「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽、決意の最終楽章 後編」から感じた、TRUE(唐沢美帆)さんの書く主題歌の歌詞との関係性【※ネタバレ注意】
はじめまして、あいかわといいます。
これが初投稿となります。
普段はtwitterを主に使っていますが、「twitterじゃ収まりきらないな」と
思ったことを書いていこうと思います。
初投稿となる今回は、先日(2019/6/22)に発売された
「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編」を
読んだ感想を書いていきます。
※以降は本編のネタバレを含みますので、予めご了承ください。
さて、ユーフォ最終楽章を読み終えた率直な感想を簡単に挙げると
・響け!ユーフォニアムに求めていたものが存分につまっていた、最高
・みんなバチバチだなぁヒリついてるなぁ(でもそこがリアルな部活)
・北宇治吹奏楽部、おめでとう、お疲れ様、そしてありがとう…
・黄前姉妹!!!!!!!!!!
とまあこんなところです(露呈する語彙力のなさ)
ここで本編(とくに終盤)を読み進めていくと、セリフやシーンの描写などが
1周回ってTVシリーズ1期主題歌のDREAM SOLISTERの歌詞に回帰しているのでは…!?ということに気づきました。
なので、今回は"本編の内容とアニメ版主題歌の歌詞との関係性"という
観点で本編の内容を見ていきます。
DREAM SOLISTER
TVシリーズ1期の主題歌であり、はじまりの曲です。
歌唱と作詞はTRUE(唐沢美帆)さん、作曲は加藤裕介さんです。
作詞:唐沢美帆、作曲:加藤裕介 ←このコンビは最強
それでは歌詞を見ていきましょう。
これは全国大会金賞という目標はもちろん、それ以外にも
「滝先生がきて吹奏楽部が、いろんな人が変わった」
「私もそんなふうになりたい、滝先生みたいに、教師になりたい」
という久美子の夢と決心でしょうか。
いきなり最終楽章の本筋を言及してるじゃないかなんてこった…
これは
「ユーフォのソリをかけて真由と真剣に勝負したいけど、真由は久美子がソリであるべきだと本心から思っている」
「ユーフォのソリのせいで部員みんなが同じ方向を向けていない、みんなをまとめないと…」
という"部長 黄前久美子"の葛藤と、
「久美子がどうしたいのかを聞きたい」
という"奏者 黄前久美子"の本音を教えてほしい後輩や先輩の想いですね。
今まで久美子が周りの人たちに聞いてきた「どうしたいか」を、自分が
聞かれる立場になったわけです。
これが
「みんなに頑張ってほしい、後悔してほしくないと思うのは自分のエゴかもしれないけど、みんなが"北宇治でよかった"と思ってほしい」
「そのためにも、100%の全力を出し切って全国大会金賞を掴みたい」
という久美子の答えだと思います。
"諦めたくない"という歌詞は、1年生の久美子があすか先輩を説得したときの「諦めるのは最後まで頑張ってからにしてください!」につながりますね。
なんだこれエモすぎる…
これは
「やめろって言っても背伸びするだろうから、コケそうになったら支えられるように俺も頑張る、だから後悔しないよう突っ走れ」
という秀一の久美子への想いですね。
完全に夫婦
ふたりには幸せになってほしい…
これは久美子の想いを聞いてそれを受け入れた部員たちが再び一致団結するシーンでしょう。
ちなみに"重なる心"というTVシリーズ1期の劇伴が"響け!ユーフォニアム"の原曲であることは有識者にはあまりにも有名な話(早口)
これは演奏シーンですね。
様々な楽器が奏でるハーモニーと、「誰かと吹くのはこんなにも楽しい!」と純粋に音楽を楽しんでいる久美子の心情だと思います。
よかったね久美子…
これはあすか先輩のお父さんが作った曲、"響け!ユーフォニアム"のことでしょうか(劇中でこの曲の譜面は古びたノートに手書きで書かれている)
"音楽しよう"っていう言い回し、マジで天才だと思う。
"君の声聴かせて欲しいよ"は言わずもがな、最終楽章の本筋である
「この先どうしたいか、どうなりたいのか」ですね。
久美子は1年生では麗奈やみぞれやあすか先輩やお姉ちゃんなどいろんな人の本音を聞き、2年生では黄前相談所として後輩の相談役となり、3年生では
部長となってみんなが後悔しないために部をまとめてきました。
"終わらない音楽は続いてゆく"の終わらない音楽は
"響け!ユーフォニアム"のことですね。
あすか先輩のお父さんからあすか先輩に、そして久美子に、それから奏へ…と紡がれていき、これが北宇治吹奏楽部ユーフォニアムパートの
テーマ曲となっていきます。
エピローグでは久美子が北宇治吹奏楽部の副顧問となっていますが、
それだけ時が経ってもきっとこの曲は受け継がれていることでしょう。
もしかしたら「その曲、わたしが北宇治吹奏楽部の1年生だったときに卒業した先輩が教えてくれたんだよね…大切にしてくれてありがとう」みたいな一幕があるかもしれないですね。
思い浮かべたら泣きそうになってしまった…
また短編集が出るみたいなので、淡い期待を抱いておくとしましょう。
というわけで、DREAM SOLISTERの歌詞と照らし合わせての最終楽章 後編の感想でした。
物語の結末がはじまりの曲につながっていること、
まさに響け!ユーフォニアムの世界観とTRUE(唐沢美帆)さんの楽曲との
親和性の高さだと思います。
TRUEさんはユーフォの楽曲をとても大切にしてくれていて、
「ユーフォを通じていろいろなかけがえのない経験をさせてもらっている」と度々おっしゃっています。
また、誓いのフィナーレの主題歌であるBlast!については、
「楽曲サイドでは自分が一番ユーフォについてわかってる」
「Blast!は久美子と私の曲」と語っていました。
DREAM SOLISTER、サウンドスケープ、Blast!のどれもが、
響け!ユーフォニアムのテーマである"音楽"と"青春"を物語本編の世界観とリンクさせてうまく時系列にあわせて歌詞に落とし込んでいます。
やはり作詞家 唐沢美帆は天才…
いろいろ書きましたが、あくまでこれは個人的解釈なので
「こんなこと思ってるオタクがおるんやなぁ」
くらいに思っていただければ幸いです。
(2024/4/15 追記)
2023年劇場公開のアンサンブルコンテストを経て、ついに久美子3年生編のTVシリーズの放送が始まりました。
それに伴い、今回の主題歌「ReCoda」もTRUEさんがユーフォに寄り添って書き下ろされた楽曲となっています。
そんな「ReCoda」のOP映像が、ところどころ1期主題歌「DREAM SOLISTER」のOP映像を思わせる演出が散りばめられていました…
作品の集大成として、しんみりではなくさわやかな雰囲気の楽曲なのが「最後の夏の青春」と「久美子の未来」を描いているところにユーフォらしさを感じて、本当に「響け!ユーフォニアム」という作品とTRUEさんの音楽が好きだな…となりました。
(2024/6/30 追記)
響け!ユーフォニアム3、完結しました。
まさか全国大会がああいう形になるとは思ってもいませんでしたが、「音楽に嘘はつきたくない」「上手くなりたい」「特別になりたい」という気持ちが現れた結果だと個人的に解釈してます。
道のりは少し違ったけど、最後は原作と同じ未来に落ち着いてよかったです…
本当にありがとう、お疲れ様
そして、これまでずっとユーフォの世界を音楽で彩ってくれたお鶴さん、本当にありがとうございました。
あなたの届けてくれる歌と詞から、久美子たちと一緒に"音楽"してもうひとつの青春を味わえたような気がします。
終わらない音楽は続いてゆく…