第二十六話
1
00:01:53,200 --> 00:01:54,600
どうして甄一鍋をいじめるんだ
2
00:01:55,240 --> 00:01:56,770
お前の犬か?
3
00:01:57,130 --> 00:01:58,770
私の師兄が残してくれんだ
4
00:01:58,960 --> 00:01:59,960
一鍋
5
00:02:00,280 --> 00:02:01,320
いい名前だな
6
00:02:03,560 --> 00:02:04,690
煮込んで
7
00:02:04,770 --> 00:02:06,560
一鍋で足りるか見てみよう
8
00:02:10,120 --> 00:02:10,810
よこせ
9
00:02:11,640 --> 00:02:12,200
いやだ
10
00:02:12,480 --> 00:02:13,400
いやだ やれ
11
00:02:19,040 --> 00:02:20,250
逃げられないぞ
12
00:02:21,250 --> 00:02:22,010
来るな
13
00:02:22,370 --> 00:02:23,040
よこせ
14
00:02:23,370 --> 00:02:24,200
押さえろ
15
00:02:25,120 --> 00:02:26,530
いい子 早く逃げろ
16
00:02:26,640 --> 00:02:28,200
早く家に戻ってママのところへ行け
17
00:02:31,610 --> 00:02:32,610
甄一鍋
18
00:02:32,970 --> 00:02:33,920
私を放せ
19
00:02:40,890 --> 00:02:41,610
家に帰りなさい
20
00:02:43,120 --> 00:02:43,890
ありがとう
21
00:02:47,560 --> 00:02:48,370
坊や
22
00:02:48,890 --> 00:02:50,010
君の姓は甄なのかい?
23
00:02:53,450 --> 00:02:54,370
甄じゃない
24
00:02:54,680 --> 00:02:55,760
人違いです
25
00:03:10,890 --> 00:03:12,480
どうして阿絮の酔生夢死を使うと
26
00:03:13,120 --> 00:03:14,560
こんな奇妙な夢を見るんだ
27
00:03:28,370 --> 00:03:29,200
おバカさん
28
00:03:31,480 --> 00:03:32,090
温叔
29
00:03:32,480 --> 00:03:33,480
こんな早くにお目醒めですか
30
00:03:36,250 --> 00:03:37,200
今は何刻です?
31
00:03:37,810 --> 00:03:39,330
五十回ほど八卦掌を練習したので
32
00:03:39,640 --> 00:03:42,250
今はたぶん卯の正から辰の初のはずです
(*卯正辰初=午前6時〜7時の間)
33
00:03:42,530 --> 00:03:43,810
こんな早くに起きてどうしたの?
34
00:03:44,970 --> 00:03:46,250
鶏が鳴いたので目が覚めました
35
00:03:46,480 --> 00:03:47,840
そうしたらもう眠れなくなったので
36
00:03:48,090 --> 00:03:49,610
いっそ起きて練功しようと
37
00:03:49,730 --> 00:03:50,680
そんなに頑張ってどうするの?
38
00:03:52,200 --> 00:03:54,170
いつも夢を見て 眠れないんです
39
00:03:54,760 --> 00:03:57,370
鬼谷があんなに沢山悪事を働いて
40
00:03:57,530 --> 00:03:59,840
あんなに多くの人を傷つけ 私と同じように
家門を滅ぼしたのかと思うと
(*家破人亡=一家一族が四散し没落する)
41
00:04:00,400 --> 00:04:02,370
食べられませんし 眠れません
42
00:04:02,840 --> 00:04:04,370
一夜の間に
43
00:04:04,680 --> 00:04:06,920
あなたと師父のような素晴らしい能力を身につけて
44
00:04:07,010 --> 00:04:08,090
この悪者たちを滅ぼせないのが悔しい
45
00:04:09,120 --> 00:04:10,400
もしこの世界に鬼谷がなければ
46
00:04:11,640 --> 00:04:12,370
あんなに沢山の
47
00:04:12,480 --> 00:04:13,530
悲惨な出来事は起こらなかった
48
00:04:17,360 --> 00:04:18,330
速やかならんと欲すれば則ち達せず
(*欲速则不达=急がば回れ《論語・子路》孔子)
49
00:04:19,120 --> 00:04:20,770
どんなに一所懸命でも
50
00:04:20,840 --> 00:04:22,800
武功は一朝一夕に身につくものじゃない
51
00:04:23,930 --> 00:04:25,360
君の師父のところに眠りを助ける香があるので
52
00:04:26,170 --> 00:04:28,120
夜に少しもらえるように頼んでおく
53
00:04:28,800 --> 00:04:30,360
君は今は身体の成長の時期だから
54
00:04:30,840 --> 00:04:32,080
十分に眠らないと
55
00:04:43,490 --> 00:04:44,800
君は力の入れ方が違う
56
00:04:45,520 --> 00:04:46,930
腕に力がどうしても入りすぎている
57
00:04:47,360 --> 00:04:50,650
八卦掌では腰を旗竿とし 気を旗とする
(*心为令 気为旗 腰为纛、心を秩序とし気は旗とし腰は旗竿とする、心で制御し腰を起点に気を流す、太極拳の基本)
58
00:04:50,930 --> 00:04:52,960
これは大多数の拳法の功夫で
重んずるべき秘訣でもある
59
00:04:53,650 --> 00:04:54,400
おバカさん
60
00:04:55,120 --> 00:04:56,240
肩を緩め 肘を下げ
61
00:04:57,050 --> 00:04:58,050
腹部は鋼に
62
00:04:59,240 --> 00:05:01,770
誰かさんは自分を他人だと言ってなかったか
63
00:05:02,400 --> 00:05:03,770
俺の弟子には教えないんだろ?
64
00:05:06,800 --> 00:05:07,730
ほっとけよ
65
00:05:11,770 --> 00:05:13,360
師父 私が開けてきます
66
00:05:23,960 --> 00:05:24,730
どなたですか?
67
00:05:25,450 --> 00:05:26,330
私は平安銀荘の者です
68
00:05:26,650 --> 00:05:28,120
葉先生よりご用命頂いた
69
00:05:28,280 --> 00:05:30,240
四季山荘宛ての文が届いております
70
00:05:35,560 --> 00:05:36,360
蝎王
71
00:05:37,610 --> 00:05:39,400
あのくそったれ群鬼冊の紙面上に
72
00:05:39,520 --> 00:05:40,960
上は鬼谷谷主から
73
00:05:41,050 --> 00:05:43,650
下は十大悪鬼まで全員の容姿が描かれている上に
74
00:05:44,050 --> 00:05:45,650
どんな武功の流派かや
75
00:05:45,770 --> 00:05:46,770
伝承の来歴
76
00:05:46,960 --> 00:05:48,770
やらかした全ての事も書かれている
77
00:05:49,360 --> 00:05:50,890
これは我らの下穿きまで剥ぎ取って
78
00:05:51,010 --> 00:05:52,960
全ての人に見せてやるのとどんな違いがある
79
00:05:53,930 --> 00:05:56,050
この内容が一旦江湖中に伝わってしまうと
80
00:05:56,960 --> 00:05:58,520
我らはもはや寸歩も行けぬ
(*寸步难行=まったく身動きが取れない、困難な状況《九日寄峯参》)
81
00:05:59,120 --> 00:06:01,240
な なんです群鬼冊というのは
82
00:06:02,330 --> 00:06:05,360
五湖盟は各派に群鬼冊を配布している
83
00:06:05,930 --> 00:06:07,960
これはどういう事です?
84
00:06:08,890 --> 00:06:09,840
こんな状態で
85
00:06:10,280 --> 00:06:11,650
まだ外にいる兄弟たちに
86
00:06:11,770 --> 00:06:13,280
趙盟主の仕事をさせるのか
87
00:06:15,050 --> 00:06:15,960
思い出した
88
00:06:16,890 --> 00:06:18,400
そんな事があった
89
00:06:19,120 --> 00:06:21,210
だがこれはどうしたものか
90
00:06:22,490 --> 00:06:24,490
あなたたちが出ていく前に
91
00:06:25,170 --> 00:06:27,560
完璧な易容ができる人を探してあげるので
(*精善=精巧で美しい、精密で完璧《夢渓筆談・弁証》)
92
00:06:27,930 --> 00:06:30,840
顔を変えてもらえばよくないか?
93
00:06:31,400 --> 00:06:32,280
もしかすると
94
00:06:32,930 --> 00:06:34,800
さらに目を楽しませるかも
(*赏心悦目=美しい風景を見て心から喜ぶこと《人中画・風流配》)
95
00:06:39,080 --> 00:06:39,800
開心
96
00:06:40,080 --> 00:06:40,800
それに
97
00:06:42,400 --> 00:06:44,170
あなたたちは悪党の道で
98
00:06:44,730 --> 00:06:48,050
悪名を轟かせたかったのでは?
(*凶名昭著=臭名昭著、悪名高い)
99
00:06:48,280 --> 00:06:49,680
義父があなたたちの出世を助けてくれたのに
100
00:06:49,800 --> 00:06:50,890
まさかダメだった?
101
00:06:51,050 --> 00:06:51,560
このくそったれめ
102
00:07:00,610 --> 00:07:01,800
二強連合は
103
00:07:02,610 --> 00:07:04,080
合すれば来て
104
00:07:04,770 --> 00:07:05,650
合せずば散ず
105
00:07:06,960 --> 00:07:10,450
趙盟主がこのような卑劣な手段を用いて
106
00:07:10,650 --> 00:07:12,450
我々を破釜沈船させるというのは
107
00:07:13,210 --> 00:07:15,520
あまりに下品すぎませんか?
108
00:07:18,890 --> 00:07:19,730
今日は
109
00:07:20,730 --> 00:07:23,210
本当に見識が広がったよ
110
00:07:24,360 --> 00:07:26,170
お前たちみたいな悪鬼連中が?
111
00:07:26,680 --> 00:07:29,010
他人を卑劣で下品って言うの?
112
00:07:29,520 --> 00:07:31,490
本当に滑稽が過ぎるね
113
00:07:35,400 --> 00:07:36,120
よろしい
114
00:07:36,930 --> 00:07:37,840
でしたら
115
00:07:39,400 --> 00:07:40,730
我々は行きましょう
116
00:07:42,010 --> 00:07:43,890
ここに残らずとも
117
00:07:44,770 --> 00:07:46,560
我らを必要とするところはございます
(*此处不留爷 自有留爷处=ヤケクソで職を辞する時の決り文句《戯贈沈后》陳后主)
118
00:07:46,680 --> 00:07:47,490
やるのかい?
119
00:07:49,210 --> 00:07:50,210
何もやらなくていい
120
00:07:50,680 --> 00:07:52,610
いいこと言ったと思うよ
121
00:07:53,400 --> 00:07:54,210
合すれば来て
122
00:07:54,840 --> 00:07:56,010
合せずば去る
(*合则来不合则去《范増論》蘇軾)
123
00:07:57,010 --> 00:07:59,170
諸君にその気がない以上
124
00:08:00,120 --> 00:08:00,840
そんな
125
00:08:02,280 --> 00:08:04,170
どうして無理に引き留められますか
126
00:08:05,170 --> 00:08:05,930
行くぞ
127
00:08:09,730 --> 00:08:10,650
お送りしろ
128
00:08:17,330 --> 00:08:18,240
大王
129
00:08:19,650 --> 00:08:21,960
あなたまた主上に何か我慢してるんですの?
130
00:08:22,050 --> 00:08:23,050
少しは敬意を示せ
131
00:08:25,010 --> 00:08:26,120
はいはい
132
00:08:26,680 --> 00:08:27,770
そうだ 大王
133
00:08:28,450 --> 00:08:30,210
柳千巧の文がもう届いてましたよ
134
00:08:30,610 --> 00:08:32,600
孟婆湯の作り方に関してです
135
00:08:33,720 --> 00:08:35,160
大王にもお目通し願いますね
136
00:08:47,880 --> 00:08:48,600
兄さん
137
00:08:49,880 --> 00:08:51,040
貴店の使いが
138
00:08:51,680 --> 00:08:52,640
銀荘に私宛ての文があると
139
00:08:53,600 --> 00:08:54,600
お客様少々お待ちを
140
00:09:04,440 --> 00:09:05,440
平安(ピンアン)が拝謁します周荘主
141
00:09:07,560 --> 00:09:09,600
平安 どうして昆州に来たんだ
142
00:09:10,720 --> 00:09:12,760
この平安銀荘はお前が開いたのか
143
00:09:13,160 --> 00:09:14,200
私のどこにそんな腕がありますか
144
00:09:14,450 --> 00:09:15,370
周荘主 お掛けください
145
00:09:16,050 --> 00:09:17,520
小生はただ七爺(チーイェ)に代わり
146
00:09:17,760 --> 00:09:20,160
この中原の銀荘分号五十六軒を管理し
147
00:09:20,330 --> 00:09:21,330
南疆にはまた四、五軒ございまして
148
00:09:21,600 --> 00:09:22,690
如意(ルーイー)が番をしております
149
00:09:24,280 --> 00:09:26,330
平安銀荘は九州全土に広がっている
150
00:09:27,130 --> 00:09:30,400
私はなぜ君のとこの旦那が開いたと
思わなかったのか
151
00:09:31,400 --> 00:09:32,250
かの人が
152
00:09:33,840 --> 00:09:35,520
どうやって臭い銅銭と付き合えるんだ
(*臭铜钱=金銭欲が強いことを嘲る)
153
00:09:35,640 --> 00:09:36,450
ご存じないでしょうが
154
00:09:36,690 --> 00:09:39,080
私どもの銀荘は銀銭の取り扱い業務もしていますが
155
00:09:39,330 --> 00:09:41,720
主には大巫(ダーウー)の代わりに
中原の情報収拾をしております
156
00:09:41,960 --> 00:09:43,640
情報収集の機関雀は
157
00:09:43,760 --> 00:09:45,490
当時あなた様が彼に教えて差し上げたのでは?
158
00:09:45,720 --> 00:09:47,010
この珍宝のお陰で
159
00:09:47,130 --> 00:09:48,250
七爺が昆州にお越しになり次第
160
00:09:48,370 --> 00:09:49,960
小生はすぐに情報を知ることができ
161
00:09:50,050 --> 00:09:51,050
先行して馳せつけます
162
00:09:51,250 --> 00:09:52,570
七爺が昆州に来るのか?
163
00:09:53,250 --> 00:09:54,010
周荘主
164
00:09:54,570 --> 00:09:57,960
大巫を訪問するよう葉先生にお願いしたのでは?
165
00:09:59,520 --> 00:10:01,080
七爺はあなた様のお身体が良くないことを聞いて
166
00:10:01,200 --> 00:10:03,250
すぐに大巫と共に昆州へ来ることを決められました
167
00:10:03,370 --> 00:10:04,050
無茶だ
168
00:10:04,690 --> 00:10:06,050
彼がどうして中原に来られるんだ
169
00:10:06,450 --> 00:10:07,450
問題ございません
170
00:10:07,640 --> 00:10:08,400
周荘主
171
00:10:08,520 --> 00:10:10,250
七爺には大巫と一組の侍衛が付き従います
172
00:10:10,330 --> 00:10:11,080
さらに申しますと
173
00:10:11,280 --> 00:10:13,330
この昆州は僻地で皇帝の威令から遠いので
174
00:10:13,490 --> 00:10:16,160
晋王の手もここには届かないでしょう
175
00:10:16,960 --> 00:10:17,840
どういう意味です?
176
00:10:18,490 --> 00:10:19,720
葉白衣が頼みに行った人を
177
00:10:20,330 --> 00:10:21,330
阿絮も知ってるの?
178
00:10:21,810 --> 00:10:22,930
知ってるも何も
179
00:10:23,160 --> 00:10:24,570
命を捨てられるほどの親友です
180
00:10:24,840 --> 00:10:26,450
周荘主 あなた様も本当に
181
00:10:26,810 --> 00:10:27,640
こんな何年も
182
00:10:28,050 --> 00:10:29,810
私どもの旦那には少しもおっしゃらずにいて
(*只言片语=一言半句、少しの語句)
183
00:10:30,080 --> 00:10:31,200
そして今の事態に
184
00:10:31,520 --> 00:10:33,890
何もまたよそ様に内通してもらう必要が
ございましょうか
(*通风报信=機密情報などを他方に報せること《黄綉球》)
185
00:10:34,330 --> 00:10:35,930
ご自身で南疆に行かれればよかった
186
00:10:36,200 --> 00:10:38,370
我らの旦那はここ数年
ずっとあなた様を案じておりました
187
00:10:38,640 --> 00:10:39,520
そうでした
188
00:10:39,720 --> 00:10:41,400
これが葉先生の文です
189
00:10:50,890 --> 00:10:52,570
葉前輩のこれは何の冗談ですか?
190
00:10:53,250 --> 00:10:54,720
どうして文を書いてまであなたを罵るのでしょう
191
00:11:00,840 --> 00:11:01,690
"冬至に会ったら
192
00:11:02,370 --> 00:11:03,130
白菜と豚肉の餡の
193
00:11:03,570 --> 00:11:04,520
餃子を食わせるべし"
194
00:11:08,400 --> 00:11:09,130
この文は
195
00:11:10,080 --> 00:11:10,960
どういう意味だ?
196
00:11:11,250 --> 00:11:12,690
七爺と大巫は南疆にある
197
00:11:12,810 --> 00:11:13,840
貴重な薬材を準備しております
198
00:11:14,400 --> 00:11:15,570
葉先生は待ちきれず
199
00:11:16,010 --> 00:11:17,050
先にお戻りに
200
00:11:17,570 --> 00:11:20,200
ゆえに南部の分号に文をお寄せになったのです
201
00:11:22,690 --> 00:11:23,720
苦労をかけたな 平安
202
00:11:34,280 --> 00:11:34,960
師父
203
00:11:35,400 --> 00:11:36,450
大巫とは誰ですか?
204
00:11:36,520 --> 00:11:37,840
七爺とはまた誰ですか?
205
00:11:38,130 --> 00:11:39,200
それで葉前輩が
206
00:11:39,280 --> 00:11:40,960
彼ら二人を招くと怪我を治してくれるんですか?
207
00:11:41,130 --> 00:11:42,050
何が招くだ
208
00:11:43,130 --> 00:11:44,930
葉前輩のこの古い友人が
209
00:11:45,050 --> 00:11:45,840
大巫だと早くに知っていたら
210
00:11:47,010 --> 00:11:48,160
彼に頼む必要はなかったさ
211
00:11:48,400 --> 00:11:49,250
まだ聞いてませんよ
212
00:11:50,050 --> 00:11:52,450
このお二人が一体どちら様なのか
213
00:11:53,050 --> 00:11:55,370
二人は晋州時代の古い知り合いだ
214
00:11:56,330 --> 00:11:57,640
かつて晋王のために尽力し
215
00:11:58,250 --> 00:12:00,200
のちに晋王に心を深く傷つけられ
216
00:12:00,640 --> 00:12:01,760
はるか南疆へ下り
217
00:12:02,330 --> 00:12:03,400
二度と戻って来なかった
218
00:12:05,840 --> 00:12:08,930
ならそのお二人が
あなたの怪我を治せるというのは本当か?
219
00:12:10,280 --> 00:12:11,280
大巫は医術に精通している
220
00:12:12,160 --> 00:12:15,250
また他にも南疆の巫蠱(ふこ)秘術を多く知っている
221
00:12:16,810 --> 00:12:18,280
七爺は常々慎重に行動していた
(*谋定而动=谋定而后动 知止而有得、謀を定めてのち動き止を知りて得るところあり、計画を決めてから行動すること)
222
00:12:18,600 --> 00:12:20,010
彼らがもし中原に来ることを決めたなら
223
00:12:20,640 --> 00:12:22,330
幾分か見込みがあるってことだろう
224
00:12:23,370 --> 00:12:24,520
なら良い事じゃないの
225
00:12:24,960 --> 00:12:26,200
あなた方が旧知なら
226
00:12:26,930 --> 00:12:28,640
我らはなぜもっと早く訪ねなかったのか
227
00:12:30,280 --> 00:12:31,160
以前は
228
00:12:32,810 --> 00:12:33,890
俺も生きようと思わなかった
229
00:12:37,810 --> 00:12:38,490
師父
230
00:12:38,810 --> 00:12:40,760
葉前輩はどうして手紙で人を罵るんですか?
231
00:12:41,200 --> 00:12:42,010
おバカさん
232
00:12:42,280 --> 00:12:43,250
まだ分からないの?
233
00:12:44,450 --> 00:12:45,200
あの老怪物は
234
00:12:45,330 --> 00:12:47,400
はるばる万里を駆けて
南疆に医者を探しに行ったのに
235
00:12:47,640 --> 00:12:48,960
大巫に会ってみたら
236
00:12:49,160 --> 00:12:50,450
年寄りの顔をなげうっても
237
00:12:50,600 --> 00:12:51,960
必ずしも動くとは限らない奇人が
238
00:12:52,250 --> 00:12:54,130
却って君の師父の縁故だと気付いた
239
00:12:55,130 --> 00:12:56,960
堂々たる長明山の古の剣仙が
240
00:12:57,200 --> 00:12:59,450
結局使い走りになって文を送るはめになった
241
00:12:59,760 --> 00:13:00,930
老怪物の性格で
242
00:13:01,130 --> 00:13:02,690
血を吐くほど怒らないはずがないのに
243
00:13:02,810 --> 00:13:05,010
罵詈雑言なんて軽いものです
244
00:13:05,450 --> 00:13:06,450
なんですかそれ
245
00:13:06,570 --> 00:13:07,890
結局その大巫を招いたのは
246
00:13:08,010 --> 00:13:09,080
葉前輩じゃないですか
247
00:13:09,370 --> 00:13:10,450
誰の名目でも構いません
248
00:13:10,600 --> 00:13:11,810
師父の怪我を治すことができれば
249
00:13:11,930 --> 00:13:12,930
みんな大喜びです
250
00:13:13,010 --> 00:13:13,890
でしょ 師叔
251
00:13:16,520 --> 00:13:17,200
おばさん
252
00:13:17,640 --> 00:13:20,370
この布は他の色ありますか?
253
00:13:21,400 --> 00:13:22,010
はい
254
00:13:22,930 --> 00:13:23,720
これ見てみて
255
00:13:23,890 --> 00:13:24,640
こっちもとても良いよ
256
00:13:26,010 --> 00:13:27,930
阿絮 せっかく下山したので
257
00:13:28,330 --> 00:13:29,330
付近に腕のいい
258
00:13:29,490 --> 00:13:31,250
補画の職人がいるか捜してみます
259
00:13:31,520 --> 00:13:33,050
あなたは成嶺を連れて先に帰っててください
260
00:13:33,370 --> 00:13:34,930
分かった 早く帰って来いよ
261
00:13:35,570 --> 00:13:37,370
でないと 晩飯を作る人がいない
262
00:13:38,840 --> 00:13:39,520
なんだよ
263
00:13:39,690 --> 00:13:40,960
もしかして私は召使いなの?
264
00:13:42,050 --> 00:13:42,960
違ったか?
265
00:13:50,400 --> 00:13:51,130
成嶺
266
00:13:51,570 --> 00:13:53,520
もう少し休んだら 俺たちは帰ろう
267
00:14:04,080 --> 00:14:04,930
谷主がいらっしゃいました
268
00:14:06,280 --> 00:14:07,050
谷主がいらっしゃいました
269
00:14:07,450 --> 00:14:08,600
谷主を見つけましたよ
270
00:14:11,810 --> 00:14:12,600
谷主がいらっしゃいました
271
00:14:13,080 --> 00:14:14,200
谷主を見つけましたよ
272
00:14:15,570 --> 00:14:16,600
谷主を見つけました
273
00:14:19,330 --> 00:14:22,160
谷主 谷主 谷主
274
00:14:23,280 --> 00:14:26,250
谷主 谷主 谷主
275
00:14:34,160 --> 00:14:36,760
谷主 お探ししておりました
276
00:14:36,930 --> 00:14:37,930
最近 我らがどんな日々を過ごしたか
277
00:14:38,010 --> 00:14:38,960
ご存知ですか?
278
00:14:39,370 --> 00:14:41,050
まるで通りを渡る鼠のように
279
00:14:41,200 --> 00:14:43,130
顔を出すと誰もが打ちのめすんです
280
00:14:45,080 --> 00:14:46,250
群鬼冊を出しなさい
281
00:14:59,010 --> 00:14:59,840
今
282
00:15:00,010 --> 00:15:01,490
名のある門派は
283
00:15:01,600 --> 00:15:03,330
このくそったれの冊子を手に
284
00:15:04,160 --> 00:15:05,120
畜生め
285
00:15:05,280 --> 00:15:08,160
江湖全体を三尺掘り起こして
286
00:15:08,400 --> 00:15:10,280
四方に散らばった鬼衆を
287
00:15:10,400 --> 00:15:11,520
全員ほじくり出した
288
00:15:12,570 --> 00:15:14,370
部下は幸運でしたよ
289
00:15:14,520 --> 00:15:16,600
この娘ら野郎どもを助けまくって
290
00:15:17,330 --> 00:15:19,760
ずっとこの荒れ山野に立てこもってました
291
00:15:20,330 --> 00:15:22,690
それから谷主の行方を探っておりました
292
00:15:24,280 --> 00:15:25,840
腹が減って痩せそうですよ
293
00:15:26,450 --> 00:15:29,010
湘姑娘がこの雲裁を引き取ってなけりゃね
294
00:15:29,400 --> 00:15:31,130
彼女の素性はまあきれいだから
295
00:15:31,370 --> 00:15:32,760
まだ外を歩き回れる
296
00:15:32,960 --> 00:15:35,520
そうでなけりゃ老食屍はあなたに会えなかった
297
00:15:35,930 --> 00:15:39,160
十大悪鬼は あと何匹残ってる?
298
00:15:45,760 --> 00:15:46,400
まったく
299
00:15:48,050 --> 00:15:49,490
谷主 ご存知ない?
300
00:15:50,760 --> 00:15:53,080
俺は朝から晩までこの派殺したらあの派
301
00:15:53,200 --> 00:15:54,520
あの派殺したらまたその派ってのが
302
00:15:54,640 --> 00:15:55,840
全部鬼谷の仕業だって聞いて
303
00:15:56,450 --> 00:15:58,160
俺は谷主が十大悪鬼を連れて
304
00:15:58,280 --> 00:16:00,200
やったのかと思ってました
305
00:16:00,330 --> 00:16:01,690
結局あなたじゃなかったのか?
306
00:16:02,010 --> 00:16:03,370
薄情薄主の連絡は?
307
00:16:03,840 --> 00:16:05,080
ありませんよ
308
00:16:05,600 --> 00:16:07,160
あの何だ
309
00:16:07,330 --> 00:16:09,600
岳陽の狗熊大会だかの前に
310
00:16:09,760 --> 00:16:11,200
喜喪鬼が攫われて
311
00:16:11,370 --> 00:16:13,720
それから彼女と艶鬼の情報は途絶えました
312
00:16:14,050 --> 00:16:15,160
そうです 谷主
313
00:16:15,570 --> 00:16:18,450
今はあの名門正犬だかは
314
00:16:18,570 --> 00:16:20,080
この狗熊大会だかを
315
00:16:20,200 --> 00:16:21,720
再開しようと相談してる
316
00:16:22,080 --> 00:16:22,800
畜生め
317
00:16:23,080 --> 00:16:25,250
まさに山中に老虎なく
318
00:16:25,400 --> 00:16:27,330
この狗熊どもが皆 王と称してる
(*優れた人材がなく劣った人が主要な役割を担うたとえ)
319
00:16:28,890 --> 00:16:30,930
幸い谷主がお出ましになられた
320
00:16:31,330 --> 00:16:34,080
今すぐあの鬼谷に戻りましょう
321
00:16:34,250 --> 00:16:35,370
防御線を張って
322
00:16:35,600 --> 00:16:36,930
クソ野郎をのしましょう
323
00:16:37,250 --> 00:16:40,840
殺してやろう 殺してやりましょう
324
00:17:00,880 --> 00:17:01,680
師叔
325
00:17:02,730 --> 00:17:03,410
どうしたの?
326
00:17:03,730 --> 00:17:05,400
師叔 やっと帰ってきましたね
327
00:17:05,730 --> 00:17:07,160
私はお腹が空いてぐうぐう鳴ってます
328
00:17:08,159 --> 00:17:09,849
私が帰らないと
あなたたちは待ってるだけなんです?
329
00:17:10,320 --> 00:17:11,770
勝手に碗麺でも食べておけないの?
330
00:17:12,370 --> 00:17:13,130
できないね
331
00:17:17,250 --> 00:17:19,160
どうだ? 画師は見つかったか?
332
00:17:21,370 --> 00:17:22,320
山の麓にはいません
333
00:17:22,610 --> 00:17:25,040
清水鎮に長安から帰ってきたばかりの
画師がいるので
334
00:17:25,160 --> 00:17:26,960
近いうちに画を持って彼に見せに行ってきます
335
00:17:28,160 --> 00:17:28,970
阿絮や
336
00:17:30,130 --> 00:17:31,280
よければ料理を教えるよ
337
00:17:31,520 --> 00:17:33,730
その日は ご飯を作るのには間に合わないし
338
00:17:35,040 --> 00:17:36,010
習うもんか
339
00:17:36,650 --> 00:17:39,280
聖人ありて云わく 君子庖厨(ほうちゅう)を遠ざく
(*《梁恵王章句上》孟子)
340
00:17:41,040 --> 00:17:41,920
安心しろ
341
00:17:42,920 --> 00:17:44,650
俺たち男二人 恐らく飢え死にはしないだろう
342
00:17:44,920 --> 00:17:45,890
どうしてもダメなら
343
00:17:46,090 --> 00:17:47,610
成嶺と山を下りて食べる
344
00:17:48,800 --> 00:17:49,520
それでもいい
345
00:17:49,970 --> 00:17:51,250
じゃあ飯ができたら呼んでくれ
346
00:17:52,560 --> 00:17:53,970
はいな 周大爺
347
00:17:54,200 --> 00:17:55,130
どうぞお待ちを
348
00:18:12,200 --> 00:18:14,440
師叔 どうしました?
349
00:18:17,250 --> 00:18:18,040
いや
350
00:18:18,250 --> 00:18:19,160
もうすぐ暗くなる
351
00:18:20,650 --> 00:18:22,040
"夕陽限りなく好し
352
00:18:23,730 --> 00:18:25,490
只だ是れ黄昏(こうこん)に近し"だ
(*《登楽遊原》李商隠)
353
00:18:27,490 --> 00:18:28,280
成嶺
354
00:18:28,680 --> 00:18:29,800
今晩は何を食べたい?
355
00:18:30,770 --> 00:18:31,800
温叔が作ってあげよう
356
00:18:48,160 --> 00:18:49,160
拝謁します蝎王
357
00:18:50,400 --> 00:18:51,250
解蠱の方法を
358
00:18:51,490 --> 00:18:53,730
お前に伝えるよう人を遣らなかったか?
(*解蛊=蠱毒は呪いの一種のため解毒ではなく解蠱)
359
00:18:54,610 --> 00:18:55,730
戻ってきて何をする
360
00:18:56,440 --> 00:18:58,520
気が変わったんです
361
00:18:59,850 --> 00:19:01,680
蝎王が千巧を役立てるところがございましたら
362
00:19:01,800 --> 00:19:02,680
千巧の光栄なのです
363
00:19:03,650 --> 00:19:06,010
私は奴婢として 蝎王にお使いいただきたいのです
364
00:19:07,250 --> 00:19:07,970
ただ
365
00:19:15,800 --> 00:19:17,560
引き換えに我が主人喜喪鬼の解放を
366
00:19:18,250 --> 00:19:18,920
それと
367
00:19:20,010 --> 00:19:21,040
于丘烽も?
368
00:19:23,400 --> 00:19:25,680
蝎王 お願いです
369
00:19:25,850 --> 00:19:26,520
もういい
370
00:19:29,850 --> 00:19:31,280
本王は無駄話を聞くのが嫌いだ
371
00:19:34,490 --> 00:19:38,200
寸功も立てぬうちから 褒賞を請うのか
372
00:19:40,970 --> 00:19:44,090
私はこの二人を殺さないと約束する
373
00:19:44,490 --> 00:19:46,320
しかしお前の一言で
374
00:19:46,770 --> 00:19:47,920
彼らを解放はできない
375
00:19:50,610 --> 00:19:51,400
もちろん
376
00:19:52,490 --> 00:19:55,040
もしお前が本王の役に立つことを証明できれば
377
00:19:55,400 --> 00:19:57,800
私は忠心のある者を無下にはしない
378
00:20:01,090 --> 00:20:02,090
立て
379
00:20:05,610 --> 00:20:06,440
感謝します蝎王
380
00:20:08,440 --> 00:20:09,250
だが
381
00:20:09,560 --> 00:20:11,400
もしお前がその製法を献上しなければ
382
00:20:11,560 --> 00:20:12,370
私もこの孟婆湯がもともと
383
00:20:12,610 --> 00:20:15,160
忘憂草から精製されていると見当がつかなかった
384
00:20:17,010 --> 00:20:19,250
蝎王 とおっしゃいますと
385
00:20:19,970 --> 00:20:21,160
酔生夢死というものを
386
00:20:21,970 --> 00:20:24,440
聞いたことがあるか?
387
00:20:30,610 --> 00:20:33,490
昆州にある草で その名を忘憂という
388
00:20:34,160 --> 00:20:36,200
忘憂草に七種の毒虫を配合すると
389
00:20:36,800 --> 00:20:38,130
孟婆湯になり
390
00:20:38,440 --> 00:20:40,970
最も執着することを忘れさせる
391
00:20:42,130 --> 00:20:43,890
そして七種の香花を配合すると
392
00:20:50,010 --> 00:20:51,520
酔生夢死となる
393
00:20:53,090 --> 00:20:55,040
両者は人知れず互いに表裏となっており
(*互为表里=相互依存、互いに補い合うこと《三国志・董承伝》)
394
00:20:55,280 --> 00:20:56,320
相生相克で
395
00:20:56,490 --> 00:20:58,090
大量に酔生夢死を使うだけで
396
00:20:58,250 --> 00:21:00,560
孟婆湯の効果を相殺することができる
397
00:21:01,010 --> 00:21:04,250
そうして封印された記憶を解き開く
398
00:21:05,650 --> 00:21:07,680
蝎王 これはつまり
399
00:21:10,890 --> 00:21:12,850
喜喪鬼は今 精神的に不安定なので
400
00:21:13,370 --> 00:21:14,920
大量投薬による
401
00:21:15,090 --> 00:21:16,370
脳の損傷を避けるため
402
00:21:16,850 --> 00:21:18,800
薫香方式を採用した
403
00:21:19,320 --> 00:21:22,610
薬をゆっくり彼女の体内に浸透させれば
404
00:21:22,770 --> 00:21:24,280
一定量に達する
405
00:21:26,160 --> 00:21:27,130
ちょうどいいところに来た
406
00:21:27,890 --> 00:21:30,090
彼女はもう七日も薬室にいたので
407
00:21:30,800 --> 00:21:33,610
そろそろ目を醒ますはずだ
408
00:21:36,370 --> 00:21:38,520
私もすぐに真相を知ることができる
409
00:21:41,970 --> 00:21:43,890
外の噂は全てこじつけだ
(*穿凿附会=嘘や無関係な事と事実を一緒にして説明すること《容斎続筆・義理之説無窮》)
410
00:21:45,160 --> 00:21:46,680
義父さんは僕を騙さない
411
00:21:47,490 --> 00:21:48,160
そうさ
412
00:21:48,680 --> 00:21:50,680
喜喪鬼が目を醒ました後 真相を語れば
413
00:21:50,850 --> 00:21:51,890
彼の潔白を示せる
414
00:21:52,650 --> 00:21:53,730
蝎儿がこうするのは
415
00:21:54,010 --> 00:21:55,920
義父さんの代わりに名誉を明らかにするためだ
416
00:22:08,610 --> 00:22:10,040
あんたたち清風剣派は
417
00:22:10,520 --> 00:22:12,970
鳥も糞しない場所にあるなんて
(*鸟不拉屎=鳥が卵を産まず犬が糞をしない不毛の地のこと)
418
00:22:14,040 --> 00:22:15,800
頭が良すぎるよ
419
00:22:16,130 --> 00:22:17,200
あたしが賊だったら
420
00:22:17,400 --> 00:22:20,090
目の前に金山があっても来るのが億劫だ
421
00:22:20,560 --> 00:22:22,040
阿湘 冗談はやめて
422
00:22:26,970 --> 00:22:28,650
この言いたい放題は誰だね
(*大言不惭=ぬけぬけと大口をたたく《論語集注》朱熹)
423
00:22:28,920 --> 00:22:32,200
我が清風山が鳥も糞しない場所とはな
424
00:22:32,560 --> 00:22:33,850
ろくでなしめ
425
00:22:34,130 --> 00:22:35,040
師叔
426
00:22:41,010 --> 00:22:41,800
小僧が
427
00:22:41,920 --> 00:22:42,650
師叔
428
00:22:43,010 --> 00:22:44,970
師叔 師兄 来たんですね
429
00:22:45,130 --> 00:22:46,160
やっと会えました
430
00:22:46,280 --> 00:22:47,040
とても会いたかったんです
431
00:22:47,650 --> 00:22:48,650
やっと帰ってきたな
432
00:22:48,920 --> 00:22:50,440
年越しに間に合ってよかった
433
00:22:51,490 --> 00:22:52,370
山は大丈夫ですか?
434
00:22:52,560 --> 00:22:54,250
師父はお元気ですか?
435
00:22:54,400 --> 00:22:55,520
みんな私のことを話してましたか?
436
00:22:58,160 --> 00:22:58,920
聞きますが
437
00:22:59,130 --> 00:23:00,130
正直に言いなさい
438
00:23:00,280 --> 00:23:03,130
この小娘はどこで誘拐してきたのだ?
439
00:23:03,560 --> 00:23:04,090
私
440
00:23:04,200 --> 00:23:05,160
あたしは顧湘
441
00:23:05,280 --> 00:23:06,090
こんにちは
442
00:23:07,800 --> 00:23:08,560
阿湘
443
00:23:09,130 --> 00:23:09,850
こんにちは
444
00:23:09,970 --> 00:23:10,800
私は莫蔚虚(モー・ウェイシュー)
445
00:23:10,920 --> 00:23:12,370
曹蔚寧の師兄です
446
00:23:12,520 --> 00:23:14,770
こちらは 弊派の范懐空 范長老です
447
00:23:14,970 --> 00:23:17,130
あなたは蔚寧と共に范師叔とお呼びくださればいい
448
00:23:18,250 --> 00:23:19,770
范師叔
449
00:23:25,280 --> 00:23:27,650
范師叔 こんにちは
450
00:23:29,130 --> 00:23:31,440
莫師兄 こんにちは
451
00:23:31,650 --> 00:23:33,200
大哥の皆さんよろしく
452
00:23:33,320 --> 00:23:34,770
阿湘姑娘よろしく
453
00:23:35,850 --> 00:23:36,850
聞きますが
454
00:23:36,970 --> 00:23:38,400
どこから攫ってきた小娘だ
455
00:23:38,520 --> 00:23:39,520
間抜けのようだが
456
00:23:39,920 --> 00:23:40,730
あたし間抜けじゃない
457
00:23:41,040 --> 00:23:41,890
あなた間抜けじゃない?
458
00:23:42,970 --> 00:23:45,040
間抜けじゃない? ならどうしてこのバカ師甥に
459
00:23:45,200 --> 00:23:46,250
誘拐されたんです
460
00:23:47,520 --> 00:23:49,040
あんたバカだって
461
00:23:49,160 --> 00:23:49,800
私? あんたバカ
462
00:23:49,920 --> 00:23:51,250
曹師兄 曹師兄
463
00:23:51,400 --> 00:23:53,440
これが文で言ってたお嫁さんですね
464
00:23:54,400 --> 00:23:55,650
すごいですね さすがです
465
00:23:55,770 --> 00:23:56,400
あたしは違う
466
00:23:56,520 --> 00:23:58,280
曹蔚寧 こいつらになんて言ったんだ?
467
00:23:58,490 --> 00:23:59,730
私は何も言ってない
468
00:24:00,090 --> 00:24:01,970
この嫁はなかなか手厳しい
469
00:24:02,520 --> 00:24:03,320
蔚寧
470
00:24:03,610 --> 00:24:05,650
これから お前は辛抱できるのか?
471
00:24:05,800 --> 00:24:07,320
もういいでしょう 師叔 からかってはいけません
472
00:24:07,490 --> 00:24:08,520
照れ屋さんなんですよ
473
00:24:09,490 --> 00:24:10,970
湘姑娘 気にしないで
474
00:24:11,130 --> 00:24:12,610
私たちはもともとこんな笑い話に慣れてます
475
00:24:15,680 --> 00:24:16,400
お嬢さん
476
00:24:16,560 --> 00:24:18,370
師叔は さっきはふざけましたが
477
00:24:18,770 --> 00:24:21,610
蔚寧は文であなたを散々褒めちぎってましたよ
478
00:24:21,800 --> 00:24:23,770
我々は早朝から大切なお客が来るのを知って
479
00:24:24,090 --> 00:24:25,770
一緒に山の中腹の
480
00:24:26,010 --> 00:24:28,010
あなたの住む小院を掃除しておいたのです
481
00:24:29,010 --> 00:24:29,730
師叔
482
00:24:29,970 --> 00:24:32,400
阿湘は山の上で一緒に住めないのですか?
483
00:24:33,520 --> 00:24:34,280
姑娘
484
00:24:34,850 --> 00:24:37,440
弊派掌門が 封山の厳令を下したばかりで
485
00:24:37,770 --> 00:24:38,560
外客を通せません
486
00:24:38,890 --> 00:24:41,160
我々は 特別に下山してあなたたちを迎えにきました
487
00:24:41,370 --> 00:24:42,200
封山?
488
00:24:43,400 --> 00:24:45,040
師叔 もしかして
489
00:24:45,650 --> 00:24:47,850
姑娘 小院を見に行きましょう
490
00:24:47,970 --> 00:24:49,200
気に入るか見てみましょう
491
00:24:49,320 --> 00:24:50,010
さあ
492
00:24:50,890 --> 00:24:51,770
行こう 行こう
493
00:24:52,320 --> 00:24:53,320
ほら 行くぞ
494
00:24:53,440 --> 00:24:54,400
おいで 行くぞ
495
00:24:56,560 --> 00:24:58,560
今回は鷹爪門と華山派
496
00:24:59,890 --> 00:25:01,440
老沙にはご面倒をかけますよ
497
00:25:02,320 --> 00:25:03,040
はい
498
00:25:05,490 --> 00:25:06,920
もし漕幇が今回
499
00:25:13,280 --> 00:25:15,610
お三方 今日はここまでにしましょう
500
00:25:15,970 --> 00:25:16,850
ご苦労様でした
501
00:25:17,610 --> 00:25:18,850
失礼 失礼
502
00:25:34,250 --> 00:25:35,680
何度も言いましたよ
503
00:25:36,250 --> 00:25:37,770
事もなく前堂に来てはいけない
504
00:25:37,890 --> 00:25:38,610
何が怖い?
505
00:25:39,250 --> 00:25:40,280
あの走狗どもは
506
00:25:40,520 --> 00:25:42,040
僕の存在を知らないわけじゃない
507
00:25:42,650 --> 00:25:43,890
彼らが吠えるのが怖い?
508
00:25:44,800 --> 00:25:46,280
一事多しは一事少なしに及ばず
(*多一事不如少一事=余計な事をするより控える方がよい、触らぬ神に祟りなし《老残遊記》)
509
00:25:46,400 --> 00:25:47,160
義父さん
510
00:25:47,770 --> 00:25:49,200
あなたの翼が未熟だった頃
(*羽翼未丰=羽が生え揃ってない、経験が少ない駆け出しのこと)
511
00:25:50,280 --> 00:25:52,320
毒蝎との関係を知られるわけにいかないって
512
00:25:52,490 --> 00:25:53,490
蝎儿は理解してた
513
00:25:54,320 --> 00:25:56,130
今はもう大権を握った
514
00:25:57,560 --> 00:25:59,890
どうして蝎儿を側に立たせないの?
515
00:26:00,010 --> 00:26:01,490
今はまだ大局が定まっておらず
516
00:26:01,610 --> 00:26:02,970
全てに変数がある
517
00:26:03,090 --> 00:26:04,280
ならいつになったら定まる?
518
00:26:05,970 --> 00:26:06,890
こんなたわ言
519
00:26:07,520 --> 00:26:10,250
鬼谷のバカ連中を誑かせればいいところ
520
00:26:11,250 --> 00:26:12,560
僕を言いくるめようなんて
(*搪塞=その場を取り繕うこと、言い逃れ《淮南子》)
521
00:26:14,250 --> 00:26:15,650
侮辱してるの?
522
00:26:22,920 --> 00:26:23,800
蝎儿
523
00:26:24,370 --> 00:26:25,490
今日はどうしたんです
524
00:26:26,520 --> 00:26:29,650
何を聞きたいんです?
525
00:26:30,730 --> 00:26:32,680
あるいは私がどこか間違っていましたか?
526
00:26:41,770 --> 00:26:42,610
蝎儿
527
00:26:43,770 --> 00:26:44,650
分かってます
528
00:26:46,250 --> 00:26:48,130
若い頃は情勢が差し迫っていて
529
00:26:49,320 --> 00:26:51,680
お前に陰で私を支援させなければならなかった
530
00:26:52,650 --> 00:26:53,730
お前には悔しい思いをさせた
531
00:26:55,680 --> 00:26:56,770
しかし私の蝎儿が
532
00:26:58,520 --> 00:27:00,250
こんなに有能だとは思いもしなかった
533
00:27:01,970 --> 00:27:03,160
毒蝎を
534
00:27:03,800 --> 00:27:06,890
天窗と比肩する暗殺組織に育て上げるとは
535
00:27:08,250 --> 00:27:09,280
私は嬉しい
536
00:27:12,560 --> 00:27:13,400
だから
537
00:27:15,610 --> 00:27:17,920
私はますますお前の力を借りたいと思うのです
538
00:27:21,160 --> 00:27:22,520
私が苦心惨憺(さんたん)し
(*苦心经营=苦心に苦心を重ね計画すること《新中国未来記》梁啓超)
539
00:27:23,320 --> 00:27:24,370
こつこつ真面目に
540
00:27:25,400 --> 00:27:27,440
我々の大業を計画しても
541
00:27:28,970 --> 00:27:30,730
義父さんには息子も娘もなく
542
00:27:32,440 --> 00:27:34,850
ただお前のような最も親しい人しかいません
543
00:27:35,400 --> 00:27:36,680
私の事業の基盤は
544
00:27:39,370 --> 00:27:40,370
お前以外に
545
00:27:41,890 --> 00:27:44,160
誰に託せるというのか
546
00:27:53,130 --> 00:27:54,040
今後は
547
00:27:54,920 --> 00:27:58,040
癇癪を起こして 当たり散らしても
548
00:27:58,520 --> 00:27:59,490
全て我慢します
549
00:28:00,160 --> 00:28:02,200
くれぐれももう冷淡な言葉で
(*冷言冷语=皮肉めいた冷ややかな言葉《宝林禅師語録》宝林)
550
00:28:04,160 --> 00:28:06,730
私を悲しませるような事を言わないで
551
00:28:07,920 --> 00:28:08,730
よいね?
552
00:28:10,400 --> 00:28:11,200
義父さん
553
00:28:16,320 --> 00:28:17,690
どうして僕を騙すの?
554
00:28:21,560 --> 00:28:22,720
どうして私が騙すのです
555
00:28:30,840 --> 00:28:32,240
"君 我に負(そむ)かざれば
556
00:28:33,840 --> 00:28:34,930
我 君に負かず"って何なの?
557
00:28:44,650 --> 00:28:46,810
これはどこで手に入れた?
558
00:28:50,810 --> 00:28:52,600
これは于丘烽の使いが僕にくれた
559
00:28:53,200 --> 00:28:53,960
義父さん
560
00:28:56,010 --> 00:28:57,440
ここに書かれているのはあなたの筆跡?
561
00:29:01,290 --> 00:29:02,360
于丘烽
562
00:29:07,050 --> 00:29:09,290
私を追い詰めるつもりか
563
00:29:13,530 --> 00:29:14,560
ほら 沢山お食べ
564
00:29:15,080 --> 00:29:15,440
はい
565
00:29:15,600 --> 00:29:16,560
ありがとう師兄 ありがとう
566
00:29:16,720 --> 00:29:17,320
ほら
567
00:29:17,440 --> 00:29:18,170
ありがとう
568
00:29:19,320 --> 00:29:20,080
沢山食べなさい
569
00:29:21,960 --> 00:29:23,320
道中疲れたでしょう
570
00:29:24,770 --> 00:29:25,530
気を遣わず
571
00:29:25,690 --> 00:29:27,440
ここに来たら自分の家と同じようになさい
572
00:29:27,560 --> 00:29:28,530
そう 気を遣わずに
573
00:29:29,810 --> 00:29:30,560
お嬢さん
574
00:29:30,810 --> 00:29:33,130
あなたも我ら江湖の子女のように功夫を
575
00:29:33,320 --> 00:29:34,650
身に着けてるようですが
576
00:29:35,010 --> 00:29:37,560
何門何派の高弟ですかな?
577
00:29:38,930 --> 00:29:40,200
あたしは高弟なんかじゃないよ
578
00:29:40,650 --> 00:29:42,130
あたしは人の侍女をしてたんだ
579
00:29:42,650 --> 00:29:44,050
だけど主人は
580
00:29:44,170 --> 00:29:46,240
簡単な功夫を教えてくれただけだよ
581
00:29:46,560 --> 00:29:48,170
阿湘 そんなに謙遜しないで
582
00:29:48,320 --> 00:29:50,240
師叔 阿湘の主人は大
583
00:29:51,200 --> 00:29:52,240
いっぱい食べろよ
584
00:29:52,440 --> 00:29:54,130
そうだね 食べるよ
585
00:29:54,560 --> 00:29:55,480
師叔ご理解ください
586
00:29:55,960 --> 00:29:59,440
あたしの主人は隠居した腕の立つ先達です
587
00:29:59,650 --> 00:30:00,690
彼は風変わりな性質で
588
00:30:00,890 --> 00:30:02,720
彼の実名をあたしが漏らすのを嫌がります
589
00:30:03,600 --> 00:30:04,320
師叔
590
00:30:04,530 --> 00:30:06,720
この武林の奇人はそれぞれこだわりがあって
591
00:30:06,960 --> 00:30:08,530
これも普通 ですよね?
592
00:30:08,650 --> 00:30:09,410
そうだ
593
00:30:11,290 --> 00:30:14,080
ではあなたの家にはまだ誰かいますか?
594
00:30:16,170 --> 00:30:16,960
いないよ
595
00:30:17,560 --> 00:30:18,720
あたしは孤児でした
596
00:30:19,320 --> 00:30:21,010
主人に拾われて育ちました
597
00:30:21,960 --> 00:30:22,720
だけど
598
00:30:23,170 --> 00:30:24,720
彼も今はあたしがいらないんです
599
00:30:25,600 --> 00:30:26,720
気にしない 気にしない
600
00:30:27,200 --> 00:30:27,890
あなたは
601
00:30:28,050 --> 00:30:30,650
うちの蔚寧と同じく父親も母親もいない
602
00:30:30,840 --> 00:30:32,840
哀れな境遇の子供です
603
00:30:33,240 --> 00:30:35,810
大丈夫 今までは家がなくとも
604
00:30:35,960 --> 00:30:36,770
これからは我々
605
00:30:36,960 --> 00:30:40,130
心を一つにしてより良く暮らしていけるでしょう
606
00:30:42,560 --> 00:30:44,240
ただ時期が良くない
607
00:30:44,720 --> 00:30:45,960
封山でなければ
608
00:30:46,170 --> 00:30:47,240
年が明けてから
609
00:30:47,360 --> 00:30:49,360
あなたたちに黄道吉日を選んで
610
00:30:49,530 --> 00:30:51,240
式を挙げてあげられた
611
00:30:54,690 --> 00:30:57,530
師叔 どうして封山したんです?
612
00:30:59,290 --> 00:31:00,960
まずは食べなさい
613
00:31:01,130 --> 00:31:02,200
阿湘 いっぱい食べてね
614
00:31:02,650 --> 00:31:03,770
そうです 食べなさい
615
00:31:09,560 --> 00:31:11,130
私は喜喪鬼 羅浮夢と
616
00:31:11,290 --> 00:31:12,600
確かに過去にひと悶着あった
617
00:31:14,010 --> 00:31:17,810
あの頃は 彼女は霓光宮の少宮主
618
00:31:18,530 --> 00:31:22,440
そして私は趙家の没落した傍系の貧乏人でした
619
00:31:23,320 --> 00:31:25,960
彼女の家族は当然彼女が私に嫁ぐことを反対し
620
00:31:26,840 --> 00:31:28,290
彼女を幽閉した
621
00:31:29,720 --> 00:31:31,080
この血書は
622
00:31:31,770 --> 00:31:35,960
その時彼女の使いから手渡された
623
00:31:37,560 --> 00:31:39,010
志を表明するためです
624
00:31:42,600 --> 00:31:43,480
あなたたちは
625
00:31:45,560 --> 00:31:46,930
かつて愛し合っていた
626
00:31:48,890 --> 00:31:50,810
なら義父さんはなぜ裏切ったの
627
00:31:52,200 --> 00:31:54,440
全てあの毒婦 李瑶(リー・ヤオ)のせいです
628
00:31:55,410 --> 00:31:56,410
義母さん?
629
00:31:57,360 --> 00:31:59,290
そんな呼び方はダメだと言いましたよね
630
00:32:00,050 --> 00:32:01,480
彼女は下賤の者だ
631
00:32:02,890 --> 00:32:04,890
彼女が私に何をしたかお前は知らぬのだ
632
00:32:12,050 --> 00:32:14,560
あの頃の私は李瑶が大家の令嬢であり
633
00:32:15,200 --> 00:32:16,530
私に思いを寄せていたのを哀れんだ
(*痴心一片=夢中になる《紅楼夢》)
634
00:32:17,770 --> 00:32:19,650
すぐに私に対する彼女の感情を
635
00:32:19,810 --> 00:32:21,010
断ち切れなかったせいで
636
00:32:21,650 --> 00:32:22,480
私と浮夢が
637
00:32:24,290 --> 00:32:27,720
幾重もの障壁を破り結ばれようと
638
00:32:27,890 --> 00:32:29,290
していた頃になって
639
00:32:31,720 --> 00:32:35,290
私が武庫の窃盗の件に関与していると
640
00:32:35,690 --> 00:32:36,930
しきりに
641
00:32:37,960 --> 00:32:39,240
彼女を停妻させて
642
00:32:40,200 --> 00:32:41,560
自分を娶るようにせがんだ
(*停妻另娶=一夫多妻制で前妻と離婚せず再婚すること)
643
00:32:43,600 --> 00:32:44,440
蝎儿
644
00:32:46,010 --> 00:32:49,960
もし武庫の窃盗が私一人によるものなら
645
00:32:50,720 --> 00:32:53,040
私はきっと彼女と戦い共倒れも厭わぬ
(*鱼死网破=魚が死ぬか網が破れるかどちらか、戦ってどちらも倒れる《杜鵑山》)
646
00:32:53,770 --> 00:32:55,240
しかし事は重大で
647
00:32:55,810 --> 00:32:57,690
他の兄弟を巻き添えにはできなかった
648
00:32:58,840 --> 00:33:02,130
ですから この屈辱を甘んじて受け入れ
649
00:33:03,200 --> 00:33:04,600
官家に婿入りしました
650
00:33:05,810 --> 00:33:06,930
義父さんは
651
00:33:08,440 --> 00:33:09,530
婚儀の当日に
652
00:33:11,480 --> 00:33:14,480
羅浮夢が霓光宮で発狂し虐殺したのを知ってる?
653
00:33:16,690 --> 00:33:18,810
お前はなぜ江湖に
654
00:33:18,960 --> 00:33:20,930
それ以降の羅浮夢の情報がないか知ってますか?
655
00:33:22,410 --> 00:33:24,360
それは私が千辛万苦を尽くし
656
00:33:24,530 --> 00:33:26,200
気が触れた彼女を見つけ
657
00:33:26,690 --> 00:33:30,410
神医谷に送り届け密かに療養させたからです
658
00:33:32,050 --> 00:33:33,650
ですが私が彼女を取り押さえた際
659
00:33:34,170 --> 00:33:36,720
彼女の独門の武功に根骨を傷をつけられました
(*根骨=生来の素質)
660
00:33:37,600 --> 00:33:40,290
それ以来 武功の進歩は難しくなった
661
00:33:41,240 --> 00:33:42,960
私は彼女の人生を無駄にしました
662
00:33:44,650 --> 00:33:45,770
私でなければ
663
00:33:46,810 --> 00:33:48,560
彼女もこんな人でなく鬼でない末路を
664
00:33:48,720 --> 00:33:51,080
辿ることにはならなかった
665
00:33:54,600 --> 00:33:55,480
蝎儿や
666
00:33:58,240 --> 00:34:03,050
これは私の人生で一番痛いところであり
667
00:34:04,810 --> 00:34:07,690
私のこの人生の最大の恥辱です
668
00:34:12,280 --> 00:34:15,040
本来は墓場まで持って行くつもりでしたが
669
00:34:15,970 --> 00:34:17,320
お前が知りたがったから
670
00:34:20,800 --> 00:34:21,970
私は教えたのです
671
00:34:23,410 --> 00:34:24,490
前もって言わなかったのは
672
00:34:25,600 --> 00:34:27,200
もう一つ別の理由があります
673
00:34:29,280 --> 00:34:31,450
李瑶も私が殺しました
674
00:34:36,080 --> 00:34:36,920
やっぱり
675
00:34:39,450 --> 00:34:41,040
以前のあの何でも言いなりの
(*唯唯诺诺=主体的でなく他人の意見に従順に従う様《韓非子・八奸》)
676
00:34:41,210 --> 00:34:43,840
情義を重んじる趙敬はすでに死にました
677
00:34:44,800 --> 00:34:46,280
今お前の目の前にいるのは
678
00:34:47,250 --> 00:34:50,930
その手で妻を殺すことができる
679
00:34:51,690 --> 00:34:53,080
兄弟を傷つけることができる
680
00:34:53,930 --> 00:34:55,280
江湖に禍をもたらす
681
00:34:55,970 --> 00:34:58,170
極悪非道な趙敬です
682
00:34:59,360 --> 00:35:01,040
世人全てが私を裏切るなら
683
00:35:02,800 --> 00:35:05,280
私は必ず世人を欺く
684
00:35:08,320 --> 00:35:09,560
ただ一人お前だけです
685
00:35:13,970 --> 00:35:15,170
私の蝎儿や
686
00:35:17,690 --> 00:35:19,840
趙敬の心の九分はもう死んだ
687
00:35:21,840 --> 00:35:24,320
しかし恐らくまだ一分の善心
688
00:35:25,600 --> 00:35:26,970
一分の親情はある
689
00:35:29,040 --> 00:35:30,890
全てをお前に残してやる
690
00:35:31,890 --> 00:35:35,040
これはこの人生最後の浄土です
691
00:35:37,210 --> 00:35:38,130
約束です
692
00:35:39,800 --> 00:35:41,490
それをしっかり大切にして
693
00:35:43,520 --> 00:35:46,170
荒廃させてはなりません
694
00:35:48,130 --> 00:35:48,930
義父さん
695
00:35:50,490 --> 00:35:51,520
蝎儿が間違ってた
696
00:35:52,760 --> 00:35:54,360
蝎儿はこんなこと聞くべきじゃなかった
697
00:35:54,560 --> 00:35:55,840
蝎儿はもう聞かない
698
00:35:57,930 --> 00:35:58,800
蝎儿
699
00:36:00,560 --> 00:36:01,560
知っておくべきです
700
00:36:02,730 --> 00:36:04,320
義父さんにはお前だけ
701
00:36:05,970 --> 00:36:07,840
お前にも義父さんだけ
702
00:36:18,410 --> 00:36:19,560
君 我に負かざれば
703
00:36:20,690 --> 00:36:21,800
我 君に負かず
704
00:36:22,970 --> 00:36:24,080
君 我に負かざれば
705
00:36:26,040 --> 00:36:27,280
我 君に負かず
706
00:36:38,360 --> 00:36:39,130
主人
707
00:36:43,930 --> 00:36:45,000
もうあたしを呼んではならぬ
708
00:36:46,560 --> 00:36:48,730
お前にはもう新しい主人がいるではないか
709
00:36:54,080 --> 00:36:55,000
どうです?
710
00:36:56,490 --> 00:36:58,360
あなたの欲しい答えは得られましたか?
711
00:37:00,560 --> 00:37:01,410
彼は
712
00:37:03,280 --> 00:37:04,320
彼の妻君 李瑶が
713
00:37:04,490 --> 00:37:06,040
武庫の秘密で脅迫したと言った
714
00:37:12,080 --> 00:37:13,410
あたしは本当に
715
00:37:14,280 --> 00:37:16,410
趙敬のこの口中の雌黄(しおう)の腕前が
(*信口雌黄=口からでまかせの意《晋陽秋》孫盛・《晋書》王衍)
716
00:37:16,600 --> 00:37:17,650
まだ健在だとは思わなかった
717
00:37:18,280 --> 00:37:20,250
我が父が先に彼に強要したのに
718
00:37:21,040 --> 00:37:23,520
なぜ李瑶に濡れ衣を着せるのか
719
00:37:24,280 --> 00:37:26,170
李瑶はその後彼が殺したからだ
720
00:37:31,970 --> 00:37:36,040
李瑶は考えなしの愚かな娘だっただけだ
721
00:37:37,360 --> 00:37:40,560
あたしと彼女は嫉妬しあって争ったが
722
00:37:41,930 --> 00:37:43,970
あたしは彼女を恨んではおらぬ
723
00:37:45,650 --> 00:37:46,560
当初実際に
724
00:37:47,730 --> 00:37:49,650
趙敬に嫁いだのがあたしならば
725
00:37:52,210 --> 00:37:54,560
今日の九泉の下の白骨は
726
00:37:56,280 --> 00:37:57,650
あたしだったはず
727
00:37:59,970 --> 00:38:01,040
始め乱りて
728
00:38:03,410 --> 00:38:04,600
終いに棄てる
(*女を弄ぶ男のこと《英英伝》元鎮)
729
00:38:06,080 --> 00:38:08,690
あたしは趙敬のために全てを捧げた
730
00:38:09,720 --> 00:38:11,600
だけど予想だにしなかった
731
00:38:12,800 --> 00:38:15,760
李瑶という高い枝によじ登るだなんて
(*攀=よじ登る、権力に取り入る)
732
00:38:18,280 --> 00:38:21,210
父はあたしがいつまでも趙敬のために
涙を流すのを見て
733
00:38:22,360 --> 00:38:24,410
どうにも心痛を抑えられず
734
00:38:25,490 --> 00:38:27,690
武庫の秘密を利用して脅迫し
735
00:38:28,130 --> 00:38:30,730
また霓光宮 宮主の座で誘惑し
736
00:38:31,130 --> 00:38:34,250
趙敬は追い詰められてやっと
あたしと結婚することになった
737
00:38:34,800 --> 00:38:36,450
だけどあたしは全く予想だにしなかった
738
00:38:37,560 --> 00:38:39,000
趙敬は非情にも
739
00:38:39,210 --> 00:38:40,800
密かに宮中の逆賊と結託し
740
00:38:41,930 --> 00:38:43,690
婚儀の日に
741
00:38:44,450 --> 00:38:46,410
霓光宮を血で洗った
742
00:38:47,320 --> 00:38:50,000
主人 あなたじゃなかったのですね
743
00:38:53,080 --> 00:38:54,280
過ぎた事は追及できない
744
00:38:56,000 --> 00:38:57,650
あなたたち二人とも根拠がない
745
00:38:58,280 --> 00:38:59,490
もし彼が本当にあなたの言う
746
00:38:59,650 --> 00:39:00,730
そんな冷血無情なら
747
00:39:01,800 --> 00:39:03,250
どうしてあなたの命を見逃した
748
00:39:03,450 --> 00:39:04,410
またどうして
749
00:39:05,360 --> 00:39:07,650
あなたの血書を大事にしまっていたんだ
750
00:39:09,170 --> 00:39:10,360
あなたは本当に
751
00:39:11,170 --> 00:39:13,080
本当にこの趙敬の薄っぺらさを
752
00:39:13,280 --> 00:39:14,490
理解しているのですか?
753
00:39:15,410 --> 00:39:18,280
あなたは知ってますか? 趙敬のこの一生
754
00:39:18,490 --> 00:39:21,040
彼を最も得意にさせるのは自ら人心を操り
755
00:39:21,930 --> 00:39:24,040
権謀をいじくり回す腕前
756
00:39:24,930 --> 00:39:27,210
彼は一つの大きな陰謀を成すごとに
757
00:39:27,840 --> 00:39:29,760
戦利品を一つ残す
758
00:39:30,170 --> 00:39:31,280
あたしが思い当たるのは
759
00:39:32,320 --> 00:39:34,600
彼の師父の扳指と
(*扳指=弓を引く時に親指につけるリング)
760
00:39:35,280 --> 00:39:37,170
毒殺された容炫の剣
761
00:39:38,280 --> 00:39:39,560
もし信じられぬなら
762
00:39:40,450 --> 00:39:42,040
あなたが自分で捜し出せばよろしい
763
00:39:44,280 --> 00:39:47,800
まだ残してるはずです
764
00:39:47,800 --> 00:39:50,450
李瑶あのバカ娘の物も
765
00:39:51,840 --> 00:39:54,650
恐らく二人の愛の形見があるはず
766
00:39:57,040 --> 00:39:58,600
もしあたしの予想が外れていなければ
767
00:39:59,970 --> 00:40:02,800
趙敬はあなたにも一つ
768
00:40:03,000 --> 00:40:05,450
とても特別な約束の品を与えたはず
769
00:40:05,690 --> 00:40:07,650
彼の真心を表して
770
00:40:07,970 --> 00:40:08,930
でしょう?
771
00:40:25,800 --> 00:40:27,730
師叔 明日は冬至ですよ
772
00:40:27,970 --> 00:40:29,080
葉前輩は時間通りでしょうね
773
00:40:30,040 --> 00:40:32,490
そうだ 明日はもう冬至だ
774
00:40:33,000 --> 00:40:34,360
じゃあ餃子を包まないとですよね
775
00:40:34,650 --> 00:40:35,730
葉前輩おっしゃってませんでした?
776
00:40:35,890 --> 00:40:37,040
白菜と豚肉の餡のが食べたいって
777
00:40:38,000 --> 00:40:40,170
甲斐性なしが 食べることだけ知っている
778
00:40:40,890 --> 00:40:42,250
葉前輩の文に書いてましたよね
779
00:40:42,490 --> 00:40:43,170
それに
780
00:40:43,490 --> 00:40:44,730
毎日練功で苦労しても
781
00:40:44,930 --> 00:40:46,040
まだ食べさせてくれないんですか?
782
00:40:46,250 --> 00:40:48,130
ろくでなしがまだ口答えできるのか
783
00:40:48,450 --> 00:40:49,800
これを見習うな
784
00:40:51,040 --> 00:40:51,890
はいはい
785
00:40:52,410 --> 00:40:53,930
明日材料を買いに行ってくればいい
786
00:40:54,170 --> 00:40:55,760
餃子以外に何が食べたい?
787
00:40:57,320 --> 00:40:58,800
今回は彼に突っかからないのか
788
00:40:59,690 --> 00:41:01,280
あの老怪物はいい年をして
789
00:41:01,490 --> 00:41:04,080
私たちのために千里を奔走するのも
容易じゃなかったでしょう
790
00:41:04,450 --> 00:41:05,730
ささやかな口腹の欲ぐらい
791
00:41:05,930 --> 00:41:07,080
満たしてあげます
792
00:41:07,320 --> 00:41:08,250
それは分かるが
793
00:41:08,600 --> 00:41:10,650
だが葉前輩のあの食事の量は
794
00:41:11,930 --> 00:41:14,560
俺たちの食材の何倍もの準備がいるだろ
795
00:41:15,450 --> 00:41:16,650
山の下の酒もダメだ
796
00:41:17,170 --> 00:41:19,210
でなけりゃ 老温
797
00:41:19,490 --> 00:41:21,520
馬車を駆って清水鎮に行って
798
00:41:21,730 --> 00:41:23,130
美味い酒と菜を買って来てくれ
799
00:41:23,450 --> 00:41:24,080
いいですね
800
00:41:24,280 --> 00:41:25,410
温叔 私も一緒に行きます
801
00:41:25,600 --> 00:41:26,320
なんで行くんだ?
802
00:41:26,800 --> 00:41:28,520
一度行ったら一日戻ってこないのに
803
00:41:28,690 --> 00:41:29,410
どこへ行くんだ?
804
00:41:29,600 --> 00:41:30,650
しっかり練功させてやる
805
00:41:31,210 --> 00:41:32,040
そうじゃなくて
806
00:41:32,600 --> 00:41:34,000
人がこれまで全然怠けなかったのに
807
00:41:34,280 --> 00:41:35,130
まだ口答えするか
808
00:41:35,760 --> 00:41:36,690
戻って寝ろ
809
00:41:38,210 --> 00:41:38,890
老温
810
00:41:39,560 --> 00:41:40,410
お前も先に休め
811
00:41:40,800 --> 00:41:42,840
できたら もっと話そうよ
812
00:41:44,760 --> 00:41:45,520
飲んで
813
00:41:46,800 --> 00:41:47,720
やめておく
814
00:41:48,520 --> 00:41:51,320
近いうちに大戦が俺たちを待ってる
815
00:41:52,070 --> 00:41:54,200
養精蓄鋭しないとだろ
(*养精蓄锐=英気を養い気力を蓄える《三国演義》)
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00:41:55,720 --> 00:41:56,440
そうだね
817
00:41:57,400 --> 00:41:58,400
じゃあ先に休んでて
818
00:42:00,480 --> 00:42:01,800
行くぞ 成嶺
819
00:42:07,200 --> 00:42:07,960
それじゃ