万里の長城効果あるの?
前221年、秦が天下統一した後、北の異民族である匈奴を撃退し万里の長城を作り直しました。
実は長城が昔から匈奴防衛のために色んな国が作っていました、天下統一を果たした秦が全ての長城を繋ぎ、万里の長城となりました。
しかし、なぜ匈奴を撃退したあとまだ長城が必要でしょうか?
これは中原王朝の宿命とも言えるなかなか解決できない問題です。単純に言うと、中原王朝は馬がないからです。後の漢王朝を作った劉邦の馬車ですら4匹白馬を揃えなかったという。しかし敵対の遊牧民族は基本騎兵です、中原王朝の歩兵が追撃する手段がありません。
さらに遊牧民族との戦争コストが高すぎたのも問題です、戦争は金が必要、しかし遊牧民族を勝ったとしても見返りが少ない、ならば長城を作って食い止めれば十分。
遊牧民族誰でも立派な戦士です、弓と馬さえあれば補給すら必要がありません。一方、中原王朝の民は基本農民です、戦士になるため訓練してレベルアップする必要があり、北で戦うなら補給も必要です。
長城より北の大地には農耕に向いていない、占領しても何も生まれない上駐留部隊の消費も大きい、そのため、どの王朝も長城で防衛さえできれば十分という方針をとっています。
しかし、こんな長い長城で本当に遊牧民族の騎兵を防げるでしょうか?何箇所脆いところ兵力を集中して突破できないでしょうか?
はい、防げません。長城はある程度で防げるが、遊牧民族本気攻めようとすれば無理です。
長城の一つ重要な目的は北遊牧民族を防ぐではなく、中原王朝の商人を防ぐための存在です。
遊牧民族の弱点は大自然に弱い、一つの風災、雪災だけでも民族ごと滅亡する恐れがあります、農耕民族確かに弱いですが、生活の安定さにおいて何倍も強いです。こんな遊牧民族に対し最も効果的なのは経済封鎖、しかし、商人は気にしない、封鎖すればするほど抜け道を作りたくなる、それで膨大な利益をもたらすからです。
長城は遊牧民族を完全に防ぐのは難しいですが、商人の密輸を防ぐのは十分な効果が発揮できます。
こうやって高い壁を作って外に行かないから、お前らも来るなよと。