:31:12,920
お前の父親と私の父親は親友だった
356
00:31:13,130 --> 00:31:13,970
どうして早く言わない
357
00:31:15,320 --> 00:31:17,130
あなたの父君と私の太師父も友達だ
358
00:31:17,680 --> 00:31:18,920
このような因縁があるなら
359
00:31:19,250 --> 00:31:20,560
ちゃんと話をしよう
360
00:31:20,970 --> 00:31:22,490
もしこのような因縁がなければ
361
00:31:22,730 --> 00:31:25,280
私はお前をあっさり死なせてやった
362
00:31:25,730 --> 00:31:28,680
お前の父親と龍雀が親友だったからこそ
363
00:31:28,970 --> 00:31:32,130
私は決してお前を簡単に死なせない
364
00:31:32,920 --> 00:31:33,890
安心しろ
365
00:31:34,250 --> 00:31:37,010
彼ら二人は私が訓練した名手だ
366
00:31:37,680 --> 00:31:41,320
彼らはお前を気持ち良くしてくれる
367
00:31:48,160 --> 00:31:49,560
どこから始めようか
368
00:31:50,370 --> 00:31:52,490
まずはお前の目をくり抜いてみよう
369
00:31:52,970 --> 00:31:57,200
人の目玉は煉器のいい薬材だ
(*炼器=奇門遁甲術においての錬金精製のツール)
370
00:31:57,560 --> 00:31:59,320
待て ちょっと待って
371
00:31:59,680 --> 00:32:00,640
お前は知ってるか?
372
00:32:01,040 --> 00:32:03,600
私がどうして地底で活動するのが好きか
373
00:32:04,120 --> 00:32:05,800
なぜなら私は生まれた時から
374
00:32:06,120 --> 00:32:09,440
果てしない暗黒の中で生きている
(*无穷无尽=限りない、尽きない、無尽蔵の《踏莎行》晏殊)
375
00:32:09,840 --> 00:32:12,640
暗黒に属する運命である以上
(*命中注定=運命づけられている、逃れがたい宿命《醒世恒言》馮夢竜)
376
00:32:12,920 --> 00:32:16,240
暗黒を家とするのだ
377
00:32:24,840 --> 00:32:25,760
何事だ?
378
00:33:09,200 --> 00:33:10,530
地底で活動するのが好きなのか
379
00:33:11,120 --> 00:33:11,680
もしかして
380
00:33:11,840 --> 00:33:14,290
お前は生まれつき下水溝の大鼠なのか
381
00:33:15,440 --> 00:33:16,480
紫流金
382
00:33:16,600 --> 00:33:17,290
そうだ
383
00:33:17,720 --> 00:33:19,770
この溝鼠の穴は縦横に入り組んでいる
(*九曲十八弯=縦横に曲がりくねっている様子)
384
00:33:19,960 --> 00:33:21,290
地図があっても
385
00:33:21,440 --> 00:33:22,720
誰が潜り込む気になるか
386
00:33:23,130 --> 00:33:25,650
思い切って爆破してやった
387
00:33:25,840 --> 00:33:26,810
私の子供
388
00:33:27,770 --> 00:33:29,600
お前たち私の子供をどうした
389
00:33:31,170 --> 00:33:33,320
それは私の子供の心臓だ
390
00:33:34,320 --> 00:33:35,890
薬人はお前の子供
391
00:33:36,170 --> 00:33:38,410
カラクリ人形もお前の子供
392
00:33:38,690 --> 00:33:41,200
お前は雑種を育てる大鼠だな
393
00:33:42,080 --> 00:33:44,720
お前はこの場所で上は天に届かず下は地に着かず
(*上不着天下不着地=宙ぶらりんの意)
394
00:33:44,890 --> 00:33:46,600
どこからそんな大量の火薬を探して来るのか
395
00:33:46,930 --> 00:33:48,810
幸いお前の子供は十分いて
396
00:33:48,890 --> 00:33:50,080
とても気前がいい
397
00:33:50,320 --> 00:33:51,530
犠牲を惜しまない
398
00:33:53,290 --> 00:33:55,130
私のところにまだ一つ残っている 返してやろう
399
00:33:55,240 --> 00:33:57,440
老温 待て 待て
400
00:34:01,440 --> 00:34:02,410
さあ 言え
401
00:34:03,440 --> 00:34:05,810
俺の弟子の頭上の針は抜けるのか?
402
00:34:07,720 --> 00:34:10,250
周子舒 お前は私の子供を殺して
403
00:34:10,520 --> 00:34:12,280
彼らの心臓の火薬を取り出した
404
00:34:12,640 --> 00:34:15,000
私も絶対にお前の弟子を見逃さない
405
00:34:15,250 --> 00:34:16,800
死なばもろともだ
406
00:34:20,890 --> 00:34:23,130
坊主 よく考えろ
407
00:34:23,650 --> 00:34:24,690
私の知る限りでは
408
00:34:25,280 --> 00:34:26,760
人は身体が健康な場合と
409
00:34:26,890 --> 00:34:28,490
四肢が不自由な状況下では
410
00:34:28,600 --> 00:34:30,600
二種類の反応の違いがはっきり出る
411
00:34:30,880 --> 00:34:32,560
まずは体験してもらおうか
412
00:34:35,960 --> 00:34:37,880
私は生まれつき不完全だ
413
00:34:38,400 --> 00:34:40,000
私を脅すことはできない
414
00:34:40,400 --> 00:34:41,760
私もお前を見逃すつもりはない
415
00:34:46,080 --> 00:34:46,840
葉前輩
416
00:34:53,000 --> 00:34:54,360
こいつを挿したままどうするんだ?
417
00:34:56,160 --> 00:34:56,920
ダメです
418
00:34:59,240 --> 00:35:00,200
何がダメなんだ
419
00:35:00,640 --> 00:35:01,400
何が怖い
420
00:35:01,800 --> 00:35:02,520
死なんだろ
421
00:35:03,240 --> 00:35:04,270
死んだら同じのを弁償する
422
00:35:07,830 --> 00:35:10,790
師父 お二人がまた助けに来てくれたんですね
423
00:35:11,120 --> 00:35:12,990
この"また"がしっかり仕上げになってますね
424
00:35:13,280 --> 00:35:15,280
阿絮 あなたは弟子をとる前に
425
00:35:15,440 --> 00:35:17,200
どうして流年で八文字数えなかったの
(*流年=星の巡りで行う占い)
426
00:35:17,760 --> 00:35:19,960
あなたの弟子はなんて不運で悲惨な運命か
427
00:35:20,200 --> 00:35:22,120
"步步有难 处处该灾"だ
(*歩くたび困難有り 至る所災厄有り《西遊記》)
428
00:35:24,070 --> 00:35:26,800
師父 彼らは私の目玉を抉ろうとしました
429
00:35:27,960 --> 00:35:29,320
龍閣主は仁義の一生を送った
430
00:35:29,880 --> 00:35:31,300
逆にお前はこんなに害悪か
431
00:35:31,440 --> 00:35:32,120
仁義?
432
00:35:32,640 --> 00:35:34,560
似非仁義の老いぼれだ
433
00:35:35,040 --> 00:35:38,240
実の息子が生きるより
死んだ方がましだと座視してる
434
00:35:42,080 --> 00:35:42,840
くだらん話だ
435
00:35:43,560 --> 00:35:44,800
お前の親父に会ってからまた話せ
436
00:35:54,680 --> 00:35:55,320
師父
437
00:35:56,120 --> 00:35:58,600
この人形と彼 この悪人
438
00:35:59,800 --> 00:36:00,720
とても似ています
439
00:36:02,280 --> 00:36:03,200
まさしくこの人形が
440
00:36:03,680 --> 00:36:05,400
俺たちを見つけて地下宮殿の入口に案内した
441
00:36:05,800 --> 00:36:06,960
恐らくこれは龍雀が
442
00:36:07,600 --> 00:36:09,310
孝行息子に似せて作ったんだ
443
00:36:09,880 --> 00:36:11,720
一部の人間は両親のもとにに生まれてすぐ
444
00:36:12,680 --> 00:36:13,840
借金の取り立てが来る
(*讨债=金を借りなければならないほど面倒を起こす)
445
00:36:57,680 --> 00:37:00,480
師父 何の匂いです? とても臭い
446
00:37:01,360 --> 00:37:04,360
荒れ山野に居る 歩く死人ゆえ
(*行尸走肉=肉体はあっても魂がない役に立たない人《拾遺記》)
447
00:37:04,880 --> 00:37:08,600
もてなしが行き届かぬ 恥ずかしい限り
448
00:37:53,440 --> 00:37:54,480
これが龍雀
449
00:37:55,800 --> 00:37:56,720
龍おじ上
450
00:37:57,600 --> 00:38:01,120
子舒 まことにお前の声だ
451
00:38:01,920 --> 00:38:04,400
夢を見ているのかと思った
452
00:38:04,960 --> 00:38:08,240
どうした お前の師父は息災か?
453
00:38:09,600 --> 00:38:10,480
龍おじ上
454
00:38:15,560 --> 00:38:17,880
龍おじ上 まだ私を覚えておいでですか
455
00:38:19,320 --> 00:38:23,280
かの師父はもういません
456
00:38:23,840 --> 00:38:26,560
覚えておる どうして忘れようか
457
00:38:28,320 --> 00:38:33,080
人は苦境に陥ると現実に直面できず
458
00:38:34,520 --> 00:38:38,240
ただ追憶に浸ることしかできぬ
459
00:38:38,680 --> 00:38:41,400
わしは 目を閉じればお前が見える
460
00:38:41,880 --> 00:38:44,400
四季山荘に入ったばかりの頃の
461
00:38:44,720 --> 00:38:47,400
あの健やかで溌剌とした様子をな
(*虎头虎脑=丈夫で元気ですくすく育っている《趙子曰》)
462
00:38:49,200 --> 00:38:50,960
懐章もおらぬのか
463
00:38:52,120 --> 00:38:57,120
そうだ ある者は死するも生くるが如く
464
00:38:57,440 --> 00:39:00,880
ある者は生きて死に及ばず
465
00:39:01,080 --> 00:39:02,080
お前のこのガキは生きてるぞ
466
00:39:02,240 --> 00:39:04,270
生まれ落ちてすぐ絞め殺した方がまだ良かっただろ
467
00:39:04,440 --> 00:39:07,160
彼はわしの子ではない そやつは畜生だ
468
00:39:07,320 --> 00:39:08,640
我が子はとうに死んだ
469
00:39:08,800 --> 00:39:10,960
お前たち父子の間の馬鹿げた訴訟に関わる気はない
470
00:39:11,280 --> 00:39:12,960
現実逃避が好きだろうと 自らを騙そうと
(*闭目塞听=目を閉じ耳を塞ぐ《論衝・自紀》)
471
00:39:13,120 --> 00:39:13,920
俺は構わん
472
00:39:14,680 --> 00:39:16,120
だがお前のとこのこのろくでなしは
473
00:39:16,240 --> 00:39:17,200
外にいると嘘で人を害する
474
00:39:17,520 --> 00:39:19,680
龍淵閣の旗を振って人を欺く
(*招摇撞骗=自分をひけらかしはったりで人を騙す《清会典事例》)
475
00:39:19,880 --> 00:39:20,920
これでもお前は構わんのか
476
00:39:21,280 --> 00:39:22,640
わしには手に負えん
477
00:39:24,560 --> 00:39:25,320
龍おじ上
478
00:39:30,320 --> 00:39:32,690
このたわけ者はわしをもう何年も
479
00:39:32,800 --> 00:39:34,560
ここに監禁しておる
480
00:39:35,720 --> 00:39:38,000
お前は自分の父親にこの残酷な手を下したのか
481
00:39:38,240 --> 00:39:39,170
畜生以下だ
482
00:39:39,560 --> 00:39:41,170
私は畜生だ
483
00:39:41,960 --> 00:39:44,080
ならそいつは良いものなのか
484
00:39:44,410 --> 00:39:46,280
獰猛な虎も我が子は食わぬ
(*虎毒不食子=親しい者には危害を加えないもの《五灯会元》)
485
00:39:46,730 --> 00:39:48,800
なのに奴はこのように残酷だ
486
00:39:49,170 --> 00:39:50,760
世の中に私の病を治せるものが
487
00:39:50,930 --> 00:39:52,130
あることを承知の上で
488
00:39:52,360 --> 00:39:55,320
私をこんな屑にしたまま死にも生かしもしない
489
00:39:56,520 --> 00:39:57,970
これだけやっても
490
00:39:58,560 --> 00:40:00,490
まだ私を助けない
491
00:40:00,650 --> 00:40:01,560
くだらぬことを
492
00:40:01,800 --> 00:40:03,560
お前の父君は病に心を痛めていた
(*操碎了心=心がボロボロになるほど心配するの意)
493
00:40:03,690 --> 00:40:04,600
誰もが知ってる
494
00:40:04,800 --> 00:40:08,930
彼はわしに陰陽冊を手に入れろと言っておるのだ
495
00:40:09,760 --> 00:40:12,880
武庫にある陰陽冊を