テンセントが断トツトップ!中国企業の海外ユニコーン投資の現状と実勢い
2022年2月現在、IT桔子に収録されている海外のユニコーンは560社で、このうち、中国資本が投資に参加しているのは全体の17%にあたる95社となっている。これは中国の会社側が海外のユニコーンの中でも一定の地位を占めることができることを示している。
*グラフは『2022中国資本の海外投資合併・買収報告書』より
地域分布では、中国資本が投入されたユニコーンのうち、北米のユニコーンは48社で半分を占め、そのほとんどは米国にある。
アジアには32社のユニコーンがいて、全体の34%。
欧州の割合は13%だった。
国別分布では、中国資本が投資したユニコーンは米国で46社、インドで21社あり、その他の国の数は1ケタにすぎない。
*グラフは『2022中国資本の海外投資合併・買収報告書』より
全体的な投資を見ると、中国資本による海外医療企業への投資が最も多いが、投資が最も多い外国のユニコーンの数は金融企業に分布している--その背後には主に海外のバイオ医療企業が現在すでにIPOしているものが多く、ユニコーンは未上場の10億ドル以上の企業しかカウントされていない。
中国資本が保有する外国のユニコーン数が10社を超えるのは、EC小売り、自動車交通業界も含まれ、それぞれ13社、12社。
企業サービス、医療・健康分野でも9社。
その他の業界分野では3社から4社程度が一般的。
注:もし会社側が投資したラウンドで、プロジェクトのポストバリュエーションが10億ドルに達した場合、投資後に保有したものと見なされる
IT桔子のデータによると、海外のユニコーンの保有数が最も多い中国の経営者側はテンセント。
テンセントは24社の海外ユニコーン会社に投資した、そのうち、1/4はアーリー投資で、他の3/4は外国企業がユニコーンになった後、あるいは同時に出資された会社。
これはテンセントが海外のユニコーンを捕獲するために主に頼りにしている潜在力のある成長企業を極力掘り起こしていることを物語っている。
2位はセコイア・キャピタル・チャイナで、保有する海外ユニコーンは計13社で、投前保有と投後保有の比率はほぼ半々。
これはセコイア中国が初期プロジェクトの潜在力を掘り起こすことと、中・後期の資金力に投資することで同等の優位性を示している。
3位はアリババで、11社の海外ユニコーンを保有しているが、投資による保有比率は80%を超えた。
これはアリババとテンセントが海外でユニコーンに投資する戦略が比較的収束しており、いずれも有望なユニコーン企業に賭けていることを示している。
特筆すべきはIDGキャピタルだが、保有する海外ユニコーンの数は突出していないものの8社にとどまっている。
しかし、IDGキャピタルは投資前に海外のユニコーンを最も多く保有していた1社であり、IDGキャピタルが投資したユニコーンの90%は早期に介入したことになる。これは少なくとも、IDGキャピタルが過去5、6年の間に海外市場でも驚異的な早期投資力を示してきたことを物語っている。
また、アントグループも、海外で4社のユニコーンを捕獲、凱輝基金、網易、五源資本は海外ユニコーンを3社ずつ保有している。
上記の事実は、中国のベンチャーキャピタル(VC)の方が早期に海外のユニコーンに出資し、ハイリスクでハイリターンを狙うことができることを示している、一方、中国大手(CVC)は、海外企業がユニコーンになってから投資に介入し、前者の次の一手となることが多い。
別表:テンセントが投資する海外ユニコーン企業
注:融資額は同社の今回の資金調達額を表しており、テンセントの実際の投資額と同じではない
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