JAZAに加盟していれば良い動物園・水族館なのか?
■ JAZAってなに?
JAZAという組織をご存知でしょうか。
正式名称を「日本動物園水族館協会」と言い、ものすごく簡単に言うと全国の動物園・水族館で協力して動物を守っていこうね という団体です。詳しい活動については 公式ホームページ をご覧ください。
現在(2020年1月時点)JAZAには91の動物園と57の水族館が加盟しており、全国の主要施設の大半が参加しています。そのため全国の動物園・水族館を巡る人たちの中でもJAZA加盟園館を巡ることは一種の旗印にもなっています。
そこで今回はそれらを全て巡った自分が当初から疑問に思っていたあることに答えてみようと思います。それはずばり「JAZAに加盟していれば良い動物園・水族館なのか?」です。
■ JAZAに加盟していれば良い動物園・水族館なのか?
結論から言うと基本的には良い施設です。
良い施設 の定義にもよりますが、おおむねバランスが良いです。
JAZAは動物園・水族館が担う役割として「種の保存」「教育・環境教育」「調査・研究」「レクリエーション」という4つの柱を掲げていますが、その方針通りいずれにも偏り過ぎていない施設が多いです。規模や質の差こそありますが動物園・水族館に行きたいと思ったのならまずはお近くのJAZA加盟園館に足を運んでいただければまず間違いないと思います。
■ 非加盟の園館は良くない施設なのか?
では非加盟の園館は良くないのかと言うとそれは断じて違います。
そもそも施設を優劣で語るのはナンセンスですが、あえて分かりやすいように良し悪しで言うと非加盟の動物園・水族館が加盟園館に比べて劣るということは決してありません。中には方針の違いから自ら脱退した施設もあります。それぞれの施設の個性や差異についてはいずれまた別の記事で紹介できればと思いますが、そうした個々の施設の方針や信念などを見比べてみるのも施設巡りの楽しさです。
■ 小田原動物園という例外
JAZA加盟園館は良い施設だと言いましたが、一つだけ例外があります。
それは「小田原動物園」です。神奈川県にある小田原城はかつてゾウの『ウメ子』も飼育されたいわゆる「お城の動物園」だったのですが、残念ながら閉園が決定し多くの動物たちが別施設へ移されました。しかしその中でニホンザルたちだけはその場に残され、今もなお小田原城の袂で暮らしています。つまり現状は「サルしか居ない動物園」なのですがこれがなんとJAZA加盟園です。
2018年4月時点の小田原動物園の様子
多くの方からすれば「これが動物園?」と困惑されることでしょう。ですが最大の問題は飼育種数ではありません。一番の問題はサルたちの経緯や特徴を説明する掲示も無く、かつて動物園があった痕跡もほとんど残されていないという点です。訪問客は「なんでここにサルが居るの?」と疑問に思うことでしょう。私だって聞きたいです。この子たちは一体なんのためにここに居るのかと。公式ホームページや現地の地図にも一切の記載が無い様子はさながら市政から「動物園なんて無かった。いいね?」と言わんばかりの扱いを受けているかのようです。解せぬ。
もちろん、施設の現状はどうであれ内部ではJAZAの活動に支援したりしているのかもしれません。そのあたりの実際までは分かりませんが、そう見えるということは動物園・水族館にとっても良くないことのはずなのです。この辺りについてもいつか記事にしたいと思います。
■ 最後に
今回はあくまで国内において良い施設なのかどうか、という話をしましたが、では国際的にはどうなのか、理想と比較して現状はどうなのかという点についてはまたの機会に書ければと思います。
■ 結論
JAZAに加盟している園館は基本的に良い施設
だからと言って非加盟の園館が良くないわけではない
ただし小田原動物園は例外