ファジアーノ岡山vs徳島ヴォルティス マッチレビュー 【1-2】
中2日でよくがんばった!
監督自らが緊急事態と口にするほどのけが人続出のファジアーノ岡山。苦しい台所事情が改善しないなか、中4日、中2日の過酷な連戦を戦いました。仮にターンオーバーがちゃんとできていたとしても中2日は厳しいものです。しかしながら、スケジュールをこなすのがギリギリという中でも本当によく戦ってくれたなと思いました。
スタメン
清水戦に出て山形戦を休み、この試合に出てくるのでは?と思われた竹内涼がベンチ外。ケガでしょうか?かわりにこの試合に一応高橋諒が戻ってきました。しかし、コンディション調整とかほぼできてないぶっつけ本番でのメンバー入りと。もうほんとむちゃくちゃですね!という惨状です。
対する徳島は3142のフォーメーションでしょうかね。もともとはボール保持にこだわりの強いチームですが、この試合の前に監督が正式に増田さんに決まり、やや現実的というかJ2っぽいサッカーにシフトチェンジしつつあるのかな?という感じがしました。ちなみに、監督交代後は負けていないとのこと。
試合の流れ
徳島も3バックなので、割とマッチアップははっきりしやすいゲームかなというのが率直な印象でした。岡山はルカオへのロングボールでゲームに入り、しだいに左サイドからの攻撃回数を増やしていきます。
おたがい一進一退の攻防をしていた中で、37分徳島のGKからの展開。岡山の前プレをはがしてチアゴにドリブルで仕掛けさせることに成功した徳島は岡山のペナルティエリアの角あたりでFKを得ます。チアゴの強烈なシュートはブローダーセンにはじき出されましたが、このあと同じようなシーンで42分。
やはり前プレをはがしてチアゴにボールを届け、ドリブルで本山をいなしつつチアゴはシュートを選択。これをブローダーセンがこぼしてしまい、亘に詰められ痛恨の失点。岡山はミスが続きますね。
ところが、ATにFKの流れからボックス内で本山遥が押し込み同点。チアゴとの1対1に敗れたリベンジを達成します。
後半開始して徳島の最初のチャンス。ボックス内でボールを受けた杉本のクロスをファーで渡がヘッドで合わせ、再びリードを奪われてしまいます。ここも非常にイージーな失点だったかなと。
その後交代策を相次いで追い上げをはかりますが、そのまま試合終了。連戦の最後は敗戦ということになりました。
直近の岡山対策をコピーする徳島
清水、山形と岡山の前プレ対策が相次いでいた連戦でしたが、徳島も彼ら風にアレンジして岡山対策をコピーして実演してきた試合だったかなと思います。特に注目すべきは4バック化してもいいから、後方でボールを保持する。ボランチは動かさずにこちらのボランチを食いつかせる。そうしておいて、ボランチの背後や脇に展開して中盤の選手がボールを引き出してかわしていくという手法でした。
後半は徳島が早々にリードを奪ったのでさほどではありませんでしたが、前半にはちょくちょくこの形が見られており、中2日と対策するには時間が少ない中でも再現してくるんだなと。今後もこのやり方は踏襲されていきそうな気配がしますね。
敵に回しても話題をもっていくチアゴさん
この試合の特筆すべきプレイヤーはやはりチアゴ・アウベスだったかなと思います。徳島の2トップの右を任されており、岡山サポーターの良く知るプレースタイルでこの試合も活躍していました。一方、守備ではやはり穴なので、普段はほとんどの攻撃を右で作る岡山も、この日はチアゴのいる左サイドを狙うことが多かった。まあ、この辺は痛しかゆし、チアゴ・アウベスを使うとそうなるよね!というのはおなじみだったかなと。
しかしながら、やはり単騎で1対1を挑ませると相当にやっかいなのも確か。特に失点シーンやその前のシーンのように、岡山が前プレに行ったところをはがしていい形でチアゴにつなげられてしまうと、チアゴの得意な形に持ち込ませやすくなってしまいます。対面の本山遥もさすがにチアゴのドリブルに手を焼いていていました。
交代時には足をつったふりをして担架を呼び、コートから出ると普通に歩いて帰っていくといういつものチアゴタクシーを見せていて、そのシーンに会場が沸くという一幕も笑
連戦は終わった!そして補強が来た!
ひとまず地獄の連戦が終わりました。やっと終わってくれたという感じがしますね。けが人は正直いつ戻るかわからないし、戻らないかもしれない。現実的な話をするとこの8試合で1勝3敗4分で勝点7しかとれていません。これは残留争いをするチームの勝点ペースで、この2倍勝点取っても自動昇格ペースにならないほどです。つまり、今岡山が最も弱いグループにいます。
非常に悔しいですが自動昇格とかどうのこうの言ってる場合じゃない。残留はさすがに大丈夫でしょうが、もしこのまま改善しなければボトムハーフに間違いなく沈んでいきます。昇格どころの話じゃないです。どのくらいでけが人が戻り、どのくらいでもう少し勝点が積めるようになるかはわかりません。ですから、このどん底を耐えながら、少しづつ戦力が戻ることを期待しながら、謙虚にPOに入れるように気持ちを向けていくしかないかなと思っています。
そんなどん底の岡山に救世主として来てくれたのが早川選手!浦和レッズ生え抜きの選手で、将来を嘱望される期待の若手です。
こちらは浦和担当のライターのジェイさんのコメント。おそらくシャドーでの起用になるんじゃないでしょうかね。岡山はマジで先制点がさっぱり取れないチームなので、ホントに早川くん頼むよ!!というところです。
浦和の期待の若手のレンタルというと、やはり矢島慎也のことが思い出されます。現大宮監督の長澤徹さんのときにボランチのコンバートされ、その後は基本的にボランチを主戦場としています。
岡山の現状で行くとボランチは比較的人数が若干マシな状況なので、早川くんがボランチで使われることはあんまないと思います。さきほども言いましたがやっぱり得点が欲しいチームなので、そこのスキルを持っている彼を後ろで使っちゃうともったいないだろうなあと。
ぜひ、岡山で信じられないブレイクの仕方をして岡山と一緒にJ1に行ってほしいです。その後はきっと浦和の主軸に名乗りを上げるでしょうが、そうなったらうれしい。ほんとに期待しています。
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