アリババの次は美団がターゲットか 中国で取締が厳格化される独占禁止法
4月26日午後、美団が立件調査されたというニュースが瞬く間に画面に映し出され、急速に検索ランキングに登場した。
原因は、国家市場監督管理総局が発表した公告によると、通報に基づき、法により米団に対して「二者択一」などの独占行為の疑いがある立件調査を実施した。独占禁止調査を受けたインターネット大手企業はアリババに続き、2社目となる。
調査に対する美団の反応は速く、間もなく公告を出して態度を表明した。
「同社は監督管理部門の調査に積極的に協力し、業務コンプライアンス管理レベルをさらに向上させ、ユーザーと各主体の合法的権益を保障し、業界の長期的で健全な発展を促進し、社会的責任を確実に履行する」
美団はまた、同社の各業務は現在正常に運営されていると強調した。
なぜ2社目はテンセントではなく美団なのか
これまで、2社目が調査されたのはテンセントだと予想されていたが、最終的には美団だったことに惊く人もいた。しかしこれは意外ではないことを知っている人たちも事実多数いる。
上海正策法律事務所の董毅智氏は、
「美団が独占禁止の調査を受けたのは予想されていたことだった。市場であれ監督管理であれ、美団はその分野ですでにある意味で独占行為をしており、これは明確な判断だ」
と考えている。
北京盈科(杭州)法律事務所の弁護士側超強は、
独占は本質的に経済資源の過度な集中と不公平な競争であり、経済全体の競争活力に影響を与えるので、国がインターネット分野のトップ企業に対して独占禁止調査を行う目的は、より公平で秩序ある市場競争メカニズムを構築することであり、意外ではない。
「アリババに続いて美団が調査されたことから、インターネットプラットフォームに対する国家の独占禁止調査と法執行力が頭から徐々に下方に浸透していることがわかる。」
業界関係者は、テンセントや百度などが調査される可能性があると見ている。
美団が調査されたことについて、ネットユーザーたちは「美団はO2Oサービスを独占しているので、早く調査しなければならない」と鮮明な態度を示している。「国家が独占行為を取り締まることを支持する!」「民は食を天とし、独占の疑いで厳重に調査する」。
実は美団は何度も「二者択一」と非難されていた
美団はテイクアウト市場のトップで、2018年の上場前から王興CEOは、テイクアウト市場における美団のシェアが60%に達していることを明らかにしていた。2020年第1四半期までに、市場シェアは67.3%に上昇した。
しかし、地位を固めるために、美団は企業(小さい店舗含む)や消費者に「二者択一」と頻繁に指摘され、企業や消費者に被害を与えているが、どうしようもない。
2020年4月10日、広東飲食協会は我慢できなくなり、「広東飲食業界から美団への出前連名交渉書簡」を発表し、美団に独占価格設定を実施した疑いがあると非難した。
新規飲食業者は最大26%の手数料を徴収され、業者が我慢する臨界点を超えた。
しかし、この非難は世論をかき立てただけで、企業たちに明らかな変化をもたらしたわけではない。
今年2月、浙江省金華市中級人民法院は、美団金華支社に不正競争行為があると認定し、餓了麽へ100万元の賠償を命じる判決を下し、美団が企業と被告以外の他の同業経営者との取引を妨害し、企業のプラットフォーム選択権を剥奪して不正競争を構成するという餓了麽の訴訟請求を支持した。
美団はこれを不服として控訴した。
美団の考え方は非常に奇抜で、企業に「二者択一」「多者択一」を要求する行為は「排他的取引」と表現すべきであり、このやり方には多くの利点がある。
例えば、排他的取引には「協力期間、安定性、規模、効率などの面での利点」があり、「排他的取引自体は一種の競争行為として競争を排除、制限する役割を持たない」と考えている。
美団はさらに、「他の飲食デリバリープラットフォームも同様に排他的な取引で競争に参加することができる」と提案した。
それだけでなく、ユーザー側では決済方法も制限されており、2016年から支付宝では決済できないと何度もツッコミが入り、多くのユーザーが不満を募らせている。
昨年7月、美団の創業者である王興氏はソーシャルメディアで、「淘宝はなぜまだ微信支付に対応していないのか」と回答した。と話題になり、人気検索にもなっている。
どちらで支払うかは自分の自由であり、「二者択一」は合理的でも合法的でもないと考えるユーザーは少なくない。
さらには美団を法廷に訴え、美団が市場の支配的地位を濫用し、支付宝のルートを廃止し、ユーザーに美団での支払いを迫ったと主張した。この事件については、昨年12月末、北京知識産権法院が受理した。
いくら罰せられることになるのか?
実際、美団が今回立件されたことは、すでに明らかになっている。
今年4月13日、国家市場監督管理総局・中央インターネット情報化弁公室・税務総局の3部・委員会は、インターネットプラットフォーム企業行政指導会を共同で開催する、「二者択一」行為の実施を強要して市場競争を制限し、イノベーションの発展を抑制し、プラットフォーム内の経営者と消費者の利益を損ない、危害が極めて大きいため、断固として根治しなければならず、各プラットフォームに1ヶ月の自己検査を与えなければならないと明確に提起した。
美団はその後の「法に基づくコンプライアンス経営承諾」において、プラットフォーム内の経営者の自主的選択権を尊重し、不合理な制限等の措置を通じて企業に「二者択一」を強制的に要求せず、技術手段等を利用して独占協定を実施せず、市場支配的地位を濫用する行為により市場競争を排除、制限せず、法に基づき経営者の集中申告義務を履行すると表明した。
続いて4月14日、美団は淮安市中級人民法院から経済的損失35万2000元を賠償する判決を受けた。
今回立件された捜査が事実なら、美団はいくら罰せられるのか気になるところだ。
この質問に答えるには、これまでアリババが処罰された金額を参考にしてみるしかない。
アリババが「二者択一」独占行為のために支払った代価は、2019年の中国国内売上高4557億1200万元の4%、合計182億2800万元の罰金で、これも中国のインターネット独占禁止法が発行した最高金額の罰金だ。
美団はこの割合以上に高くなるのだろうか?
董毅智氏によると、美団が食らう罰金は、アリババの罰金金額を更新する可能性は高いが、具体的な金額を判断するのは難しい。これは比例的に計算された数字だからだ。
詳細には、中国の「独占禁止法」第46条は、独占協定行為については、前年度の売上高の1%~10%の罰金を科すことができると規定している。
アリババの罰金は2019年自然年の国内収入を基にしており、美団も2019年に計算すれば、罰金総額は年間収入975億元の1~10%、つまり9億7500万元~97億5000万元、アリババの比率で計算すれば39億元になると予想される。これは美団が昨年1年間ただで働いたことに相当する。
最終的に2020年の収入で計算すれば、罰金額はさらに高くなる。昨年の美団の収入は1148億元で、1%から10%の間で11億4800万元から114億8000万元、4%で計算すれば45億9000万元に相当するからだ。
国家市場監督管理総局の発表は香港株の引け後に発表され、明日朝の寄り付きで米団の株価が大幅に飛び込む可能性が高いと予想されている。
4月10日にアリババが罰金を科された後、美団は2日連続で12%下落した。
4月13日、国家市場監督管理総局が企業と面談し、企業に「二者択一」行為の自己調査を求めたところ、市場は大きく動揺し、同日、米団の株価は最大で8%下落した。
2月15日の最高値である460香港ドルと比べると、米団の時価総額は現在1兆香港ドル近く蒸発している。
終わりに
下記記事を翻訳しましたが、昨晩から美団の独占禁止法の立件捜査ニュースはまたたく間に広がり、今朝もニュースで多数取り上げられています。O2Oプラットフォームの王者として独占禁止法と批判されても仕方ありませんが、CEO王興はおとなしそうな見た目と裏腹にお金を刷ってでもシェアを取りに行く戦術を好む軍師的存在です。時間をお金で買い、他社に圧倒的な差を見せつけるわけで、その札束の戦いに負けていく会社は数え切れないくらいあったはずで、生き残った会社としてエールを送りたいです。
ただし、ライバル視しているフードデリバリーのアリババのウーラマに対抗するために、企業側に二者択一(ウチ使うなら他社は使わないでね、的な感じ)を迫るのは実際普段美団の大众点评を運用する側からすると顧客獲得チャネルが削減されてしまうのであまりスマートなやり方とは思えないですね。笑
普段深センで仕事以外は勉強がてらひたすら中国のニュースを読み漁っているので、それらを日本語でシェアしています。ぜひフォローあれ〜
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