Vol.3 ステップ②腱の弾性エネルギーを理解する
「胴体回旋&落下(Trunk Rotation & Fall:TRF)スキル」とは、胴体の回旋によるエネルギーと、胴体の落下によるエネルギーを掛け合わせることによって、一歩の推進力を改善するスキルです。
ここでは、このスキルにはじめて触れる初心者ランナーでも習得が可能なように、体系立てていくことを目的とします。
ステップ②では、腱の弾性エネルギーをより深く理解していただき、次回以降のスキル習得が滑らかになることを目指します。
それでははじめましょう。
筋腱複合体の「スティッフネス」が鍵
毎回お話していますが、TRFスキルの目的は「ランニングエコノミーを改善すること」にあります。
そのためには「腱の弾性エネルギーを発揮すること」が必須になるわけで、TRFスキルとはまさにそのためのスキルといえます。
ではまず、腱の弾性エネルギーとはなんぞや?ということについてサラッと触れておきます。
「腱の弾性エネルギー」とは、輪ゴムを想像していただくと容易に理解していただけます。輪ゴムを両手で横に引っ張ってみましょう。すると輪ゴムは伸びますね。この状態のことを「弾性エネルギーを蓄えている」といいます。
そしてこの状態から両手を離すと、輪ゴムは瞬間的に、勢いよく元の状態に戻ります。この「両手を離した瞬間のことを「弾性エネルギーを解放した」あるいは「弾性エネルギーを発揮した」といいます。
このように、弾性のあるものを伸ばすことによって「縮む力」を蓄え、発揮することができるわけですが、僕たちの「腱」は、この性質を持ち合わせているんですね。
では、腱の弾性エネルギーはどうすれば効果的に発揮できるんでしょうか?
この動画では「腱の弾性エネルギーを発揮するとはどういうことか?」をまとめてますので、ぜひチェックしてみてください。20秒の動画です。
https://youtu.be/2lYteGfsxdA
①では、中指の筋肉の収縮のみで胸を叩いていますが、これでは大きな力を発揮することができません。
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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員