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最後の最後まで岡山らしく


どうも、ゼロファジです。


あとあとになって「当時どんなことを思っていたんだろう?」って思い返したときのために、PO決勝を前に感じたことを書いておこうと思います。


ファジアーノ岡山はPO1回戦、アウェイで山形を0-3で下し決勝に駒を進めた。今年の木山ファジらしい、まさに「相手コートでサッカーをする」を体現できた勝利。ほんとお見事でした。

この日も仕事だったので前半20分くらいまでしか見れなかったけど「木山さん、うまくチームをゲームに入れてくれたな」って思ったな。「これはいけそうだ」というところで仕事に戻るのは後ろ髪をひかれまくってハゲそうな気がした。

そう、仕事柄11月と12月は希望通りに休めないんです。だから、どうしてもPOを見れないことが多くて、これまで4試合戦ったうち現地参戦はいまだに0。

応援するチームのビッグマッチに立ち会えないというのは結構ツラい。松本にも、大阪にも、山形にも、行けたらどんなにいいだろうと思っていたけど、こればっかりは仕方がない。仕事は仕事だ。職場に迷惑はかけられないし。そういう事情があるから、この仕事をしている限り自分はPOには立ち会えないかもしれないなとずっと思っていた。

それにしても、山形戦はソワソワしたなあ。自信と不安がごちゃ混ぜになって、なんかすごく変な心地だった気がする。

2020年から不安とか怒りとか失望とか、ネガティブな感情となるべくうまく付き合うことをテーマにしてきた。サッカーを見ているとどうしてもネガティブな感情が湧いてくるのを避けられない。でも、そいつに自分をいいように支配されてしまうのはもう嫌だなと思って。

もともとネガティブ思考なタイプだけど、いろいろやってみると心構えとか事実の受け止め方でかなり違うことがわかってきた。その成果はかなり実感できていて、ネガティブな感情といくぶん上手く付き合えるようになってきた気がする。すごく楽だし、感情に振り回されないから周りの迷惑にもならない。こっちの方が自分はすきだ。

だから、山形戦を前にしてどんな結果も受け止める覚悟はできていたつもりだったけど、まあ、さすがに、大一番ですね。ソワソワがヤバくて仕事でミスんないように気持ちをコントロールするのが大変でした。

山形戦後の木山監督のインタビューはとても味わい深いものだったと思う。とくに、「POをホームでやる難しさ」については、やったことある人でしか言えない深みがにじんでいたなあ。それを日本で最もよく知る監督のひとりが木山さんだ。

インタビュワーさんは「山形にリベンジですね?」という趣旨の話の向け方をしていたけど、たぶん木山さんの中では"あのときの自分へのリベンジ"という気持ちもあったんじゃないかと思う。

POでは尋常に戦えるようにチームをゲームに入れるのが難しい。2年前、3位でホームに山形を迎えたゲームでは、何かをつかむ前に試合を支配され、突き放された。あの怖さはいまだ鮮明に残っている。ほんとに紙一重だ。いつも通りが一番難しい。木山さんとチームは山形にも勝ったが、"あのときの自分たち"にも勝った。だから、次に進めたんだと思う。

インタビューに答える木山さんを見ていて「この人も今回で5度目なんだよな」としみじみ思った。

J1昇格POがはじまったのは2012年のこと。そのときの決勝は大分vs千葉。木山さんは千葉を率いて、田坂さんが率いる大分と戦った。初めてのPOということでとても注目されたゲームだったけど、最後の最後で大分の林丈統(めちゃくちゃサカつくで使ってた選手だ)がゴールを決めた。そうして木山さんは初めてPO決勝で敗れた監督になった。

あれから、愛媛、山形、岡山、岡山と5回目のPOを迎えている。これまでの4回で木山さんはどんなことを思ったんだろう。きっと「何が足りなかったのか?」「どうすべきだったのか?」死ぬほど考えては指導に活かして、ここまでやってきたことだろう。

そんなことを思うと、「木山さんを勝たせてあげたいな」という気持ちがふつふつと湧き上がってくる。

ファジアーノ岡山としてもこれで3回目のPO。そして2回目の決勝。J2の底でもがいていたころから、少しずつ未体験ゾーンを既体験ゾーンに変えてここまでやってきた。POだけをとってみても、回数を重ねるにつれてクラブが戦い方を身につけていっているような気がする。

さらに、頼もしいのはファジサポの存在だ。山形戦の翌日からは喜びにひたるのではなく「次!」「まだ何も成し遂げていない」という声がそこら中から聞こえてきた。ほんまにそう思う。まだ、なんも終わってねえんよな。

「いや、サポーターがそんな構えたってやるのは選手なんだから」みたいな意見もあるかもしれない。でも、後悔したくないんだよなあ。なんか、ね。

2016年だって、2022年だって、悔しかった。「もっとできることはなかったのか?」とか、「こうした方がよかったのか?」とか、思わないわけないもん。こんないちサポーターであってもさ。もう祈りに近いかもしれない。でもやっときたいのよ。


奇しくも決勝の相手はベガルタ仙台に決まった。これで木山さんは山形、仙台とかつて率いたクラブと2戦続けて対戦することになる。

木山さんはどんなことを思うんだろう。山形でも昇格には届かず、仙台ではJ1で大変な苦戦を強いられたと聞く。もしかしたら、山形戦と同じように、"あのときの自分"にリベンジするための試練がやってきたような気持ちなんだろうか。

決勝は岡山のホーム、シティライトスタジアムで行われることになった。POには縁がないとは思っていたものの、「もしかすると、もしかするかも?」と思って、ダメ元で7日の休みとってたんです!

生まれて初めてPOを見にいける。しかも決勝を!もしこれが長崎ホームだったらたぶん無理だったと思う。このカードじゃなきゃ、PO決勝に立ち会える機会はなかった。

もう、「来なさい」とサッカーの神様に呼ばれているかのような気持ちすらしてきますよ。ファジサポとしてはもちろん、ひとりのサッカーファンとしてもこんなビッグマッチに参加できることがうれしい。

ベガルタ仙台は長崎を1-4で破ってきている。岡山と同じようにうまくPOに順応して優位に戦ったんだろう。しかし、長崎に4点か。強いな。今年の対戦では岡山の2勝(1-4、2-0)。過去の対戦成績もかなり岡山が優勢ではある。木山さんが仙台を率いていた時はホームで1勝もできなかったらしい。だから、その不振の原因である木山さんを目の敵にする人も結構いるみたいだ。

だけど、そんなの何にも関係ないと思う。一発勝負の決勝戦だもん。

岡山はすでにシーズントリプル(vs山形2022)した相手に敗れる経験もしている。そして、PO決勝で敗れる経験もしている。チームには昇格経験を持ってる選手も、POで敗れた経験を持ってる選手もたくさんいる。「あのとき」を越えないとな。ここまで積み上げてきたいろんな経験が決勝に生きてくるはずだ。選手も監督も、クラブも、ファン・サポーターも。

だからこその「全員で勝つ!」

終了のホイッスルが鳴った時、自分がどういう感情になるのか全然想像がつかない。これまでのサッカーファン人生でも一番大きな出来事になるのかもしれない。

チームに願うことはたったひとつ。ゲームの行方がどうであっても、「最後の最後まで岡山らしく」プレーするファジアーノ岡山でいてほしい。ファジアーノ岡山らしくプレーするのを決してやめないでほしい。その姿を目に焼き付けるために最後のシティライトスタジアムに行くよ。

そんなことを切に思いながら土曜日を待ちます。

PO煽り動画が素晴らしすぎて、RADWIMPS 『大団円 feat.ZORN』の脳内リピートが止まらない!


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