【ネタバレ有】FF16クリア後感想

ありがとう吉田。

FF14を遊んだ人、特に蒼天でやられた人には刺さる内容の王道RPGでした、ありがとう。徒然なるままに書くのでまとまりはないです。個人の感想ですのであしからず。

ストーリーについて

FF16に求めるものはストーリーだったのでそのストーリーが大満足。
 ストーリーは大人向け、個人の感想としては「生きる」物語でした。
 PVの時点で盛大にネタバレしているように冒頭フェニックスを殺した仇であるイフリートは実はクライヴ自身ということが序盤のクライマックスとして描かれます。序盤、復讐が目的だったクライヴはある意味自我などなく、感情も生きる目的も希薄な状態でした。死ぬのは働いた後でもできると叱責されつつシドと行動を共にするなかでクライヴはベアラーの扱いがひどいことを改めて知るとともに人が人として生きるのは今の世の中難しいことを知り、じぶんがなぜ生かされているのか何ができるのかを考えるようになります。
 序盤ではクライヴの視点が過去の復讐>今を見つめる形に変わっていきます。すぐにシドの隠れ家からは出ていくからと終盤からは考えられないほどクライヴがツンツンしています。
 その後大きな出来事があり一度大きく時が流れ、より大人になったクライヴで中盤が始まります。中盤では序盤に受け継いだ目的「人が人として生きられる場所」を作るために奔走していきます。中盤においては基本的に戦隊ヒーローの王道展開というか、悪役が出てきて非人道的なことをして、人間状態を凝らしめて巨大化召喚獣バトルの流れです。その中でアナベラやウォールードの面々の暗躍が明るみに出て真ボスであるアルテマの計画が徐々に明らかとなっていきます。中盤は特に人とのつながりがいいつながりもも悪いつながりも強調されます。シドが残していたつながり、クライヴ自身のつながり、それらが強固になり、クライヴを形成しているのはクライヴだけの願いではなくみんなの願いになっていきます。そしてこの辺りはゲームデザインとして、メインストーリーでクライヴが主体とする話を、サブストーリーではクライヴ以外が主体となるような話が進んでいきます。どのサブストーリーも世界観を深める意味では重要なものばかりなのでぜひプレイしてそれぞれの過去や決意を見ていただきたい。
 さて、いろいろあってバハムートを取り込んでからが終盤が始まり真ボスのアルテマが表立って行動し始めます。ここから仕切りにアルテマがクライヴの自我を気にしています。いいから自我なしの状態にしてこい、とバルナバスに無理難題を突き付ける程度にはクライヴの自我が強固なことを気にしています。ここが序盤のコントラストとして非常にきれいです。最序盤の過去編においては拙い自我によって自分がイフリートであることすらわかっていなかったクライヴ、終盤はもう切っても切れない思念のしがらみでクライヴの願いはみんなの願いになります。ここから一気にサブストーリーの数が増えます。終盤のサブストーリーは各キャラクターの掘り下げかなりされるのですべて回収することをお勧めします。特にジルのストーリーは必須レベル。(ストーリー上急げよ!ってタイミングで明らかに数日サブストーリーで時間経過するシーンも多少ありますが、よいストーリーの前には些末なことです)
 最終決戦の見送りからの突入シーンも熱い。後ろのほうに話さないけど佇んでるキャラにもぐっときます。詳細は君の眼でと言いたいですが、語りたいところを上げると、ファイナルファンタジーを回収してくるかと膝を打ちました。すべてが終わった後、米津玄師さんのメインテーマが流れ出します。さすが世界最速プレーでクリア済みで曲を書いただけあり、がっちり「ジルの歌」になってます。この曲でぐっとくるのはジルのサブストーリーやってるとより来るのでぜひサブストーリー回収を。
 復讐に生きていた青年が、人の思いに触れ、生きることすら困難であることを知り、それが苦難の道であっても人が人として生きられる場所を作る。よいストーリーをありがとう吉田。

ゲームについて

ゲームシステム、難易度については非常に万人向けに作られている印象です。コマンドRPGに慣れていた人でも遊べるようにアクションと言いながらアシスト機能が豊富で適当連打でもクリアできるようになっています。開発陣のいいから最後まで遊んでほしいという気概を感じます。
 一方アクションに慣れた人からすると、スキルや装備の組み合わせ次第ではラスボス含めて簡単に感じるかもしれません。一応クリア後により難易度の高いモードが解放されたり、スコアアタックモードがあったりとしますが、高難易度アクションゲームを狙っていないし、そこを楽しむものではないと感じます。
 一方で気持ちいいアクションゲームとして見たときには完成度が高いです。特にカメラワークにこだわりを感じます。常にカメラが「一番かっこいい角度」に調整される印象です。打ち上げるような攻撃なら下から見上げるなどのカメラの変更が自動で行われます。
 カットシーンにおけるカメラワークも非常に丁寧に作りこまれています。またクライヴの装備がそのまま反映されていることから多くのシーンでリアルタイム描画されていることがわかります。魔法エフェクトがこれでもかと出ているシーンでも遅延なくあの画質で描画されるのを見ると、PS5に向けて相当最適化を行ったのだろうと思われます。PC版にも軽く言及していましたが同じプレイフィールでカットシーンを楽しめるかはかんりの部分おまかんになりそうな予感がします。
 ゲームの区切りとしてカットシーンに対してロードが挟まらないのも非常に気持ちいいです。カットシーン自体はプレイしない時間なのでアクションさせろ!という人もいるかもしれませんがそのつなぎがきれいなためあまり気になりません。また回避、攻撃、連打とシンプルではありますがカットシーン中に入力を求められるシーンもあり、コントローラーから手を放して放置でもなく没入できます。PS5のアダプティブトリガーは門をこじ開ける程度の利用でしたが、アクションのスピード感からすると妥当な調整にも思えます。
 カメラワークとしては、UIについても練られていると感じます。特にミニマップを表示しないのはこの手のゲームでは珍しいと思う一方で没入感がものすごく高まります。よくあるのが、ミニマップ上の矢印だけを見てフィールドを見ないでプレイすることですが、それは全く生じません。じゃあ迷子になるかというと、目的地を常時表示し距離を示すことで迷わず目的地まで行くことができます。目的地に足を踏み入れるとロードを挟むことなくカットシーンが始まるという寸法です。戦闘時を除いてHPゲージなども非表示になり、壮大な風景を楽しむことができます。大瀑布など実際に行ってみたくなる壮大さです。
 今回オープンワールドではないですが、非常によくできたマップ構成だと思います。見た目の奥行を感じられるのに対して移動が苦にならない距離に目的地があります。確かに目の前の崖を乗り越えてどこまでも移動できるということはありません。ですがフィールドのある種不用意な探索をなくしているバランス調整と見えます。宝箱を探してすべての道をめぐるうちに何をしに来たのかわからくなるダンジョンなどはありません。
 ダンジョンのサイズもちょうどいいです。あ、これはボスまであるなというときのカットシーン含めて全体は1h程度で終わります。よし、ちょっと進めるぞ、で始めてちょうどいいところまで進められます。
 個人的にうれしかったのは、スキルポイントの無料振り直しです。とりあえず試すことが可能でいろんなスキルを試せます。また、次の召喚獣を手に入れたら前のが無駄になるから振るのやめようとか、新しい召喚獣使うのやめようとはならないので気兼ねがなかったです。最終的にはこの組み合わせだなというのを見つけて若干戦闘がパターン化してしまいましたがそれもまた醍醐味といえば醍醐味。

音楽について

ありがとう祖堅さん。最高。また足音や水の音、生活音なんかも丁寧に作られているので、ヘッドフォンで遊ぶことをお勧めします。召喚獣バトルの音楽がお気に入りです。

余談

FF14では主人公は積極的に話しません。それはプレイヤーの分身として主人公がいるためです。一方でFF16の主人公は間違いなくクライヴであり、境遇含めてプレイヤーとはかけ離れいるでしょう。一方でその悩みや葛藤、決意など人間性は共感できる部分が多いように思います。
 全体のプレイフィールとしては、海外ドラマを見ながら戦闘の部分は自分が操作できるという雰囲気です。じゃあプレイヤーは置いてきぼりかというと、そうではなくロードを挟まないことで次は次は!となります。
 ストーリーの内容としては戦争や色恋や謀略があったりと大人向けな印象が強いです。小学生がやって楽しいストーリーではないと思います。またよく人が〇ぬので推しが〇ぬのが怖い人には向かないかもしれないです。
 FF16をやるためだけにPS5ごと買って遊びましたが、よいゲームでした。ありがとう吉田。
 さて、次はゼルダか、タクティクスオウガか、ホグワーツか。。。とりあえずACだな。

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