日本をハックせよ!
資本がキミ1人しかない時点で、日本で生まれたキミがゼロ円起業しようとするなら、すべきことは1つ!
日本そのものをハックするしかない。
といっても、抽象的すぎるので、具体的に、義務教育で学ぶ範囲でハックできることを考えてみた(もちろん、私も実践してきた)。
・道路を利用する(ただし、道路交通法等の法律は守ろう)
・資料(図書館等)を利用する。
・電波(公共のWi-Fiなど)を利用する。
・無料セミナーやモニター制度を利用する。
・人の動きやCMを観察する。
ちなみにいくらゼロ円でも技術が伴っていないならお勧めできないことも挙げておく。
・耕作放棄地を無料で借りる。
・無料のコンテンツ(ニュース等も含む)を受動的に観る。
・キノコなど自然のものを採集して食べたり売ったりする。
・行政の助成金や補助金をとりにいく。
翻って、ゼロ円起業をする際に実際に使えるものについて、具体的にどうハックしていけばいいか見ていこう。
・道路を利用する(ただし、道路交通法等の法律は守ろう)
道路が何のためにあるか、考えたことがあるだろうか?
私はそんなこと、自分が起業するまでは考えたこともなかった。がしかし、起業してしばらくして、「道路って、無料で使えるすごいツールじゃないか!」と目から鱗が落ちた経験がある。
もっとも身近な利用法は、道路を貸し切って、軽トラ市やマルシェなどを開催することだろうか。きちんと警察署に道路占有許可をとれば、基本的にはゼロ円でスペースを確保できる。
これは高校生でも思いつくだろうから、これ以上は説明しない。
私が気づいたのは、道路にはいくつか種類があり、種類ごとに目的があり、その目的を理解した上で、自分の有利な方法で道路を利用する(もちろん、ゼロ円で!)というものだ。
1つだけ例を挙げる。
港湾の近くには片側4車線といったようにやたら広い道路がある。これがなぜかわかるだろうか?
道路は、何も我々一般人がA地点からB地点に行くためだけに創られるものではない。港湾近くの道路は、物流インフラを支えているコンテナ輸送システムを支える大型トレーラー等が走行できるよう設計がなされ、運用されている。
我々一般人が走ってはいけないという法はないが、デートで臨海工業地域の夜景を観に行くために普通乗用車で走ることはあっても、それが仕事でないのであれば、港湾道路を走ることにあまり意味があるとは思えない。
ゼロ円起業で道路を利用する上で必要な思考は、「同じ税負担をしているが、どれだけ多く使っても(走っても)負担はほぼ同じ=直接的な費用はゼロ円」ということだ。
貨物運送業や自動車産業はもっとも道路という社会(生産)資本の恩恵を受けている業界と言えるかもしれないが、先の例のように、何も道路が彼らのためだけに存在しているのではない。
林業道路もあれば、農業道路もあり、高速道路(日本では有料だが)もあれば、住宅街の道路もある。
この万人に開かれた道路をキミがキミの目的にそって使えば使うだけ、国や自治体の側からすれば資本稼働率が上がることになり、道路もまた維持が適切になされるようになる。
獣道は最初は道ではない。獣たちが何度も何度も通ることで、土が踏みしめられて固まり、道になる。一旦できた道は、そこを通行するのにかかる摩擦が減少し、人間社会においては車両(タイヤのついたもの)が通行できるという偉大な発明の恩恵にあずかれるようになる。
家で動画を見ていても、道路を走って(使い倒して)も、どちらにしても道路を維持するためにかかる費用負担は公平だ(ただし自動車を所有してガソリン等を購入すればするほど、道路維持財源を負担している)。
目の前の道路がなぜ、誰が、何の目的で作られているのか、いくら費用が掛かっているのか、誰が負担しているのか等について知り、ゼロ円起業にうまく活かそう。
・資料(図書館等)を利用する。
空間の利用。言うまでもなく、夏涼しく、冬は暖かい。
人の利用。図書館司書の主要業務の1つは、〇oogle検索では得られないような、利用者のリクエストに応えることにある。利用しない手はない。
文献の利用。開架にあるものではなくその図書館固有の(希少性の高い)図書や資料を閲覧利用しよう。電子データで収蔵されているものや、論文など(一部、有料のものもある)。
また、定期購読するほどではないが、有用な情報が載っている雑誌なんかも図書館によっては閲覧できる。頼めば取り寄せてくれたり、バックナンバーをもらえることもあるので、大いに利用したい。
また、数万円する高額な図書が収納されている棚や図鑑の類を眺め、ランダムに手に取ることもお勧めしたい。これは産業図書などを置いている本屋さんでも(買わなければ)良いし、古本屋などもお勧めだ。
図書館と一口に言っても、国会図書館、大学図書館、自治体の図書館、文教施設や企業の図書室などもある。
資料という意味では上場企業のwebサイトにあるIR情報「有価証券報告書」等はゼロ円で見ることができ、かつ勉強にもなるのでお勧めしたい。
慣れない用語、標記の雨あられで最初は苦痛でしかないと思うが、普段企業が我々消費者には見せない情報も投資家向けに開示していることもある。ゼロ円起業家にとっては必読かもしれない。
共通して言えることは、ゼロ円でも知の領域を拡げることは可能だということ。内容を精読する必要は必ずしもない。手に取る必要さえないこともだってある。背表紙を眺めるのも、眺め方一つで、世の中の知の体系の大よそのを俯瞰することができる。
以前にも書いたが、知識は活かさなければ意味がなく、害にもなるので、あくまでも行動のきっかけにするくらいでちょうど良い。
・電波(公共のWi-fiなど)を利用する。
制限があったり、セキュリティ上の脆弱性はあるものの、使えるものは使い倒そう。
私もコンビニ、図書館、ホテル等のWi-fiはたまにお世話になった。
事前に調べたいことをメモするなりして、施設側の迷惑にならない範囲で、スマートに利用しよう。
・無料セミナーやモニター制度を利用する。
企業セミナー(無償)や国のモニター制度、はたまたヘアカットモニター(カットモデル)など。
そうしたものは通常、広告には乗らないが、サービスを提供する側も練習は必要なため、探せば結構ある。
中には参加すると謝礼がもらえるものもあるが、相応のリスクや先方の目的があることも承知しておこう。
セミナーの類は、概して得られる情報の質はそんなに高くはないが、受ける側が社会勉強として、門外漢の分野の知識を得たり、最新動向を調べたりするのには役立つ。
・人の動きやCMを観察する。
街ゆく人々を観察するのはゼロ円だ。店舗内での人の購買行動を観察したり、少し下品だがスーパー等で他人がどんなものを買い物かごに入れているのか、その際に年齢、性別、身なりなどを見ながら、どんな目的で何をどれだけ購入しようとしているのかなどを想像しながら観察しよう。
ただし、気づかれないように、それとなく。もちろん、店舗に迷惑をかけない範囲で。
また、個人の購買行動は勉強できても、法人等の購買行動は普段なかなか接することがなく、観察機会も少ない。そうしたものはインターン制度や商品モニターなどを通じて対象企業の内部に入り、そこで電話のやりとりや社員同士のさりげない会話、あるいは工場内の従業員の動き、経営者の言動などを観察しよう。
人と仕事をする以上、相手のことを知ることはもっとも大切なこと。知るために質問するのも大事だが、質問してもこちらの質問が下手なうちはきちんと答えてくれないことも多く、また、相手自身が答えを持っていない(自覚していない)こともあるため、積極的に観察することは大いに有効で、結果として良い質問にもつながる。
CMなんかも、商品そのものよりも、なぜそのCMが流れていて、どういう構成をしていて、誰が、誰に向かって訴求しているのかといったことを観察すると面白い。
これも図書館などで昔の新聞記事を閲覧すると、新聞広告が載っているが、その当時にどういった広告の割合が多かったのか、あるいは広告媒体の使われ方や広告から伝わる副次的な情報(背景や演者の服装など)から読みとれることもある。
広告をハックすれば、ゼロ円起業の強い味方になることは間違いない。
河川の土手や、工場(見学)、試供品モニターなど、公民の分野を問わずまだまだハックしようと思えばハックできるものはたくさんあると思うが、まずはここで挙げたものを使い倒してみる&実践してみよう。
質の良い情報は買わないと手に入らないこともあるが、自分の身体1つ使ってできることも(使わないとできないことも)多い。
次回は、現代のゼロ円起業と江戸時代のゼロ円起業を対照しながら、違いや共通点を見ていきたいと思う。