子供リンチと豆腐メンタル
同時進行で進んでいる時事なので、このページがあなたの目に触れる頃には、世情が少し変わっているかもしれない。
深圳日本人男児刺殺事件をとりまく話だ。
ここ数年、中国では日本人を狙った殺傷事件やいやがらせ、風評被害が頻発している。
ところがこの事象に対し、普段は声高に差別糾弾を訴える輩がとんと声を上げない。
傍目からこんな冷やかしも出る始末だ。
リベラルとひと括りで指しているのは、従来からの革新政治思想・社会主義・共産主義イデオロギー信奉者を恐らく指すのだろう。
彼らは朝鮮学校が差別されていると大騒ぎ、原発は害を撒き散らすと大騒ぎ、宣伝キャラのアニメ絵へ女性差別と大騒ぎ、公営施設で水着撮影会には性的搾取だ女性差別だと大騒ぎ、出身地域で就職差別・結婚差別があると大騒ぎ、なんやかんやで差別差別と大騒ぎ、年がら年じゅう大騒ぎ。
声が大きく、話を引っ掻き回す。
主張が強いので生命力・生活力に富みガツガツしている印象があるが、末端の組織栄養分の人員は、どこ行けど報連相ひとつご愛想べんちゃらひとつまともにできないコミュ障の吹き溜まりだろうと想像している。
私自身がネット弁慶で、社会不適合者で、人と話すたびMPが減る豆腐メンタル気質だから、末端構成員のヘタレぶり弱気ぶり教条主義ぶりが容易に想像できるのだ。
私の周囲6~7人がこぞって差別差別と声高に話しだしたら、なにか違和感を覚えながらも弱々しい小声で「...そ、そうだね...」と私は賛意を示してしまうだろう。
戦中の非国民はこのような同調圧力・付和雷同から醸し出た空気だったのだろうと容易に想像できる。
さて。
そんな養分である私たちから金銭と時間と信仰心を吸い上げ、声高に大騒ぎする「吸い上げる側の人たち」だが、今回の日本人学校の少年殺人にはとんと声を上げない。日本人差別だ!とは騒がない。
理由は明快。
銭にならないからだ。
外国の子供がリンチに会おうが時事かぶれの狂信者に殺されようが、銭にならない事象へは、差別のお題目は適用しない。
翻せば国内で「朝鮮学校差別だ」「就職差別だ結婚差別だ」「女性蔑視だ性的搾取だ」と騒げば、銭になる。
その収益源が国庫公庫であろうと示談金であろうと外資援助であろうと、どうでもよい。財源は問わない。要は銭になるかどうか。
今回の深圳日本人男児刺殺事件を出汁にそのテの声の大きい人が騒ぎだしたら「あ、なんか金蔓みつけたんだな」と察するとよい。
タカリ、恐喝、バブル期往年の邦画『マルサの女』の地上げ屋やヤクザと変わらない不愉快な金儲けシノギのよごれ仕事に対し、不正義と感じるかどうかはあなたの倫理観に委ねよう。
「養分」と「吸い上げる者」、さらには「吸い上げる者をさらに寄せ集め吸い上げる者」の幾層かの格差構造ができるのは、なにもイデオロギーかぶれの徒党だけではない。広く見られる群集の挙動だ。
政治集団/宗教団体/企業活動/教育体制、果てはパチモン情報商材/ネットワークビジネスまで、人文学が扱う人間活動には殆ど付き纏う構造。
これらの階層構造がなぜヒトの群れではいつも発生するのか?をモデル化するのは意義ある学術研究テーマだと思うが、浅学にしてモデル構築ケースを、私は知らない。
「いっつも吸い上げられる養分の末端側ばっかり、貧乏籤ばかりで、嫌だな」と、豆腐メンタルがただ思うのみである。
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