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Starship Flight 5のSF映像的な見所【Starship Flight 5,SpaceX】

以前、SpaceXの巨大ロケットStarshipの打ち上げ試験Flight3と4の映像について二つ記事を書きました。

前回のブースター着水や大気圏突入に引き続き、今回も世界初の『アームを使った地上でのブースター回収』の様子が配信されました。

イーロンの「Good morning」が示す通り、朝焼けの中で打ち上げと回収が成功し、誰も見たことの無い映像が撮れているので見どころになるポイントを書いていきます。

打ち上げ前

上記の動画や公式配信の開始直後、発射台の周囲に広がった冷却剤のような物で雲のように地表に広がった煙が流れていく様子が見れます。海辺の風で激しく流れる様子もなく、発射直後も勢いよく吹き飛ばされたりしない、割と重い動きをしている様子でした。発射3秒前には、発射台直下と管制用と見られる建物の向きに水が放水されている様子が映っています。

雲のように地表を動く煙

緑色の噴射炎

打ち上げ直後のブースターから青緑色の炎が見えました。

緑色の炎が見える

前回のFlight4と同じく、今回のロケットも燃料に液化メタン酸化剤に液体酸素が使われています。都市ガスの主成分と同じメタンが使われているので、このような色になっているかもしれませんが、前回と違って煙に邪魔されず、かなりハッキリ炎の色が見えてます。最終的には化石燃料ではなく人工的に精製できるメタンでロケットを飛ばして行こうという考えもあるのでしょうか。

Starshipの再突入

前回の打ち上げ試験では、Starshipの再突入中に側面にある羽の根本から穴が空き、はっきりした着水後の様子も映っていませんでした。
今回の打ち上げでも同じように、羽部分が赤熱化し穴が開く場面もありましたが着水には成功し、その様子も海上からのカメラで撮影されました。

公式配信の左上のカメラで火花が散る様子が見られる

着水後にStarshipが爆発しましたが、今回は着水まで成功したと公式から発表されており、テレメーターでも横になったStarshipが確認できます。

海上での爆発の様子

ブースター回収

映像を見ると分かるように、地表近くまで降りてきたブースター側面から炎や煙が上がっているものの、初回にも関わらずアームでのブースター回収を成功させていました。

降りてきたブースターがアームで回収された様子

アームを上部の二本のみにする指示をイーロンが出した事や、重いブースターをどうやって受け止めなければならないかについて以下の動画で本人が解説しています。

その他の映像・画像

まとめ

今回はアームでのブースター回収を初成功させ、映像のインパクトと再使用という説得力で注目を集めていると感じます。アームキャッチのような新たな試み以外にも、前回の再突入時に穴が空いたフィンの表面が、今回は違った材質に変わっている所などで進歩が見られました。

Starship Flight 5終了後には木製の衛星エウロパへ向かう探査機をFalconHeavyで打ち上げるEuropa Clipper Launchが準備され、実施の様子が昨日配信されました。

この配信を含めて、他の企業もロケットの発射をYoutube上で配信しているのを最近見かけますが、やはりStarlinkの運用もあって、これだけ高画質低遅延で配信されているのはSpaceXだけのように見えます。

Europa Clipper Launchでも同じSpaceXのロケットが使われていますが、NASAのチャンネルで打ち上げが配信された際の映像は、画質が低くテレメーターの情報が少ないです(以下の動画参照)

これらのブースターに使われているRaptorエンジンの改良が続いているので今後、発射実験の見た目が変わるとしたらブースター下部周辺かもしれないと予想しています。


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