”バックパスブチギレおじさん”に聞かせたいサッカーの初歩的なお話
どうも、ゼロファジです!
スタジアムでサッカーを見ていると、たまにこんなおじさんを見かけることありませんか?
「バックパスするんじゃねーよ!怒」とか、
「はやく、前へ前へ!怒」とか。
劣勢の時攻撃がうまくいかず、ついついイライラしてヤジり倒してしまう。そんなおじさんが日本のいたるところで出現しています。負けたくない気持ちはわかるけど、まず声がうるせーし、人のイラ立ち聞いてるとこっちも焚きつけられてイラついてくるしで全然いいことがない。もーあれはほんとむり!!って思う人も少なくないんじゃないでしょうか。
あのおじさんたちはサッカーを知らない!
あのおじさんたちは何かを間違っている!
そう言ってやりたい気持ちはあるんだけど、「でもあのおじさんたちは何を知らなくて、何を間違っているんだろう?」ってなることありませんか?
そこで、今回は”バックパスブチギレおじさん”や”玉砕明白前へ前へおじさん”に、こういうことを知ってもらえるとみんな幸せになれるよ!というお話をしていきたいと思います。あなたがいつか困ったときにこの記事を使ってもらえたら幸いです。
※怒りまくってる人にスタジアムで何か語り掛けるのは無駄です。ただのトラブルの元ですので、その点だけはご注意くださいましね。
1.サッカーの守備力はいつマックスになるの?というお話
まず最初にチェックしておきたい話は”算数”のお話です。サッカーではGK1名、FP(フィールドプレイヤー)10名の11人で1チームを構成しますよね。で、GKは主にPA(ペナルティエリア)内を守るので、のこりのFP10人で広大なピッチを守ることになります。
では、ここで問題です。
Q.自分たちの陣地を守るのに10人中何人守備に充てればチームの守備力はマックスになるでしょうか?
A.FP10人全員
(「バカにするな!」と怒られそうですが笑)
細かい条件は省いたとして、FP10人全員が守備に戻っているときそのチームの守備力はマックスになっていると考えていいです。一応図にて確認しておきましょうか。
このように相手ボールのときに、10人全員が守備にはいって立ちふさがる状態の時に守備力はマックスになります。
まとめ1
・サッカーの守備力は11人全員で守るときマックスになる
2.攻めると減っていくサッカーの守備力の話
サッカーでは守ってばかりでは点は取れませんから、攻撃に出なければいけません。ここが大事なポイントなんですが、攻撃に出るとその分単純に守備力は減っていくことになります。これを”おじさんたち”は理解していません。どういうことか?再び図でみてみましょう。
図の左から右へ攻めるとして、いまボールを持っている選手の前方に5人の選手が攻撃に出ていますね。全員敵陣にポジションを取っています。このままシュートなりゴールにつながれば何も問題はないのですが・・・
サッカーでは攻守の切り替えがあるので、攻撃している途中で相手ボールになってしまうことがアホほど起きます。
では、この状態でボールを相手に奪われたとするとどうなるか?
ボールを失った選手が即座に守備に入れないとすると、相手ボールに立ちふさがって守備に入れる人数何人います?・・・・たった4人ですよね。
マックスのときの図をもう一度貼りますので比べてみてください。
守備力マックスのときと守備力4人しかないとき、両者を比べてみてわかってくることは、単純に守備のマンパワーが減りまくってるということ、守備のマンパワーが落ちてると相手が攻めやすいスペースがめっちゃ広くなること、が一目瞭然ではありませんか?
このように、攻撃に出ていくことはいわば守備力を減らしてでていくことでもあるわけです。リスクを負うのでリターンも見込めるということですね。ですから、攻撃の時はリスクを意識してみてあげないといけません。これは超超重要な観戦基礎スキルです!
薄氷を踏むようにとは言いませんが下手な攻撃をやってしまうと単純にピンチの数が増えるだけですので、
”うまく攻撃できそうになかったら無理せず戻して仕切りなおす”
→バックパス
”前に進みたいけど雑にプレーするとボールを失ってしまうので焦らない”
→慌てて前に前に行かない
というプレーとなって表現されるわけです。これについて怒りまくっとるわけですよおじさま方は。そりゃ無理な話ってもんですよ笑
まとめ2
・サッカーの守備力は攻撃する時に減っていく
・攻撃していくときはリスクを背負ってることを意識して観戦すべし
3.攻守の切り替えと攻守のバランスを意識しよう
先述のとおりサッカーは流れの中で攻守が入れ替わることがめちゃくちゃたくさん起こるスポーツです。ですから、野球みたいに攻撃する側、守備する側がしっかり分かれているわけではないので、そういうスポーツとは違うスポーツなんだと意識しておく必要があります。
また、そういうスポーツだからこそ大事なのが攻守のバランスです。どのくらいリスクをかけて攻撃して、どのように保険として守備力を保持しておくか?こういうことを意識しながらチームは攻撃に出ていくわけです。だから攻撃の時にも守備を、守備の時にも攻撃を意識して見る。その意識だけで相当見えるものが変わってきます。
例えばチームが攻撃しているときに「攻撃がうまくいくかな?点とれるかな?」と思うのは当然ですが、それと同時に攻守の切り替えや攻守のバランスを意識して「守備になったとき大丈夫かな?変なところでミスらないといいな」と思いながら見れるようになったら、それだけで同じレベルの人をごぼう抜きできるくらい観戦スキルが上がりますよ、いやマジで!
攻撃と守備のリスク・リターンの話が頭の中に入っていると、どうしても点が欲しいときにチームが博打覚悟で失点リスクをたくさん抱える代わりに前線にどんどん人を送り込んでみたり、とチームの判断がちゃんと読めるようになっていきます。それでうまくいって終了間際に同点に追いついたり、あるいはリスク負けして大敗を喫したり、しょっちゅう起こっています。でも、そういう視点のない人はがんばったから上手くいった。点とらないといけないのに大量失点して何やってるんだ?となっちゃうわけですよ。それはちょっともったいない話でしょう。そこには博打が潜んでる。そのスリル感じた?ってわけで。
まとめ3
・攻守の切り替えと攻守のバランスを意識して観戦する
ここでお話してきたことはとても大事なことで、「そういうものなんだ」と知ってしまえばどうってことのない観戦基礎スキルです。ただ問題は、だれにも教わる機会がないのでおじさんたちはヤジってしまってる事実があるということ。ある意味、彼らとて被害者かもしれない。本当によくないのは知る機会がないことだと自分は思います。
ということで、”バックパスブチギレおじさん”に聞かせたいサッカーの初歩的なお話でした。いかがだったでしょうか?
これは個人的な夢ですが、
サッカーのことをもっと知りたい。ゲームの中身をもっと理解したい。でも、別に指導者や解説者になりたいわけじゃない。あくまでサポーターとして、いち観客として学べたり教えたりできる場。そういう場所をいつか作りたいなと思っています。みんなで詳しくなれる環境があれば、もっともっとみんなでサッカーを深く楽しめるはず。そうしたらスタジアムで不必要にいら立つおじさんもいくらかは減るのになぁと。一緒に考えてくれる仲間がいればいいのになあと思っています。
そんなのあったら絶対楽しいと思うんだよなぁ笑
それではまた。
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