【Merlin Chainに学ぶ】Tier 1 CEX上場スキーム
「0から5,000億円を超えるTVLを作り、Tier1CEXに上場する」
Web3事業者であれば1度は達成したいと思う事が、Ordinalsエコシステム内で実際に起こっています。
そこで本記事では、どのようなスキームでそれを実現しているのかをMerlin Chainを用いて解説します。
本記事における主要人物
Merlin氏
本題に入る前に、Merlin Chainを語る上で重要なMerlin氏を紹介します。
Merlin氏は以下に代表されるOrdinalsエコシステムを開発・運営しているBitmap Techのファウンダーです。
Bitmap.Game
BRC-420
Merlin Chain
中国語が堪能であることから中華圏への影響力が大きく、Ordinalsアセットが中華圏で人気がある理由の1つともされています。
Bitmapエコシステムの構築に精力的なことから、Web3の思想を好んでいると推察されます。
一方で、VCからの非公開投資を受けるといったWeb2寄りの(透明性がない)実績作りもしていることから、Web3の思想を利用したビジネス展開が上手な人物です。
Ordinalsエコシステム概要
Ordinalsとは?
Merlin Chainの説明をする前にMerlin Chainが利用しているOrdinalsについて説明します。
Ordinalsとは、Bitcoin Chain上でFT/NFTが作成可能となるプロトコルです。
Ordinals上で発行されるNFTはフルオンチェーンであり、画像を含むデータがブロックチェーン上に保存されていることから耐改ざん性が高く、永続性もあります。
一方で処理速度が遅く、コストが高くなる欠点があります。
代表的なNFT "Bitmap"
BitmapはOrdinalsプロトコル上で発行されている代表的なNFTです。
Bitcoin Chain上での取引に伴い生成されるブロックを可視化したNFTで、Bitcoin Chainが稼働し続ける限り運営者が居なくても存在/生成できる特徴があります。
フルオンチェーンかつ非中央集権である性質に価値が見出され、執筆時点(2024年3月25日)で0.00253BTC(日本円換算約2.5万円)のフロアプライスが付いています。
Tier 1 CEX上場を狙うMerlin Chain
Merlin Chainとは?
Merlin ChainとはMerlin氏が主導するOrdinalsプロトコル上で動くBitcoinのL2 Chainです。
EVM互換を有することでEthereumやArbitrum/Manta/Tronなどにもブリッジ可能な環境を構築しており、将来的にはクロスチェーンのブリッジ環境を提供しようとしています。
Marlin ChainのTVLを作ったスキーム
Marlin Chainが高いTVLを集めた手法は非常にシンプルです。
「Merlin氏がOrdinalsトークンをブリッジできるBitcoin L2 Chainを開発していて、そこに資産を預けるだけでネイティブトークン($MERL)の20%がエアドロップされる」
この謳い文句で日本円にして5,000億円以上の資産をチェーン上に呼び込んでいます。
ブランド力 × エアドロップによるTier 1 CEX上場スキームサイクル
ブランド力があるMerlin氏がエアドロップを予見させる発表を行うと、それだけで非常に多くのTVLを集めることができています。
これによりTier 1 CEXの上場に重要な数字(コミュニティとトランザクション数)が出来上がります。
Tier 1 CEXに上場すると流動性がうまれ、多くのユーザーに認知されることからトークンに高い時価総額を付けることができます。
高い時価総額がついたトークンを予定通りエアドロップして、協力者を経済的に報いることでMerlin氏のブランド力がより一層高まります。
まとめると、1度ブランド力を付けたファウンダーは以下の好サイクルを回すことが可能になります。
ブランド力を生かして高いTVLを作る
Tier 1 CEXに上場してトークンの時価総額を上げる
エアドロップを実施してブランド力をより強くする
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似たようなスキームを行っている事例としては、BlurファウンダーによるBlast Chainがあります。
【参考】Merlinに関連するエアドロップ
$VOYA
Merlin Chainに資産をブリッジしていると、1アカウントあたり 80$VOYA = 約75,000円がエアドロップされました。
Memeコインではありますが、Merlin Chainで発行される初のコインということもあり、高い時価総額(執筆時で約75億円)が付いています。
Merlin Chainの伸びによって、さらに時価総額が伸びる可能性があります。
$MERL
$MERLはMerlin Chainのネイティブトークンです。
Merlin Chainにブリッジしている資産のTVLに応じて1時間ごとに配られるM-ポイントに応じ、発行トークンの20%が分配される予定になっています。
今後の展開
TGE & CEX上場の可能性
4月末にM-ポイント集計が行われ、TGE & CEX上場されると予想されています。
海外Tier 1 CEXへの上場は下記取引所が濃厚であり、前述した通り高い時価総額が付くことが予想されます。
OKX(資金調達済み)
Bybit(チェーン対応済み)
上場が実現されるとステーカーに対して$MERLのエアドロップが実施され、Merlin氏のブランド力はより一層強固なものになると考えられます。
まとめ
本記事ではMerlin Chainに学ぶTier 1 CEX上場スキームを解説しました。
今回取り上げたMerlin Chainでは、影響力があるファウンダーがエアドロップを匂わせることでTVLを集めています。
その結果、最速でTier 1 CEXの上場要件であるトランザクションとコミュニティを満たし、今後控えている上場を機にさらに時価総額が上がると我々は考えています。
本記事をご覧になったご担当者様の中には「自分たちには影響力がないからTier 1 CEXへの上場は難しい」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご自身では気づきにくい強みをお持ちのケースが多々あります。
0xCでは企業様のアセットを活用し、トークンの時価総額を上げるご提案も行っておりますので、トークンを発行する事業をご検討の企業様はぜひお気軽にお問合せください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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執筆:0x Consulting Group 山角(Xアカウント@yamashin_web3)、田島
監修:0x Consulting Group CTEO 中田翔平(Xアカウント@nanin678)