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美しく生まれることは損なのか得なのか 間近で子どもの人生を見て感じたこと

私の見た目をジャッジされるなら「ふつう」「際立って美人でも、破滅的なブサイクでもない」だと思う。

理由としては、外見を理由にいじめられたことがない、「美人ですね」といわれたことはある(が世の中にはお世辞というものが存在していることを知っているので、100%真に受けてはいない)、知らない人に道をよく聞かれる、が挙げられる。

誰に似ているかというと、「柴犬に似ている」と言われたことはある。

おわかりいただけるだろうか。愛嬌はある。

一方、わが子(便宜上第1子をギガ、第2子をテラとする)は
わたしの元パートナーのお陰で美しく生まれたようだ。

本人の写真をのせるわけにはいかないので参考資料として、
誰に似ているかというと、ロシア人モデルクリスティーナ・ピメノーヴァさんに(モデルさんの中では一番)似ている。

私は常々、「生まれつき美しい人はどれだけ人生で得をするのだろうか」と疑問に思い、
美人の友人に会えば「この顔面だとどんな人生を送れるのだろうか」と想像しようとし、2秒で挫折してきた。想像ができなかった。

子育てを通して長年の疑問にある程度答えが出たので、

そして、外見は遺伝的要因で決まる割合が高く、
「自分は平凡だが子どもは美しい」人の体験は貴重だと思うので紹介する

わらしべ長者のような幼少期

赤ん坊だったわが子を抱っこして歩いていると
よく通りすがりの人に「かわいいですね」と声をかけられた

中にはわざわざすれ違ったあと戻ってきて声をかけてくれる人もいたし
私の通勤ルートをウォーキングしていて
毎日のように会う人たちが
わざわざ子どものためにおもちゃを買ってくれたこともある

また、記憶に残っているのは知らない人からお菓子をよくもらったことだ
ギガ、テラが未就学児のころ、一緒に出かけると
電車やバスなどで知らない人からお菓子をもらえることがあった。
たいていは高齢者からだった。

見知らぬ人の親切に感謝すると同時に
「こんなにお菓子を持ち歩いている人がいるんだ」と驚いたものである。

私も子供のころ、高齢者からお菓子その他をもらったのかもしれないが
それは「大人が多い場所で子どもが珍しい」などのシチュエーションだったのではないだろうか

好きじゃない人に好かれるのは大変

一方、早くもデメリットと感じたことがある
興味のない異性に好かれてしまい、
小学校からの下校中に追いかけられたり、待ち伏せされたりした。
ギガ、テラ2人とも小学校1年生から同じ目にあった。

担任の先生に相談して事なきを得たが、本人たちは怖かっただろうと思う。

美しい友人を見て感じていたが
相手を傷つけないように告白を断るのも
バレンタインデーやホワイトデーでお返しをするのも大変そうだ

美人と不美人両方の気持ちがわかる「ブスなんて言わないで」。非常におすすめ

性犯罪のリスクは外見に左右されるのか


これは性犯罪の種類にもよると思う。
端的に言えば外見がよいとリスクはあがると感じた。
ただ、外見は主観に左右されるので裏付けとなるデータはおそらくない。

満員電車で「誰でもいいから異性の身体をさわろう」とするような痴漢にあうリスクは
外見に直接は左右されないかもしれないが(気が弱そうな人が狙われると聞く)

「たまたま見かけた可愛い子に目をつけて、複数で車につれこんだ」というような犯罪のリスクは外見が良いほど高まるのではないか。

今は誘拐事件の被害者の写真は公開されないが、
昔、大人たちが誘拐事件のニュースを見て
「あの子、かわいいから狙われたんだね」と話していたことを覚えている。

性犯罪は少女だけでなく少年も被害者になりうるが、
男子の場合も、外見が良い子が狙われる気がする。

なお、このように「外見がよいからといって、いいことばかりではない」を描写した漫画に
東村アキコさんの「主に泣いています」がある。おすすめです。

内面も外見からジャッジされがち

メリット(?)に戻ろう。

なぜかわが子を一目みただけの人から
「この子は自分の意思がハッキリしているね」
と言われたことが複数回ある。

しかし、意思の強さは親の私ですらすぐには判断できない。

目がぱっちりしている(二重の幅が広い)から、そのような判断になったのだろうか?

ハーフはかわいい(1人1人顔はちがいます)
メガネをかけている子は頭が良い
巨乳/金髪の女性は頭が悪い
などなど、外見にまつわるナゾ迷信を信じている人は今でもいる

その中の1つに
「外見が良い人は性格も良い」
がある

実際はいろいろな人がいるはずだし、
集団としての全体的な傾向はあっても、
個人差のほうが大きいはずだと
統計学を学んだ医師としては思うのだが…

なお、就職活動において、
同じ履歴書の内容であれば、外見が良い学生の方が採用率が高いという実験結果を見たことがある。
生涯年収が外見(特に身長)に左右されるというデータは知っている人も多いだろう。
アメリカの大統領は身長が高いほうが選挙で勝つことも有名だ。

なお私は、自分が旧帝大の医学部生だったり、医師だったりがバレると
「え!?〇〇大の医学部?かわいいですね」
「先生なんですか?美人ですね」
と言われたことが何度もある

AIに作ってもらった医学生の画像

勉強ができる人は外見がよくないというナゾ迷信があり
勝手にハードルが下がった結果、かわいいと言われていたのだと思う

モデルや芸能関係の仕事を子どもにさせるか

わが子がモデルになれるかも?というのは
少なくない親が考えることのようだ
小さい頃のわが子はかわいく見えるだろうし
「親がお金を払って子どもを所属させる」芸能事務所があると知った

私には、「本人の意思を尊重する」という教育方針があるので
「あなたにモデルの仕事をしないかという話があるけれど
やってみる?」と一応聞いた。

未就学児にどれだけモデルの仕事が理解できるのかという問題はあるが…

ギガは「やらない」
テラは「やりたい」
ときょうだいで意見が分かれており、
テラだけ友人に紹介してもらったモデル事務所に登録した

親の私から見ると、ギガのほうが外見はモデル向きではあるが
大勢の知らない人に囲まれるといった状況は明らかに苦手なので
これでよかったと思う


「もったいない…もったいないよ…
モデルなんて誰でもできるわけじゃないんだよ…」

という気持ちはあった

もっとも、事務所に登録してわかったのだが
仕事の依頼はほとんどが平日の撮影であり
働くひとり親である私の都合で、そもそも受けられない案件が多かった

AIに作ってもらった子どもモデルの画像

子どもモデルのギャラは安いと言われるが
それでも大手企業のCMなどは
医師の私が1日で稼ぐ額を超えていることもあり
子どもに芸能・モデル活動をしてほしい親がいることは理解できた

なお、特殊な環境には特殊な人が集まるというが
芸能界では大人だらけの世界に子どもが交じることになる

旧ジャニーズ事務所のような問題が起こりうると知ってからは
芸能活動は早くても高校生以降がいいように思っている

親の承認欲求とどう付き合うか

SNSを使うのが当たり前になった昨今
子どもの顔をSNSに載せている親も多い

わが子の友達の親も、インスタにお子さんを顔出ししている人がいる

私は「まだ子ども自身にはネットに顔写真を公開することのリスクが正しく判断できない」
と考え、子どもの写真をネットで公開することはない

しかし、「こんなにカワイイわが子を見てみて!」という承認欲求が
ないかといえば、ある

そこで自分の親に子どもの写真を送り
「かわいいでしょ」アピールをすることで承認欲求を薄めてきた

なお私の両親は冷静で
「大きくなったね」くらいのコメントである

それでも、現代では学校でも習い事でも
子どもたちの写真を撮ってネットにアップするのが当然となっており
保護者しかアクセスできないようにパスワードがかけてあるものの
保護者が全員プライバシーを守れるわけでもない。

卒業アルバムの写真も児童ポルノに使われるケースがあるようで
(卒業アルバムのリスクが高いのは以前から懸念していた。
写真は希望者だけ載せればいいと思う)
昔よりリスクは高いと思っている

結論:外見がよいのと悪いのと

思いつくままに書いてきたが
自分がもし生まれ変わるとして美人や高身長に生まれたいかと言われれば
答えはYesである

デメリットもあるが
自分の外見が好きになれると自信を持ちやすく
全体としては人生にいい影響を及ぼす気がする

しかし大事なのは「自分で欠点を含めて自分の外見を肯定していること」であり
「世間一般の美の基準に合わせること」ではない
そもそも美の基準は文化や時代により移ろうものだ

AIさんお世話になります

むしろ40代になって感じるのは
「外見だけを売りにして生きてきた人は
中年になって詰む」
である

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