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【ネタバレ注意】ドラゴンボール超 スーパーヒーロー感想

はじめに

6/11に満を持して公開された「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」ですが、その感想を書き散らそうと思います。初日に2回・そして翌日12日に1回とまだ3回しか観ていませんが大体の感想は固まってきました。
Twitterではふせったーを使って書いていたのですが、やはりまとめた方が書きやすいし文字数も自由なので。ネタバレ全開ですのでご注意ください。

また、私はドラゴンボールに関しては大変色々と拗らせています。
「ドラゴンボールは人生そのもの」を冗談でも一切の誇張でもなく心の底から本気で断言し、命でもあるので切り離されたら死ぬタイプの人種です。
一応、私は過激派の中の穏健派を自称していますが、そういう厄介オタクの視点であるという点はご留意ください。

所感

まず全体としての所感ですが、とても良い作品だと感じました。
公開前に一番危惧していたのは全編3Dという表現方法の変化であり、これが違和感になるのではないかと。

しかし実際に観てみるとこの点は全くと言っていいほど気になりませんでした。超パンフレットを読む限り3Dをセルルック風にして違和感を抱かせない工夫をかなりしていたようなので、その成果が出たのかなという印象です。とはいえ、やはり前作ブロリーのように手描きで見たいという思いは強いので次回作は手描きに戻してほしいなぁというのが率直な気持ちです。

全体の雰囲気はポップであり神と神や本来のドラゴンボールが持ち合わせている明るい雰囲気が強く、そこにシリアスやバトルがバランスよく盛り込まれていて退屈させない構成でした。

孫悟飯について

内容の詳細はキャラクター別に。
まず今作の主人公である悟飯ですが、良かったと思います。
悟飯は個人的にもかなり好きなキャラクターであり、正直に言って力の大会の時も今回も悟飯が前線に出ると分かった時は「うーん……」という感じでした。

というのも、私が悟飯を好きな理由はその優しさや穏やかさにあるから。
悟飯は昔から自分の言葉で「学者になりたい」「戦いは好きじゃない」「悪人だろうと殺したくない」とはっきり意思表明をしていました。

そらそうよ。
うんうんと一生無限に頷く私。
この辺は未来悟飯の魅力にも通ずるところ。

家庭を持ち、平和に暮らす悟飯は幸せそのもので子供のころからの夢を叶えた悟飯。そんな悟飯に対して「サボってる」とかそういう言われ方がされるのは好きではありませんでしたし、無理に戦わせないでほしいとも感じていました。

「ふん……それにしても勝てない相手じゃない、情けない奴だ……ガキのころの方が強かったくらいだぜ……」
「あいつほんとにサボってやがったんだな~……」

悟飯vsダーブラを観戦する悟空とベジータ

いやお前ら天然モノのバトルマニアと一緒にすんなと。
戦闘力では負けてても一般的にはちゃんと働いてる悟飯の方が53万倍えらいんだぞ!! 18号もクリリンが仕事せずにちゃんと修行すれば悟飯は最強説を唱えた時に「いや駄目だろ、仕事はしないと」って言ってたでしょ!!

仕事はしないと……しごと……ウッ、しご、と……?
……まあ、悟空やベジータはその分地球とかを守っているので許されている感じもあるわけですが。仕事が嫌になったらとりあえず最悪の軍隊を潰したり宇宙の帝王を倒したりして地球を守っておくことをお勧めします。

今回の悟飯は娘のパンが誘拐されるという家族の危機に拳を握ります。悟飯が動く理由としては最も納得がいくものでした。

「パンに何をしたァッ!!」

パンが攫われたと聞いて激怒する悟飯は求めていたものだったし、アル飯への変化も今作独自のスパークを伴う演出が追加されていて非常にカッコよかったです。良かった、イキり悟飯はいなかったんだ。

セルマックス(何がマックス?)との戦いではピッコロさんの「お前がその気になればこの世界で一番強い」、悟空の「持っている力を全て開放すれば全世界のどんな奴にも負けない」、ベジータの「はっきり言って一番潜在能力が高いのは悟飯」、ザマスくんの「私が好きだった自然や動物を守ってやってくれ」などなどの言葉通り新形態になって無双します。

謎に長めの髪!! 銀髪!! 赤い目!! 謎に長めの髪!!
適当な床屋行って散髪に失敗したのかな??

公開前から散々あるだろうあるだろうと言われていた悟飯の新形態ですが、ありました。ここは私もなかったらどうしようと思ってました。
覚醒シーンが2になる時のオマージュだったのは良かったですね。鳥の演出とかまで再現してたらやりすぎだとなるところでしたが、良い塩梅でした。
……再現しすぎてピッコロさんの頭が潰されたらどうしようとかちょっとだけ思いました。

宇宙サバイバル編の時から語られていた「誰も見たことがない究極の姿」についになったんだなぁと。謎に長めの髪を揺らしながら。
この時に悟飯の圧倒的パゥワァーはまさにセル戦の2悟飯を思い起こさせましたね。銀髪なのは身勝手と被るし赤い目と紫の混じったロゼ的なオーラは悪役感ありましたが。

優位になるとイキりに定評のある孫悟飯選手、ここでは見事にイキりゼロ。
仙豆を落とす失態を帳消しにする勢いでセルマックス(何がマックス?)のエネルギー弾を見てニヤとか笑いながらも一切遊ぶことなく魔貫光殺砲で即フィニッシュ。二発のパンチでKOするオマージュはほしかったかな。実際は蹴り一発と魔貫光殺砲一発、まあ計二発で撃破はしたんですが。

悟飯とやら、決め技にピッコロさんの魔貫光殺砲を選んだのはナイスだぞ。
心の中の界王様が囁き密かにグッと親指を立てる私。同じく嬉しそうに親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくピッコロさん。
この決め技は評価したい。演出もド派手でかっこよすぎて震えました。

全てが解決した時、駆け寄ってきたパンちゃんと抱き合うシーンが印象的でした。ただ、ここに関しては色々と言いたいこともあるのでそれは最後に。

というわけで、悟飯の活躍については一切文句なしで動機付けも良かったです。ただ……というのはやはり最後に。


ピッコロについて

【朗報】ピッコロさん、顔色が悪いのに獅子奮迅の大活躍をしてしまう
今作のもう一人の主人公であり物語を動かし続けたピッコヨさん、いやピッコロさん。えらい活躍ぶりでした。

幼稚園のお迎えに行ってることとかビーデルとの距離感の近さとか潜入してるところとか色々と可愛い生き物。顔色悪いのに。
パンの修行、悟飯に課したものより随分とマイルド。まああの時よりピッコロさんも丸くなってるし危機も迫ってないしね。「半年間生き延びて見せろ」とか言ってなくて良かった。か弱い女の子よ!!
でも多分あのパンなら余裕。

幼稚園の先生にも普通に受け入れられてるあたり多分お迎え常連。
これはできるナメック。「うん……こ……?」とか言っちゃうタイプのナメック。「俺が守ってやるから安心しろ」ってパンに言ってた時の安心感。
悟飯がいたら悟飯がそうするだろうけど、ピッコロさんとパンの二人しかいない時に圧倒的な敵の攻撃がパンを狙ったらナッパから悟飯を庇った時と同じことしそうです。

神殿から飛び立ってブルマのところに向かう時に謎にアクロバティックな動きしながらヘルメット装着するシーン好き。ウキウキじゃん??

神龍でパワーアップしたくだりは引っかかるものはありましたね。
ピッコロさんならどうする、とかいう話ではなくドラゴンボールでパワーアップ!! とかやられても展開として滾らないというか、修行なり戦いの中で覚醒してほしかったなと。漫画版超のグラノラ編で散々叩かれたことと近いものがあるので。

悟飯のアルティメット化も似たようなものじゃんという意見もありますが、それだって未だに一部ではあれこれ言われてたりしますし。
何よりやっぱり神龍をパワーアップに使うというのが禁忌感あるんですよね、私的には。敵がやる分にはいいんですが……(大魔王とかガーリックjrとかザマスくんとか)それでも若返ることで本来の強さを取り戻すとか、直接戦闘力に影響しない不老不死とか、体の交換であってストレートに自分を強くするというのは言葉にしがたい抵抗感があります。

ナメックはドラゴンボールに若返りを頼みがちですがそれを頼んだのはブルマでした。言い合いではピッコロさんでも勝てないブルマ最強説。

悟飯を覚醒させるためにパン狂言誘拐をするくだりは色々と微妙。
パンに「俺が守ってやるから安心しろ」とか言ってたのはイケメンナメックですが実際はガンマ2号と戦った時点で悟空とベジータに頼ろうと考えていたわけで、更にはセルマックスという真打ちが控えていると分かっている状況でした。
ピッコロさん一人でどうにかできる戦力差ではなかったわけです。

これはある人が言っていたことですが、セルゲームの悟飯を怒らせようとしていた悟空に対するピッコロさんの発言を考えれば「もしもそれでパンに何かあったらどうするつもりだ!! まだ3歳だぞ!!」って感じの方が自分のピッコロさん像にも合ってたかな……。

実際、これで悟飯が覚醒しなかったら狂言誘拐を考えた時点でのピッコロさんはガンマにまるで及ばず、悟飯も二人相手ではまず間違いなく勝てず……ガンマが子供に絶対手を出さない性格とこの時は分かっていなかったのでそのままパンもやられる、という最悪のシナリオも想像し得たはずです。
上述したようにセルマックスという未知の脅威も控えていたわけで……。

もしもそうなっていたら「悟空!! ベジータ!! 早く来てくれー!!」ってなるしかなかったはず。

まあこの話はこれくらいにして本編に戻ると、そして現れるオレンジピッコロさん。緑なのに。そら悟飯も「オレンジピッコロって……」って絶句しますわ。ピッコロさん、グレートサイヤマンにこの反応されるって多分相当ですよ。

巨大化も久しぶりの登場。スラッグもやってたけど大魔王はしなかったあたり、ナメック星人に共通の技というわけではないのかしら?
最後まで奮戦してフィニッシュをサポートする大活躍ぶり、ブロリーのセーブポイントから大出世。W魔貫光殺砲とかあっても良い気もしたけどこれはこれであり。

またパンフレットに書いてあったぬいぐるみを悟飯一家からしょっちゅう送られる理由も可愛くて好きです。

日常での可愛い一面から頼れる一面、バトルに至るまで大活躍でした。
これにはカタッツも草派の陰でニッコリ。


パンについて

なにこの可愛い生き物。
可愛いオブ可愛い、パンちゃん。一挙手一投足がいちいち可愛い。
舞空術ができなくて不満そうにしてるところとかアラレちゃん走りしてるところとか。3歳であの動き、ピッコロさんにも悟飯より筋がいいと評価されるとか絶対これGTパンより遥かに強くなるでしょうね。

今回狂言誘拐に付き合うことになるわけですが、3歳にしては語彙力が高い気がしました。いや一般的3歳の語彙力知らないけど。悟飯の血かな?

誘拐された先でテーブルに置かれたオレオを発見したパン。
笑顔で食べようとするも直前でお前用じゃないとカーマインに取り上げられる。そしてカーマインは嫌味ったらしくパンの目の前でオレオを食べる。
頬を膨らませてむくれるパン。

プツン――――(私の中で何かが切れる音)
うぉああああーっ!!(流れ始める魂vs魂)

もう許さないぞ……カーマイン……

この外道!! のちにこの外道にはパンによって罰が下ることになります。
オレオの恨みは恐ろしい。

その後悟飯が来てくれるか不安がったり、実際に来たら喜んで応援したりと可愛いポイントには事欠かないのですが私が特に好きなシーンはガンマとの戦いが終わり悟飯がなくした眼鏡を探しているあたり。

みんなが話している間に画面右端でパンが悟飯の眼鏡を発見してかけるのですが、度が入っているせいでクラクラ。

そしてパン、悟飯の眼鏡をパパに渡すことなく怒りのポイ捨て。

今作は画面の端とか奥でこういうさりげないアクションがあるので、話しているキャラだけでなく全体を見てみるとまだ発見があるかもしれません。
幼稚園にきて叩きのめしたRR軍兵士の靴をアラレちゃんみたいにつんつん突いてたりとか。

最後には習得した舞空術をお披露目して締めとなるわけですが、とにかく最後まで可愛かったですね。パンについての満足度は極めて高かったです。
ありがとうスーパーヒーロー……。


ガンマについて

スーパーヒーローというタイトルはまさに君のことだった。
これについても最後に触れるのですが、スーパーヒーローはガンマ2号のことを指していたと解釈しています。悟飯ではなく。

ガンマは映画公開前にはさほど期待していなかった人が多いのではないでしょうか。割とイロモノな見た目だし前座くらいだろうと。

ところが蓋を開けてみたらキャラが立っており、しかも普通に強い。1号は究極ライスと渡り合っていたし2号は潜在能力開放ピッコロよりも普通に強かった。そして思ったより良い奴らでした。

印象的だったのは悟飯をその気にさせるためにピッコロさんがパンを襲っているような演技をした時、ガンマが即座に反応して「やめろ!! 子供に手を出すな!!」と叫んだシーン。

ガンマ……!! ってなりました。

指示に従いながらもどこか疑念を持っており、葛藤を抱えながら戦っていたガンマ。決定的だったのはパンを撃ったカーマインの蛮行でした。パンには当然全く当たらなかったけど。というか当たっても無傷でしょ

「たった今確信した……。どっちが悪か……!!」

子供に手を出した姿を見てついに見切りをつけたガンマ。与えられた命令・正義を振り切ります。そしてセルマックスが起動するとガンマも悟飯たちと協力して果敢に戦いを挑んでいきます。

「慎重さが足りないな、1号」。

そして訪れるあの名シーン。ガンマ2号、決死の突撃!!

特攻するガンマ2号、おおっという声をあげる周囲の人たち、そろそろお手洗いに行きたくなってきた私。

セルマックスを倒すべくガンマ2号がその命を燃やし尽くして文字通り全身全霊の一撃を叩き込むシーン。ここは展開はもちろん、BGMとド派手な演出と相まってかなり滾りました。力尽きて倒れたまま動かない2号。

ガンマ……!! ってなりました。

そのまま2号は燃え尽きてしまうのですが、1号はDr.ヘドを守り生存。
そしてピッコロさん、「スーパーヒーローだったな」。

ガンマ……!! ってなりました。

まあ2号はあんなにカッコいい見せ場があったのに対して1号は相対的に印象が薄いので、1号にもそれなりの見せ場は欲しかったですね。
タイトルのスーパーヒーローが2号のことだった、というのはこのピッコロさんの台詞ももちろん大きな理由の一つです。

今回の映画で一番カッコよかったのは贔屓目なしに見れば割と真面目にガンマ2号なのではないかな、と。ガンマについては「スーパーヒーローとは誰か」という項で改めて詳しく語っています。
漢の中の漢!! ガーンーマ!! ガーンーマ!!


「最悪」について

今作最大の問題児です。
公開前からひたすらにひた隠しにされ続けた真のボス、セルマックス。
まあセルが出ることは散々予想されてたしあのセル本人が出るとも全く思ってなかったのでそれは気にしないというかむしろ安心したのですが、いかんせん知性0の怪物には魅力がないんですよね……。ヒルデガーンタイプ。

やりたかったことは想像できます。暴れ狂う怪獣にヒーローたちが立ち向かうというヒーロー映画の図式をやりかったのではないかと思います。
巨大化したピッコロさんとのバトルとか怪獣モノみたいだし。

尺的にも知性を持たせてやり取りさせると厳しいというのはあったでしょうが、せっかくセルを使うなら悟飯との因縁めいたものを感じさせてほしかったというのはあります。セルか!? みたいな一言すら18号以外はなかったし。

台詞ゼロ、ひたすら叫んで暴れまくる!! ブロリーじゃん

尤も、今作の場合知性を持つ敵よりも作品に合っているような気もしないでもないですが。本当に残念だったのは次の点。

私が一番がっかりだったのは第二形態の姿のまま終わったこと。
これはあちこちで言われていることですが、私が言っているのは完全体の姿がカッコいいから完全体になってほしかったとかそういうことではありません。

第二形態は当然ながら完全体への進化を残した途中過程の姿です。
最終段階があるにも関わらず敢えて前座である第二形態で出した以上、当然この上があるのだろうと思いながら私は観ていました。
暴れまくるセルマックスを見て

おめえ……まだ上があんのか……!?

気分はブロリーPVの悟空さ状態。
ガンマ2号の一撃で傷を負った時、悟飯に地下に落とされた時、事あるごとにここで進化!? と思って見てました。
ええ、最後まで第二形態の姿のまま無事終了しました。

おめえ……もう上がねえのか……!?

「完全体にならなかったこと」ではなく、第二形態という途上の姿で出たことで「まだ先がある」と思わせておいて何もない。
この予想を裏切るのではなく期待を裏切ってきたということが一番私が残念だったところです。同僚のヒルデガーンだって進化したぞ!!

やはり第二形態の甘いマスクを捨てられなかったのかもしれません。


孫悟空について

セルマックスと並んで今作最大の問題児です。
今回の映画は悟飯が主人公となりピッコロさんとの二枚看板ということで、本来の主人公である悟空の出番は限りなく少なかったわけですが、その少ない出番を有効に活用して無事やらかしてくれました。
ドラゴンボール超のよくないところです。

精神修行しているベジータに「そんなのが修行なわけねえじゃん」発言。
亀仙流の教え、神様の宮殿での修行、体も心もと界王様に言われたこと、そして感情の高ぶりを制御しなければならない身勝手の極意。
その全ては忘却の彼方のようです。仕方ないね。

もちろんこれは悟空というキャラクターの問題ではなく脚本の問題。
かねてよりよく指摘されていた超の悪いところが遺憾なく発揮されました。
お前ら禁じられたsageを平気でやってんじゃねえか、原作はどうなってんだ原作は。


ジレンについて

全く無関係な対岸から唐突に轢き逃げされた、今作最大の被害者です。
悟飯とピッコロさんがメインになる今作でジレンなど登場するわけもなく、一切関わることもない……はずですが、見事通り魔に遭ってしまいました。
ちなみにこれにてブロリー・スーパーヒーローと直接的には一切関係ないのに二作続けて劇場版出演です。

ベジータ曰く「ジレンと俺たちには力の差自体は大してなかったが、ジレンは力の使い方に無駄が全くなかった」とのこと。

本当でござるか~??(力の大会を見ながら)
キラベジとブルー界王拳悟空の二人がかりの攻撃をまともに受けて傷一つなかったり元気玉を最終的には目で押し返してたり、圧倒的な実力差があったようにしか見えないんですが……。

まあ17号の不意打ちで傷を負う場面はあったのでそういう面もあったのかもしれませんが、「絶対的な差があった上に力の使い方でもジレンが上だった」の間違いでは?

そもそもジレンは技や能力といった小細工は何もなくただただ純粋に基礎スペックが異次元、魔法の類は一つも覚えないけど全ステータスカンストみたいなキャラだったのでこの説明には違和感しかありませんでした。

いくら灰色のエイリアンだからって遥か遠く第七宇宙の映画で唐突にこんな設定をぶち込まれたジレンには同情を禁じえません。
その鬱憤を晴らすかのように無言でマッスルボディをアピールするボディビルダー・ジレン可愛い。

🤡「お前たちにも教えよう、ジレンの強さへの執着の理由を」


破壊神ビルスについて

「分かってる」ね、ビルス様。


その他サブキャラたち

今作はサブキャラの使い方も上手く魅力があったという感想です。

● マゼンタ、カーマイン
 元凶であるマゼンタは印象薄めですが死に際に歌舞伎役者になることで一笑い。父親同様身長コンプレックスの描写とかあっても良かったかも。
カーマインもパンちゃんにオレオを食べさせてあげないどころか取り上げるというドラゴンボール屈指の外道ですが、のされた時にはポップなSEと共にリーゼントが垂れるカットで劇場に一笑いを起こしてくれました。

● Dr.ヘド
 今までにいないタイプのキャラでよくゲロの孫がああなったなと。
善人ではなかったが悪人ではなかった。まさにそんな感じ。
と言いながらマゼンタは仕方ないのでノーカンとしても刑務所で何人か殺しているっぽいですが……。

でもスーパーヒーローのファンだけあって子供の誘拐に反対したり、セルマックスの起動を必死に止めようとしたり、ヒーローのコスプレしてたり、自首しようとしたりと味のあるキャラでした。
カプセルコーポレーションがまたヤバいことに……。
車の窓から手を出して揉んでたシーン好き。おっぱい。

● ブロリー、チライ、レモ
 このトリオはとても好きなので出てくれて嬉しかったです。何気にパンの次くらいに可愛かったブロリー、制御に成功する時は来るのでしょうか?

● ベジータ
 これは正直不満の類になってしまうのですが、最後にベジータが悟空に勝つ意味は何かあったんですか……? 引き分けにしとけばいいのに。
この力の使い方とやらを学び一歩先を行ったベジータが次回作の主人公になったりするのでしょうか?

● ブルマ
 前からだけどもう原作最終回に繋げるのは無理です。
一回目を見終わってシアターを出る時、前にいた二人組が「そりゃ邪悪龍も生まれるわ」とか言ってました。別の世界線ではありますが、ブルマのまつげを2ミリほど長くしたことで生まれた邪悪龍とか可哀相すぎる……。

ここの神龍、やたら対応が雑なの笑いました。「はい叶えた」。

● ビーデル
今回ビーデルの出番は残念ながらほとんどないわけですが、格闘技教室で格闘技を教えていることが判明しました。これは地味に嬉しかったところ。
ブウ編のビーデルさんと言えばサタン以上の戦闘力で悪人を叩きのめしたり、その強気な態度で悟飯をタジタジにさせたり、どれだけ痛めつけられても断固降参を拒否するなど非常に勝気で誇り高いところがありました。

しかし悟飯と結婚してからというもの、そういった一面はすっかりなりを潜めお淑やかな主婦へと変わっていました。これはこれでとてもいいのですが、あれだけ練習した舞空術すら披露することはほとんどなく惜しまれる点でもありました。

今回、格闘技教室という形で以前あれだけ打ち込んでいた格闘技に今も携わっていることが判明したことは、素直に喜ばしいです。

● 悟天、トランクス
 ついに成長した二人。
サイヤ人はずっと子供である時一気に大きくなる、と悟飯が語った時「その設定覚えてたんだ……!!」とちょっと感動しました。
失敗フュージョンも単なる笑いだけでなくギャグの中でもしっかり最初の有効打を与えていたり、ピッコロさんの窮地に最初に飛び出したのがトランテンだったりとちゃんと描いているなぁ、と好印象です。

● 18号、クリリン
 強いて言えば18号はちょっと存在感が薄かったです。
クリリンは最初こそ戦場に出ることを断っていたものの、総攻撃の時にはしっかり参戦した上で18号を救出、太陽拳、巨大化のアドバイスといぶし銀な活躍をしていました。
特に巨大化を知っているのはあの場ではクリリンだけだったのでまさにクリリンにしかできない仕事。

18号はもうちょっと何か欲しかったけど、ショートヘアを見せてくれただけでガンマ1号と同じくらいの貢献度と言っても過言ではありません(断言)。


随所の小ネタとか

今作は小ネタや遊びが豊富で、ゲームを始めとした外部の知識まであるとにやりとできるネタなんかもありここはかなり高評価ポイントです。
誰が仕込んだのかは分かりませんが無印のネタなんかも拾っており、中々分かり手のようです。

● マゼンタの設定
 小ネタとは違いますがレッド総帥の息子という設定は中々渋いところを突 いてきたなという印象です。まあRR軍の再建となれば……というのはありますがレッドというキャラ自体が割とマイナーな方だし、当然ではありますが無印までしっかり目を通しているのが分かりました。

● ピッコロさんの椅子やスマホの持ち方
 これは公開前から既に言われていたことではありますが、完全にピッコロ大魔王のものです。大魔王は敵キャラでは2、3番手くらいに好きなキャラであり正直今のピッコロさんよりも好きなので、こういうオマージュは嬉しいですね。

オマージュしすぎてスマホを飲み込んだらどうしようかと。
ポコペンポコペンダーレガツツイタとかもその気になればできたりするのでしょうか? パンちゃんの一生のトラウマになりかねないのでやめてあげてほしいものです。

● バイオレット大佐の写真
 序盤のマゼンタとカーマインの会話シーンで机の上に意味深に二つの写真立てが置かれていました。一つはレッド。一つはバイオレット。そしてマゼンタはレッドの息子。……これってそういう、コト……!?

……魔貫光殺砲ーッ!!!!

いや落ち着いて考えるとバイオレットは原作では「ドラゴンボールあったでー」という発見の報告と「ブルマのレーダーほんま凄いんよ」という一言二言しか台詞がなく、どういうキャラなのかは一切分からないままでした。

アニメでは悟空が乗り込んできた時に混乱に乗じて軍を裏切り、金を盗んで逃走するというアニオリがありました。そちら準拠で考えるととてもチビのレッドとくっつくとは思えないし、むしろ内心馬鹿にしていそうな雰囲気すらあります。チビだし。

もしかしたら原作のバイオレットは描かれていないところで……?
アニメ版を考えると総帥に取り入って地位や資金、権力を狙っていたという説も有り得そうです。何にしろレッド、チビのくせにちゃっかりしておる。

● キャラの動きとか
 これはパンの項で語ったのであまり繰り返し語りはしませんが、アラレちゃん走りだったり眼鏡をポイ捨てしていたりとよくスクリーンを見渡しているとちょっとした発見があります。
パン関連で言えば、序盤でカーマインがイライラして追い抜いた車を運転していたのはパンの通う幼稚園の先生だったりしました。安全運転えらい。

階段から落ちそうになってスタイリッシュ着地してる2号可愛い。

● 冒頭の振り返りシーン
 小ネタとは違いますが冒頭、無印のリメイク映像を流してくれたのは最高でしたね。開幕マッスルタワーに突撃する悟空でいきなりテンション爆上がりしました。しかもブラックのシーンとかやたら動きがよくてとても嬉しかったです。

● 【重要】21号について【必ずお読みください】
 今作に仕込まれたネタの中でぶっちぎりの爆弾でした。
その不意打ちぶりはサタンを撃ち抜いた悪党の狙撃もかくやというレベル。
劇場で声出しそうになりました。慌てて声帯を潰してマナーは死守。

いやだっていくらレッドリボン・人造人間という繋がりはあるとはいえ、ゲームキャラである21号が登場……するだけならまだしも本名が判明するなんてこれっぽっちも思っていませんでした。こんなのカナッサ星人でも無理。

ヘドの家系図が出た時にしっかりいましたね、21号さん。
名前出てましたね、21号さん。

『VOMI』。

ちなみに21号はドラゴンボールファイターズで登場したキャラクターで同作のラスボスでもあります。セルと同じような作りで、とある天才科学者をベースに様々な戦士の細胞を組み合わせて作られた最強の人造人間。

デザインもドラゴンボールとしては近年稀に見る良デザでしたし、キャラクター性も良くお気に入りのキャラです。

人造人間になる前は人間の女性であり、子供もいました。
そしてその21号の子供をモデルにして作られたのが16号です。
更に言えば、16号はDr.ゲロの息子がモデルであるという設定もある。

つまりゲロと21号は夫婦であるということ。

…………。

……魔貫光殺砲ーッ!!

あんな美人さんをこの野郎ッ!!
殺っちゃってください17号さん!! もう殺ってた!!

ちなみに21号はブウのように善の21号と悪の21号に分離するのですが、悪の方はゲロの野望をくだらないと一蹴しています。善の方は自分を作った理由を聞きたいけど(作ったのがゲロとは言われていない)知らない方が良いかも、というようなことを語っています。
彼女が何のために作られたかは不明のまま。まあ、セルや17号18号と同じようなものだとは思いますが……自分の奥さんを……。

脱線はこれくらいにして家系図に戻りますが、21号だけでなく16号(そのモデルになったゲロの息子)の本名も載っていました。
ゲボです。うわきったね

まあ16号の本名はスーパーヒーローが初出ではなく、カカロットというゲームで既に判明していたことではありますが、ここに今回初出となった21号の本名を合わせると恐ろしいことが分かります。

まずDr.ゲロ。その息子がゲボ。そしてゲロの孫にあたるヘド。
見事なまでの吐瀉物一家。

そして21号、VOMI。多分ボミ。
これはおそらく「vomit」という単語から来ていると思います。
意味は「嘔吐、吐瀉物」。

……。

お前らの汚い呪いにレディの21号さんまで巻き込むんじゃねぇぇーよ!!


BGMについて

今作の音楽についてですが、前作のブロリーと比較すると相対的に弱くあまり印象に残っていないというのが正直な感想です。
ブロリーの主張が強すぎたとも言う。

特報でも多用され、エンディングでも流れた今作のメインテーマ及びそのアレンジはもちろんはっきり印象に残っていますが、その他の曲はというとあまり記憶にないです。もちろんサントラを聞けばあったなというのは分かりますし、悪くない曲なのですが。

ブロリーではサイヤンパワー!! とかかめはめ波ブラスター!! とかゴジータ!! ゴジータ!! とか主張の強すぎる歌が多数ありましたが、それらやメインテーマを除いても

バーダック死亡シーンでの「バーダック、散る」
ブルー変身シーンでの「逆転への前奏」
ラストのかめはめ波あたりでの「渾身のかめはめ波」

などは非常にインパクトがあり記憶に強く残った曲でした。
もちろんバトルゴリゴリのブロリーと今作では作風が違う、というのはあるにしてもあと1曲か2曲くらいはっきり記憶に残る音楽があると良かったなぁ、という完全に個人的な感想です。

GO ピッコロ GO GO!! 悟飯!! 悟飯!! 魔閃光ブラスター!!


主題歌について

今作はトレーラーでも全く主題歌が使われず様々な憶測を呼んでいましたが、主題歌はありませんでした。ええ……。

普通にめっちゃ寂しいです。スタッフロールでもこの後不意打ちで流れるんでしょ!? 流れろや!! 流れるっでい”っ”で”よ”ぉ”っ”!! みたいな感じでした。完全にマジやべー奴です。

エンドロールはスタッフに感謝と敬意を捧げながら映画の余韻に浸り、主題歌から歌詞やメロディのマッチを感じ取るのが醍醐味だと思っているのでありえんくらい残念でしたね。前作ブロリーのBlizzardは本当に素晴らしい曲だったし、神と神のスタッフロールは感激のあまり号泣しました。あの感動は一生忘れられないと思います。

今作がどういう考えで主題歌なしにしたのかは分かりませんが(インタビューとかで説明してほしい)、大変悲しい点でした。次回作は何がなんでも主題歌がほしいというか主題歌なしの流れなんかできたらかなしくてしんじゃうからやだ!!


私的な最大の不満点

今作で私が一番残念に思ったのは、構成全体を貫く芯が思ったように通っていなかったことです。どういうことかと言うと

私は今作を「悟飯がパンを助け出すために奮戦する映画」だと思っていました。娘のために戦う父親の話だと。

これは私が勝手に想像していただけ、というわけではなく公式の予告映像も明らかにそう見えるように作られています。というか、だからこそ私もこういう話なんだなと期待したわけで。

まあ、実はじっくり見れば予告でパンを捕まえているRR軍兵士の背中の番号とRR軍に変装しているピッコロさんの番号が一致しているので、あれはピッコロさん=狂言? という推測も公開前に立てられたのですが、にしても明らかにパンが捕まる→悟飯が助けにいくという話に見せています。

いや実際その通りではあるのですが、蓋を開けてみれば誘拐は狂言でありガンマとの戦いが終わったあたりで悟飯とパンは合流しています。
悟飯はパンを助け出すために駆け付けたのであり、この時点で悟飯の目的は達成されているわけです。

そしてセルマックスが起動するのはこの後。

もうこの時点で悟飯にはセルマックスと戦う積極的理由はありません。
目の前に敵がいるからとか放っておいたら地球が危ないとか、そういう普遍的な理由はあるにしても「絶対に自分がやらなければならない」「何がなんでも死に物狂いで勝つ」という決死のモチベーションはなかったでしょう。

誘拐は狂言ではなく、パンは本当に誘拐される。そしてパンを取り戻す直前or取り戻した直後にセルマックスが暴れ再びパンが窮地に陥る。
娘を助け出すために誰にも任せられない、絶対に負けられない戦いへ臨む。

私が見たかったのはこういう流れでした。
これこそまさにパンにとってのスーパーヒーロー。
要するに私は「父親としての孫悟飯」を求めていたのだと思います。

たとえ悟空やベジータが駆けつけたとしても二人には頼めない。
ピッコロさんにすらこれは任せられない。
だって、悟飯はパンの父親だから。

小さいころからピッコロさんを始めとした周囲に助けられてきた悟飯。
でももう悟飯は子供ではない。父親となった以上、既に守る側の人間です。
それが序盤のパンの「パパが戦うところ見たことない」「その時がきたら戦うさ」という会話から繋がっていくのだと思っていました。

実際に悟飯が駆けつけてきた時はパンはとても喜んでいましたし、悟飯が自分のために戦うところを始めて目撃したわけですが、やっぱりそれはvsガンマまで。そのガンマ戦にしたって互いに相手が悪じゃないということに戦いの中で気付いていくので、死に物狂いの……というには少し弱い。

ラスボスであるセルマックスとの戦いではもうパンのための戦いはどこにもない。構成として最終決戦で最も熱くなるようにしてほしかった。

そして銀シャリへの覚醒もきっかけはパンであってほしかった。
今作は魔師弟がメインとなることは分かり切っていたもののやっぱり本筋は悟飯がパンを助け出すことだと思っていました。ピッコロさんは父親という悟飯とは少し違う立場、少し違う思いからパンを助け出すために悟飯と共闘&サポートするのだろうと。

そういう話だと思っていたので、覚醒のきっかけがピッコロさんだったのは引っかかるものがありました。この時パンはとっくに安全圏に離脱済だし。
それ自体が悪いというわけではなく、いわば注文したものと違うものが出されたような感覚。

勝手に期待していただけだろ……というのはあるにしても、私だって何の根拠もなくそう思っていたわけではなく、先述の通り公式のプロモーションの仕方とタイトルからこうなのだろうと想像したわけで。

この想像と期待を決定的にしたのは 映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』PR映像15秒PART2 です。

愛する者を守るため、どこまでも強くなれ。

https://www.youtube.com/watch?v=WJ2_OY0ZrdY

パンが捕まっているシーンでパパ!! と叫ぶパン。
それを見てパーン!! と叫びアルティメット化する悟飯。
敵の攻撃のようなものから走って逃げているパン。

そして挟まれる「愛する者を守るため、どこまでも強くなれ」というナレーション。最後はパンの「パパ、頑張れー!!」という台詞と悟飯に飛びつくパンで締め。

いや無理でしょ。これを見てパン救出を目的とした話を期待するのは当然だと思うの。完全にこれでテンションと期待値爆上がりしたし。
愛する者を守るため、どこまでも強くなれ。
このナレーションが最高に好きだったし、それが新形態のことだと思った。

パンが悟飯に駆け寄って飛びつくシーンは死力を尽くしてついにパンの救出に成功し、全てが報われた最高に「よ”か”っ”た”ね”ぇ”っ!!(号泣)」ってなるカタルシスに溢れたシーンだと思っていました。
最高に好きなカットだっただけに、ここに至る過程への期待がとても大きくいざ観てみると弱かった……。

悟飯が活躍する映画とかピッコロさんがカッコいい映画とかではなく、「ドラゴンボール超 スーパーヒーローとは端的にどういうお話ですか?」と聞かれたらどう答えますか? 

私は「攫われた娘を救うために奮戦する父親の物語です」と満面の笑みで答えたかったのです。


「スーパーヒーロー」とは誰か

タイトルに冠されたスーパーヒーロー。これは誰のことなのか。
結論から言うとガンマの項で触れた通り、ガンマ2号だったというのが私の感想です。

実際、このスーパーヒーローというタイトルには公式側としては様々な意味を込めていたと思います。パンのために戦う悟飯、俺が何とかしないとと頑張るピッコロさん、自分の正義を選んだガンマ、あるいはヒーローのファンであり身を張ってセルマックスの起動を止めようとしたヘドなんかももしかしたら含まれているかもしれません。

でも、私がヒーローだ!! と真に思えたのはガンマ2号だけだった。
ヒーローという言葉からどういうイメージを思い浮かべるかは人それぞれだと思いますし、ヒーロー像というのは一つではないでしょう。

しかし誰もが思い浮かべる普遍的なイメージの一つとして、「たとえ無力でも大切なもののために諦めず足掻く者」というものがあるのではないでしょうか。……え、ない? 私はある。大体とある魔術の禁書目録のせい。

その意味で、「スーパーヒーロー」最大の候補はやはり今作の主人公である悟飯です。娘を助けるために戦う父親、というのはおそらく誰もが共有できる一つのヒーロー像でしょう。

しかし「私的な最大の不満点」の項で語った通りこれが最後まで一貫されていなかったため、タイトルに冠するスーパーヒーロー候補からは主人公にも関わらず外れてしまいました。最後までパンのために戦うお話だったならガンマと並んで……どころかガンマを押しのけて悟飯がスーパーヒーローだ!! と主張していたかもしれません。

戦うパパはかっこいいよね。ってバイオハザードヴィレッジで学んだ。
戦うママもかっこいいよね。って映画サイレントヒルで学んだ。
つまりホラーはいつだって大切なことを教えてくれる神コンテンツ。

そしてもう一人の主人公と言っても過言ではないピッコロさん。
ピッコロさんも候補からは外れました。もちろん潜入したりパワーアップしたりと大活躍でしたし、悟飯の時間稼ぎのために敵わないと分かっていてセルマックスと戦うシーンはヒーローと呼んで差し支えないものでした。

しかしタイトルに冠するほどの「スーパーヒーロー」足りうる強固なヒーロー像があったか? というと少し弱い。時間稼ぎのために自分より強い強敵に立ち向かう、というのだって過去にも多くのキャラがやっていることでもある。

三人目の候補、ガンマ2号。タイトルに冠するほどの、というとこの三人の他に候補はいないでしょう。
ヘドによって作られたガンマは間違った情報を元に命令を与えられ、そのために行動していました。詳細は語られていませんが、「そのために作られたんだ!!」という叫ぶような台詞からしても自分の存在理由そのものでもあったでしょう。

同じ人造人間で穏やかな16号も悟空を殺すために作られた、ということには忠実でしたし、ガンマにとってそれは己が何者なのかというアイデンティティにも近いものがあったのではないかと。17号18号は何も気にしてなかったけど

だからこそピッコロさんに命令が偽りである可能性を指摘された時あんなに苦しんでいたのでしょう。しかし戦いの中でカーマインの蛮行を見た時、ガンマはヘドに命令されたわけでもなく己の判断で正義を見極めます。
自らの存在理由にも等しい命令に反する結論を。

「たった今確信した……どっちが悪か……!!」

もうこの時点でカッコいいわけで。
そりゃガンマ……!! ってなるわけで。

以降、セルマックスとの戦いでもガンマは何も命令されていないのに独自の判断で動き出し戦いを挑みます。最早ガンマに命令は必要なかった。
自分の行動、判断は自分で決める。

そして2号が出した結論こそがセルマックスを倒すために自分の命を使うことだった。自分の信じる正義を胸に。

これを「スーパーヒーロー」と言わずして何と言う。
そらピッコロさんだって認めますよ。

というわけで、ザマスくんと並んで正義のヒーローを貫いた2号こそがタイトルに冠される存在である、というのが私の解釈です。実際に公式の意図がどうかじゃなくてね。

頑張ったなガンマ2号……お前が「スーパーヒーロー」だ!!
ガンマ1号も2号に負けないインパクトが欲しかった(小声)


総評

悟空とかセルマックスとか一部気になるところはあり、「私的な最大の不満点」は特に私の中ではがっかりしたところではありますが、それでもよくできた良作だったと思います。
パンを通して悟飯とピッコロさんの関係性や活躍を描きながらもサブキャラに至るまで魅力的で味のある描き方をし、一般に最も求められていたであろう新形態も披露しド派手にフィニッシュ。豊富な小ネタでのファンサービスも忘れない。

あまりにも濃厚な魔師弟供給に供給過多で呼吸困難になっている方も何名か私のTLに見受けられました。魔師弟クラスタの方は劇場に行く際には酸素吸入の準備をしておいた方が良いかもしれません。

私の中では劇場版では神と神が一番好きなのですが、今回のスーパーヒーローは前作のブロリーと並んで二番手争いをしている感じです。
なんか一作抜けてる子がいる気もしますが多分気のせいです。

ブロリーと今作は方向性が全く違うので甲乙つけがたく、また今作は神と神と同じく私の好きなテイストの作品なので、のちには神と神を追い落として「ドラゴンボール超 スーパーヒーローが私にとって最高の劇場版だ!!」と高らかに宣言している可能性も有り得ると思います。

それくらい良い映画でした。まだ観てない人は即刻観にいってください。
もう観た人は何度でも観てください。近場でやってないという人はそれは仕方がないので新幹線でもなんでも使って観てください。観ろや!!


おわりに

次回作にも大いに期待を持たせてくれる映画でした。
ブロリーが一般的にドラゴンボール映画に求められているものを余すところなく詰め込んだ、あまりにも需要に応えすぎたつよつよ映画だったのでそのハードルは越えられないだろう……と思っていましたが、作風だけでなく3DCG映画という今までにない作りで差別化してきた形です。

でも次回作は是非手描き2D+主題歌でお願いします!! やっぱり2Dが好きだしブロリーの作画も最高だったので!!

今作の意味深な振りからして次回作の主人公はやっぱりベジータだったりしますかね? ベジータが大きくスポットされる場面は原作から今まで何度もありましたが、ベジータ主役の映画というのは一本もないのでここらで是非やってほしいです。

そんな期待をしながら冒頭に書いた通りスーパーヒーローはまだ3回しか観ていないのですがスーパーヒーロー気持ちよすぎだろ!! ってなってるので、25日に改めて4DXで気持ちよくなろうと思います。それでまた何か発見とか気持ちの変化があったら追記とかするかも。
4DX、初めて体験するけど映画に集中できるのかしら……?(疑念)









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