やむを得ずRTA未経験者に解説を依頼するときに心がけていること

(8/24タイトル・人選に関する記事を加筆修正)
RTAイベントに出ると、ゲーム中に話せないので解説者をつけたくなるケースも少なくないと思う。しかしアクティブプレイヤーがほぼいなく、未経験者に解説依頼をすることがあると思う。この記事ではどうしても未経験者に解説を依頼せざるを得ない際、私なりに考えていることを簡潔にまとめる。これからイベントに出たい・出ることを考えている諸君の参考になれば幸いである。


人選・解説原稿の作成

人選に関しては、プレイヤー自身が信頼を置く人物に依頼することが必須である。私の場合、ここ最近はF-ZERO X関係の解説は貧弱さんにお願いしている。理由であるが、同志であるF-ZERO Xのタイムアタック経験者が別のRTAをしている際の解説として見かけたことがきっかけである。同じゲームの同志が背中を預けている、グリッチを多数使うRTAにもかかわらずわかりやすい説明をしていたこと、ゲームのやり込みに関する思想が一致していたことが決め手である。
原稿の作成に関しては、プレイヤーが行うのが当然であると考える。
昨年のRiJ2023Summerの解説原稿(というか解説動画)も、原案は自分が作成した。
理由は下記2点

  1. 人にお願いする立場である。

  2. 基礎からコアプレイヤーしか知らないようなマニアックなスキルまで網羅した解説を要求するのは未経験者にとって負担が大きい。

上記2点から、解説者がやりやすくするためにもプレイヤー側が提供できる限りの情報を与えサポートするのは必要不可欠である。
文書だけでは伝わりにくいので、写真や動画を使ったビジュアルがあると理解が進みやすい。

私の場合、すでにグランプリの解説動画を作成していたのでこちらを渡した。RiJ2021はF-ZERO XのGPで、RiJ2023SummerはExpansion KitのBeat All Staff Ghostで出たが、使用するテクニックに大差はない。ただしExpansion Kitの追加コースは動画の作成が間に合ってないため、こちらは文書と、後述する私の実演を原稿資料とした。

プレイヤーは出来るなら、このような動画資料は作った方が良い。私が作成した目的は以下2点

  • 後発プレイヤーに向けた遺産作成

  • 解説の属人化を避ける

そして原稿に関しては、WordのようなドキュメントではなくGoogleスライドで1コースに1枚割く形で作成した。枚数こそ多くなってしまうが、コースごとにページが分かれるし文字も大きく出来るので見やすさは上がる。またF-ZERO Xは1コースが最長でも2分程度とかなり短いため駆け足の解説となるので、ポイントは箇条書きにしてまとめた。

原稿の内容

一言で表すと、無色でニュートラルなものを目指した。
自分がやる場合も解説をお願いする場合も、プレイの技術解説とゲームの背景世界の説明を中心とした原稿を組み立てるよう心掛けている。時折ユーモアやジョークを交えるが、次の瞬間には何事もなかったかのように進める。
面白味も何も無いと感じるかもしれないが、視聴者の理解を助けることを優先目標にしているので、これらの情報に余計なものはなるべく加えない。

このように原稿を作り、貧弱さんに解説をお願いした。

経験の蓄積

実はRiJ2023Summerの本番前のリハーサルは会場で1回しかやっていない。しかしRiJ以外にも多くのイベントに参加し、経験を積んできている。
まずレースゲームのRTAイベントであるRCG Speedrunで解説していただくようお願いしたのだが、その前に名古屋RTAがあり良い機会だと思うので参加をお願い、更に十勝RTAフェスでもたまたま同席することがわかったので依頼、その後ニンテンドーRTAにも参加と経験を積んできた(余談であるが、今年のGWの名古屋RTAオフも一緒に参加を予定していたのだが、こちらは私がコロナにかかったのでお流れになったのである)。
誤解の無いように言っておくが、RiJの原稿作りのために他イベントに参加しているわけではなく、実戦参加と改善を繰り返しながらより良いものを作っていく。やはり実戦に参加するのが一番。

実演による手本の提示

お願いするだけでなく、各コースごとにどのような解説をするか手本を見せるのも良い。

ちょうどJapanese RestreamのSGDQにて同じゲームが披露されるので応募(というかこのゲームのアクティブプレイヤーで解説できるのは日本中探しても今は私しかいない)。私自身がコースを走るときに考えていることを言語化する滅多にない機会である。走法とコースの知識はすでに入っているので原稿なしで行っている。ちなみにこの回だけでなく、私が参加したJapanese Restream のF-ZEROシリーズ作品解説はほとんど原稿なしで行っている(原稿を作り監修までいれたのはGXのSnakingくらい)。
もちろん、貧弱さんのRiJの原稿作成の参考資料にする目的も兼ねてのこと。実際に本番前の原稿作成の際に見ていただいた。

ここまでプレイヤー側の負担が大きすぎないかと思うかもしれないが、相手方に無理を言ってお願いしてるのでこちら側がそれを負うのは当然のことであると思う。

第三者によるチェック

これは本番直前の思い付きで行ったことであるが、当時私が借りていた64DDのオーナーにリハーサルの様子を見ていただき意見を聞いた。
より内容をブラッシュアップするために、アテや余裕のある方はやってみると良いと思う。

まとめ

  1. 解説原稿はプレイヤー自身が作る

  2. 原稿の内容は無色・中立を心掛ける。余計なことは最小限に

  3. 実戦経験と修正の繰り返し

  4. プレイヤー自身が解説を実演してみせる

  5. 可能ならば第三者のチェックを入れる

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