岡山vs藤枝をマッチリプレイするファジサポのAとB
B「あのさあ」
A「お、どした」
B「藤枝戦行ってきたよ」
A「おお、うらやましい。どうだった?」
B「1万2千人も入っててさ、ホーム最終戦でさ、勝ってさ。最高だった」
A「ホーム最終戦をそんな気分で過ごせるってレアだね(笑)」
B「去年の秋田戦とか0-2で負けだったしな(笑)」
A「ああ、齋藤恵太にぶち抜かれたやつ」
B「そうそう。Aは試合見たの?」
A「いや、まだなんだ」
B「じゃあ、またあれやってよリプレイ」
A「お、マッチリプレイ?いいよ」
B「前みたいに初心者にもわかりやすく話してもらえるとうれしい」
A「わかった。プレーオフに向けてしっかりチェックしていこうか」
B「お願いします!」
試合前
A「対戦相手の藤枝は何位なの?」
B「ええと、12位みたいだね。FWの矢村が16点とってて得点ランキング3位みたい」
A「16点はすごいな」
B「岡山は岩渕が12点」
A「こっちもキャリアハイ。ここへきて得点の数が増えてきて非常に良いね」
B「すでに降格チームは決まってるから、藤枝のJ2残留は確定してる」
A「よくもあれだけ選手を抜かれながらスタイルを維持しつつこの順位につけてるな藤枝は」
B「一方の岡山は、勝点61で5位。同じ61点で千葉・仙台と並んでて、60点で山形が猛追してきてる」
A「3位は届かないからなんとか4位を確保したいね。プレーオフをなるべくホームでやりたいし」
B「絶対に勝ちたい試合だったよね藤枝戦は」
A「うん。もうすでにプレーオフは始まってるようなもんだからね」
B「藤枝についてはなんか印象あるの?」
A「いつも思うんだが、藤枝は好きだね」
B「急にストレートな告白(笑)」
A「勝っても負けてもこのチームとやるとサッカー観るの楽しいなって思わせてくれるそういうチームだと思う」
B「ほお」
A「だから、この試合で岡山がどう藤枝と向き合ったのか?そのあたりが楽しみだよ」
B「アライバルインタビューで須藤監督は「状況を認知することをしっかりやっていきたい」と言っていたけど。これはどういうこと?」
A「千葉戦は2-0からひっくり返されて負けたんだよね藤枝は。なのでリードしているときどういう振る舞いをして勝ちにつなげるか、その状況にあったプレーをできるようになりたいという感じじゃないかな」
B「試合運び、ってこと?」
A「たぶん」
B「藤枝はフォーメーションが読めないみたいだけど」
A「3421なら岡山も3421だからミラーゲームになるね。だけど、3142だとミラーにはならない。そのあたりはいつもどうり試合が始まってから配置を確認していこう」
前半開始~15分
1:03
B「岡山がファウルをもらってFKになった」
A「ここ、藤枝の配置を見よう。おそらくFWは2枚。そして中盤が3枚だね。だから3142のフォーメーションになってるように見えるな」
B「ほお」
1:15
A「おそらく6番の新井がアンカー。インサイドハーフ左が梶川、右が浅倉という感じだろう」
B「ということは、ミラーゲームじゃない?」
A「そういうこと。3421同士の対戦じゃないからね。どこかで、こちらの選手の人数と相手の選手の人数が噛み合わない形になるはずだよ」
1:26
B「こんなふうにさ、ボールがポンポン行ったり来たりするときあるじゃん?」
A「うん」
B「こういうときはどう観たらいいの?」
A「どちらのボールになるかを観れば大丈夫だよ。目まぐるしい展開のときはボールを追うのに手いっぱいになるからね」
B「いや、そうなんだよな」
A「どちらボールになるかなーと少し引きで構えておいて、ボールがコントロールされたらそっからしっかり見ていく感じでいい」
1:31
B「結局わちゃわちゃしてたところから、藤枝がボールを蹴りだした」
A「こういうタイミングだね。ごちゃついてるときはこういうタイミングが来るのを待ってればいい」
1:37
B「遥ナイス!」
A「本山いいカバーだったね。いま田上が前に出ていたし、梶川がドリブルが上手いので自由にさせると面倒なところだった。こういう最初のプレーでいいプレーができると選手も「いける!」ってなるみたい」
B「へえ、じゃあ最初のプレーでうまくいくかどうか?もチェックしておいた方がいいんだな」
A「ほら、横浜FC戦の田上とかすごかったじゃない?」
B「あれは凄すぎた」
A「完全にノっていたからね。いいプレーしてノっていけるかどうか?は大事なことだね」
B「遥、期待だな」
2:24
A「ああ、そうか」
B「うん?」
A「藤枝のGK北村はボールの扱いがうまくて、こうやってフィールドプレーヤーみたいに前に出てきてプレーするんだな」
B「なんかCBみたいだね?」
A「まさに。仮にGK北村をCBのように見立てると、藤枝の最終ラインは北村含めどういう並びになってる?」
B「ええと、4バックのような?」
A「そう。3バックにGKがプラスされて4バックのような状態になってる」
B「うん」
A「岡山は前からプレスに行くのが持ち味だよね?でも、前線は3枚だ」
B「あ、人が足りない?」
A「そういうことになる。その辺をどう処理するかが?が見ものだね」
B「なるほど」
A「さらにここで梶川を見よう。手前のタッチラインの方に走っていて、藤田息吹が気にしているでしょ?」
B「あ、ほんとだ」
A「彼は左のIHだから、左WBはかなり高い位置にいるんだろうと考えられるよね」
B「画面に映ってないもんな」
A「藤枝は後ろで4バックのような形でボールを持ち、WBを高い位置に送る。するとこちらのWBが対応しないといけないので足止め(ピン留め)される」
B「ほお」
A「そして広がった左CB-左WB間をIH梶川が使おうとしている。そういう狙いが感じられるね」
B「まじかよ」
A「さらに、」
B「え、まだわかることがあるの??」
A「一美を見てみ。アンカーの新井を気にしてる」
B「うん」
A「このことから最終ラインからアンカーを経由するパスコースを封鎖する意図があることがわかる」
B「なるほど!チラチラ見てたもんな」
A「中央を封鎖された場合、藤枝はどうするのか?見てみよう」
2:28
B「一美がCBに寄せていったけどタテパスが出たね」
A「いや、藤枝はおもしろいんだよなあ」
B「というと?」
A「ここ、右IHの浅倉が右サイドに動いてるでしょ?」
B「うん」
A「そうすると田部井がケアしないといけなくなる。さっき梶川が外にいくと藤田が気にしていたけど、その逆パターンだよね」
B「ああ、そうか」
2:30
A「ダブルボランチの門が開いて、間をCB川島からのタテパスがくぐる格好になった。田部井を開かせて、通すと」
B「なるほど!」
A「そしてFWが落ちてきて、ボールを受ける。きれいな組み立てだ」
B「へえ、おもしろいな」
2:40
A「うん、藤枝はこの川島が結構キーマンぽいな」
B「さっきもタテパス一本通してたもんね?」
A「そうそう」
2:44
B「ここもロングフィードを矢村に通した」
A「長短のキック精度が高く、またどこに送るか?誰に送るか?よく見ている」
B「じゃあ、岡山は彼を自由にしちゃだめってことだよね?」
A「そうそう!だけど」
B「だけど?」
A「藤枝は4バックっぽくなり、一美はアンカーを消さないといけない」
B「あー」
A「前プレでどう藤枝を封じるか?見ものだなこの試合は」
3:33
B「ゴールキックをモヨと一美が競り合う」
A「このモヨは身長どのくらいあるの?」
B「ええとね、長崎からレンタルできていて181㎝あります」
A「あ、サイズがあるんだな。末吉って身長どのくらいだっけ?」
B「末吉は166㎝だよ」
A「あら、末吉vsモヨは高さのミスマッチか」
B「だいぶ身長差があるね。15㎝っていうと」
A「ハイボールになると末吉vsモヨは不利だな」
B「体つきもゴツそうだしね」
4:01
A「左サイドのスローインからの展開」
B「ここうまかったなあ」
A「一美に喜丈からうまくボールを入れていってのサイドチェンジだったね」
B「そして本山遥のクロス」
A「相手が寄せてきていたので難しいキックにはなったけどボールスピードもあっていいボールだった。これで岡山は攻撃のSTEP2を完了だ」
B「攻撃のSTEP2?」
A「サッカーの攻撃は3つのSTEPで考えるといい。特にSTEP2ができているかどうか?が重要なんだよ」
B「ほお」
A「シュートを打つか、クロスを上げるか、ラストパスが出せていたら、その時点で攻撃の形は完成したとみなしてOK」
B「そうなんだ?でもゴールにはなってないけど」
A「うん。でもゴールが生まれる可能性のあるアクションは起こせてるでしょ?ボクシング例えるならパンチは出せたみたいな感じかな」
B「ああ、なるほど」
A「うまくヒットすればダウン(ゴール)になるかもだけど、少なくとも手は出せてる」
B「そうか、攻撃ができてるってことか」
A「だから、攻撃のSTEP2をどれくらいできるか?という手数、そしてどれくらい可能性高くできたか?という質。この2点に注目していけばいいよ」
B「わかった。手数と質だな。シンプルでいいな」
4:50
A「そのモヨと末吉の1vs1」
B「うん」
A「当然末吉はタテに抜けるドリブルが怖いのはモヨもわかっている」
B「だよね、みんな警戒してくるから」
4:52
A「なので、タテにいくことをフリにつかって、右に交わしてクロスという」
B「おお!」
A「モヨはドリブル警戒していたので、そっちはどうしても遅れる。したがってクロスが上がりやすいと。末吉の右足クロスは効くね」
B「ええと、これで岡山は攻撃のSTEP2完了だよね?」
A「そういうこと。立て続けに2発パンチを放った格好だね」
6:08
B「右サイドの深い位置からのスローイン」
A「それがバウンドしたところを一美のボレー!だったけど」
B「おしくもうまくヒットせず」
A「これボールが来る方向と違うところに蹴ろうとしてるからめっちゃむずそう(笑)」
B「こんなん決まったら興奮度ヤバそうだな(笑)」
A「一美にはプレーオフで決めてもらおう(笑)」
6:18
B「その流れでスローインだけど」
A「うん、さっきからちょっと気になってるんだけど藤枝ってこういうの多いんだよなあ」
B「こういうの?」
A「今もぽっかり空いたスペースに藤田が飛び込んであわてて追いかけてるでしょ?」
B「うん」
A「ちょっといるだけの守備というか、棒立ちになるというか、そういうタイミングがちょこちょこあるように思う」
B「へえ」
6:43
A「押し込んでセカンドボールを拾って鈴木喜丈のクロス」
B「波状攻撃だ!」
A「相手のコートでサッカーをする!だね」
6:46
B「岩渕が落として、一美の前にボールが転がる!」
A「決定機だ!」
6:48
B「ぎゃああああおしいいいい」
A「トラップして一つ剥がしてシュートコース作ってって形だったな。惜しかった・・・」
B「これって、さっき言ってた質という意味では」
A「そうだね。かなり得点可能性の高い攻撃ができたわけだから、パンチが相手のあごスレスレを通った!みたいな感じだな」
B「なんか、岡山だいぶ押してない?攻撃のSTEP2をさっきからどんどんクリアしてるように思うんだけど」
A「押してるね。岡山ペースだと思うよ」
B「その”流れ”とか”ペース”ってどう判断したらいいの?よくわかんないんだ」
A「こちらは得点可能性を高められているのに、失点可能性は低くできている状態。もっと簡単に言えば殴れてるけど、殴らせてない時間帯って感じかな」
B「あ、そっちはわかりやすいな!確かに岡山がずっとパンチだしてて決定機も作れたしな、しかも藤枝はまだ、ええと?」
A「そう。攻撃のSTEP2は一度も達成できてない。つまりパンチが出せてない」
B「あ、だから岡山ペースってことか」
A「そういうこと」
7:16
B「藤枝のゴールキックだけども」
A「岡山は前プレの構えを見せているね。さて、藤枝はどうするか?」
7:18
B「あ、蹴ったね」
A「そうだね。ここは繋がなかった。ちょっと視線をずらして手前のタッチライン際見てみ」
B「あ、梶川がいる。さっきと同じだ」
A「やはり左WBを高い位置においてその下に梶川が落ちているよね」
B「なんか梶川ガックリしてない?(笑)」
A「してるしてる(笑)「なんだよ準備したのに蹴るのかよ!」みたいな感じなのかもね」
7:21
B「ロングボールが飛んだ先は末吉のところだ」
A「うん、やはりという感じだ。さっきも言ったけどここには高さのミスマッチがあってモヨが競り勝つ可能性が高い。だからロングボールを蹴るターゲットにしているんだろう」
7:29
B「ごちゃごちゃとしたボールの奪い合いから岩渕がボールを持った。こういう瞬間を見逃さないようにしてたらいいんだよね?」
A「そういうこと!しかも、ここで岩渕が前向きを作った」
B「前向き?」
A「前向きにプレーできる状態になってるでしょ?」
B「うん」
A「サッカーの攻撃は前にボールを運ばないといけない。そのためには、前向きを作る必要があるんだよ。前向きが作れたら前にパスもドリブルもできる」
B「進行方向に背中向けてたら前に運べないもんな」
A「そういうこと。だから、こちらは前向きを作りたい。だけど、相手には作らせたくない。前向きを作れると「運ぶ」ためのスタンバイ状態に入ったと言える。そういう瞬間を見逃さないようにするといい」
B「なるほど」
7:35
A「いいねいいね」
B「岩渕から右サイドの深い位置に太哉を走らせた」
A「さっきの一美のサイドチェンジもそうだし、このパスもそうだけどピッチを広く使う意識があるのがいいね。あと、取ったらすばやく前。これがいい」
B「へえ」
A「岡山が素早くタテに運ぶと、藤枝は戻りながら守備しないといけない。しっかり守備の陣形を整えて「さあ来い!」って状態を攻めるのか、それとも崩れてる状態を攻めるのか、どちらが手薄かというと明らかだからね」
9:19
B「また藤枝のゴールキックだけど、今度は繋いできたね?」
A「さて、岡山の前プレがどう対抗するか。ここでもやはり梶川がサイドに出てボールを受けてる」
B「ほんとだ」
9:21
A「ここちょっと悩むところだけど、本山が遅れ気味に梶川に寄せに行ってるよね」
B「うん、だいぶ遅れてたね」
A「本山はシマブクがマッチアップ相手だから、シマブクにパスが出ないと判断してのスタートになったんだろう。シマブクをたぶん阿部海大にあずけて、梶川に寄せようと。そういうことでやや遅れたんじゃないかな」
B「だけど、ここで梶川は前向きを作れなかった」
A「そう!」
B「だから、梶川から前にパスは出ない」
A「そうだ!」
9:23
B「そして、バックパスと。なるほどなあ・・!」
A「さて、ここでは岡山の前プレ部隊と藤枝の組み立て部隊の人数を見たい」
B「一美はGK北村を警戒してるね」
A「そうそう、ボールサイド(ボールのあるサイド)においてはこちらの人数と相手の人数にずれがない。ハマりそうな気配だ」
9:24
B「あ、蹴った!」
A「プレッシャーを受けながらだったから、どれくらい狙いを定めてパスを蹴れたかどうか」
9:26
B「あ、田部井がワンタッチで!」
A「藤枝は岡山の前プレに屈してパスミスを起こしたよね。だから、かなり高い位置で岡山がボールを回収し、即座に攻撃に転じた。前プレ大成功ってわけだ」
B「うんうん」
A「さっき川島からこちらのダブルボランチの門を通したのあったでしょ?」
B「あったあった
A「あれもそうだけど、藤枝はタテパスを中に通そうとすることが多いのかもね」
B「ほお」
A「中を通せばチャンスにもなるんだけど、失うとこんな風に真ん中から攻められることにもなる。ハイリスクだがハイリターンという」
B「なるほど」
A「まあ、藤枝のそういうところ好きなんだけど(笑)」
B「そうか、サイドから攻めたらサイドでボールを失くすから」
A「そうそう、比較的リスクは抑えられるかもしれないよね」
B「ボールのなくし方って深いな」
9:27
A「いやー、ちょっと岩渕のトラップが流れちゃったか」
B「ここ、ぴたっと止められなかったね」
9:55
A「さて、再び藤枝のゴールキックだけども」
B「今度はどうするかな。あ、そうだ梶川は・・・なんか真ん中に走ってる」
A「梶川については本山がケアしにきてるね。なので、木村太哉の背中側を通ってボランチみたいなところで受けようって狙いかもしれない」
9:59
B「でも、またロングボール!(笑)」
A「梶川がんばれ!(笑)」
B「っと、ここもやっぱりモヨのとこかー」
A「ロングボールの勝率的にここが一番見込めるということだろうね」
10:03
B「あ!前向きを作った?」
A「そう!藤枝はセカンドボールを拾って前向きを作ったね」
10:11
B「はじめてこんな高い位置で本山とシマブクの1対1になったね」
A「なかなか運べていなかったからね。藤枝としてはチャンスを拡大したいところだろう。藤枝のWBといえば久保とか榎本にボコボコにされた記憶がある」
B「ああ・・・」
A「ここでの1対1は絶対に譲れないところだ。だから末吉・本山がモヨ・シマブクをどんだけ抑えるかは大事だね」
10:14
B「あ、おもしろい!」
A「うん?」
B「だって、末吉の右足のクロスと同じじゃない?」
A「ああ、そうだね。シマブクは右利きなんだな。そこも末吉と同じ。だから、右に戻して右でクロスをあげたと。本山の対応は悪くなかったね。末吉のクロスもそうだったけど、なかなかクロスすら上げさせない守備ってのは難しい」
B「これで藤枝もパンチを出してきた、ということになるのか」
A「うん。こういうとき改めて考えておきたいのは、どういう手筋でパンチが出せたか?ってことだよね。だって、繋ごうとしてたけどできなかったからパンチが出せなかったわけでしょ?」
B「そうだったね」
A「そこをクリアしたのは、末吉vsモヨのエアバトルだった」
B「うんうん」
A「こういうふうに整理しておくといいよ」
B「わかった」
12:41
A「さて、この試合初めてセンターサークル付近から藤枝が運んでいくシーンになったね」
B「ボールを持ってるのは川島かな」
A「顔が上がってる。パスコースを探してるね」
B「そこに一美が寄せていってるな」
12:43
A「右IHの浅倉にボールが入った」
B「うん。やっぱり川島からパスが出るんだなあ」
A「ここ、浅倉に対しては鈴木喜丈がついているね。したがって、2トップは田上と阿部海大に任せてる」
14:17
B「バックパスを追って前プレをかけてロングボールを蹴らせた」
A「うん」
B「そしてそれを回収して岡山ボールにした」
A「そうそう」
B「そして阿部海大が前向き」
A「うん。ここで、というかずっとなんだけど、藤枝って攻撃から守備に切り替わった時、こんな感じなんだよね」
B「こんな感じ?」
14:19
A「ここ岩渕が前向き作ってるでしょ?」
B「そうだねえ」
A「これなかなかやらせてくれないんだよ。よそのチームって」
B「あ・・確かにそうかももっと厳しくガガって寄せてくるよね」
A「そうそう。藤枝はそのあたりの意識が高くないんだよね。したがって、ボールを回収した次のパスがスムーズに前に出しやすい」
B「ほお」
14:21
A「ここの岩渕も判断早く、前に送るでしょ?」
B「うん」
A「すると藤枝は「さあ、来い!」って守備の構えにトランスフォームする前に運ばれてしまう」
B「あ、さっきの木村太哉のやつと同じってことか」
A「そうそう」
15分~30分
15:16
B「ずーっと岡山がボール持ってるなあ」
A「このあたりもそこまで執拗に追いかけまわしてこない」
B「そうだね」
A「ダブルボランチが余裕持ってボール散らしてるからね」
15:21
B「そしてワンツーで末吉が抜け出す!」
A「おお、きた!!」
15:26
B「いやーーおしかった!」
A「これで2つめのビッグチャンスだったね」
B「しかし、モヨをぶち抜いたな末吉」
A「ワンツーが入ったのでやや遅れたのかもしれないけど、平面での勝負は末吉に分がありそうだな」
B「いいぞ、やってやれ末吉。負けんな」
17:41
A「阿部海大から本山へのパス」
B「岡山が押し込んでる」
17:43
A「うまい!上手に逆を取ってターンした」
B「あ、前向きだ!」
A「そうそう、自力で前向きを作った。すばらしいな」
17:46
B「あ、でもクロスからぶっちゃった(笑)」
A「おしかったね(笑)でも、いいターンだった。こういうプレーができるとWBとしてタテに運ぶ力がアップするなあ。おそらく、末吉とかと練習ではマッチアップするだろうから盗めるところもあるんだろう」
B「末吉相手にしてたらそりゃ伸びるだろうな(笑)」
A「今みたいな重心を移動させて逆を取るの得意だからね末吉」
B「しかし、柳貴博が出れなくてどうなるか?と思ったけど、遥いいよね?」
A「うん。もともとSBの選手ということもあるし、身体能力は抜群でスピード・スタミナお化けだしね。これで攻撃で一味追加できるなら、柳(貴)が戻ってきてもなかなか手ごわいライバルになりそうだ」
18:42
B「再び藤枝が後ろから運ぶシーン」
A「やはり、一美はアンカーをケアしてるよね?」
B「新井のこと気にしてるな。チラチラみてるし」
18:52
A「そして、GK北村にバックパスとなっても様子をうかがい無暗にプレスをスタートさせない」
B「うん」
A「プレスに行く・行かないのオンオフが切り分けられている印象を受ける。とても良いことだ」
18:55
B「あ、梶川が今度はボールを受けた」
A「新井ではなくて、梶川が落ちてボールを引き出す新しいパターンだな」
B「一美は右CBと梶川に挟まれる感じになってるね」
A「1人で2人は見れないから・・・」
18:57
B「ああ、久冨が前向きになっちゃった」
A「梶川のフォローがこちらの守備を狂わせたな」
B「あ、ここモヨがこんなところにいる」
A「モヨを内側に折りたたんで、その外には川島がいるのか。おもしろ!」
21:24
B「藤枝のバックパスに木村太哉が寄せていく」
A「太哉すごいよほんとに。このひとつ前のシーンでも何度も走ってプレッシャーをかけに行ってるし」
21:27
B「外されてもまた行くし!」
A「これキツイぞ、相当。でもそれができるからポジションが取れる」
21:38
B「アンカーの新井からやっとパスが出たなあ」
A「梶川、浅倉あたりが絡んで岡山のプレスを惑わして、って形だね。そして、シマブクvs本山遥」
21:43
B「うぇーい!(笑)」
A「球際ぁ!しぶとく絡んでボールを奪って、フェイクで相手をいなしてボールを逃がす。いい守備だ」
21:48
B「ボールを受けた阿部海大から」
A「ここも、取ったらとにかく早く前に!が徹底されてるよね」
21:51
B「実況の西さんが「このボールを収めるのが一美の仕事」と言ってるけど」
A「タッチラインを割らせてマイボールにしたからね。ひとまずはこれでOKだ」
22:50
B「スローインから阿部海大が受けて、一美にパス」
A「そして出した自分も中に切れ込んで、一美からの落としをもらおうというムーブだよね。うん、これなんだよな」
B「ほお?」
A「この試合、一発目のタテパスを落として味方が拾うというシーンが多いんだよね岡山は」
B「ふむ」
A「岩渕が落として一美が受けて決定機。そして、一美が落として岩渕か誰かがサイドチェンジというシーンもあった」
B「ああ、あったね」
A「受け手に味方が絡んでいくシーンが多い。これは今シーズン最初の方でグレイソンに絡んでいったのに似ている」
B「ほー!」
A「しばらく鳴りを潜めていたけど、ここへきてそういう要素が見えてきているね」
23:24
B「激しいなあ!」
A「岡山の前プレハマっているね。高い位置で藤枝のボール回しを邪魔できている」
23:27
B「あ」
A「こぼれ球争いを藤枝が制したな。見どころある攻防だ」
23:36
B「そしてシマブクvs本山遥再び」
A「見せ場だ」
23:37
B「シマブクがタテにしかけた」
A「うん、まず大丈夫だ。本山遥はスピードがかなり速いので、なかなかぶち抜くのは難しい。シマブクといえどタテに抜け出すのは至難のわざだろう」
23:41
B「さっきみたいに中に切れ込んで右足!ってパターンだったけど」
A「本山遥の足が間に合う!」
B「遥、すごいじゃん!」
A「考えていればこの両翼は岡山最速コンビかもしれないな。どっちも上背はないけど平面勝負ではかなり強いぞ」
27:00
B「また藤枝のゴールキックからの展開。岡山が前プレに出ていくな」
A「アンカーの新井は一美が見て、寄ってくる梶川は藤田が見ている。さて、藤枝はどうするかな」
27:05
B「あ、モヨへのロングボールじゃない!」
A「降りてきたFWに競らせてボールを落としたね。岡山は前にたくさん人を送っているから、後ろにはスペースが空いてる」
B「新しいロングボールの使い方だなあ」
27:08
A「そしてシマブクが前向き。なんだけど、藤枝はまだ岡山のコートに入っていない」
B「そうだね」
A「攻撃のSTEP1をクリアしていない。さて、どうやって運んでいきましょうというところだけど、出しどころに迷っていると」
27:16
B「またこの状態にもどっちゃった」
A「スピードアップしてどんどん岡山コートに侵入することができなかったからね。振出しに戻ってしまった。こうなってしまうと岡山は「さあ、来い!」って態勢で守備ができるから難しいよね」
B「なるほどなあ」
27:23
A「そして川島に窮屈なロングボールを蹴らせる」
B「藤枝はパスまわせなかったな」
27:27
A「田部井がカットして、藤田が回収。これで岡山の守備は完了だ」
B「うーん」
A「どうした?」
B「藤枝って攻めあぐねてるなあと思ってさ」
A「うん。岡山のプレスをかいくぐってなだれ込むようにボールを運べていないよね。それだけいい守備ができているってことだろう」
29:12
B「阿部海大から大きなサイドチェンジが入る」
A「やっぱり藤枝はこのあたりルーズな感じなんだよね。出し手を邪魔する意識が高くない」
29:24
B「パス一本で、ここまで押し込んじゃったな。なんか藤枝が岡山コートに入れないのと対照的のような」
A「おお、まさしくその通り。前から邪魔する力においてはかなり力の差があるチームだね岡山と藤枝は」
B「岩渕からサイドチェンジで本山だけど」
A「あんまりこう立て続け手にピッチを横断するパスなんて通らないんだけどなあ」
29:26
B「うお、本山のクロス!」
A「いいボールだ!!」
29:27
B「うわあああ真正面!」
A「おしい!!」
B「でもめっちゃクロスよくなかった??」
A「ボールスピードもコースもすごくよかった。本山ノってるかもしれない(笑)」
30分~前半終了
39:09
B「左サイド深い位置での折り返し」
A「岩渕が受けるけど、やはりマークから浮いている」
39:11
B「岩渕がちょっとタテに運んで折り返す」
A「ここうまかったな。タテに仕掛けることで相手も下がるからマイナスに折り返すと、岡山の選手が後ろからズドン!っていけるんじゃないか?っていう」
39:18
B「阿部海大から本山遥へ」
A「ここ、海大がひとつドリブル挟んだことでシマブクが足止めされちゃったな。その分、本山にいけなくなって本山がフリーに」
39:19
B「そして本山遥のクロス」
A「ここはイメージが合わなかった」
B「というと?」
A「中でボールを待ってる選手の姿勢を見てみると、前目に飛んでくるイメージを持ってるように見える」
B「ほんとだ」
39:20
A「しかし、実際にはマイナス気味にクロスが飛んだので一美が戻りながらのヘッドすることになったんだな」
B「ああ」
A「戻りながらのヘッドでは強く叩けないから、ボールに勢いは出しにくい。コースがGKにとってめんどうなところに転がれば可能性もなくはないけど」
B「なるほどなあ」
A「岩渕のカットインからの折り返し、本山のクロス。もうあとひとつ出し手と受け手のイメージの共有が欲しいという感じがするよね」
B「うんうん。そこがバチっとあってくると」
A「びっくりするくらいサクっと点が取れる可能性がある」
43:22
B「ゴール前の混戦から阿部海大のヘディング」
A「DFラインの山を越えたらおもしろい!」
43:23
B「来た!!!一美!!!」
A「おおお!」
43:24
B「こねええええええ」
A「ちょっとボールが流れて、シュートが真正面になっちゃったなあ。でも惜しかった」
48:35
B「藤枝のスローイン。ATももうちょっとありそうだから気をつけたいね」
A「モヨはロングスローも持ってるんだな」
B「あ、今年Jリーグを賑わせたタオルを入れる袋が風で飛んでった」
A「モヨどうするんだろう。拾いに行くのかな。拾ってもまた飛びそうだが」
48:37
B「かしこい!!!(笑)」
A「タオル投げて重しにした(笑)」
B「その発想はなかった(笑)」
48:59
A「シマブクが右サイドから攻める藤枝」
B「こっちのサイドでドリブルするのは初めてだね」
49:02
A「あ」
B「うまい!」
A「クロスを上げるフェイクを入れて藤田をはがしたな」
B「なんかキレがいいな」
A「右利きだから右サイドの方がタテにドリブルしやすいんだろうね」
B「なるほど。利き足によってだいぶ違うんだなあ」
前半をふりかえる
A「ということで、前半は0-0か」
B「うーむ」
A「前半のゲームはどうだったか、振り返っておこうか。藤枝はどういう風にボールを運びたいチームだった?」
B「ええと、後ろからパスをつないで運びたいチームだった」
A「岡山はそれに対抗してどういう守り方をしていた?」
B「いつもどうりの前プレだった」
A「そうだね。前プレの出来栄えはどうだったろう?」
B「藤枝は攻撃のSTEP1:相手コートに入るがなかなかできなくて、岡山にボールを回収されてたから、岡山の前プレが良かったと思う」
A「うんうん。藤枝の攻撃でSTEP2をクリアできたケースは少なかったし、モヨへのロングボール、あるいはこちらの前プレの山を越えてFWに競らせて運ぶ形くらいだったよね」
B「でも、逆に岡山としてはずっとペース握ってた。ってことでいいんだよね?」
A「いいと思う」
B「だから、仕留めたかったなあ。決定機も3つくらいあったし、点が入んないとねえ?ソワソワするじゃん?」
A「そうねえ」
B「なるべく早く点が欲しいなあ」
A「藤枝のやり方で注目したいのは梶川や浅倉を落としてきたときの対応だね。後ろの人数をいじってくると、岡山も人数をそろえないとプレスがハマらなくなる」
B「うん」
A「途中から、梶川・浅倉がポジションをしきりに変えてこちらの対応を難しくしてきていたけど、主に混乱した様子はなかった。この点は前半最大の収穫と言える」
B「ほお。それはなんで?」
A「それは試合が終わったら話すよ。現時点の岡山にとっては藤枝はもってこいの対戦相手だと思う」
B「ふむ、その辺の話は楽しみにしつつ後半いきますか」
後半開始~60分
A「藤枝に交代があったみたいだね」
B「ええと、新井に代えて世瀬が入るみたい」
A「アンカーに入ってた新井を下げたのか」
B「岡山は交代なし」
A「うん。やはり60分くらいの時間が交代カードを占う一つのめどになるだろうね」
47:25
B「ゴールキーパーからボールを受けた世瀬だけども」
A「おそらくそのままアンカーに入るんだろうね。しかし、この選手は結構デカいな」
B「鳥取から個人昇格してきて、身長は182㎝あるね」
A「大型ボランチだな。藤枝は小柄な選手が多くてどうしても競り合いで後手を踏む印象が強いから、彼みたいなカードがあると助かるだろうな」
47:33
B「岩渕が寄せて、蹴らせてタッチラインを割った」
A「いいね。前半からのいい守備の流れを最初のワンプレーでできた」
47:37
B「スローインから一美が受ける」
A「やっぱここなんだよなあ」
B「ほお?」
A「前半からそうだけど、スローインからこんな簡単にボール受けられちゃうのはマズいよね藤枝は」
B「ああ、ルーズっていってたやつね」
47:41
A「スローインからターンしてシュートだからねえ岡山は」
B「手数をかけずに攻撃のSTEP2がクリアできた」
48:22
A「ここも岡山の前プレを避けてボールを蹴るんだけど」
B「藤田にさえぎられてしまった」
48:25
A「で、ここだね!」
B「こぼれ球を拾って梶川が前向きだ!」
A「藤枝としては結果オーライ的に前向きが作れた」
48:37
B「梶川からシマブクへ、そして本山との1対1」
A「そしてその外を左CB鈴木が上がってくると。おそらく藤枝が本来やりたい形はこういう感じなんじゃないかな」
53:39
B「岡山が後ろからつないでいく場面だね」
A「ここ、岩渕が少し落ちてアンカーの世瀬の前にいるね」
B「ほんとだ」
A「ボールホルダーの鈴木喜丈には浅倉が寄せていく」
B「藤枝もちょっと前からガツガツ来てる?」
A「そんな気もするね」
53:42
B「岩渕が受けて末吉に流す」
A「岩渕は世瀬をサイドに連れて行ったから、中央には大きなスペースが空く」
B「ほんとだ、センターサークルらへんに梶川しかいない」
A「そして、パスを出した喜丈もインナーラップで走っていく」
B「おお、空いてるスペースに入ってく!」
53:44
A「末吉は一美への斜めのパスを選択」
B「もう喜丈がすぐそばにいる」
53:45
A「一美がここでフリックして喜丈にボールを落とす」
B「ナイス!」
A「こういう当てて別の人に落として前向かせるプレーを”レイオフ”っていうね」
B「ほお、レイオフか」
A「一美に対応するためにCBが食いついてきてるので、藤枝の最終ライン見てみ」
B「真ん中誰もいねえ!」
53:47
A「ここ、ちょっと太哉とタイミングが合わなかったので一拍おいてスルーパスを通す」
B「おおっ!!」
53:49
A「で、今度は太哉がボールを落として一美へ。ここもレイオフだ」
B「レイオフ祭りだ」
53:50
A「いやー、これが決まってたら間違いなく今年一番のゴールだったろうね(笑)」
B「なんかポンポンパスがつながってすごかったよね(笑)」
A「パスを出して動く、パスを出して動く、って動きが前半から見られるって話をしてたけど」
B「ああ、言ってたね」
A「食いついてスペースが空いてくる藤枝をうまく手玉に取ったね」
55:01
B「なんだかあわただしくなってきたな」
A「モヨのスピードを生かしたドリブルもよかったし、末吉の対応も良かったね」
B「藤枝が押し込んできた」
55:03
A「藤枝がスルーパスを通そうとしてきたんだけど」
B「そこは田上!」
A「いいカバーだったね。しかし、前半にはこんなプレーしなきゃいけない状況はほぼなかった」
B「あ、そうか」
A「今のも梶川が前向きだったでしょ?あそこを自由にさせるとパスが出ちゃうよね」
B「じゃあ、やっぱり前がもうちょい邪魔しないといけないのか」
A「そこがどれくらいできるか?は岡山の生命線かもね」
56:18
B「そろそろ点が欲しいな・・・」
A「大丈夫だとは思ってるけど、待ち遠しいな(笑)」
B「田上からのタテパス」
A「藤枝は532で構える」
56:21
B「岩渕が落として田部井が前向きを作る。あ、これもレイオフ?」
A「レイオフ」
56:24
B「田部井から藤田」
A「うーん、藤枝のこちらのボランチへの警戒度が低いんだなあ」
B「なんかプレッシャーなくパスが通るね」
A「前向きを簡単に許しちゃうねえ」
56:27
B「狙いすましたパスが木村太哉へ飛んで」
A「太哉がヘッドで落として岩渕」
B「あ、ここもレイオフか」
56:30
A「そして、ボレー」
B「なんか、レイオフ使ってどんどん運んでいけるね」
A「こちらのボールホルダーに対するプレッシャーも低いし、他人に食いつくとスペースができるしね」
58:32
B「今度は藤枝の攻撃」
A「岡山はちょうど541のような並びになってて2つのラインができてる。そしてここは川島がすごいわ」
B「一美が寄せてるけど、またダブルボランチの間を抜いていったね」
58:34
A「ここ、千葉がコントロールミスってくれたから時間かかったけど、ピタッと止まったら結構イヤなシーンだった」
B「こんなところにパス通されるのなかったよね??」
A「ないね。やはりこちらの前からの邪魔する力が落ちるとパスを刺し込まれやすくなる」
B「受けたらダメってことか」
A「ペースの話しあったでしょ?」
B「うん」
A「今の状況だとどう考える?」
B「ええと、岡山は殴れてる」
A「そうだね」
B「でも、藤枝もかなり運べてる。岡山コートにだいぶ入れてるし」
A「その通り」
B「だから、依然として岡山ペースだけど少し藤枝に押し返されてもいる」
A「いいね。一方的とまでは言えない感じになってきているよね」
B「これ岡山はどうすべき??」
A「まずは交代だろうな。疲労した選手を代えてフレッシュにして、前線の圧力を回復させる」
B「うん」
A「それがうまくいけば、ペースをまたこちらに引き寄せられる。ただ」
B「ただ?」
A「木村太哉、一美、岩渕の3枚は岡山の持つ最も守備力の高い3人だから」
B「あー」
A「その代役を交代選手がどれくらいできるか?だね」
B「うまくいかなかったら」
A「藤枝に運ばれてしまうだろう。それに、点を取らないといけない」
B「そうなんだよなあ・・・」
59:34
A「矢村はこの距離から狙えるのか」
B「ちょっと嫌な雰囲気だね・・・」
59:40
A「あぶねええええええ!!」
B「ポスト!!」
A「いやー、この流れで決まってたらかなりしんどいところだった」
B「藤枝が少し押し返していただけに(笑)」
60分~75分
61:28
A「そうだよな。ここだよなあ」
B「やっぱり交代だね。2枚替え。ルカオと神谷」
A「うん、順当な交代だな。神谷はまだいいとしてルカオは守備でどれだけがんばれるか」
B「木村太哉はよく走ってたね」
A「そうだね。守備での貢献もデカいけど、裏に走ってボールを引き出すとかそういうこともできるのがいいよね」
B「一美は惜しくも得点とはならなかったけど」
A「しかし、この試合ではポスト役としてかなり機能していた。それこそグレイソンがいなくなってできなくなっていたプレーがかなり復元されてきてる。そこに一美は欠かせないピースだ。一美がいなければ、ルカオを頭から使わざるをえない。それだともったいない」
B「得点以外のところでの貢献度も高い、と」
A「一番最初に守備を開始するところだからね彼のポジションは。得点はプレーオフに期待しよう」
65:30
B「セカンドボールの拾いあいから岩渕が前向き!」
A「いいねいいね」
65:32
B「そして岩渕からスルーパス」
A「ここのアウトサイドでのスルーパス上手いな!」
B「ルカオが左サイドに抜け出す」
A「うん、ルカオだったらこういう使い方になるね。惜しむらくはサイドが逆だったら最高だったんだけど」
B「というと?」
A「ルカオは右利きで、右サイドをえぐるのが得意だからね」
63:33
B「藤枝がボールを持つんだけど、攻めあぐねてる?」
A「なかなかパスの受け手を見つけるのが難しいみたいだね」
B「ふむ」
63:34
A「あっ!?」
B「あ、きた!」
63:37
A「岩渕が抜け出す。いいドリブルのコースだ」
B「独走状態!」
63:40
A「ここもいいコースを通って、GK1対1を作った!」
B「いけいけ!」
66:42
A「うえええええええ!?」
B「ループシュート!」
A「なんなのあの落ち着き。シュートうますぎる!!」
B「岡山先制だ!岩渕はこれで13点目」
67:04
A「なお、セレブレーション後足を攣った模様」
B「ドリブルの最中じゃなくてよかった(笑)」
A「いや、ほんとに(笑)」
B「さすが岡山の19番」
A「そうだなあ、ほんとにエースの風格が出てきた。シーズン最初の方はかなり苦しんだけど、やっぱり本物だな彼は」
B「岡山のヒロトだ」
68:50
A「ゴールをとったことで士気が上がって岡山は息を吹き返した感があるね」
B「なんか動きにキレが戻ってきたよね」
A「そして、藤枝がまた繋げなくなってきた」
68:53
B「出しどころがなくなってきてるような?こんなインターセプトはそんなになかったよね?」
A「そうだね。もしかしたら画面に映ってないところで藤枝の前線の選手の運動量が落ちてるのかもしれないな」
68:57
B「藤田のスルーパスに今度は神谷だ!」
A「いや、ちょっとパスが短かったか、そして、トラップが流れた」
B「惜しいなあ」
A「ここで畳みかけてもう1点欲しいね。この試合だと2点あれば充分いける」
69:43
B「神谷のキックからゴール増えてるんだよな」
A「そうそう。左は田部井がいて、右に神谷がいるからどちらでも蹴れるし精度が高い」
69:46
B「おおっ!」
A「きた!!!」
B「田部井今季初ゴールで2-0だ!」
70:18
A「うわ、見てよこれ」
B「なになに??」
A「きれいに手前の団子状態の山を越えて落ちてきてる」
B「ほんとだ」
70:25
A「田部井も見にくかったろうけどよく触ったな。しかし、ボールがすごいわ」
B「こっちの画だとよくわかるね。しかし、畳みかけたじゃん!」
A「強い。これは強い点の取り方だ。あとは0で抑えること」
B「クリーンシート量産機の本領発揮だ」
71:16
A「藤枝も巻き返してくる。やっぱり梶川が中心だなあ」
B「うん」
A「ここ、右インサイドハーフの浅倉がいて、そこを鈴木喜丈がケアしてるんだよね」
B「梶川の・・・右斜め前か」
71:18
A「ここうまいんだよな。田部井が梶川の方に向き直った瞬間に浅倉はスタートを切る」
B「うん」
A「そして、鈴木喜丈のいない方のスペースに入るんだな」
B「へえ」
A「喜丈はそこまではついていけないから必然的に浅倉は前を向く」
71:21
B「浅倉にはだれもつけなくて、そのままシュート」
A「ここはFWが前にいるからこちらのCB陣はそこへのスルーパスも警戒しないといけない。だから、どうしても出にくいよね。それを使ってミドルを打っていく。実にうまいなと」
B「浅倉廉は静岡学園から拓殖大行って藤枝。23歳だって」
A「若いな。しかし、こういう選手が活きそうなんだよなあ藤枝のサッカーって」
B「ふむ」
A「ちなみにこの廉って名前はむかし岡山にいた仙石廉って選手と同じ」
71:36
B「岡山は田上からのロングボール」
A「ちょくちょく、田上から直にワントップへというボールが見られるねこの試合は」
71:38
B「ルカオつえええ」
A「藤枝のCB陣は屈強というタイプじゃないから重戦車ルカオはしんどいだろう。ここでもルカオに当てたボールの落としを神谷が拾いに入ってるよね」
B「あ、ほんとだ」
71:47
A「どうしても人についていってスペースが空いちゃう藤枝。神谷が抜け出していく」
B「ちょっと中に入ってる選手が少ないね」
A「おお、いいところ見てる。しかもファーサイドの末吉は上背がない」
71:49
B「神谷がここで切り返すー!」
A「中の状況のこともあったかもしれない。相手はさっきCKから決められてるからね。神谷に蹴らせたくない意識は強いだろう」
B「ああ、そうか、なるほど」
71:52
A「こらーーーーー!!!!」
B「え、びっくりした・・・どしたの?」
A「なんでここに入ってこないんだルカオは!」
B「ほお」
A「せっかく神谷が相手を押し下げて、蹴り込むだけ!みたいなボールを出してるのにルカオが感じていない」
B「あー、そういうことか!」
A「いや、感じていなくてもそこは入っていけよ!自分が点とりにいく野心を見せようぜ」
B「なるほどなあ、神谷もめっちゃアピールしてるね」
A「そうそう、「なんで走ってないんだよ!」って。そりゃ神谷も言うさ」
B「たしかに、ここで押し込んでいたら3-0だもんな」
A「もしかしたら、決勝点のきっかけになる守備で満足していたかもしれないけど、こういうところでどん欲さが足りなくてプレーオフで泣きたくはないからねえ」
B「そうだな」
A「ルカオにはもっともっとギラギラしてもらいたい」
72:32
B「神谷に怒られたからかはわからないけど、ルカオ強い!」
A「相手2人来ててこれだからねえ。この強さはほんとに武器」
73:17
B「藤枝はやはり梶川がボールを持つ」
A「なかなかショートパスをつなげなくなってきたな。ここもモヨをかなり下げてきたりして、配置をだいぶいじってるんだけど出しどころがないんだろう」
B「梶川がロングボールを選択したね」
73:23
A「田部井がセカンドボールを拾って味方につなげる。地味だけとこういうプレーはビッグプレーなんだよな」
B「そうなの?」
A「ちょっとコントロールが難しい状況で、がんばって味方につなげているからね」
B「難しいことをクリアした、ってことか」
A「こういうのみつけたら拍手してあげるといいと思う」
73:25
A「で、岩渕のターンが上手い」
B「みてるこっちもだまされた(笑)」
74:27
A「藤枝はここで3枚替えか」
B「ちょっと遅め?」
A「そうだねえ、2点リードになったこともあって動いたのかもね。しかし、だいぶ引っ張ったなって印象がある」
B「梶川交代か」
A「昔から見てる選手だけど相変わらずうまいな彼は」
75分~試合終了
75:22
B「低い位置から神谷がクリアボール的な感じで蹴りだす」
A「そしてルカオが追う。リードもあるし、基本的にこういう使い方でOKだね。これは相手はかなり嫌だと思うよ」
B「うんうん。強いしね」
A「競り合いも強いし、収めると自分でドリブルできるからね。ひとりでかなり陣地を回復できてしまう」
B「一美とは使いが違うってことだね?」
A「一美もボールを収めることができるけど、ひとりでどうこうというのは基本的には考えにくいからね。ただ、横浜FC戦みたいなとんでもないことも起こせる選手だけど(笑)」
B「あれは凄すぎた・・・」
75:43
A「岡山はもう541のブロックを作ってミドルプレスという感じだね。前プレは限定的にやっていこうという感じかな」
B「ミドルプレス?」
A「センターサークルあたりを頂点として、構えて守る。そしてプレッシャーをかけていく守り方」
B「そういえば、前プレたしかに出てないね」
76:38
A「神谷が単独でタッチラインに運んでいく」
B「相手は2人ついてきてるね」
76:41
A「うお!!抜いた!!!」
B「すご!!」
76:49
A「ルカオがメインスタンドを煽れば」
B「神谷がバックスタンドを煽ってる(笑)
77:32
A「鈴木喜丈に代えて柳育崇。田部井に代えて竹内か」
B「これはどういう狙いなんだろう?」
A「ちょっとわかんないけど、柳をそのまま左に置くんだろうなあ。終盤のパワープレーやセットプレーに絶対的な高さを追加して補強していく意図もありそう。田部井と竹内はスタミナ的なことじゃないかな」
B「なるほど」
78:47
A「左サイドで岩渕がボールを受ける」
B「うん」
78:48
A「で、ここ見てほしいんだけどダブルタッチなんだよね」
B「ダブルタッチ?」
A「ボールを右足で止めて、次の左足でグッと前に持ち出してるんだよ」
B「へえええ」
A「だから、相手の選手タイミングを外されてるでしょ?」
B「ほんとだ」
A「だいぶ疲れてきているから抜ききれなかったけど、アイデアといい技術といい充実してきているように思うな岩渕は」
B「楽しみだなあ・・!」
80:17
A「おお、541で引きこもるかと思ったら案外行くな!」
B「結構プレスに行ってるね」
A「そして、藤枝はまたロングボールを蹴るわけだけど」
B「うん」
80:20
A「裏一発狙うボールが通らなければ、こういう風に跳ね返される」
B「そうだねえ、何回かあったねこういうの」
A「で、見てほしいのは藤枝の選手の位置なんだよ」
B「うん?」
A「今、本山がヘッドしてセカンドボールになろうとしてるでしょ?」
B「うん」
A「でも、藤枝は拾いに行けそうな人がいない」
B「ほんとだ。なんでだろう?」
A「逆にセンターサークル付近にはいっぱいいるんだよ」
B「おお、ほんとだ!」
A「つまり、ボールをつなぐために選手をおろしていく、すると前線との距離は離れてしまう。だから、ロングボールが蹴られたとき拾いに行けるところに選手がいない」
B「なるほど!」
A「仕方ないところかもしれないけど、これでは藤枝は岡山にボールをプレゼントしてしまうことになる」
80:33
B「そうして、拾ったセカンドボールを繋げてサイドへ!」
A「また岩渕だ!そして今度はルカオも走っている(笑)」
80:34
B「ルカオじゃなくて、神谷に合わせた!」
A「ここで岩渕はルカオに引っ張られて神谷が空くことを読んだんだろう」
80:36
B「こねえええええ」
A「どうしたかな神谷は(笑)」
85:18
B「ここで岩渕に代えて太田龍之介」
A「うん。岩渕は圧巻という感じで、攻守ともにチームの軸であることを表現してみせたな。ゴール数も増えてきているし、このままプレーオフで活躍してほしい」
B「19番らしい選手になってきたんじゃない」
A「いやー、そうだねえ。やっぱりスコアリング能力、チームを助ける献身性。リーダーシップ。仲間隼斗が示してきたものとかなり近いものを岩渕弘人にも感じるよ」
B「太田については?」
A「2点リードで藤枝の攻撃もほとんどシャットアウトできているから、いくらか余裕持って投入できた。前線で体を張ってアピールしたいね」
88:49
B「右サイド狭いところを通して太田」
A「こういうところだね。しっかり体張ってボールを残す。この試合では藤枝に押し込まれてはいないけど、プレーオフに行ったら押し込まれることもある。そういうときに、前でボールをキープして陣地を回復できる力は絶対に必要になるからね」
90:10
B「おおっ!」
A「太田龍之介が引っ掛けて奪った!」
90:58
B「最終的にはタッチラインを割ったけど、だいぶ時間稼げたな」
A「まあ50秒くらい?かな。それでももうAT入ってるからね」
94:04
B「いやー、終わった!3連勝!」
A「内容も結果も充実したいいゲームだったね!」
試合を振り返る
B「さて、これで見事プレーオフ進出をほぼ確定させたわけだけど」
A「少し試合をふりかえっておこうか」
B「前半は決定機もいくつかあってずっと岡山ペースだったけど」
A「後半は前線の疲労もあって、藤枝に押し返される局面もあったね。あのあたり交代策も含めてうまく乗り越えたのは大きかった」
B「うんうん。そしてミスを突いて岩渕の先制点」
A「このチームは先制さえされなきゃまず大丈夫だから、あの1点は大きかった」
B「交代後にリードを奪って、すぐさま追加点」
A「神谷のキックは絶品だった。ここへきてセットプレーからの得点が増えているのは大変大きな好材料。むしろ、それが足りなかったからドローを積んでしまったところもあるし」
B「藤枝はだんだんと運べなくなっていったね」
A「運動量も落ちてきて、ボールを引き出せなくなったのかもね。裏一発のロングボールだとセカンドボールが拾えず岡山にプレゼントする格好になっていたし、リードを奪ってからは岡山の士気も上がってプレスに再点火された」
B「藤枝はつなげなくなっていったなあ」
A「前プレでシャットアウトした、というゲームだったかな。岡山としては非常に意義深い勝利だったかなと思うね」
B「そういえば、前半終わった時に言ってた話あったね?」
A「ああ」
B「この試合はかなり収穫がある、って言ってたやつ。あれはどういうこと?」
A「うん。岡山の強みはやっぱり前プレにあると思うんだよ。この試合もそうだったでしょ?」
B「たしかに」
A「前プレは繋いでくるチームに対するアンチのようなところがあるから、ハマれば藤枝のように組み立てに困ってリズムを失う。したがって、岡山のペースに持ってきやすい。連勝しまくってる山形との2戦目もそうだったし、千葉との2戦目もそうだったでしょ?」
B「なるほど」
A「でも、ハマらなかったらどうなると思う?」
B「え?」
A「甲府戦のようになるんだよ」
B「ああああ、思い出したくもないやつ・・・」
A「甲府は3バックと4バックを自在に使い分けられるチームだったから、岡山が前プレに来るのを4バックに変化したりして困惑させてきた」
B「たしかにあのゲームはさっぱりダメだった」
A「すると、プレスでリズムがつかめずに、はがされて運ばれて押し込まれて、という流れになる。おまけに先制されて追いかけなきゃいけなくなり、イーブンやリードを保ってしぶとく戦うこのチームの良さがさっぱり出せなかった」
B「そうそう、そうだったな」
A「岡山は相手があのように変化する場合でも対応できなきゃプレスをハメられない。だから、甲府は岡山にそういうツッコミを入れてきたわけだよ。「枚数変えたりして困惑させたら強みだせないよね岡山さん?」って感じで」
B「ふむ」
A「それを踏まえると、この藤枝はなかなかに良い相手と言える」
B「というと?」
A「3バックのチームだけど、GKを含めて後ろ4枚のような立ち位置の変化をしてくるでしょ?」
B「うんうん」
A「それにアンカーまわりに梶川や浅倉が降りてきたり、CBが高い位置をとったり、WBが中に入ったりと、試合中触れなかったけどかなりポジション移動の激しいチームなんだよ。だからおもしろいんだけどね」
B「なるほど」
A「岡山としてはそういう変化する藤枝にオタオタしてプレスが困惑したらハマらない。すると、甲府戦の二の舞もありえた」
B「ああ、ところが」
A「そう。実に冷静に渡り合うことができた。特に前半は素晴らしかったと思うよ。プレスに出るところと控えるところ、相手に持たせるのか詰めるのか、そこを使い分けて混乱した様子はなかった」
B「そうか、甲府戦の宿題をここでひとつクリアしたってことか」
A「うん、まあある意味は。この試合が上手くいったからといってプレーオフも安泰ですとはならないけど、実戦で難しい相手に対応できたのはとても大きな収穫じゃないかな。自信にもなっただろう」
B「なるほど、そうかあ」
A「メンバーも戻ってきて、グレイソンがいたころのエッセンスも戻ってきた。セットプレーで得点力も底上げされ、多分今シーズン今が一番強い」
B「おお!」
A「そしてもうちょい強くなれると思う。そういう上り調子でプレーオフに行きたいね」
B「いやーー、なんか鹿児島戦楽しみになってきたなあ。ここも勝って4連勝でいきたいな!」
A「そうだね、メンバー外の選手の巻き返しにも期待したいね」
B「しかし、これ、おもしろいね」
A「というと?」
B「隣で話してもらいながらサッカー観るの。こんなにおもしろいもんだと思わなかったよほんとに」
A「そう言ってくれたらうれしいね」
B「じゃあ今度、鹿児島戦お願いしてもいい?」
A「もちろん」
B「楽しみにしとくわ!」