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「仮想現実消費調査(2022年10月分)」調査レポート公開のお知らせ

当サークル(仮想現実経済研究所)では、定例調査として皆様に、ソーシャルVRやメタバースに関連した消費の額を尋ねる「仮想現実消費調査」を毎月行っています。

当記事は、その目的や性質を簡単にご紹介したうえで、レポートのダウンロード先を紹介するものとなります。


はじめに

VRSNSやメタバースに関しては、その利用者間において、しばしば「プレイヤーが経済を回している」というジョークや議論を目にすることがあります。また、実際に多額の支出を行った結果、翌月末にクレジットカードの請求額を見て驚いたというような話にも事欠きません。

しかし、「みんなメタバースに滅茶苦茶お金使ってそうだけど結局、1か月あたりどのくらい使っているの?」という実情に関しては、2022年8月中旬当時、あくまで筆者らが知る限りにおいてですが、定期的かつ定量的に把握したデータは存在しませんでした。

そこで、当サークルにおいては上記のような項目について実態を把握するために、試行版の7月分には「仮想現実消費景況統計」として、また正式版となった8月分以降は「仮想現実消費調査」という名前で、実際にどうなっているのかアンケート調査を実施いたしております。

当調査は、重複も含めれば9月までに3か月で延べ237人の方にご協力いただいているアンケートになりますが、今回の10月分調査でも更に62名の方にご協力いただきました。

当サークルの調査としては通常通り、Twitterでのアンケートの呼びかけから拡散したアンケートのデータを用いての調査であり、残念ながら国の統計のように、把握された母集団を対象として確率抽出を行ったデータではありません。

そのため、バイアス等が含まれる可能性は否定できず、あくまで統計学的に忠実な研究調査というよりは事例調査や参考程度となりますが、全くデータが無い状態よりは参考になるかと考え、調査を行っております。


調査を行ったサークル

変なビジネス系の人たちのせいで、「経済」という単語そのものがVRChatユーザーに警戒されるようになった結果、うさんくさい団体だと思われがちで泣いている同人サークル「ばーちゃる経済研

ご興味があられましたら、ばーちゃる経済研のTwitterをフォローいただくことで、調査中に関連する情報を受け取れます。


レポートのサンプル

購入金額の推移
年齢層のグラフ
寄与度分解
平均年齢など


調査結果の閲覧について

調査結果は、以下のサイトより閲覧・ダウンロードいただくことが可能になっております。


付論:非確率抽出と調査の信頼性の関係について

先日、データの信頼性について批判が展開されていると思しき文章をSNS上で拝見したため、ご興味のある方向けに回答させていただきます。

確かに当サークルの調査は、学術研究として社会一般へ発表されるような論文等になる予定が現状存在しないため、興味に基づいて調査自体を実施すること自体に一番の重きを置き、厳密性に関しては緩めに行っていることは、否定できません。

しかし、国民や事業者を対象とする国の調査等と違い、母集団を特定すること自体が企業にしか出来ないサービス利用者の調査では、そもそも確率抽出に基づく統計学的に正しい調査は非常に難しく、特にメタバースやソーシャルVRでは複数サービス間にまたがるため、一個人やサークルという単位においては困難であると考えられます。

もちろん、ある程度問題を回避することも、理論上は可能です。

例えば、アンケートサイトのパネルなど全国の一定の母集団より大規模な確率抽出をおこなって利用者を特定する手法(博報堂DYホールディングス, 2022)や、該当する全企業の協力を得て対象者の情報を取得して母集団として確率抽出を行うなどの手法、あるいは、関連団体のサークル東京仮想現実社会研究機構で開発した手法として、サービス利用者のみがフォローすると推定されるSNSアカウントのフォロワーよりAPIを用いて一定基準の下で抽出するなどの手法が考えられます。

ただ、そのような手法をとる場合においても、企業や個人の調査協力を得るための社会関係資本や、回答者が突然送られた見知らぬ主体によるアンケートへ実際に回答してくれるのかという信用の問題、調査者に必要とされる時間的コスト、調査会社を使う場合はアンケートパネルの利用などにかかる金銭的コストの問題など、多岐にわたる問題が立ちはだかることとなるため、現状で一般的な調査者が統計学的に忠実な調査を行うことは、極めて難しいと言わざるを得ません。

つまり、確率抽出などによる、本来学術研究に使うために最も適しているような水準のデータを個人やサークルが取得することは極めて困難であり、もしも何らかの調査を実行しようとする場合においても、非確率抽出による手法に頼らざるを得ない状況が存在します。

しかし、上述の通りデータ自体のバイアス等に関する疑念は残さざるを得ないとしても、感想などに頼らざるを得ない状況よりは、たとえ完全でないとしてもそのことを踏まえた上で一定のデータに基づいて語るということが重要であると、当サークルでは考えております。

また、自サークルでの調査以外で類似の手法等を用いて行われた調査等を先行調査として参考に用いることに関しても避けてはおりませんが、それも同様の理由に基づいて行われております。

以上申し上げましたように、現状は、あくまで我々自身や皆様の「気になる」を満たしてゆくという大きな目的と、現実の制約化における限界との折衷案として採択されたものとなります。

乱文ではございますが、この文章で、ひとえに皆様のご理解を賜れれば幸いでございます。


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当サークルにおきましては、変わりゆくソーシャルVRやメタバースの経済的な影響や実態を把握すべく、アンケート調査などを平素より行っております。関心があられましたら、是非ご覧ください。


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