【第二章】 暗黒期の中学時代
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塚田悠太郎のサッカー人生は決して平坦なものではなかった。FC東京に所属した中学時代、塚田は最初の壁に直面した。「中学時代は自分の中で暗黒期でした。」
3歳から始めたサッカー。物心ついた時には塚田の日常にはサッカーがあった。小学生時代は地元のクラブやスクール、英語で学ぶサッカースクールのTOCなど複数のチームに所属し練習をする毎日。そこには献身的な父のサポートがあった。「僕がそんなに自分から積極的に動くタイプじゃないので、それを父がわかってていろんなチームに入れてくれていたんだと思います。地元のチームは枠にとらわれない自由なサッカーをさせてくれていたので、今の自分のドリブルやシュートのスタイルの原点になっていますね。」小学生時代は友人との交友時間や流行りのゲームなど色々なものを犠牲にしながらサッカーに打ち込んだ。
その後努力の末、数千人の中から選ばれ実らせたFC東京ジュニアユースへの入団。念願叶い喜んだのも束の間、現実は甘くはなかった。小学生時代は地元チームということもあり自由にプレーしていたサッカーだったが、FC東京の指導スタイルや環境の違いに苦戦。さらに周りは実力者ばかりで試合に出ることも難しかった。「久保建英とはFC東京の同期で半年くらい一緒にサッカーをしていたんですけど、彼は異次元でした。中2で加入してきた時は子供ながらに圧倒的な実力の差を感じて自信を無くしましたね。本当にあそこには追いつけないだろうなと思ったんです。」一番重要な中学3年生ではスタメンでの試合出場は一度もなかったという。「サッカーに対するやる気がほとんど消えかけていました。練習もめちゃくちゃ行きたくなくて、放課後なるべく学校での掃除を長くしたりして…」気が重くなるほど嫌になったサッカー練習。塚田はもがいた。「今思うと単純にサッカーのプレーが悪かったですし、周りが本当に上手かったんです。成長期も重なり中2から中3で30センチくらい身長が伸びて…小回りがきくプレーが特徴だったんですけど身体が大きくなってついていかなくなってしまっていたんですよね。自分では意識していなかったんですけど、それでうまくいかなくなって自信を無くしていくという悪循環でした」と振り返る。クラブスタッフから告げられたFC東京ユースへの昇格はできないという非情な宣告は、中学3年生でのスタメン起用がなかった時点で自分でも予想していて驚きはなかったという。そういった場面では反骨心を持って高校サッカーに励んでいく選手が多い中、塚田は取り乱すことなく冷静だった。中学卒業が近づくと、ユースへの昇格や強豪校からのオファーを受け進んでいく周りの選手たち。塚田は唯一オファーがきた聖望学園高校に進路を決めた。「ユースに上がれなかった選手はそれをバネにサッカーを頑張ったりプロを目指そうってなる人も多いと思うんですけど、僕はもう本当にサッカーを楽しくできればいいなくらいでした。中学の時はサッカーを楽しめていなかったので。」
中学時代の自分には野心が足りなかったと塚田は当時を振り返る。中学3年時には闘争心がなくなり、周りからもサッカーを諦めたのかと思われるほど。「今思うと中学生なんてそこからいくらでも上達できますし、成長期とかもあるんで、とにかく努力を続けることが大切だったなと思います。」
聖望学園高校では自分らしさを取り戻したプレーで実力を発揮する。消えかけていた彼の静かな闘志は再び火を灯すのだった。
塚田選手の最初の印象は記事にも書いてある通り、シャイで物静かな青年でした。インタビュー当初はまだ大学生でどこかあどけない表情で語っていた彼も記事作成終盤には正式にトップチームの選手になり、大人な顔つきに。試合での複数得点獲得やトップチームでの初出場、契約など短期間での進化は目を見張るものがあり驚かされました。自分の置かれている状況に対応して、芯はそのままに柔軟に変化していく彼の姿は頼もしく、今後に期待せずにはいられません。そんな彼の躍進は素晴らしく、日々努力を続ける姿はライターである私の刺激にもなりました。サッカーに関して全くの初心者な私のトンチンカンな質問や繰り返される同じ質問にも嫌な様子を一切見せず、分かりやすく真摯に答えてくれて本当に感謝しています。素人が見てもすごいと分かるスーパープレーを放つ彼のサッカーから引き続き目が離せません。これからも塚田選手らしい活躍を楽しみにしています。
- 取材/文: 生田 奈々 -
假屋さん(Zero-Zero株式会社代表)には入学前の手続きや大学への売り込みなど最初からたくさんのサポートをしてもらいました。自分では出来ないことだらけだったので感謝しています。渡米後も相談をした時はアメリカ留学というものを一番理解してる假屋さんだからこそのアドバイスをしてもらえて助かりました。アドバイスも『こうしろ!』という感じではなく、色々な可能性や選択肢について話してくれるので、とても分かりやすくタメになりました。自分は使っていませんが就活のサポートもあるみたいで、アドバイザーの方に相談出来たりとサッカー引退後のセカンドキャリアまで応援してくれるのは本当に心強いと思います。Zero-Zeroはどんな選手であっても手厚く、サッカー選手としてだけではなく一人の人間として、将来社会に出た時に活躍できるようなサポートをしてくれると思います。
- 塚田 悠太郎 -
Zero-Zero株式会社
アメリカ大学スポーツ留学
https://www.zero-00-zero.com
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