ESPICEライブ12月1日「ReBoost」①

私が推しているリアルアキバボーイズ(RAB)という9人組のダンサーグループにはROOTSと呼ばれる初期メンバー5人組(涼宮あつき、DRAGON、けいたん、マロン、ムラトミ)、ESPICE(ネス、とぅーし、ゾマやかじゃない!)と呼ばれる若手のオーディション・メンバー組の3人、そして新規に入った高校生メンバーの龍君がいる。

厳密に言うとネスは選抜で採用されたのでオーディション・メンバー組では無い。
タットという手、指、腕を四角に見える様に動かして踊るダンスを得意とする白カラーのネス。あきばっかーのと呼ばれるROOTSの涼宮あつきさん主催のアニソンダンス・イベントで2度の優勝経験がある。優勝した人はRABと踊れる特典があって、そのコラボダンス時の実力を買われての抜擢だった。
そのタットを含め、様々なジャンルのダンスが踊れる水色カラーのとぅーし(驚くべきことに殆どのダンスは独学らしい)、小柄な身長でダイナミックなブレイクダンスを踊るオレンジカラーで、若手組の最年長のゾマさん。
ROOTSにとっての特別(especially)なスパイス(spice)となれる様にと、自分達でユニット名ESPICEを付けたらしい。生憎、私はその時はRABの存在も知らなかった為、他の保護者(RABのファン名称)からの情報だ。

そのESPICEはユニットで何度かライブをやっている。私は配信でしか彼らのライブを観た事がない。ツアーでやる彼らのライブは、その時々で中心となる人が異なるらしい。金銭的にも時間的にも流石に全公演を追えない為、ツアーの中の1公演を選んで観ているのでどう異なるのかは知る由もない。
結成4年目、今年の集大成である12月1日のライブReBoostの終盤で、彼らは重大発表、3人のメンバーが5人になるとネスが発表した。

1人目のメンバーはRABの次世代グループであるジュニオールズの凪君。ネスがかなり早い段階から(いずれはESPICEに入れたい)と目を付けていた子らしい。
まだ15歳の中学生でアクロバティックな技が得意。重力なんて無いかのような動きをする彼は凄いと思う。RABは日々の供給がとても多い為、ジュニの動画はチャンネル登録しているが、現状殆ど追えていない。
凪君ってどんな子なんだろうと思って、発表後に彼のソロ動画を観た。RABの最年少の龍君が18歳なので彼より3歳年下。向上心があるし、日々熱心に練習しているので伸び代もあると思う。凪君に応援コメントを送ったら、時間を置かずにいいねが返って来たので良い子だなって思った。

2人目のメンバーはまだじっくり探し中らしいが、APOPと呼ばれるアニソンで踊るダンサー達が「俺か?」「俺かも?」と、Xでソワソワ、ザワザワ発言していたのが面白かった。保護者達がビックリして動揺したり、悲しんだりしている発言も多かった為、和ませてくれる目的もあったのかもしれない。

少し時間を置いたので、配信のアーカイブをフルで観ようという気持ちになったが、最初にライブでこの発表を聞いた時は新規保護者である私も衝撃を受けた。
(何、今?え、何て言ったの?どういうこと???)って疑問が渦巻き、理解が追いつかなかった。
今回は最高のステージにするとネスも前日の配信で決意表明していて、とぅーしの足の怪我も大分良くなってパワームーブも出来ている復活のステージに涙している保護者もいた。3人でもっと加速し、上を目指していくんだと皆が思っていた筈。

メンバーが増えるという情報は事前には全く無かった為、本当にビックリした。保護者達も固まってしまったし、客席から上がった「えー!」の声は悲鳴の様にも聞こえた。その反応を見ていたESPICEのメンバー達の表情も硬かった。

発表直前にネスが緊張した面持ちで唇を湿らせる。力を貰う為か、右隣にいたゾマさんの方に寄って左肩に手を回す。とぅーしがゾマさんの右肩に手を回し、ネスの肩にも触れる様に、ゾマさんを真ん中に3人で肩を組んだ。武道館でソロを踊る直前のとぅーしに、2人がボディランゲージと「頑張れ」の囁きでエールを送った事を思い出す一場面だった。
配信では聞き取れなかったがゾマさんの口が「頑張れ」って動いていた。緊張で強ばった口からネスが懸命に紡いだ3人での決意の言葉。傍らに立つ他の2人の表情も真剣そのもので怖いくらい。え〜の声が上がった直後に、ゾマさんの唇が「大丈夫、大丈夫」とネスに言ったのが分かった。我に返った保護者からの「おめでとう」の声が飛ぶが、3人の表情は緩まず。
会場に来ていた凪君に呼び掛ける時だけ、3人の表情が和らぎ、笑顔が見られた。

ESPICEだけのステージにしたかったから、ゲストも呼ばず、凪君もステージに上げなかったと言っていた。マロンさんが振りを作った曲「エジソン」を、セトリに持って来なかったのはその意味もあってなのだろう。

会場の変な空気を払拭する様に元気な曲「Heaven's Rave」を、彼らは最後に持って来た。「連れて行って上げるよ、天国へ」の歌詞に、付いて来たら更に良い世界を見せるという思いが込められていたのだろう。
ゾマさんがネスととぅーしの繋いだ手で逆上がりしたり、とぅーしのスレッド、ネスのフォーリアや爪先立ちのフリーズのシグネチャーと詰まっていた。
ゾマさんの高いスーサイドやネスのスモーク、ネスが他の2人が繋いだ腕の上を高くジャンプする振りがかっこいい。思いを込め、全力で踊ったのだろう。最後の決めポーズ時、3人とも息が上がっていた。

踊り終わった3人が、ネスを真ん中に手を繋ぎ、深々と最敬礼する。身体を起こした後、ずっと手を繋いだまま、頷きながら客席を観ていた。
言いたい事あるよね、分かる。でも今は言わない、言えないからの頷きだったのかなって勝手な解釈。翌日に動画で説明するって言っていたし。
ただ、この時の3人が笑顔だったら良かったのにと思わずにはいられない。きっと不安と緊張の発表だったし、離れてしまう保護者達もいるかもしれない、という怖さもあっただろう。それでも、最高のライブを見せてくれた自負があるなら、パフォーマーとして笑っていて欲しいと思う。応援する側に彼らの明るい未来を信じさせて欲しい。

ネスの「立ち止まらないし、振り返らないよ」の発言は覚悟の表明だったのだろうが、3人のESPICEのイメージが強かった保護者達は寂しく感じただろう。新規の私でも感じた寂寥感。
3人でワイワイしている空気が好きだったと言っているポストを幾つも見かけた。Realizeがエンディングで流れる中、3人は振り返らずにステージを去って行った。その姿にも一抹の寂しさを覚えた。

だから、時々は立ち止まって振り返って、皆が付いて来ているか確認して欲しいなと思う。1人ではなく皆で行く事を選択したのなら、付いて行く皆も置いて行かないで連れて行って、一緒の景色を見せて欲しいと願わずにはいられない。

いいなと思ったら応援しよう!