ヒーローはもういらない

ぷぱぱぷぱぱぷぱ～
どうも、あなたの勇者ぜろ子でございます。

普段政治や経済のニュースでよく叫ばれている言葉に『リーダーがいない』というものがある。しかし、そういったことに疑問を抱いている。

これまで人々は救世主を求めてきた。イエス・キリストや仏陀、孔子にアブラハム、ナポレオンにリンカーン。何人もの救世主に救いを求めてきた。彼らのような、俗に救世主や英雄と呼ばれる者たちの功績は、確かに誇れるものではあるし、社会に大きな便益をもたらしたのは間違いない。しかし、同時に彼らのビジョンに盲目的に礼賛した結果、数多の悲劇も繰り返されてきた事実からは決して目を逸らしてはいけない。

それにもかかわらず、経済学や政治学の本やニュースに触れていて感じるのは、人々は未だに壮大なビジョンを描き、強力なリーダーシップで自分たちを導いてくれる救世主を求めているということだ。しかし、そういった自分よりも大きな存在を求める風潮を引きずっているから、ポピュリズムから宗教戦争、家父長制まで、様々な問題が未だにこの社会に残っているのではないか。僕ははっきりと言いたい。現代のこの世界の対立や行き詰まり、閉塞感を生み出しているのは、正にその『救世主（リーダー）』と『盲目な信徒（フォロワー）達』なんだと。

異端の経済学者と呼ばれているヘンリー・ミンツバーグは著書でこう述べいている。

『リーダーシップの不足が叫ばれているが、実際はリーダーシップの過剰が問題だ。リーダーシップはもう十分だ。本当に必要なのは”コミュニティシップ”だ』

この世界をこれまで動かしてきたのは何も救世主達だけではない。幾万人もの名もなき人々の支えなしには現在の繁栄はなかったし、彼らの栄光もその人々の上に成り立っているという現実をわすれてはならない。それに、僕達がそんなリーダーを求めるのは、リーダーの側にも強いストレスを与えることになる。そんな、そんなリーダーの一度の失敗を棚に上げ、手のひら返しをするような卑怯なことはもうやめよう。何かの偶像を崇めて、考えることや責任を担うことから逃げるのはもうやめよう。

これからの正解で求められている人間は、壮大なビジョンを描き、迷える人々に確かな答えを与え、強力に導く者ではないと思う。むしろ、迷える人々と共に迷い、彼らを支え、いくつもの矛盾の中で、その矛盾を無理に解決するのではなく、そのまま抱え込むことができる者ではないだろうか。
正しい答えではなく、確からしい答えを考え、彼らと共に何かを創り上げていく者ではないだろうか。そして、僕達自身も自ら考え、責任を担っていくことが求められているのでないだろうか。

もう疲れた。

良い夜を