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「終わり良ければ全て良し」と「着地」

 突然ですが「終わり良ければ全て良し」という考え方をどう思いますか?  

 個人的には「過程の方が大切」だと思わないとモチベーションが湧いてこないタチなのでこの考え方はあまり馴染まないのですが、その一方で物語を執筆しているとこの考え方の見方が変わる事があります。

 物語の執筆において「終わり良ければ全て良し」とは、ハッピーエンドならそれで良しという話ではなく、「物語をしっかり着地させる事ができたら全て良し」という意味なんだと思います。

 例えば、名作少年漫画『HUNTER×HUNTER』の「暗黒大陸編」をイメージして下さい。あんな風に「未知の大陸での大冒険が待ち構えている!」と風呂敷を広げるのは割とハードルが低いのです。
 本当に難しいのは、その広げた風呂敷をしっかり回収して畳んで「物語を着地させる事ができるのか」という部分。
(『HUNTER×HUNTER』を下げる意図は無いので悪しからず。ビスケ大好きです)

 「風呂敷を広げるだけ広げて謎をたっぷり残したまま終わる作品」と、「風呂敷をコンパクトに広げて謎を解消して終わる作品」なら圧倒的に後者の方が読後の満足感が高くなるのです。

 なるほど、こういう意味においては「終わり良ければ全て良し」という考え方が自分にも馴染みそうです。
 体操選手も飛行機のパイロットも、着地が一番難しいと聞きます。執筆者も丁寧な着地への意識を求められているのだと思いました。

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九条ゼロレンヂ
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