世界のクラウド市場トップのAWSを脅かす世界3位のアリババクラウド
市場調査研究機関ガートナーが2021年4月21日に発表した2020年の世界クラウドコンピューティングIaaS市場データによると、世界のクラウドコンピューティング市場は引き続き高い成長を維持し、市場規模は前年同期比40.7%増の642億8600万ドルに達した。
クラウド市場グローバルシェア
このうち、世界シェア上位5社は、Amazon（40.8%）、Microsoft（19.7%）、Alibaba（9.5%）、Google（6.1%）、Huawei（4.2%）だった。
Amazon(AWS)は長い間、世界のクラウド市場でトップの座をキープしてきたが、Microsoft(Azure)、Alibaba、Google(GCP)、Huaweiなど、他の大手企業の強力な挑戦にも直面している。
ガートナーがここ5年間に発表した世界のクラウドコンピューティングデータによると、2016年から2020年まで、MicrosoftとAlibaba Cloudの市場シェアはいずれも5年連続で上昇した。
このうち、Alibaba Cloudの市場シェアは2016年の3.7%から2020年には9.5%に増加した。
同様に、Microsoftの市場シェアは2016年の8.7%から2020年には19.7%に増加している。
一方、Amazonのシェアの縮小は顕著で、2016年の53.7%から2020年には40.8%に低下している。
ガートナーのリサーチ担当バイスプレジデントであるSid Nag氏は、2020年のコロナ流行により、CIOはミッションクリティカルなワークロードをローカルからクラウドコンピューティングに移行しようとしないという困難を克服したと述べている。
コロナの発生がなくても、データセンターへの関心は薄れる。
コンテナ化、仮想化、エッジコンピューティングなどの新しいテクノロジーがますます主流になっており、クラウドコンピューティングへの追加コストが増加している。
Sid Nag氏は、コロナの流行により、CIOのクラウドコンピューティングへの関心が大幅に高まったと考えている。
また、国際研究機関IDCが4月22日に発表した報告書「世界と中国のパブリッククラウドサービス市場（2020年）追跡」によると、2020年の世界のパブリッククラウドサービス全体の市場規模（IaaS/PaaS/SaaS）は前年比24.1%増の3124億2000万ドルに達した。
このうち、2020年の世界のIaaS市場規模は前年比33.9%増の671億9000万ドルに達した。
世界市場のトップ5はAmazonが46.8%、Microsoftが14.2%、Googleが7.6%、Microsoftが4.8%、IBMが3.7%だった。
IDCによると、Huawei、テンセント、中国電信、百度、Kingsoftもすでに重要な市場地位を占めている。
中国国内のクラウド市場シェア
IDCは同日、報告書「中国パブリッククラウドサービス市場（2020第4四半期）追跡」を発表した。データによると、2020年第4四半期の中国のIaaS市場規模は34億9000万ドル。
このうち、Alibaba Cloudの市場シェアは40.6%で1位だった。
Huaweiはテンセントと並んで2位で、市場シェアは11%。
中国電信とAmazonがこれに続き、市場シェアはそれぞれ8.7%と6%だった。
これら5社は共に77.4%の市場シェアを占めている。
IDCによると、Kingsoft、百度、浪潮、京東などの成長は安定しており、チャイナモバイル、UCloudなどの成長水準が上位を占めている。
IDCの前述の報告によると、2020年、中国のパブリッククラウドサービス市場は製品革新、サービスモデル、業界の拡大の面でいずれも良好なパフォーマンスを示している。
製品とサービスの革新は、3つの側面に焦点を当てている。
1 ハイパフォーマンスコンピューティング、永続的なメモリ、ベアメタルなどの細分化されたコンピューティングとストレージのインスタンス構築
2 基盤となるインフラストラクチャからプラットフォーム層まで、クラウドネイティブのパワー構築
3 複雑なIT環境向けのリソース層規制とコンテナなどのクラウドネイティブ環境の規制
ビジネスモデルの模索はハイブリッドクラウド、エッジクラウドへと深く拡大
パブリッククラウドサービスプロバイダはクラウドの配置モデルと応用シーンの模索を次々と展開し、市場の複雑性と多様性のニーズに対応し、同種のハイブリッドクラウドは日増しに主流となり、エッジクラウドは次第に雛形を備え、クラウドネットワークの融合、クラウドエッジの協同は早急に解決すべき重要な課題となっている。
上下半期の業界の深さは差別化
2020上半期
業界のホットスポットは主にムービー、ゲーム、オンライン教育、オンライン会議などの汎インターネット業界のシーンに現れて、クラウドとアプリが勃興
2020下半期
製造、交通、メディア、医療などの業界はコロナ発生後、情報技術を利用してオンライン業務の協同、生産効率の向上、業務プロセスの最適化などを支援することをより多く考え、実践し始め、クラウド+AI+IoT駆動の新しいシーンの着地を加速
IDCの予測によると、中国のパブリッククラウドサービス市場の世界全体に占める割合は2020年の6.5%から2024年までに10.5%以上に増加する。
IDC中国エンタープライズ研究部シニアリサーチマネージャの劉麗輝氏は
パブリッククラウドサービスをサポートする大規模なデータセンターインフラストラクチャは、電源容量の管理、冷却の最適化、サーバ使用率の向上をより効果的に行うことができる
と考えている。
世界がカーボンニュートラル大行動を開始した背景の下で、中国のパブリッククラウドサービス市場は依然として新たな発展のブームが現れる見込みだ。
劉麗輝氏は
クラウドサービス市場は製品とサービスを絶えず向上させ、提携と革新を強化し、日増しに増大する多業界、多シーン、多技術融合のニーズを満たすべきであり、グリーン、効率、持続可能な急速な発展をより多く考えるべきだ
と指摘した。
要するに、Amazonは長い間、世界のクラウド市場でトップの座を守ってきたが、他の大手企業の強力な挑戦にも直面している。