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Vol.12 結局、僕たちはなぜペースを落とすのか?

「そもそも僕たちはなんで、ペース落とすんだっけ?」

ものすごくシンプルな疑問ですけど、これって中長距離ランニングの本質に迫る上で、ものすごく重要だと思うんですね。

今日は、こんな超絶シンプルな疑問点から、走力を向上させるためのエッセンスについて考えていきます。

最優先すべき戦略は、何か?

僕たちは、なぜペースを落とすのか?

この疑問に対して、走る(競技の)距離の違いによって、どんな過程でペースを落とすのか?を考えてみます。

まず、僕が取り組んでいる1500mで考えていきます。この競技の場合、ペースを落としてしまう理由は「呼吸が苦しいから」が最も大きく、次に「脚に力が入らなくなる」が来ます。

もちろん個人差はあると思いますが、全力で走り終わった後でも「もう一本!走りなさい!」と言われたら、タイムの良し悪しを別にすれば、走れなくはありません。ゴールが待ち遠しい理由が、「脚の疲れ」よりも「息が苦しいこと」だからです。

では…

なぜ息が苦しくなるんでしょうか?

この疑問って、なかなか深掘りすることって、ありませんよね?でも、僕はここがすごく大事なところだと思ってまして。

なぜ、息が苦しくなるのか?この疑問に対して、ついつい「心拍数が上がるから」と回答してしまいがちです。たしかにそうとも言えるんですけど、ただ、それだけが息苦しさの理由とは言えなかったりもします。

というのも、心拍数が上がっても息苦しいと感じない時もあるし、心拍数が上がってなくても息苦しいと感じる時もあるからです。

そこで重要になってくるのが「二酸化炭素耐性」という視点です。

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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員