【会社員】予定調和でプロジェクトなんて!の話
<おじさんDX Vol158>
🍀予定調和🍀
予想する流れに沿って事態が動き、結果も予想通りであることをいう。
知人のDさんが、勤務する会社で新規プロジェクトの立て直しを任された記事になります。
✅とある新規プロジェクト
長く会社に在籍していると、理解出来ない理由によって生まれたプロジェクトの担当になってしまう経験をすることが、あるのではないでしょうか。
その会社の社長が、交流のある社長に触発されて基盤や環境の違いを考慮せずに始まってしまったようです。
Dさんは、その新規プロジェクトに関して明確に「失敗が見えていた」そうです。
✅すでに市場は、飽和状態と思われ採算が合わない
✅最後発となるので、旨味が少ない。
✅シェア競争になるが、そのノウハウが会社にない。
✅ハードだけ揃えてもソフトが、育っていない。
無謀とも言える内容だったとのことでした。
✅結果ありきの会議
Dさんは、ハッキリと社長や役員に意見を伝えたそうです。それも具体的な数値の根拠を示した上での話です。
この新規プロジェクトは失敗します。
しかしその会社の社長は、すでに盛り上がっている。会議でもプロジェクトを実施しないという選択はなく「実施するという予定調和」だったとの事。周囲の役員も社長には意見が出来ず、賛同するだけでした。
プロジェクトの立ち上げは、別な担当がリーダーに選任され実施する事になったのです。
✅そして二年後
数千万円の投資を行い立ち上げたプロジェクトでしたが、当初の見込みの3分の1程度しか実績が出て来ませんでした。このままでは、このプロジェクトが頓挫してしまう...。
毎回のように社長や役員からプロジェクトリーダーは、不振について責め立てられていたのです。
社長:あいつは、能力がない。
そこでDさんに、プロジェクトの立て直しが打診されたのです。
Dさん:2年前に失敗すると指摘しております。「お断りさせて頂きます」
Dさんが管理する部署は、社内だけでなくグループ会社内でもトップクラスの実績を誇っていました。まだまだやる事があると思うDさんにとっては、新規プロジェクトの危機とは言え、会社全体を左右するほどの重要性を感じられなかったのです。
始めから、失敗すると思っていたプロジェクトだからね
✅強引な人事異動
とは言え、社長命令です。
新規立ち上げに関わったプロジェクトリーダーは、不振の責任を負わされリーダー職をすでに解かれています。誰かが、問題プロジェクトを継承しなければいけないのです。
社内でもそれが出来ると思われる人物が、Dさん。
ここからが、会社とDさんの思惑がずれていってしまうのです。
会社は、なんとDさんを部署の責任者から外し、後任に部署のNo2が、着任することになりました。
これで嫌々とは言え
Dさんは、プロジェクトの立て直しに行くはずだ...
と思ったのでしょう。
✅思惑は外れる
このことでDさんは、会社に不信感を持つことになります。不信感というより「怒り」と言った方が良いかも知れません。
✅役員を始めプロジェクトに賛成した人が、誰も責任を取らない。
✅これがこの会社のイノベーションか。
✅火消ならぬ撤退ならまだしも、継続という予定調和しかないのだよ。
✅投資額を回収したい気持ちは分かるが、これ以上は危険なのに。
「真面目に働き実績を残し会社に貢献してきても、しょせん歯車か...」
Dさんは、遣り甲斐も居場所も奪われ失ったのです。
✅別な道を歩もうと決意
Dさんは、この会社に決別をします。
仕事内容は、天職と思われる仕事でしたし、業界内で知られた人物でしたので、噂を聞きつけた途端に競合会社からオファーが来ます。
✅同じ仕事でも仕事の仕方が随分と違った。
✅どおりであの会社は、今の会社に勝てないはずだよ。
✅この会社なら、自分の能力を思う存分発揮できる。
Dさんは、転職することになったのです。
✅以前の会社の誤算
✅Dさんという強力な戦力を失う。
✅新天地で強力なライバルになる。
✅問題プロジェクトが、瀕死に追い込まる。
✅Dさんを信頼していた優秀な部下の退職。
新天地でDさんは、(以前の会社)問題プロジェクトの競合となる部署の責任者となります。これによって問題プロジェクトは、すでに瀕死の状況です。
「だからあの時、撤退するなり縮小するなりすればよかったのに」
私が思うには、競合に回ると厄介どころか致命傷になるくらいの社員は、手元に置かないと非常に危険と思うのです。
サラリーマンだからと言って、一生その会社で働くとは限らないのです。
そう思う、おじさんでした。