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自由エネルギー原理とか予測符号化を、野球のバッティングで喩えてみる(9/5投稿 9/17追記更新)
「自由エネルギー原理」とか「予測符号化」って概念あるじゃないですか?
情報科学や神経科学とかAI関連とかでよく耳にするのだけど、あれって(私のような)一般層に解りづらいと思うのだけど、MLBとかの野球で打者が投手の投げた球を予測してバッティングする解説に喩えるとわかりやすいんじゃないかと思うのよね。
※一応ChatGPT先生に添削してもらったんだけど、当方数式も理論もきっちり理解してない文系素人なので、誤解や誤読があればごめんなさいですw
自由エネルギー原理は、簡単にいうと「生物の知覚や学習、行動は変分自由エネルギーと呼ばれるコスト関数を最小化するように決まり、その結果生物は外界に適応できる」という理論。
予測符号化とは「脳が環境から得られる感覚情報と過去の経験や知識、他の感覚からの情報を基に、予測信号と実際の入力との誤差を最小化するように情報処理を行う仕組みです。
投手の投げた球がストライクゾーンに来るまでの、0.5秒先の未来を打者は脳内で予測する。
投手が投げる前から、その投手の球速・球種・軌跡といった情報(MLBの公開情報や独自収集した統計データ)は「事前予測」として脳内に展開されている。
例)この投手のストレートは160Km/h。ベース到達まで0.4秒。持ち玉はストレート(50%)・スプリット(25%)・スライダー(25%)とか制球とか
事前予測とは、過去のデータを分析し、未来の出来事やトレンドを予測する手法です。これにより、意思決定の精度を高め、リスク管理を向上させることができます。大量のデータと専門知識が必要です
試合の点差・アウトカウント・ボールカウント・ランナーの存在etcなどの「状況変数」を事前予測に追加して、脳内の確率分布を変化させる「ベイズ推定」を行う。
例)ランナーがいるからスプリットは考えづらい・初球ストライク欲しいから制球良いスライダーの確率を上げて、スライダー60%ストレート20%ストレート20%に修正とか
ベイズ推定とは、観測データと事前の知識を組み合わせて、未知のパラメータや事象の確率を推定する手法です。ベイズの定理を用いて、事後確率を計算します。これにより、柔軟で直感的な推定が可能です。
投手がボールを投げる時点から、投球フォームのクセ・球の軌跡・速度・高低を視覚情報から直感的に判断して、脳内の「事前予測」を適宜更新してストライクゾーン到着時の「事後予測」の分布確度を上げていく
例)この軌跡と速度なら外に逃げるスライダーの可能性が更に高い。0.5秒後に外角低めを予測するので予測タイミングでスイング開始とか
事後予測とは、観測データを基にして未来のデータの分布を推定する手法です。ベイズ推定を用いて、事後分布から新しいデータの出現確率を計算します。これにより、より正確な予測が可能になります。
現在は真ん中に来そうな球であるけれども、この投手のスライダーはスイングの間に外に逃げるので現実には外の低めに20cmズレた到着点を予測してスイング軌道を修正する。
例)予測したボールと合致したタイミングでボールが来れば、「自由エネルギー原理」における「変分自由エネルギー」が最小化された結果として、バットはボールの中心を捕らえてホームランという結果となる。とか
変分自由エネルギーは、脳が外界の情報を予測し、その予測と実際の感覚入力のズレ(予測誤差)を最小化する原理です。このズレを減らすことで、脳はより正確な認知を行います。
主観的な予測と客観的な現実の間のギャップを埋めるために、脳は内部モデルを更新し続けます。これにより、環境への適応が促進されます。
予測がズレた場合は、ミスのポイント、ボールカウントの変化や投手心理等を「状況変数」として次予測に取り込みながら新たに事前予測を設定する。
同じ投手や、類似の状況、類似の球速・球種、投手のクセなどのデータを、経験・学習していく事により、「フィードバックループ」を重ねて「予測精度」を向上させながら良いバッターに成長していく。
フィードバックループとは、行動に対する成果や情報を利用して、その結果を改善や調整を図るために、フィードバックを繰り返すプロセスです。システム思考の1つで、解決すべき課題を「システム」として問題にアプローチしていきます。
勿論、打者と同様に投手側も過去の対戦データを元に、予測符号化して打者の行動を外す方向に、良いピッチャーに成長していくわけです。
相互に適者生存のための淘汰圧を掛け合って、刻々と変化する外部環境に適応進化する優秀なピッチャーとバッターが、MLBのレギュラーの世界で生き残っていくのだろうと考えます。(進化論と同様に)
結論。
大谷翔平選手は、高校生時代からMLBで成功するための長期目標設定(マンダラチャートとか)と短期目標設定(年単位・ゲーム単位・打席単位)を階層的に行い、外部環境適応のための肉体改造や結果を出す為の充分な睡眠等々の準備の結果、世界最高峰のMLB野球でも成功していると聞きます。
0.5秒先も15年先も未来予測として高い精度で行い、自由エネルギー原理を無意識的に完璧に理解しているかも知れない…
大谷翔平選手は素晴らしい!w
9/9追記。
Amazon注文してた谷口忠大先生の「記号創発システム論」が6日に届いて、つらつら読んでたら、Ⅲ-7世界モデルの章で普通に同様の野球の喩えがされてた…w 私の浅い考えも酷くズレた喩えでもなかったのかもと少し安堵
Ⅲ-7 世界モデル 主観的な経験から世界を学ぶエージェント
執筆者は鈴木雅大先生
9/9 追記2
2024/09/07 のプレジデントオンラインの記事で、大谷翔平選手とダルビッシュ有選手のデータ活用方法と彼らの考え方の推察記事が出てた。興味深い
ダルビッシュと大谷は違った。先に仮説があるのだ。
「仮説」とはもともと“投げたい球”のことだ。自分にとって投げないといけない球、“必要な球”がわかっていて、実際に投げた球が、自分が思っている通りの球になっているかどうかをデータで確認している。だから1球1球、確認する必要が出てくる。
自分の理想(脳の内部モデル内で想定するパフォーマンス)と、実際の測定結果を比較して、差異の部分に着目し最小化するための方策を考える。
それはバットスピードを上げるための肉体改造だったり、球速増大や球種変化を大きくするための技術向上や肉体改造だったりするのだろう。
外部環境の変化に合わせ、内部モデルを更新する。
内部モデルを実現するための外部出力(筋肉や技術)を更新する。
計測データ(客観)と内部モデル(主観)の差分を認識する。
各々の更新のフィードバックループというサイクルを続ける。
そうして生物(人間:MLB選手)は進化していっている気がします。
結論2 大谷翔平選手もダルビッシュ有選手も素晴らしい!!