新日本FC その28:文春とColaboと東京都の言い分の食い違い
【新日本ファクトチェックセンター】
引き続きColabo関連で考察を進めたい。
■Colaboの四半期ごとの報告額と実際の支出額との不一致について
本件で、暇空氏ら「疑惑追及側」からの「ココの金額が奇妙に不一致であり不備である」旨の指摘に対して、Colabo側は公式で「都の正式な了承を得た上でそのような形の報告をしているので、何ら不正ではありません!」的な回答をして「故に指摘は的外れ」と正当化している部分が少なからずある。
典型例の一つが、Colabo公式補足説明2のところで言及されている、「四半期ごとの報告額と実際の支出額との不一致」について。
要は「四半期ごとの報告額の数字が目茶苦茶で、実績と大きくズレまくっていている」という点の指摘であって。
それに対するColabo公式補足説明2の資料は以下にある。見てみると。
https://colabo-official.net/wp-content/uploads/2022/12/9111a466505ad23e518b1ed113c0ce3f.pdf
>四半期ごとの報告額と実際の支出額との不一致について
>車両関係費について、「四半期ごとの都への報告の金額と、年間の個々の実際の支出の内訳を事後的に、各四半期ごとに分類して集計してみた金額とが一致しない。これはおかしいのでは」という意見が見受けられます。
>この点については、以下のとおり実務上の事情があり、何ら不正なことではありません。
>四半期ごとの都への報告の金額は、実務上、仕訳がすべて完了していない等で必ずしも厳密な確定的金額ではない事情があり、いわば暫定的な性質を有することは否定できません。
要は『暫定の数字で報告しているから数字が(大きく)ズレているけど、何ら不正ではない!』という論理でColabo側は本件をこれまで正当化していた模様。
普通に考えればかなりおかしな話だ。
更に、実は今は既に削除されているが、当初の「補足説明2」には以下のような文言もあった(後にColabo側がこっそり削除)
>「東京都も承知の上であり、今まで毎年度このように処理しており」
で、その点について東京都側から「Colaboに対して『四半期ごとの都への報告は暫定的な金額でいい』なんて事は了承してないよ」という回答が正式にあった模様。
東京都への報告金額は調整ずみでいいというコラボ言い分について、東京都が了解した文書はないそうです。
←13日前のColabo・仁藤夢乃氏弁護団の言い分、何が根拠だったんでしょう?
エコーニュース
つまりまとめると、
①Colabo側は「『四半期ごとの都への報告は暫定的な金額でいい』という点は東京都も承知の上であり、今まで毎年度このように処理してきた」と主張していた
②しかし東京都側は「そんな事はウチ(都)は承知してないよ」
と言っていて、双方の主張が大きく食い違っている、という事実が本日、ほぼ完全に判明した訳だ。
実際、都とColaboとの事業委託の委託契約書を見ると
>受託者は、事業の進捗状況当を明らかにするために、都が定める様式により、四半期ごとに実施状況報告書を作成し、都が指定する期日までに提出すること。
>受託者は、本事業実施に係る収支に関する帳簿、領収書その他の諸記録を整備・保存し、常に経理状況を明らかにしなければならない。
と書いてある。
この委託契約書の中身を見る限り、受託者であるColabo側は「常に経理状況を明らかにして、四半期ごとに報告書を都に提出する義務」を負っていた、としか読めない。
「暫定金額でいいよ」なんて旨は委託契約書の何処にも書いてないし、今回の都の回答を見ても「都が暫定金額での提出を許可している」旨の議事録や変更覚書等の公文書も一切存在しない、ということだろう。
つまり、「この点のColabo側の補足説明2による正当化論理は真っ赤なウソだった」ということではないか?
ワイも専門家ではないので法的解釈の正確なところは不明だ。
が、類似した案件から推定はできよう。
例えば「有価証券報告書の虚偽記載」という件について考察すると。
■「有価証券報告書の虚偽記載」の場合で考察
「有価証券報告書」は、事業の状況や貸借対照表などの公式の企業情報のことで、株式会社等は事業年度毎(毎年)に国に提出する義務がある。
例えば日産のゴーン被告(68)&ケリー被告らによる有価証券報告書の虚偽記載の場合。
ゴーン元日産自動車会長の報酬開示、「不記載」ではなく「虚偽記載」と有罪判決
>8年間で約91億円の報酬を有価証券報告書に記載しなかったと認定し、有価証券報告書への「虚偽記載」に当たると判断した。
国は日産から毎年有価証券報告書を受領はしていた。が、何年も前の分の有価証券報告書についても「虚偽記載」として日産の取締役であったケリー被告に有罪判決が出ていたりする。
これは日産だけでなくライブドア事件なんかでも同様である。
つまり「行政(国や都)が(有価証券)報告書を毎年受領していた = 報告書の内容の正しさを国や都が認めてOKを出した = である以上、後から報告書の不備が発覚したとしてももう法人側を罪に問うことはできない」みたいな「責任逃れの論理」は「成り立たない」ということを意味するはず。
つまり、財務報告などの資料の正しさを担保する責任は「あくまでも法人側」にあり、もし「虚偽報告」をしていた場合、一義的に責任を問われるのは「あくまでも法人側」である。その責任は「行政(国や都)が報告書を受領してから数年後」、等であっても変わらない、ということ。
ま、これは「有価証券報告書」のケースだが、東京都の事業委託の報告書(会計資料)についても概ね同様ではないか、と推定される。
東京都は「常に経理状況を明らかにして四半期報告書を提出せよ」という契約をしていた。
故に受託者であるColabo側には正確な報告書を提出する義務があり、もしそこに不備(虚偽記載)があったのであれば、たとえ数年前の報告書であっても、その虚偽記載の責任は(一義的には)法人(Colabo)側が負うもの、と考えられるだろう。
■本件で文春砲が炸裂した
当ブログでは前々回記事(その26)で、
>メディア側の中にもようやく、『Colaboや都側の疑惑』をきちんと取り上げた、まともな報道記事が出て来始めた模様
と言及していた。
そして昨日、満を持して「文春」が本件の記事を公式に取り上げた。
仁藤夢乃さんとColaboをめぐる騒動、「本当の問題」は何だったのか
「地獄の門」と化したColabo騒動、東京都や国に問題はなかったのか
これは結構、本件の情勢に変化を与える、影響の大きな話だと考える。
朝日とか東京新聞とかの本件記事は、あくまでも「Colaboサイド」の一方的な視点で「東京都の男性がColaboに対し誹謗中傷を繰り返している?」という点のみを問題視した(偏った)、Colabo側の御用記事、提灯記事でしかなった。
しかしこの文春記事はそれらとは全く違う。
文春記事は仁藤夢乃氏らへの配慮(忖度?)もかなり感じられる書き方ではあるが、一方で「Colabo」「東京都」「厚生労働省」の三者側の「問題点・疑惑」についてもそれなりにガッツリと言及している記事である。
>東京都からの委託事業や交付金を受け取っていながら、都などに報告する活動計算書ほかの書面に不適切な仕訳の支払いがあることが発覚した
>事業報告も雑であって、結果的にザル同然の税金つかみ取りになってしまっていた
>審議会中に当事者である仁藤さんが堂々と予算を増やすよう要請しており、完全な利益相反になっていて客観的で公平な審議になっていない
>迫害を受けてシェルターに逃げ込んできたはずの少女(若年被害女性)の衣食住を担う団体のトップが、女性を沖縄に連れていき座り込み活動や反基地運動への教導を行っていることが明らかになっており、これらの活動に対して事実上、一部税金で女性をオルグしていることになり、さすがに問題ではないか
等々、「不適切会計」「利益相反」「不適切な政治活動へのオルグ」への言及がある点は評価できる。
しかも、週刊誌で最大手級の「文春」の記事である点が影響度大で。
以下を見ればわかるが、印刷証明付き部数で比較しても文春はダントツのトップ。朝日の「AERA」なんぞの9倍程度は売れている模様。
うむ。そしてその記事はYahooニュースにも転載されている。
■もはや「一部ネット民による誹謗中傷?の問題」とやらは完全に「本質から外れた枝葉末節」の脇道でしかない
本件、Colabo擁護側(や東京都ら)としては「騒いでいるのは勘違いしたネット民の一部(アンフェ?)だけ」みたいなストーリーを造って誤魔化そうとしていた模様(朝日新聞や東京新聞らもそれに全面協力?)。
「不適切会計」等の疑惑を指摘するネット民達に「一部の偏った差別主義者!」等のレッテルを貼ることで、批判や疑惑に向き合わず領収書等も提示せずに逃げ切ろう、的なムーブに見えていたのは事実であって。
しかし文春砲が炸裂した今となっては、「なんか東京都の公金(税金)をColaboが不適切に貰っていたらしい?」という疑惑・問題は、完全に「ごく普通の人が抱いている疑惑・問題」になっている。
文春記事を読んだ「普通の人」の大半は、「結構大きな疑惑だな。真相はまだわからないけど、本件は第三者機関が暗部にメスを入れ、きっちりチェックしてまず真実を明らかにして欲しい」と考えるだろう。
そうした「普通の人達の当然の疑念」に対し、「領収書」等の証拠も示さずに「不正など一切ありません!」とただ強弁するだけでは、「ますます疑念は深まった(キリッ」にしかならないのは自明の話であって。
Colabo関連のツイート数も、「例のリーガルハラスメント会見」から急増して全く衰えを見せないままで。
Colaboへの言及数、記者会見から急増したデータが示される 炎上が得意なことが裏目に
はっきり言えば、「こんな大問題になって文春砲まで炸裂した」時点で、Colabo弁護団側の「戦略的な敗北」はもう確定しているようなものだと考える。
もし仮に東京都がColabo側と完全にグルになり、都による住民監査の結果で「特に不正等問題はなし」みたいな形を出してきたとしても、「それでシャンシャンと終わる」とは到底思えない。
本気で疑念を晴らしたいなら、最低でも「都議会で、各政党各会派の議員の立会の元できっちり領収書をチェック」みたいなことをガッツリ実施しないとダメではないかなぁ。既にそういう状況に見える。
尚、当記事は以下リンク先の個人ブログが本家である
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