「北京」の発音はPeking ?Beijing?
なんで北京大学はPeking University、Beijingではないのか?
学生時代に日本の友達に聞かれたことがあります、恐らく多くの中国人でさえ答えられないでしょう、当時の私もわかりませんでした。
言われてみれば確かに現代の標準語なら「北京」は間違いなくBeijingと言い、中国人なら誰でもそう言うはずです。
つまり、ペキンPeking というのは現代の発音ではなく、昔の発音でしょうか?
時を戻して、清王朝の末、中華民国の時代に漢字を廃除しようという動きがありました。ここでの「廃除」というよりラテン化のは正しい表現です。
当時弱かった中国が列強に侵入され、不平等条約を交わされ、中国人の民族自信が失いました。政府や知識人を始め完全西洋化する風潮がありました、漢字を含む従来の文化が全て野蛮で時代遅れだと批判されました。特に漢字が国発展させるための最も邪魔な存在であり、消さなければならないと。
魯迅でさえ「漢字不滅、中国必亡」(漢字が亡くならなければ中国が必ず滅亡する)という発言がありました。
こんな環境の元に誕生したのは漢字ラテン化案、今のピンインの元です。しかし地方政府や中央政府など色んな方案を出しましたが、どれも使いにくく普及できなかった。唯一使われている国際標準ピンイン方案ウェード式が定着し(イギリス人発明した)、国際的に使われていました。今も香港や台湾など一部の人の名前がウェード式で使われています。冒頭の北京の発音Pekingも当時の名残です。
ウェード式も色々欠点があり漢字を独立することができず、使えにくいため現在もほとんど使われていません。その後色々方案が出ましたが、どれも普及できず、なぜなら漢字が4つの声調があるため、現在ピンイン方案が出るまでどれも解決できなかったからです。
漢字そもそも形自体に意味が含まれており、ラテン化が元々難しい、文盲をなくす目的もありましたピンイン体系も結局幼稚教育に留まり、意味が薄く、年配な方も字が書けてもピンインできない人も多い。本当に漢字を普及させたのはラテン化ではなく簡体化でした。