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モデル養成リアリティーショーに学ぶ、親子の距離感とは
親子でモデルを目指すリアリティーショー2つ
Amazon Primeで見られるリアリティーショー、
「ママ・ハディッドのモデル養成プロジェクト
原題:Making a Model with Yolanda Hadid」
「2世モデルのサバイバル・レース」
をみての感想と考察です。
※どちらも第1話はYouTubeで無料で見られます
モデルを目指すティーンエイジャーたちが、レッスンを受けたり課題を与えられたり実際にオーディションに参加したりしながら成長するのを見ることができます。
「ママ・ハディッド」というのはモデルをしていたヨランダ・ハディッドさんですが、娘さん2人がスーパーモデルのジジ・ハディッドさんとベラ・ハディッドさんです。
ファッション業界やモデルに興味がある人なら名前を聞いたことがあるかと思います。モデルの長者番付でも常連さんです。
ヨランダさんが選んだ5人(のちに6人)のモデル候補生、そして母親が共同生活を送りながら課題に挑戦し、最終的に1人が選ばれて有名モデルエージェンシーと契約を結ぶことができます。
「2世モデルのサバイバル・レース」はその名の通り、母親または父親がモデルや俳優である子供たちが、自分たちもモデルを目指します。
共同生活はなし(ただしパーティーやキャンプなどでよく一緒に過ごします)。こちらはすでにモデルとして実績がある姉妹も登場します。
成績ぶっちぎりのミケイラさん
エピソードごとに「今回の1位は〇〇」とヨランダさんが候補生をランクづけします。
初回から1位、その後も上位の常連となるのが16歳のミケイラさん、彼女は他の候補生とちがい、モデル経験はほぼなし。
初回の撮影をみていて感じたのが、
ほかの候補者たちは母親がかなり口出しをします。
撮影に着る服、撮影中のポーズなど…。
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母親たちの中には、
自分も外見に恵まれていて、その外見をフルに利用して人生を
切り開いてきた、みたいな人もいます。
だからか娘にも同じようにさせようとする。
ミケイラさんの母親リサさんは、距離の取り方が絶妙にうまい。
娘さんの撮影には、ほめ言葉をかけることはあっても
余計な口出しはしません。
娘とだけでなく、ショーを通じて関わる他の大人とのコミュニケーションも秀逸です。
そのせいで他の母親たちに「ヨランダに贔屓されている」と言われてしまうのですが…。
ミケイラさんがウォーキングで「自信があってよい」
と褒められたり
雑誌「セブンティーン」のオーディションで高いコミュニケーション能力を発揮し
「ダントツでミケイラがいい」と
言われたりするのは
親が先回りして手出し口出ししない(親が子を信頼している)ことで
本人がしっかりしているせいもあるのでは、と感じました。
現代モデルに求められる美しさの基準
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ファッションモデルは身長が高いことが重要です。
候補生の中にはまだ13歳、成長途中の人もおり
「身長は?」
「5フィート4インチ(162cm)です」
「・・・・(がっかりされる)」
といったシーンもあります。
その後「両親は背が高いか」を確認されたり。
また、ヨランダさんは「その人本来の美しさ」を
大切にしていましたが
これは昨今のモデル業界の傾向なのかもしれません。
候補生には、フィリピン人とのミックス
ネイティブアメリカンのルーツがある人
などがおり、それぞれ美しいのですが
髪を金髪に染めたりカラーコンタクトを使用することを
ヨランダさんにたしなめられている人がいました。
私も、そのままのほうが圧倒的に美しいと思いました。
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途中でゲストとしてスーパーモデル、アレック・ウェックさんが登場します。これには私も興奮しました(他のモデルやデザイナーのゲストも超★豪華です)。
まさに彼女は「その人自身の美しさ」を体現している人。
「脚が長い!!」と候補生が言っていましたが、すごいスタイルです。
母親がスーパーモデルでも「モデルに向いていない」と言われる現実
「2世モデルのサバイバル・レース!」では
往年のスーパーモデル、ビバリー・ピールの娘が登場します。
ビバリー・ピール、ランウェイの動画を探して見ましたが、まるで女神のようです…。
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こちらの番組は、全員親がモデルまたは俳優なので、
親が自らコネクションを使って子どもにチャンスを与えようとする場面がわりとあります。
ビバリーさんも、有名モデルエージェンシーに娘を紹介します。
普通なら書類審査通るのも難しそうなところです。
が、後日「モデルをやるのは厳しい」とバッサリ。
外見が遺伝の影響を受けることは事実ですが
親がスーパーモデルでも、子どもが必ずしも同じようなスタイルになるわけではないんですよね。
子どものまま母親になった人
姉妹でモデルをしているシュローダー家。
妹さんまだ15歳(収録当時)で、1枚のインスタグラムの写真で2000ドル稼ぐとか!
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この姉妹の母親が、最近離婚したこともあってか情緒不安定です。
「みんなが私を責める」
「私を理解してほしい」
と何度も言っています。
離婚でつらいのはわかるんですが、まだ子供たちを支えないといけない場面もある時期に、「自分が、自分が」という感じで、精神的に幼い印象を受けました。20歳の娘さんのほうがしっかりしています。
2つのリアリティーショーどちらにも
「外見に恵まれた故に異性にモテて、若いうちに結婚出産をしたものの、
子どもがティーンエイジャーになった今でも精神的に支えられる側で、
子どもの支えになれていない」と思える親たちがいました。
私も偉そうなことを言えるほど立派な親ではありませんが
リアリティーショーを通じて親子関係について考えることができ
大変おもしろかったです。