【今日の動画】東武動物公園のマレーバクたち
【今日の動画とは】
自身のホームページ「動物園フレンズちゃんねる | ZFC.jp」の中から動画を一つピックアップして話を広げてみようというコーナーです。
今日の動画はマレーバクの赤ちゃん『コト』 (東武動物公園) 2018年5月6日です。
東武動物公園と言えば自分が大人になってから初めて訪問した動物園です。
そのため基本的に園内のどの動物にも思い入れがあるのですが、中でも特に印象に残っているのがこのマレーバクの赤ちゃん『コト』の誕生です。
コト ♀ 2018年3月17日生まれ
父:トム 母:シンディー
漫画「つれづれ動物園 第1話」で描きましたが、マレーバクは大人になってから初めて見た動物でもあり、「第0話」でも描いたように全国の動物園を巡るようになったのもマレーバクがきっかけでした。
それだけに、この『コト』の誕生と成長は喜びと期待と不安が入り混じった気持ちで見守っていたのを覚えています。
眠るマレーバクの赤ちゃん『コト』
そんな不安をよそに、『コト』はすくすくと成長していきました。
思えばこの時に初めて動物の誕生を素直に祝福出来るようになったと思います。
飼育員さんに撫でられるマレーバクの『コト』
一体どんな得を積めばマレーバクの赤ちゃんを撫でられる職に就けるのか……。
一方で、『コト』の父親である『トム』が、このすぐ後の2018年7月4日に死亡(※)しました。
(※東武動物公園に限った話ではないのですが、動物園・水族館は誕生や訃報・イベントなどのお知らせをHPから消さないで欲しいものです。信頼出来るソースは公式にしか無いのです)
産まれる命があれば去る命もある。動物園はその繰り返しなのだと実感した出来事です。
ですがその繰り返し、ひいては命を繋ぐことが出来るというのは幸いなことでもあります。
世の動物園には様々な事情により命を繋ぐことの出来ない種や個体が多く暮らしています。
それらの動物たちが動物園にいる意義が「消費」であってほしくはないと強く思います。
若干話が逸れましたが、なんとこの翌年、故父親『トム』と母親『シンディー』との間に子供が産まれます。
2019年7月17日生まれのオス『アルタイル』の誕生です。
正に忘れ形見という言葉の通り、『トム』が『シンディー』に託した命でした。
この誕生により『コト』もお姉さんになりました。
『トム』『シンディー』夫妻の血の強さを感じる慶事でした。
そしてそのさらに翌年、今度は『コト』のお姉さんである『オリヒメ』が出園先の日本平動物園で出産します。
出産日は2020年7月7日、七夕に織姫が出産したとのことで大きな話題となりました。
ちなみに『コト』にはもう一人お兄さんが居ます。2012年8月2日生まれの『ヒコボシ』です。
2020年8月現在、『ヒコボシ』は広島の安佐動物公園で生活しています。
一頭の子どもの誕生から、その家系の過去・未来にまで思いを馳せられるのはとても素敵なことです。
願わくば動物園はその幸せを祝福出来る場所であって欲しいと切に思います。
2020年8月23日 | snow | ZFC.jp