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【戦前考察】ファジアーノ岡山vsガンバ大阪 J1第3節

どうも、ゼロファジです。

アウェイ横浜FC戦では難しい試合で勝点を得ることができなかったファジアーノ岡山。去年の10月頭からずっと負けなしで来ていましたし、久々に悔しさをちょっと持て余すような気持ちも感じました。

しかし、まあ、ここはJ1。ベストを尽くしてどうにかなるのか?ならないのか?というステージです。京都・横浜FCとは何度もJ2で対戦してきましたが、ここからは何年もJ1で戦ってきているクラブとの対戦が続きます。岡山がほんとにJ1でやれるのかどうか?試されることだろうと思います。3連戦ですし、なんとか連敗は避けたいぞ!

ということで、今季初のミッドウィーク開催となるガンバ大阪戦に向けて、プレビュー的な戦前考察をやっていきたいと思います。

福岡戦を見た印象


ガンバのゲームは大阪ダービー、そしてこのホーム福岡戦と2試合を見ています。開幕戦で2-5の大敗を喫しただけに、このゲームだけは絶対に落とせない。そうした状況で、福岡を下し今季初勝利。ようやくシーズンがはじまるな!という感じなのかもしれません。

・ガンバの守備は442のミドルブロック主体

まず、守備の基本的な考え方は442のミドルブロック。相手コートのセンターサークルの頂点あたりで2トップで構えるのが主体のようでした。開幕戦はハイプレスに出ようとしたところを、セレッソにうまく利用されて一杯食わされていたのでこの試合ではあまり積極的に前から追うシーンは多くなかった印象。

したがって、福岡もガンバのコートに入るのにはあまり苦労はしていませんでした。あくまで中央をしっかり固めて、低い位置やタッチライン際なんかはある程度ボールを持たせていたように思います。

・後方から丁寧につなぎたい志向

一方、攻撃においては基本的にはショートパス主体の組み立てを軸にしています。とはいっても攻撃面でもまだ手探り感があり、パスを繋いでボールを運び、相手の守備をかいくぐってフィニッシュにもっていくシーンは多くない。こちらももう少し時間がかかるのかもしれない印象ですね。

出しどころに困ったときはロングボールでボールを逃がすシーンも見られますが、この試合は前線に186㎝の長身FWイッサム・ジェバリがいたので、彼をめがけて蹴ることで完全に捨て球になることはなかったかなあと。ここはポイントになりそうな予感がします。

・起用するSHのキャラによって攻め方が変わるのかも?

開幕戦のSHは、左:奥抜、右:山下という組み合わせでしたが、この試合では左:倉田、右:岸本という組み合わせでスタート。この左SH倉田が大当たりで、この試合で2ゴール。勝利の立役者となってました。

奥抜、山下という両ワイドだと、ドリブル・スピードがあるのでタテに抜けていくプレーが強そうな印象ですが、倉田の場合はちょっとイメージが違います。彼の場合は大外よりもひとつ内側にポジションを取って、インサイドでボールを引き出したりマークをひきつけたりすることができるんですよね。そして、倉田が空けた大外は左SBの黒川が使う、と。

起用するSHによって攻撃のやり方が変わってくる印象を強く受けた2試合でした。まあ、奥抜にせよ、山下にせよ、倉田にせよ、どの選手でも大変なことに変わりはないですけど・・・(笑)

・守備の手堅さにやや欠ける印象

そんなガンバ大阪ですが、ちょっと気になるのが守備の面。ここにはつけ入る隙がありそうな気配がぷんぷんします。

たとえば、ロングボールを蹴って、FWが競って、セカンドボールを相手が収める。そこにガンバの前線はカウンタープレスでボール奪取を狙いに行くんですが連続性がないんですよね。一回行って取れなかったら終わり、みたいなシーンをみかけました。

そのままボールを運ばれると、最終ラインとボランチあたりで引きながら構えないといけなくなるので、ズルズルと押し込まれる。DFライン・ボランチ⇔前線の間にはかなりスペースがあるので、福岡も運びやすそうでした。

あるいは、後半特に顕著だったんですが、リトリートして引いて構えて、人数はそろっているんだけども、CBは真ん中を抑えるのに、SBはサイドの選手を捕まえに行くので、どうしてもCBーSBの間が空く。そこを相手に侵入されるとまずいので、ガンバのボランチがついていく。すると、今度は真ん中に大きなスペースができる。といった現象も見られました。

こういった例を見ると、スペース管理というか、相手に自由に「運ぶ」をやらせないために、スペースを明け渡さない意識がやや薄いという特徴があるのかな?と思いました。パッと見「選手と選手の距離感遠いなガンバは!」と思うこともしばしば、開幕戦もそうでしたし。

福岡戦に出た選手の印象


・イッサム・ジェバリの高さ注意

ジェバリはターゲットになれるFWですし、サイドから上がってくるクロスもジェバリがいることで脅威度が増す印象です。福岡戦の2点目も、ジェバリへのクロスのこぼれ球を倉田が拾って、巻いてゴールに吸い込まれていく大変美しいゴールを奪っていました。

また、後ろからの組み立てを諦めてロングボールを蹴る時にもターゲットマンになるので、そこは絶対に潰したい。福岡のCB安藤がかなりジェバリへのハイボールを競り落としていましたが、あんな感じで制空権を渡したくないですね。

・SH倉田のつかまえにくさに注意

先述の通り、倉田はインサイドにポジションをとっていました。そこでトップ下っぽいというか、相手のライン間でボールを引き出したり、他の選手に絡んでいくんですが、これが結構捕まえにくそうです。また、岡山のフォーメーションは3421なので、たぶん、SHを折りたたまれるとダブルボランチの横あたりでめんどくさいプレーをやられそうな気がします。まあ、誰が起用されるかわかりませんが、この試合の倉田っぽいことする選手が出てきたら気をつけたい。

・一森純がすごいことになっていた

岡山からガンバに移籍してもう6年目ですかね?しばらくみないうちにすごいGKになってしまって、おれはうれしいよ。もともと、裏に出たボールのケアや抜群のキック精度はJ1でもやれると思っていましたが、この試合見てびっくりした。なにあのパスセンス。意味がわからない。

中継映像を上から見ている自分でも「は?そこ通すの??」みたいなパスを涼しげに通すんですから呆気に取られてしまった。え?J1ってこれが基準なの??と。違うよね?一森がかなりすごいってことだよね??相手が寄せてきてるプレッシャーのなかでアレができるのか。J1で70試合以上もやるとこんな選手になるんですね。

とはいえ、つけ入る隙もなくはない。まあ、予想してたとおりでしたがやはりハイボールの安定感は昔と変わらない印象。後半は福岡がウェリントンを投入して以降ハッキリと電柱アタックに転じてきていたんですが、その中で1失点喫していました。一森が処理に困るようなボールは蹴り込んでいきたいですね。

それにしても、岡山で、J1の舞台で、対戦相手として、一森純を観られることをすごくうれしくおもっています。正直それだけでも観にいく価値があると思うくらいです。


【観戦メモ】442の2トップの脇から「運ぶ」


こちらのマガジンで解説していることをベースに、サッカー観るのがもっとうまくなる知識を記憶していこう!という【観戦メモ】のコーナー。

(※「」の言葉は実際にマガジンで使用している言葉です)

今回のテーマは、”442の脇から「運ぶ」”です。

先述の通り、ガンバ大阪は守備時に442で守ります。後ろから、4人、4人、2人、と3つのラインができるので「4-4-2」。そして、ミドルブロックとはこんな感じでピッチの中央あたりで構えて相手を迎え撃つ守備のやり方です。

サッカーでは「ピッチの横幅を守るには最低4人必要」とよく言われます。4人の選手を横に並べることができれば、右サイド・中央・左サイドとまんべんなく相手を邪魔して「防ぐ」ができるよ、ってことだと思っておいてください。

これ、かなり使える知識で、ガンバは4-4-2でしたよね?ということは、

4-4-2なら、2のところが手薄になるということになります。横幅守るのに最低4人いるわけですから、2人足りない計算ですね。このように手薄な人数が配置されているラインは、相手のボールを「運ぶ」アクションを「防ぐ」ことがやりづらくなる可能性があります。ジェバリと宇佐美が左右にどれだけ忙しく走り回ってもピッチが広すぎて無理ゲーになってしますからね。

岡山は3バックのチームですから、CBが左右にいます。これに対してガンバはまず2トップで見る格好になるでしょうから、

岡山の左右のCBがこのようにドリブルで「運ぶ」ができれば、相手の最初のプレッシャーライン(ジェバリ・宇佐美)を越えやすくなります。

こんな感じで442の2トップの脇から「運ぶ」。よく見かけるので是非探してみてください。

vs岡山はどうなる?


・京都戦のようなスプリントを

おそらくガンバは最初からロングボールありきでボールを動かしては来ないでしょうから、岡山は京都戦のように前からハイプレスに行ってハメる。奪えたら「奪う」。奪えなくてもロングボールを蹴らせて回収する。といった、良い守備のサイクルを狙いやすい相手なのかもしれないなと思います。そのためにはしっかり走って、スプリント回数が多くできるような展開にしたい。

その際は、一森のフィード、ジェバリの高さは十分に警戒しないといけません。せっかくハイプレス行ってもロングボールで「運ぶ」をやられてしまったら効果がないですからね。

・ガンバの守備の粗をうまくついていきたい

前節の横浜FCはガッチガチの守りあいになったのでお互い決定機も少ないというゲームになりました。それと比較すると、ガンバの守備は再構築段階なのかな?と思いますし、先述のとおりつけ入る隙はありそう。しかも、今回は中盤でちょこちょこスペースも空きそうな気もするので、今度こそ江坂、田部井、竹内、神谷あたりが「前向きを作り」、チャンスメイクしてもらいたいなと。前線の選手に求めるのは、「江坂を使い、江坂に使われろ。それが得点への最短距離だ」って感じです。

・先制されてもビビらずやること

福岡もそんなに悪いゲームをしてはいなかったと思います。後半なんてかなり苦しめていましたし、先に点をとれていたらわからなかった。しかし、ガンバにはこじ開ける力がある。黒川の左足、倉田のインサイド、ジェバリの高さ、そして宇佐美。挙げればきりがないほど火力はあります。まあ、1点はもぎ取られるだろうな、くらいの気持ちでみているくらいでちょうどよろしい。

しかし、追いつけないこともないんじゃないかなと。岡山は今季180cm後半の高身長選手を多く擁していますし、セットプレーから開幕戦は得点も生まれています。セットプレー・高さ、この点はガンバにとっても嫌なところになってきそう。(まあ、ウェリントンとシャハブは強烈でしたけど)いつもどおり粘り強くついていけばどっかで一刺しできるチャンスは来るはず。

・選手起用には注目したい

中3日の連戦の真ん中のゲームということで、前節とメンバー変更があるのかどうか?ガンバの方が普段どんな感じなのかわからないですが、起用してきた選手によってやり方も少し変わるでしょうし、誰が出てくるかはチェックしておきたいところです。

どうだろう?岡山はたぶん前節とあんまり変わらないメンバーでいくんじゃないかなあ?けが人が大量にいるとかなら話は別ですが、そういう緊急事態でもないでしょうし、主力をそのまま3連戦!みたいな感じで木山さんなら行きそうな気もします。もし代わるとしたらワントップかな。一美スタートもそろそろ見てみたい。

・2月のナイトゲームだから寒いよ!

このゲーム19時キックオフなので、終わるのがだいたい21時前。しかも真冬の2月のナイトゲーム。死ぬほど寒いです。参考までに2日前の2月24日、21時の岡山市の気温、聞きます?

1℃です。

いや、1℃は寒すぎるだろ。まあ、それでもいくけどさ。現地参戦の方はくれぐれも防寒にお気を付けください。マジで風邪ひくよ!

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